2010年12月5日「しんぶん赤旗」日曜版掲載の「日曜ワイド」を転載します。



地デジがわからん/このままじゃ“テレビ難民”!?/費用はどれくらい?…Q&Aで答えます



 来年7月24日、アナログ放送が止まり、地上デジタル放送だけになってしまいます。一大事を目前に、「どう準備していいのかわからない」「お金がかかりすぎる」という悲鳴が聞こえてきます。わが家の地デジ対策、どうしたら…。

Q 地デジテレビを買ったほうがいいのか迷っています
A きれいな画面で見たいならテレビを買い替える。今のままで十分という人は地デジチューナーで構いません。

Q 今のテレビのままで地デジ放送を見る方法はありますか
A 地デジチューナーか、地デジチューナー付きのDVDレコーダーなどがあれば、アナログテレビのままで地デジ放送が見られます。UHFアンテナも必要です。すでにUHFアンテナを使用している家では、ほとんどが、そのままで地デジも受信できます。

Q 費用は、それぞれどのくらいかかりますか
A 地デジテレビは32インチで安い物では4万〜6万円のものも見かけます。
 地デジチューナーは、簡易なもので5千円前後からあります。地デジチューナー付きのDVDやブルーレイレコーダーは6万〜8万円くらいでしょうか。
 アンテナは住んでいる地域の電波状況によって異なり、5千〜2万円弱です。さらに工事費が3万円程度かかります。
 電波が強い場所なら、室内やベランダに設置する簡易アンテナでも映ります。価格は1万円前後です。

Q うちにはテレビが3台ありますが、チューナーは何台必要ですか
A テレビの台数分、3台です。

Q BS放送も見られますか
A 安いチューナーだと見られません。BS放送が見られるチューナーは2万円前後です。

Q ビデオテープは見られますか
A 手持ちのビデオデッキを、地デジ対応テレビやチューナーと接続すれば、再生はできます。しかし、予約録画は、操作が非常に煩雑になります。機種によっては録画ができないものもあります。

Q ケーブルテレビのセールスが来たけど…
A ケーブルテレビに加入すると、アナログテレビのままで地デジ放送が見られます。アンテナもいりません。しかし、ほとんどが有料チャンネルとパックになっているため、毎月、数千円の利用料がかかります。初期費用も3万〜5万円です。
 アナログ波は受信できたのに、地デジ波が受信できない地域では、国が加入費用の一部を助成します。

※価格や費用は目安です



9割の世帯が対応済み!?/総務省調査

 総務省は11月24日、地上デジタル放送対応テレビやチューナーなど受信機の世帯普及率が9月時点で90・3%になったと発表しました。
 現状でも約500万世帯が残されていることになります。
 有識者からは、調査に協力的な人だけを対象にした結果で、「実態とかけ離れている」と指摘する声が上がっています。



こんな支援策あります

●簡易チューナーの給付

 生活保護世帯や、市町村民税非課税の障害者で、「NHK受信料全額免除」の適用を受けている世帯は、手続きをすれば、国から地デジチューナー、アンテナ(工事費含む)が給付されます。
 対象者で、受信料免除の適用を受けていない人は、まずNHKに免除申請をします。(申請書は自治体やNHK窓口にあります)
 適用が認められた後、チューナーを申し込みます。締め切りは今年12月28日です。

※来年度からは住民税非課税世帯にもチューナーのみ支給される予定です

●「地デジ専用アンテナキット」の無料貸し出し

 簡易アンテナでも受信可能かどうか電波状況を確認できます。貸出期間は1週間です。(一般家庭用・来年3月まで)

●マンション・アパートへの補助金

 集合住宅の共同受信アンテナの設置やケーブルテレビを引く費用が多大な場合、最大で2分の1が助成されます。申請の締め切りは12月28日。ただし、すでに工事が終了していたり、着手している場合は対象になりません。

※支援策についての詳細は総務省の地デジコールセンター0570(07)0101・助成金相談窓口0570(093)724