日本は格安 談合課徴金

10社合計でも欧米とケタ違い

違反防止へ大幅引上げ必要


 大企業による談合事件やカルテル事件が後を絶ちません。違反企業が課徴金などを国などに支払った金額について、上位10社の合計を比べると、欧州連合(EU)が1436億円(金額決定時の為替レートで換算、以下同じ)、米国が1679億円なのにたいし、日本では126億円にすぎず、国際水準からみるとケタ違いに低い水準になっています。


 公正取引委員会の資料をもとに、おこなった調査で分かりました。

 各国・地域の首位企業をみると、欧州連合(EU)が製薬最大手のロッシュで503億円、米国もロッシュで570億円です。日本の首位は日本セメントで16億円でした。

 なぜ日本の独占禁止法違反で課される課徴金が少ないのでしょうか。日本の大企業製造業では、違反対象商品の売上高にたいして課徴金が6%しかかからないためです。一方、EUでは会社の総売り上げの10%以下の制裁金が課されます。米国でも違反商品の売り上げの15―80%の罰金がかかります。

 日本の課徴金の低さは、公正取引委員会の竹島一彦委員長も「現行では甘すぎる」と認めざるをえません。

 公取委は当初、課徴金を2倍程度に引き上げるとしていました。この原案について、経済協力開発機構(OECD)からも「国際的なコンセンサスにより近づくものであるが、効果的に違反行為を抑止するためにはいまだ低すぎる」(2004年7月の「対日フォローアップ報告書」)との指摘を受けています。

 しかし、政府が今国会に提出している独禁法改定案では、日本経団連の猛反対によって引き上げ幅を圧縮。大企業製造業では10%に値切られてしまいました。