○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 人事院勧告について、最初に人事院総裁に伺います。 今回の人事院勧告は初任給中心に八年ぶりに俸給表が改善をされました。それでも初任給の官民較差は残っている。高校卒、民間が十五万六千四百七十二円に対し、公務の方は3種で十四万百円。民間の大卒十九万五千四十八円に対し、2種が十七万二千二百円、1種が十八万一千二百円。高卒で一万六千円、大卒で二万円前後の較差があるわけで、この改定によっても民間との初任給の較差は依然として解消していないわけですけれども、そういうことで較差が解消していないということを確認したいんですが、いかがですか。 |
○塩川委員 民間において初任給が顕著な伸びがある。今回の改定を行ってもまだ大きな差がある。そういったときに、なぜ今回の改定において若年層の俸給水準を大きく引き上げようとしないのか、その理由をお聞かせください。 |
○塩川委員 いや、官民較差がある、それをどう充てるかというのは内部で調整するわけですけれども、しかし、初任給の差がまだまだ大きくあるということについて改善をすべきときに、やはり公務のカーブというのは公務なりのやり方があるわけですから、そういう点では初任給部分の改善についてもう少し工夫した形でやるということも当然できるんじゃないでしょうか。それなのに、今回のように地域手当に四割強も回すというのはちょっと筋がよくないんじゃないですか。 本来は、大きな差がある、官民較差のある初任給の引き上げという形で対応すべきところなのに、何で地域手当に四割強も回すのか、その理由が非常に理解できないんですけれども、その点、いかがですか。 |
○塩川委員 総合的な判断ということですけれども、較差分は本来俸給の改定に充てられるべきで、過去のをずっと見ましても、その較差分については大半が俸給の改定に充てられてきているわけで、諸手当はごく一部だったわけですから、今回のようなやり方は極めて異例であるわけです。 その上で、先ほど給与構造改革の話がありましたが、二〇〇五年の人事院の給与勧告報告の中では、「今般の給与構造の改革は、俸給表の水準を平均四・八%引き下げる一方で、その引下げ分を原資として、地域手当等の新設等を行おうとするものである。」つまり、地域手当の原資というのは給与構造見直しによるものに基づくとしているわけなのに、今回、本年四月にさかのぼって実施をされる地域手当の〇・五%引き上げの原資というのは給与改定分の官民較差を原資として実施されるわけで、いわば〇五年報告と違うことが行われているということだと思います。 人事院は、配分については組合側の意見も十分聞きながら決めていくと述べていたそうですが、この点について、地域手当の扱いについて労使間で十分な協議が行われたんでしょうか。 |
○塩川委員 協議の最終段階で地域手当にも一部使わせてもらうという話があったそうですけれども、較差分の四割強を超えるようなものというのは、これはやはり労使協議の中でもなかったような異例のことだったというのが実態だと思います。そういう点でも、私は率直に言って、人事院の対応として誠実なものとは言えないということは申し上げたいと思います。そういう点でも、若年層の給与の較差の解消のためにこそ充てるべきだということを改めて申し上げるものです。 その上でもう一点、非常勤職員問題について今回報告が指摘をしました。この人事院の報告が非常勤職員問題に言及したのは初めてのことであります。非常勤職員の深刻な実態とこの是正を求める運動の反映でもあり、前進面と言えると思います。 そこで伺いますが、報告の中で、「非常勤職員の給与の実態の把握に努めるとともに、それぞれの実態に合った適切な給与が支給されるよう、必要な方策について検討していく」と述べておりますが、これはどういうことなのか、どのようなことをするのか、この点についてお示しください。 |
○塩川委員 続けて、報告の中で、「非常勤職員の問題については、民間の状況もみつつ、その位置付け等も含めて検討を行う必要がある」と述べておりますけれども、これはどういうことでしょうか。 |
○塩川委員 そういった検討を行っていく中身として、雇いどめの問題や定員の問題のお話がありましたけれども、この間、例えば朝日新聞などに制度の谷間論みたいな、育児休業の話なんかもありましたが、こういうのも含めて検討していくということでよろしいんでしょうか、その点が一点。 もう一つ、実際、その公務の現場におきますと、常勤の方だけでなくて、非常勤の方がかなりの数いらっしゃる。それに加えて、派遣ですとか請負という形の間接雇用の形態で多くの方が仕事に従事しておられます。そういった非常勤という場合に、直接雇用でない間接雇用のそういった公務における労働の実態ということについても検討を行うとか実態調査を行うとか、そういう考えはないのか。 以上二点について聞かせてください。 |
○塩川委員 非常勤で民間との比較という場合に、今の民間における非常勤の実態も大変深刻なものだということをリアルに見なくちゃいけないということは改めて強調しておかなければいけないと思っております。 その上で、最後に大臣に伺います。 これは、人事院の勧告が出た際に、そのときの安倍総理が、人事院勧告の取り扱いについて、国民の理解が必要だ、その観点から財政状況、経済状況を考慮してよく議論する、結論ありきではないということを述べておられましたけれども、そういう趣旨の指示が例えば第一回の関係閣僚会議において行われたのか、また、新たな福田総理のもとで何らかの指示が出されているのか、その点をお聞かせください。 |
○塩川委員 大臣、人事院の制度を尊重していく、と同時に国民の理解が得られるかどうかということがありましたけれども、労働基本権制約の代替機能という人事院のそういう勧告を受けとめて、この勧告について誠意を持って当たるということが総務大臣としての対応です。 その点について一言伺って、終わりにします。 |
○塩川委員 終わります。ありがとうございました。 |