国会での奮闘をご紹介します
 
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国会での取組み


●166通常国会●
2007年6月15日 経済産業委員会 大型店駆け込み出店/法規制の徹底を要求
 大型小売店の郊外への出店を一部規制する都市計画法の11月30日施行を前に、規制地域に駆け込みで大型店の出店が届け出されている実態を示し、生活環境などに配慮する法の趣旨を徹底することを求めた。

 わたしは、大型店の出店が03年86件、04年88件なのに、改正都市計画法の公布(06年5月)後では11カ月間で106件と駆け込み出店が増加していることを示して規制をするよう求めた。

 その例として、住宅地に囲まれた広島市の三菱重工業工場跡地へのイオンの大型ショッピングセンター出店計画に対して、住環境悪化の懸念がでていることについて、現地調査をふまえて質問した。

 国土交通省の加藤利男官房審議官は、「工場跡地をどう使っていくのか周辺の土地利用との調和も図りながら、見なおしを図っていく。そのときには周辺の意見、関係者などで幅広く議論し、地域の実情にあった都市計画が望ましい」と答えた。

 さらに、大型店の立地に対する事前影響評価による規制を求める中小企業団体の要望について質問。甘利明経済産業相は「消費者、識者の視点も(まちづくり)プランにいれることになっている」と答弁した。
2007年6月8日 経済産業委員会 弁理士法改正案を全会一致で可決/経産省の情報公開是正を要求
 弁理士法改正案が審議され全会一致で可決した。

 弁理士法は、特許や実用新案など知的財産権の出願申請の代理業務等を行う全国7千人余の弁理士の国家資格と業務について定める法律。改正案は、弁理士の資質の向上、責任の明確化と業務範囲の拡大および情報公開制度を柱とするもの。

 わたしは弁理士に関する情報公開のあり方として、現行の経産省の「出願件数上位ランキング」方式では大きな弁理士事務所に仕事を集中加速させかねない懸念を指摘し、ユーザーにとって「有用な情報」となるように是正を要求した。これに対して甘利経産相は「日本弁理士会ともよく相談して、知恵を出したい」と答えた。

 また、大企業の知的財産分野の分社化など最近の傾向をうけ増大する企業内弁理士の業務と補助員のあり方や「名義貸し」禁止に関連して、懲戒制度の問題点についてただした。
2007年6月6日 経済産業委員会 コンビニ、フランチャイズ加盟店のトラブル解消対策を要求
 フランチャイズ事業の本部と加盟店とのトラブルも多くおこっていることをあげ、政府に対策を求めた。

 フランチャイズ事業は、セブン・イレブン、ローソンなどのコンビニをふくむ小売業や外食産業にとどまらず、サービス業でもひろがり、店舗数、売上高ともこの十年のあいだに約1・5倍となっている。その一方で、加盟店が不利な状況におかれるトラブルもひきつづき多くおこっている。

 わたしは、契約前の金銭の支払い・返金の問題、中途解約にともなう違約金など、さまざまなトラブルの事例にふれ、中途解約の際の過剰な違約金にたいして「公序良俗に反する」との判決がだされたことも紹介しながら、「経営不振による中途解約の違約金はやめるべき」と訴え、実態把握を求めた。石毛博行・中小企業庁長官は、「今後の調査の中で検討していく」と答えた。

 さらに、本部が加盟店に対して見切り販売(お弁当や惣菜など賞味期限切れ前の割引販売)の制限する一方で、廃棄処分をさせ収益をあげている不公正取引の問題を批判し、対策を求めた。竹島一彦・公取委員長は「正当な理由がなく制限することは、独禁法上問題ある。中小企業庁と連携しながらPRしていきたい」と回答。

 また、情報開示など現行法で対象とされているのは、小売、飲食関係だけで、サービス業に関しては自主基準しかないことをあげ、「サービス業のフランチャイズ事業についても同等のルールを設けるべき」と迫ると、甘利経済産業大臣は、「指摘はよくわかる。関係省庁で協議しながら検討させていだだきたい」と述べた。
2007年6月1日 経済産業委員会 『競輪』振興会公益法人化/競輪の金、不透明にと追及
 「自転車競技法等の一部改正案」の採決がおこなわれ、自民、公明、民主の賛成多数で可決。日本共産党は反対した。

 同案は、競輪やオートレースの売り上げの一部を、施行者の自治体から交付金として集めている日本自転車振興会(日自振)と日本小型自動車振興会を解散し、新たに設立する公益法人にその業務を引き継がせることや、成年である学生への車券購入を解禁することなどを盛り込んだもの。

 わたしは採決に先立つ質疑で、特殊法人から公益法人になれば、情報公開法の対象外となると指摘。一昨年明らかになった経済産業省の裏金問題など、組織と資金の流れに対する国民不信を払しょくするどころか、さらに「不透明さが増す」ものだと追及した。

 また、経産省が昨年十二月、場外車券売り場の設置に関する省令を改定し、学校や病院から「相当の距離」を有していることを要件としていた距離基準を削除した問題を取り上げた。

 わたしは、栃木県矢板市に計画されている場外車券売り場の例をあげ、県も市も反対しているのに事業者が設置を推進する背景には、これまで地元自治体が反対していても設置を許可してきた経産省の姿勢があると強調。設置許可を出す仕組みを見直し、地元同意を要件とするよう求めた。

 甘利明経済産業相は、「地元の意向を無視して許可を出しているわけではなく、地元理解を確保する原則にしている」と述べた。
2007年5月30日 経済産業委員会 こんろ火災/製品の問題を指摘――メーカー責任を国が認める
 体や物が触れただけで、小形キッチンユニット用電気こんろの飛び出したスイッチのつまみが回り、知らぬ間に電源が入ったことによる火災が多発している問題で質問。経済産業省は、製品自体に問題があると認め、業界を指導していくと表明した。

 電気こんろによる同種火災は、総務省消防庁が把握しているだけで、この12年間に620件にものぼっています。東京消防庁が改修を繰り返し求めるなどの世論に押され、業界もスイッチ操作部の改修をしてきた。ところが、日立などのメーカーや業界団体は「使用者の誤使用・不注意」「製品の欠陥ではない」として責任を回避してきた。

 わたしは、スイッチ操作部の改修を始めて長期間たつのに、いまだに20万台以上も未改修という状況を示して、改修の遅れに事故原因は使用者の側にあるとして自らの責任を認めない事業者の認識の問題があると指摘。国が「製品に起因する事故」と認めているのか、と追及した。経産省の松井英生商務流通審議官は「製品自体に問題あり」と、これまでの業界の見解をくつがえす答弁をして、メーカーの責任を認めた。

 甘利明経産相は、「把握台数を増やし、改修率をあげる作業を指導している」「遅れている事業者には、どういう把握をしているのかをつかみ、指導していく」と答えた。
2007年5月29日 日本・EU議員会議 FTA/EPA、エネルギー政策などで意見交換
FTA/EPA、エネルギー政策などで意見交換/日本・EU議員会議 ドイツのヤルツェンボウスキーさん(欧州人民党グループ)を団長に、オーストリア、チェコ、ルーマニア、英国、ポーランド、イタリア、スペイン、リトアニアなど欧州代表団が来日し、国会内で第28回日本・EU議員会議が開催。

 日本共産党からは、わたしと吉川春子参院議員が参加。第2セッションでは、経済・貿易分野を含む日欧協力について議題に。FTA/EPA、エネルギー政策や近隣政策に関する意見交換がおこなわれ、以下のとおり発言した。

1)域内市場統合、ユーロ圏、そして東方拡大という「深化」と「拡大」の中で、多国籍企業の企業行動を推進力とするグローバリズムのなかでの労働者の権利保護のあり方が問われている。

2)昨年OECDの対日経済報告書(060720発表)。ワーキングプアについて「日本は1980年代の半ばから2000年の間に絶対的貧困の拡大した唯一の加盟国」。一方、「相対的貧困率がOECD諸国で5番目に高いレベルに上昇した」「日本の生産年齢人口における所得格差と相対的貧困はOECD平均を超える水準に拡大」「労働市場の二極化」による、パートや派遣労働者などの「非正規労働者の割合が94年の19%から04年に29%に激増した」「その賃金水準は、常勤の40%に過ぎない」非正規労働について「非正規労働者の低賃金は、企業にとって魅力的なものとなっている理由の一つ」と指摘。

 しかも、医療保険、労災保険、年金保険など社会保険負担を回避するため、派遣とともに「偽装請負」が蔓延。企業が非正規労働者を活用するもう一つの理由は、「雇用の柔軟性の強化」と指摘。要するに「首切り自由」。

3)今日、日本の製造大企業の生産現場で、低賃金・不安定雇用の非正規労働者が拡大。その中に、ブラジル人、中国人、ベトナム人など外国人労働者が急増。労働基準法違反の行為も続発。

 大企業の高収益の背景に、ワーキングプアと呼ばれるような低賃金労働者の存在があることを指摘したい。

4)EU憲法条約批准拒否の背景に「ボルケスタイン指令」 雇用空洞化への懸念
 EU憲法条約、フランス、オランダ国民投票での批准拒否の背景に、欧州委員会の官僚主義への反発との分析。官僚主義の批判に「ボルケスタイン指令」があると聞く。

 EU新加盟国からの労働者の移動には最大7年間の過渡期が設定されたが、「ボルケスタイン指令」によって、サービス労働提供者はサービス会社の自由労働という形で、実質的には労働力の域内自由移動を実行できる。労働力自由移動禁止の抜け穴だとして、“ソーシャルダンピング”との批判。国民の雇用空洞化の懸念につながったと聞く。

 労働者の労働条件切り下げにつながりかねない「労働力の域内自由移動」についてどう対処するのか。

5)EU内格差を大きく上回るアジア諸国間の経済格差
EUの東方拡大にともない、EU域内での経済格差も大きくなっている。しかし、アジアの国々の格差はEU以上に大きい。

 EU原加盟国6カ国(仏・独・伊・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク)の一人当たりGDP(05年)は33,929ドル、日本の33,176ドルと同水準。一方、EU加盟国で一人当たりGDPが最も小さいルーマニア、ブルガリアは、EU原加盟国6カ国平均の9分の1。しかし、日本との比較で中国は20分の1、ベトナムは50分の1。EUに比べて、アジアの場合には極めて大きな格差がある。

 多国籍企業に対し、雇用・労働分野での社会的責任を求めるルールの確立が求められている。

 この私の発言に対し、EU側から「ボルケスタイン指令はソーシャル・ダンピングにあたるものではない」「経済連携において労働分野への配慮は当然求められる」との意見表明があった。
2007年5月23日 経済産業委員会 対「北」禁輸6カ月延長を全会一致で承認
 昨年10月の北朝鮮による核実験実施発表を受けて日本政府が今年4月までおこなった同国からの全品目を輸入禁止とする実施期間を延長した措置を全会一致で承認した。

 今回、承認された延長の措置は、原産地や船積地域が北朝鮮であるすべての貨物に対し輸入を禁止したもの。さらに仲介貿易取引や輸入代金支払いも禁止している。延長期間は10月13日までの半年間。

 わたしは採決に先だって、北朝鮮に対する核や大量破壊兵器関連物資の輸出禁止などを求めた国連安保理による対北朝鮮制裁決議(昨年10月)にもとづいた各国の実施状況を確認した。これまで国連加盟国の三分の一程度の70カ国と一機関(EU)が実施にかんする報告書を提出している。

 そのうえでわたしは、日本政府が日朝平壌宣言にもとづき、拉致や過去の清算を含む二国間の懸案解決と国交正常化のために真剣に努力すると同時に、「この努力を、六カ国協議における朝鮮半島非核化のために課せられた役割への誠実な取り組みと結びつけることが大事だ」と強調した。

 甘利明経産相は「わが国は、ただ圧力をかけるのではなく『対話と圧力』の硬軟合わせ技で対応している。ありとあらゆる手を使って日朝間の問題解決に努力していきたい」と答えた。
2007年5月21日 総務委員会地方公聴会 財政健全化法案の旭川地方公聴会で質問/首長ら「病院・水道に配慮を」と陳述
 北海道旭川市で、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律案」について、総務委員会が地方公聴会を開いた。北海道の山本邦彦副知事、西川将人旭川市長、寺島光一郎乙部町長、石井吉春北海道大学大学院教授が意見を述べ、わたしも質問した。

 陳述人からは、赤字が見えづらかった特別会計も組み入れた財政指標の公表が義務付けられたことから、「わかりやすい指標をオープンにすることで、住民がチェックしやすくなる」と、歓迎する発言が出た。

 同時に、早期健全化基準の策定にあたっては、「地域の実態を踏まえたものに」の声が強く出された。

 わたしが「基準を定めるにあたって考慮してほしい点はどこか」と質問したのに対して、西川氏は上下水道の例を上げ「地方は費用対効果の点で不利だが実施してきている。地方と大都市の差を踏まえて考えてほしい」と述べた。寺島氏は「どうしても病院会計と上下水道会計は地方では永久に黒字にならない。自分たちの努力だけではできない。国や道の施策でやらなければならないところがある。それを踏まえて議論を」と求めた。

 北海道にとって切実なのが地域医療を守ること。山本氏は「財政再建団体であっても医療の確保に責任がある。運営だけでなく、医師・看護師の確保についても国の抜本的な対策を講じてほしい」と述べた。
2007年5月11日 経済産業委員会 外国の核ゴミ日本に/経産省認める
 外国の原発で発生した高レベル放射性廃棄物が日本に持ち込まれている可能性があることが、明らかになった。

 日本がフランスに原発の使用済み核燃料の再処理を委託し、そこで出た高レベル放射性廃棄物が返還されていることについて質問。返還される廃棄物には、軽水炉以外の燃料を起源とするものがあると電力会社の発表文に明記されているが、フランスに再処理を委託したのは軽水炉の燃料だけではないかとただした。

 経産省原子力安全・保安院の広瀬研書院長は、日本はフランスに軽水炉の燃料だけしか委託していないと答え、外国の原発で発生した高レベル放射性廃棄物が日本にもちこまれていることを事実上認めた。

廃棄物処分法「改正」案が可決

 同委員会ではこの日、高レベル放射性廃棄物の処分に関する法律に外国由来のものを加える改正案の質疑と採決をおこない、自民党、民主党、公明党の賛成多数で可決した。

 わたしは、軍事用のものが含まれる可能性があることなどを指摘し、反対するとともに、高レベル放射性廃棄物処分に関しては、「安全を守る立場から懸念が残る。地層処分以外の選択肢も考えるべきだ」と求めた。

東洋町で政府が事実に反する宣伝したことを追及

 前町長が、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設の調査に応募し、4月の町長選で反対派の新町長が誕生。応募を撤回した高知県東洋町で選挙前、計画を推進する政府側が事実に反するビラを配布したことを追及した。

 この質疑の様子が、5月22日付「しんぶん赤旗」の『おはよう・ニュース問答』に掲載
2007年5月9日 経済産業委員会 国の原子力行政/原発検査員や事故隠しの行政処分について質問
原発検査員の大半が関連企業出身/「もたれあい体制は問題」

 国の委託で原子力施設の検査をおこなう原子力安全基盤機構の検査部門で、原発関連の民間企業出身者が大半を占めていることを明らかにし政府の姿勢を追及した。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、同機構の検査業務部に所属する138人のうち、電力会社、原発メーカー、原子力に関係する重電メーカーのOBはそれぞれ8人、20人、53人。ほかに、国からの出向者とOBがそれぞれ11人と9人いて、同機構に直接採用されたのは37人にすぎない。

 わたしは「独自の人材を育成しないで、事業者に依存した検査体制が継続していることは問題だ。国と事業者がもたれあう検査体制では、国民の安心・安全は確保できない」と指摘した。

志賀原発事故隠し/行政処分甘すぎると批判

 北陸電力志賀原発の臨界事故隠し問題で、同社経営陣の責任を不問にし、厳しい処分をしない政府の対応を批判した。

 わたしは、同社の報告書に、事故当時の所長代理が現経営陣の一員であることが記載されていないと指摘したうえで、経産省原子力安全・保安院の調査報告書でも、事故を8年間隠し続けてきた経営陣の責任が言及されていないと批判した。

 また、原発事故として国際原子力機関の評価尺度でレベル2(暫定)の国内では過去最悪のものであること、2002年の東京電力不正事件では「意図的な偽装」で悪質なものとして同社の福島第一原発を1年間停止させたことを指摘。悪質、重大な隠ぺいをおこなった北陸電力にたいしては、これと同様の原子炉の運転停止処分をすべきだと迫った。甘利明経産相は、法にもとづく保安規定の変更命令を出しており、「みせしめのために止めるわけではない」などと述べた。
2007年4月26日 青少年問題特別委員会 児童虐待防止法の改正案/衆院可決
 児童虐待防止法の改正案が、全会一致で可決した。この改正案は、超党派の国会議員有志で構成する「児童虐待防止法見直し勉強会」でまとめたもの。同日開かれた衆院本会議でも可決、参院へ送付された。

 法律案起草にさきだつ質疑で、児童虐待対応の中核である児童相談所などの人員拡充をもとめた。虐待の対応などをおこなう児童福祉司は、現在人口5万〜8万に1人の割合で配置されているが、まだまだ足りない。

 わたしは、法改正をふまえ児童福祉司の増員を求めた。厚生労働省の大谷泰夫雇用均等・児童家庭局長は「人的拡充はさらに重要な課題。今後も検討していきたい」と答弁した。また大谷局長は、児童心理司などその他の専門職員の配置や市町村に設置されている要保護児童地域対策協議会についても、必要に応じて増員や体制の拡充を検討していくと答えた。

 今回の法改正では、児童虐待のおそれがあり、保護者が都道府県知事による2度の出頭命令に応じない場合、子どもの安全確認、安全確保のため家庭裁判所などの令状をもって児童福祉司らが子どもの住居に立ち入ることを認めている。

 わたしは、この令状発行に必要な資料として児童相談所が提出できる資料について質問。大谷局長は、児童相談所の記録や近隣住民からの聞き取り、保育所の記録などを明示。わたしは、近隣住民からの匿名も含めた聞き取り調査が資料に含まれていた場合の扱いについて確認。法務省の菊地洋一司法法制部長は「伝聞証拠であっても、匿名であってもそのことを理由に資料から排除しない」と答弁した。
2007年4月25日 経済産業委員会 中小融資――部分保証では後退/制度の見直しを
 公的に中小企業の信用力を補完し資金調達を円滑にする信用保証制度に「部分保証」を導入しようとしている問題をとりあげた。

 「部分保証」は、これまで融資の全額を保証協会が保証してきたものを、金融機関(20%)と保証協会(80%)とで責任を共有する制度に改めるもの。政府は景気と金融環境が改善したとして、この制度導入を図るとしている。

 わたしは、資本金が1千万円未満の小零細企業では、現在も8.5%が貸し渋りを受けているという調査も示し、保証割合が小さくなることで融資が受けられなくなる問題を指摘。全額保証では金融機関がモラルハザード(倫理欠如)になるという政府の言い分に対し、金融機関の姿勢の問題を中小企業融資の保証制度改悪の口実にするのは筋違いだと批判した。その上で、部分保証の取りやめも含め保証制度の見直しを求めた。

 甘利明経産相は質問には直接答えず、金融機関が本来あるべき中小融資の機能を果たすためのものだと答えた。

 また、保証されない20%部分を損失補てんするなど緩和措置を「国から禁じられている」と自治体が述べているのに対し、石毛博行中小企業庁長官は「禁じているわけではない」としながら、「(部分保証の)制度の趣旨を踏まえた対応をお願いしている」と述べた。
2007年4月25日 経済産業委員会 経産相の町長選「誤解」発言/東洋町民の民意軽視と批判
 高レベル核廃棄物最終処分施設への応募が問われた高知県東洋町長選挙で、応募反対の沢山保太郎氏が7割の得票で当選したことに甘利明経済産業相が、「誤解したまま賛否が諮られると、こういう結果が出る」と発言していたことについて、わたしの質問にたいして、甘利経産相は「私の発言は間違いでない」と開き直った。

 核廃棄物施設をめぐって甘利大臣は、24日の記者会見で「安全性は120%確保されている」とのべる一方、施設応募反対派のチラシを示して「正確な情報が届いていないで判断を下すと正しくない情報に左右される」などと暴言をはいた。

 わたしは、今回の町長選で問われたのは、「巨額な寄付金と引き換えにして核廃棄物施設の引き受け手を募る国の手法そのもの」(高知新聞)で、住民不在で首長が独断で応募でき、受理されるやり方だと指摘し、民意を軽視する甘利大臣の発言を厳しく批判。今回の審判に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだとのべた。
2007年4月18日 経済産業委員会 原発不正問題で参考人質疑/東電報告――国指示と違う記述、虚偽の疑いと指摘
 電力会社の不正問題で、電気事業連合会の勝俣恒久会長(東京電力社長)らを呼び、参考人質疑をおこなった。わたしは東京電力が3月30日に国に提出した報告書には国の指示を意図的に書き換える虚偽がおこなわれた疑いがあると指摘し、勝俣社長に説明を求めた。

 わたしが取り上げたのは、今回東京電力がおこなった調査で次々明らかになった検査の不正。2002年には、福島第一原発1号機で原子炉格納容器の検査の不正が明らかになり国から一年間の運転停止を命じられている。

 今回の調査では、02年に国に指示された総点検で明るみに出なかった不正が新たに見つかった。東京電力は今回の報告書で、これについて、02年の調査では「直近の検査記録に限定」したのに対し、「今回は期間を限定せず」おこなったためと書いている。

 わたしは、02年の国の指示は「運転開始から直近の定期検査までの間」となっていたと指摘。国の指示と違うことを書いているのは、02年の調査当時、今回明らかにされたような不正がすでにわかっていたのに報告しなかったことを隠ぺいするためだった疑いがあると追及した。

 勝俣社長は、「確認して報告する」と答えた。

 この日の質疑には、臨界事故を隠ぺいした北陸電力の永原功社長や、水力発電所の取水量改ざんが明らかになった関西電力の森詳介社長、東京電力とともに不正にかかわっていたことが明らかになった日立製作所の庄山悦彦会長が参考人として出席した。
2007年4月11日 経済産業委員会 リストラ支援をサービス業にも拡大/産活法改悪案を自公民賛成で可決
 リストラ・企業再編を減税などで支援する産業活力再生法の改悪案と地方自治体の大企業誘致合戦をひどくし、地域格差を拡大する企業立地促進法案が経済産業委員会で自民、公明、民主の賛成多数で可決された。日本共産党は反対した。

 中小企業地域資源活用法案に日本共産党は賛成した。

 産活法改悪案は、臨時の特別措置法として制定された同法を2016年3月まで延長し、「日本は製造業よりもサービス産業の生産性が低い」などとして、派遣・請負業を含むサービス業に対象を拡大するもの。

 わたしは反対討論で、国のお墨付きでリストラを支援する産活法は、非正規労働者を大量に生み出し、現在の経済・社会の二極化をすすめた中心的法律だと批判し、延長に反対した。

 さらにわたしは、法案の問題点として、薄型テレビ製造大企業など多国籍企業へのさらなる税優遇措置を盛り込んでいることを指摘。法案がかかげる「サービス産業の生産性向上」は違法行為がまん延する派遣・請負業を拡大し、雇用の流動化をもたらすとのべた。

 また、生産性向上を理由にしたチェーン化と大規模化は圧倒的多数の小規模企業の淘汰(とうた)につながり、法がサービス産業に含めている医療、保育分野などで効率とコストが優先されれば国民の安心・安全が掘り崩されると批判した。

厚労省に偽装請負の抜け穴容認の『Q&A』撤回と違法取り締まりを要求

 厚労省のホームページに掲載された請負事業の『Q&A』は、偽装請負の要件に例外を設け、偽装請負の抜け穴づくりを容認するものだとして、政府を追及した。

 この請負事業の『Q&A』関連の記事が、5月27日付「しんぶん赤旗・日曜版」に掲載
2007年4月10日 内閣・経済産業委員会連合審査会 政策金融法案は中小向け融資を削減するものと追及
 政策金融公庫法案についての衆院内閣・経済産業委員会連合審査会で、中小企業金融公庫などの日本政策金融公庫への統廃合で、中小・零細業者への融資が「先に削減ありき」で縮小されていく問題を質問した。

 法案では、2005年11月の経済財政諮問会議での方針を受け、中小企業金融公庫の「一般貸付」の「撤退」の枠組みがつくられてる。

 わたしは、「長期、固定、低利」という「一般貸付」は、日本の中小・零細製造業の資金繰りを支えてきたと述べ、民間金融機関の中小向け貸し出しが縮小するもと、民間で同等のものができるのかただした。

 渡辺喜美行革担当相は、「そうしたたぐいのものは民間でもでている」としながら分野の違う住宅ローンを例にあげ、中小・零細向け融資の具体的な例は示せず、今後の中小向け融資の削減を否定しなかった。

 甘利明経済産業相は、中小・零細企業向け金融の縮小で、融資の「空白」ができる可能性を認め、「空白がないようにきちんと注視して対応する」と答えた。

 わたしは、「先に削減ありき」で再編がすすめられていることに問題があると指摘し、政府の果たすべき中小・零細企業振興に逆行すると批判した。
2007年4月4日 経済産業委員会 産活法は派遣・請負業を支援し非正規拡大と批判
 リストラ・企業再編計画を減税で支援する産業活力再生法の期限を8年延長し、「サービス産業の生産性向上」などとして派遣・請負業へも支援を拡大する問題をとりあげ、「産業活力再生法が非正規雇用を増やすツールとして活用されている」と批判した。

 わたしは、これまで産業活力再生法を適用された松下電器で、計画による松下プラズマディスプレイの立ち上げにともなう新規採用はゼロで、その後も請負労働者などが7割を占めることを指摘。さらに計画に反して、在籍出向者を請負会社に偽装出向させていたことについて経産省がきちんとチェックするよう求めた。

 甘利明経産相は、偽装請負については「ただちに改善することは当然」とし、事業再編計画について「注意を払うべき」とのべた。

 さらにわたしは、キヤノンの場合、生産現場の75%が派遣・請負などの間接雇用となっており、キヤノンの人事部がつくった「コスト面や管理負荷の軽減といったメリットから期間従業員から請負労働者のシフト」をしたという内部文書を示し、これはまさしく甘利経産相が「適当でない」とする「安直に低廉な労働を求める派遣や請負」ではないかと追及した。

 甘利経産相は「印象として非正規がずいぶん多い」とし、企業が働く者の処遇の改善に向けて「しっかりと対処してほしい」とのべた。
2007年3月28日 経済産業委員会 企業立地促進法案――地域経済の活性化にはつながらない
 全国の自治体で行われている補助金による企業誘致制度を取り上た。

 この制度は全国43の道府県で実施されています。補助金引き上げの動きも加速し、大阪・和歌山などでは補助金の上限額が百億円規模にもなっている。

 わたしが過熱する補助金引き上げ競争についてただしたのに対し、甘利明経産相は「正しい地域間競争のやり方ではない」と否定的な見方を示した。

 ところが政府は、大企業誘致による産業集積を図るための「企業立地促進法案」を提案。設備投資減税や立地の規制緩和などが盛り込まれているが、安定した雇用を確保する方針はなく、進出企業の撤退への歯止め策もない。

 誘致企業の実態についてわたしは、大分県にあるキヤノンの工場の例を示した。同工場では従業員のうち約85%が非正規雇用。

 デジタルカメラの生産が急拡大し雇用も増えているが、短期雇用契約の派遣、請負がほとんどで、定住者も少なく、工場の所在する地域の人口は逆に減少している。

 わたしは「不安定雇用ばかりが拡大する大企業の立地促進では地域経済の活性化にはつながらない」と指摘した。
2007年3月16日 衆議院本会議 産活法改悪案の審議入りの本会議で、リストラ・格差を拡大と批判
 安倍内閣が「経済成長戦略大綱」の中心法案と位置付ける産業活力再生法(産活法)改悪案など三法案が衆院本会議で審議入りした。わたしは質問に立ち、労働者と国民生活、中小企業、地域経済に大きな影響を与える法案の問題点をただした。

 産活法は、企業のリストラ計画を政府が認定し、減税などで支援する世界にまれな制度。99年の法制定以来、約10万人の人減らしで1千億円もの減税がおこなわれた「リストラ促進法」。改悪案は対象を拡大し、期限を8年延長して2016年3月までとしている。

 わたしは、大企業が利益をあげるもとで、貧困と格差が広がっているのは、これまで政府が産活法などでリストラを支援し、労働法制の規制緩和による雇用の流動化と「車の両輪」で企業支援を推し進めてきた結果であると批判。しかし甘利開経済産業相は、政府の政策が「貧困と格差の拡大をもたらしたとは思わない」、雇用の流動化は「生産のフレキシビリティーのために必要」などと、無責任な態度を示した。

 わたしは産活法改悪案の問題として、「人材サービス業」育成をかかげていること、医療、保育といった分野を「サービス産業」と位置付け、効率優先で国民の安心安全を掘り崩しかねないことを指摘。製造業への労働者派遣の禁止を求めた。

 柳沢伯夫厚労相は、労働者派遣の受け入れ期限の廃止を財界が求めていることについて「受け入れ期限を廃止することは適当でない」とのべ、甘利経産相は、中小企業の下請け単価についても「最低賃金がきちんと守られることが必要」と答えた。
2007年2月28日 予算委員会第2分科会 プール事故防止のための国の基準を要求
 昨年8月、埼玉県ふじみ野市・大井プールでおこった事故をふまえ、国の安全基準の策定や対策強化をもとめた。

 わたしは、事故をふまえた排水溝の安全防護柵やポンプ緊急停止ボタンの設置や監視員の資格など、国としてプールの統一した安全基準の設置を要求した。小山亮一・国土交通省大臣官房審議官が「設置管理者におこなう技術的助言」として、プール安全標準指針案をとりまとめており、「適切な管理されるようもとめていきたい」との説明にとどまった。わたしは、「設置者に義務付けとなる法整備が必要。少なくとも事故のおこりやすい流水プール、造波プールについての基準をもつべきだ」と迫り、国の責任についてただした。

 さらに、事故の背景に自治体のコスト削減優先の姿勢や民間への丸投げがあったことを批判し、内閣府の審議会で安全安心を確保するための官の役割が議題となっていることをふれながら、政府の姿勢を追及。菅善偉総務大臣は、「住民の安全安心の確保のために、地方公共団体の判断で条例などおこなうことは大事。指針案をとりまとめしだい、関連省庁と一体になって周知徹底をおこない、2度と痛ましい事故をおこなさないようにしたい」と答弁した。
2007年2月22日 予算委員会 偽装請負を告発/キヤノン労働者が公述
 衆院予算委員会で公聴会が開かれ、4人の公述人が2007年度予算案に対する意見を述べ、一般質疑も行いました。

 公聴会では、栃木県宇都宮市のキヤノン工場で請負労働者として働いている大野秀之氏(キヤノンユニオン・宇都宮支部長)が、同社での偽装請負問題を告発。労働者派遣法の派遣社員を直接雇用にする期間制限を日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)が見直すよう求めていることについて「いつまでも、使い勝手よく、派遣労働のまま、低賃金で派遣企業がなんらの雇用責任も負わず、労働者を使用させろと、まるで奴隷のように働けといわれているように聞こえる」と批判しました。

 政治評論家の森田実氏は「国家と民のバランスが異常をきたしている」と述べ、予算案で庶民にかかわるものが国家の二の次になっていることを批判。「貧しい人が増えているのは事実」とも指摘しました。

 質疑でわたしは、製造業での派遣・請負の形態が企業の技術力を弱めることになる懸念を指摘。トヨタ系自動車部品メーカーの光洋シーリングテクノ(徳島県)で偽装請負を告発し、直接雇用、正社員化をした、たたかいの認識を問いました。大野氏は「労働組合をやって、働く仲間たちの意識もすごく高まり、会社にものを言える組織がどんどんできていけばいいと思っている」と話しました。

 また、「今の政治が貧困と格差を広げているのではないか」と質問。森田氏は「政治は資本主義の暴走に歯止めをかける役割を担っている。役割を果たしていただきたい」と答えました。
2007年2月21日 経済産業委員会 ガス機器安全装置の不具合問題を追及/経産省、96年から認識
 リンナイ製などの開放式ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故をめぐり、経済産業省が1996年に事故原因を把握していたにもかかわらず、具体的対策をとらなかったため、その後の事故を防げなかったことがわかりました。

 同種・類似事故では、不完全燃焼防止装置が作動し燃焼が停止した後、何度も再点火を試みるうちに大量のすすが付着し、不完全燃焼を感知するセンサーが作動しなくなることが指摘されています。わたしは、経済産業省がこの事実をいつの時点で把握したのかとただしました。

 経産省の松井英生商務流通審議官は、1996年に北海道で起きたハーマン製の開放式ガス湯沸かし器の事故を分析した日本ガス機器検査協会の同年9月の報告で認識したと答弁しました。

 わたしは、「安全のための技術基準で付けられた不完全燃焼防止装置が機能しないと同じことではないか。本来対策をとるべきで、放置し、容認してきたことになる」と指摘。99年以降、都市ガス会社や製造メーカーは「再点火防止機能」付きの新機種を販売してきたことを示し、「命にかかわる問題で、事故情報をすべて把握していた経産省が放置してきた責任は重い」と追及しました。

 再点火防止機能の義務づけについて、松井審議官は、2004年の広島県での事故以降に検討を始めたとし、「いまも検討中」と答弁。甘利明経産相は、「安全確保のための対策の取りまとめを急いでいる」と答えました。

ガス機器検査協会への経産官僚天下り/「もたれあい生む」

 さらに、ガス器具の安全性を確保するための「技術基準」への適合性検査などをしている日本ガス機器検査協会に経産省の高級官僚が天下りしていることを明らかにしました。

 同協会は、「安全と信頼」を掲げ、「客観的・中立的な第三者認証機関」というものの、理事16人中理事長を含む3人が経産省の天下りで、残りの大半が都市ガス業界代表です。

 歴代理事長を含む3人の天下り枠は長年つづいており、現在の理事長は元関東通商産業局長。報酬は理事の最高額が支払われた場合、特別手当を含め年約2千万円にもなります。わたしは、「天下りの中で、もたれあいの状況が生まれているのではないか」と追及しました。

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