○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。補正予算に関連する地方交付税法案、質問させていただきます。 今回の内容で、国税五税の減額補正に伴う地方交付税の減額分について、国の一般会計からの加算によって補てんされる、そういう形になっておりますが、これは後年度に繰り延べをされた平成十九年度法定加算の一部を充当するものとなっております。 そこでお尋ねしますが、交付税の総額に加算をされる、この既往の法定加算額自体は地方の財源だと思いますが、その点、確認をさせてください。 |
○塩川委員 交付税の減額分の二千九百九十二億円が実質的に地方の財源で補てんされることになる。これは、本来、地方に配分される交付税総額は、総務、財務両大臣の地方財政対策を経て、地方財政計画で最終的に額が決定をされます。この地方財政計画を策定するのは内閣の責任であり、また、交付税の総額を見積もることも内閣の一員である総務大臣の権限とされておりますから、年度当初の交付税総額の確保は、国の責任によってなされなければならない。ところが、本法案は、交付税減額の実質的な補てんは地方の財源の、いわば交付税の先食いという形で行われており、私は国の責任は果たされていないものであるということを申し上げなければなりません。 その上で、特別交付税について関連して質問をいたします。 昨年の十二月二十五日に、政府は原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策を取りまとめました。その中に、生活困窮者に対する灯油購入費等の助成を行う地方公共団体に対する特別交付税措置というのがあります。新聞でも、灯油の購入費の二分の一を国が補助するかのような、正確でない報道もあったと承知をしておりますけれども、それだけ注目されているということだと思います。 せっかくですから、この特別交付税の措置について、寒冷地云々というのが頭書きであるんですけれども、寒冷地に限定されるものではないというふうに承知をしているんですが、その点、確認で一言。 |
○塩川委員 その点でも、地方自治体がそれぞれの取り組み、生活困窮者に対する灯油代の補助などを行う際に、それに対する特別交付税の措置を行うということであります。 そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、普通交付税は交付税台帳があって、その算出根拠が自治体にわかるようになっておりますけれども、特別交付税の場合は、金額、数字だけが知らされるというふうに承知をしております。なぜこの額になったのか、交付される側の自治体にはわからない。交付税は自治体の共有、固有の財源であり、本来の所有者である地方公共団体に、少なくとも特別交付税の内容がわかるように改善するという措置をとる必要があるのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。 |
○塩川委員 普通交付税、交付税の算定台帳というのは、コピーがありますけれども、具体的にどういう算定方式に基づいて行われるのかわかりやすくなっています。それと同じような形とまではいかないのかもしれないけれども、何らかの形で、金額だけではなくて、それぞれの地方公共団体にしっかり示すことをお考えということでよろしいですね。 |
○塩川委員 そこで、その内訳を明らかにする上でも、この間、特別交付税で措置する経費の算定項目自体がかなりふえているというふうに承知をしております。 そこで伺いますが、この算定経費の算定項目が幾つになっているのか、その推移を、九七年度と〇六年度について、都道府県及び市町村ごとの数字ということで明らかにしていただけますか。 |
○塩川委員 今御答弁ありましたように、都道府県分が百四十八から百七十九というと、三十一項目ふえております。それから、市町村分が二百二十八項目から二百七十項目ということで、四十二項目ふえております。 その上で、それぞれの、九七年度と〇六年度の特別交付税の総額はどうなっているでしょうか、お示しください。 |
○塩川委員 この十年間、算定項目はずっとふえ続ける。それぞれ、事情を勘案して項目そのものはつけ足していくわけですけれども、特別交付税の総額そのものは当然全体の六%に規定されますから、そういう金額でいえば、この十年間をとれば減るという形になっています。 項目はふえても額の総額は減っているということになりますと、一項目当たりの措置が単純に言えば少なくなっているというようなことにもなるわけで、特別交付税で措置したといっても、本当に入っているのかなということを自治体当局の方は思わざるを得ないんじゃないでしょうか。 例えば、今回の生活困窮者に対する灯油代の補助についての特別交付税の措置についても、実際、額として三月にもらった金額はわかるでしょうけれども、その中で、実際に灯油代補助相当のものが特別交付税でどの程度措置されたのかというのはなかなか見えてこないんじゃないでしょうか。 ですから、本当に入っているのかどうかよくわからない、この問題についてはどのように自治体に対して示していくのか、その点についてお考えがあれば、ぜひお聞かせください。 |
○塩川委員 冒頭で御答弁いただきましたけれども、特交で措置されたという額について、その金額がどうなったのかということについては、やはりきちんとした説明があってしかるべきですから、その説明責任を総務省としてきちっと果たすということが求められているわけです。その点で、やはりこの特別交付税の算定項目自体についても見直す必要があるんじゃないのか。 これは古い数字で、関連する論文から拾ったものですけれども、一九八二年度の十二月分の特別交付税の算定対象項目数は、都道府県が三十項目で、市町村が三十九項目でした。それが、今では、十二月分だけとりますと、都道府県が九十一項目と三倍になり、市町村は百六十一項目と四倍にふえているわけです。ですから、算定項目自体はウナギ登りにふえてきているわけですね。 ですから、算定項目がふえるに従って、長年積み上げてきているわけですから、特別な事情と言えない経費、本来普通交付税で措置した方がいいような経費も特交の中に入っているんじゃないのか。これまでも幾つか特交から普通交付税に移行した項目があるということも伺っておりますけれども、この際、現在、合わせれば数百項目に上る特交のそれぞれの算定項目について、きちんと精査をして普通交付税で措置すべきものは措置する、こういう対応というのが改めて必要だと思いますが、その点、伺わせてください。 |
○塩川委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。 |
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 税収の見込み違いに伴う地方交付税の減額が補てんされるのは当然のことであります。問題は、どのような財源を充てられるかであります。 政府提出法案では、国税の減収に伴う交付税の減額二千九百九十二億円は国の一般会計から補てんされるようになっていますが、この二千九百九十二億円は、一昨年の地方財政対策で後年度に先送りされた交付税総額への加算額六千二百五十一億円との間で将来精算されることになっております。したがって、減額分が国の一般会計から補てんされたように見えますが、実態は将来の交付税の先食い、地方への負担転嫁ともいうべきものであります。 交付税法は、毎年度分の交付税総額の見積もりが総務大臣の権限と責任にあること、地方財政計画の策定等が内閣の義務であること等を規定することによって、すべての自治体が、法令に義務づけられた事務事業その他地域住民の福祉を増進するための行政が全国的に一定の水準で実施できるよう、その財源保障を国の責任としております。こうした法の趣旨からすれば、地方財政計画で年度当初見込んだ交付税の総額を確保することは国の責任に属することであり、政府案はこうした法の趣旨に反するものであります。 また、交付税特別会計借入金の償還繰り延べは、計画そのものが昨年つくり直されたばかりだということを考えれば、その計画が最初からつまずく事態になったことについて、財政見通しがどうだったのか、見通しの甘さが問われなければなりません。同時に、安易な計画変更は、交付税特別会計の借入金を縮減することについての総務省の熱意が那辺にあるか、疑問さえ生じるのであります。 最後に、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党三会派共同提出の修正案は、相次ぐ交付税総額の削減のもと、厳しい財政運営を強いられている地方自治体の当座の財源確保の一つの方法であり、起債の上限も税収減に限定されていることから、賛成できるものであることを表明して討論を終わります。 |