<第169回国会 2008年2月19日 総務委員会 第4号>


○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
 大臣所信に対する質疑ということで、まず、地方財政の現状について、総務省、総務大臣の認識について二、三お伺いをしたいと思っております。
 財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が昨年六月の建議で「平成二十年度予算編成の基本的考え方について」を出されていますが、その中で、「地方財政の現状は、交付税特別会計の新規借入金を停止し、国負担分借入金を一般会計承継した一九八四年度と同様である。」との認識を示していますが、この点は、総務省、総務大臣、同様の認識なのか、お伺いします。

○増田国務大臣 今お話ございました一九八四年、これは昭和五十九年度でございますが、それと平成二十年度では、地方財政の状況が今の方がはるかに悪化をしている、こういう認識に立っております。
 例えば、歳出面で、社会保障関係費などの一般行政経費の比率が、今、約二一%から三二%まで高くなったとか、公債費が一一%から一六%、いわゆる義務的経費の割合が高まっています。
 それから、借入金残高も、今御指摘いただきました一九八四年当時は年度末で五十五兆円だったんですけれども、今は、平成二十年度末ということになりますが百九十七兆円と、約三・六倍ですね。ということになっていますから、やはり将来負担となるこうした借入金残高も大幅に累増しているということでございますし、私どもは、やはり総じて財政状況は極めて厳しくなっている、こういうふうに認識をしているわけであります。

○塩川委員 今の方がはるかに悪化をしている、財政制度等審議会の認識との大きな違いがあるというのは、当然のことながら、地方を担う立場からの現状認識だろうと思っております。
 八四年度といえば、地方財政に財源不足が生じた場合に、これまでの交付税特別会計での借入金で補てんする方法をやめて、交付税交付金の特例措置で補てんする方法に変更した年ですけれども、そういう点で、今回の地方財政対策において特別交付金の二千億円というのがありますが、これは、この八四年度で言っている交付税の特別措置とそもそも性格が違うものだと思うんですが、その点を確認させてください。

○久保政府参考人 御指摘ございました昭和五十九年度、これは、当時の交付税特別会計借入金の残高が累増しているということがございまして、地方財政の健全化を図るために、借り入れによる財源不足の補てんを原則として行わないということにした上で、なお、生じる財源不足額に対して交付税の総額の、ただいま御指摘ございましたように、特例措置を講ずるということを当分の間の暫定的な制度として設けております。そして、その措置に基づきまして、昭和五十九年度は、国から一千七百六十億円の総額の増額が行われたということでございます。
 その後、これは委員も御案内のように、財源不足が生じますと、特別会計で借り入れをして、そしてその償還を折半で行うとかいうことをやってきたりいたしまして、そして平成十三年度からは、通常収支の財源不足額につきましては、新たな折半ルール、地方交付税法の附則の四条の三という中で、国、地方が折半して補てんするという措置が定められたわけでございます。
 そこで、平成二十年度、来年度の財源不足額でございますけれども、これは五兆二千四百七十六億円生じるということになってございます。そして、私ども、その補てんにつきましては、まず、財源対策債を増発する、一兆五千億円、そしてさらに、臨時財政対策債につきまして、二兆八千億円発行するといたします。そして、地方交付税法の附則の四条の二の二項と三項によります法定加算、これが約七千億ございます。そして、御指摘がございました特別交付金二千億円、これを加えましてこの収支不足を埋めるということにいたしまして、交付税法の附則の四条の三に基づきます折半ルール、これを適用せずに財源不足が埋められたということにいたしております。
 この特別交付金でございますけれども、これは、恒久的減税によります減収を補てんする制度でございました減税補てん特例交付金というものがございました。これが平成十八年度をもって廃止をされたということがございましたので、それに伴います激変緩和の経過措置として地方特例交付金法の附則に設けました交付金でございまして、御指摘がございました、交付税の総額の特例措置というものとは異なるというふうに考えております。

○塩川委員 重ねて伺いますが、財政制度等審議会の建議には、「当面は、地方税収の増加に伴い、地方財政の状況が引き続き改善することが見込まれる。」とありますけれども、こういう認識については、増田大臣はいかがでしょうか。

○増田国務大臣 財政制度等審議会の方ですけれども、これは昨年の六月にこういう認識を示されたわけですが、まだその昨年の六月の段階では、ぎりぎりでしょうけれども、国税それから地方税とも、いわゆる交付税原資が好調な伸びが見込まれるというその予測のもとで進んでおりましたので、そういうことを前提にこういう認識を示されたのかな、向こうの審議会の方の委員の先生方の認識でありますので、しかし、それをあえて言えばそういうことかなと思うんですが、ただ、そのすぐ後に地方税とか国税の伸びの鈍化ということが出てきているわけですね。
 ですから、もし仮にそうだとしても、この財政制度等審議会の建議で指摘するように、地方税収の増加に伴って、「地方財政の状況が引き続き改善することが見込まれる。」そういう状況では決して、言えない、言いがたい、こういう認識に今立っているところであります。

○塩川委員 昨年の六月の財政制度等審議会の認識というか考え方というのが、自治体間の財政力格差の是正の方法というのを、地方交付税を通じた国から地方への垂直的な調整によって行う、こういうやり方というのを、自治体間の水平的な財政調整、こういう方法に転換しようとするものを目指すものじゃないのか、そういう立場での現状認識というのが財政制度等審議会の建議にあらわれているんだろうと思っております。
 そういう点でも、今、総務大臣、総務省の現状認識を伺いました。そういう中身を踏まえて、今後の法案審議の中で、この点を踏まえた議論を進めていきたいと思っています。
 次に、運輸事業振興助成交付金に関連して質問をいたします。
 自治事務次官名で昭和五十一年に、運輸事業振興助成交付金の交付についてという通達が各都道府県知事あてに出されております。この運輸事業振興助成交付金制度の設立の趣旨とその内容について説明をいただきたいと思います。

○河野政府参考人 運輸事業振興助成交付金制度の趣旨と内容でございます。
 昭和五十一年度の税制改正におきまして軽油引取税に暫定税率が設けられたわけでございますけれども、それによりまして、税率が一キロリットル当たり一万五千円から一万九千五百円に引き上げられたわけでございます。その際に、営業用のバス及びトラックにつきまして、輸送コストの上昇の抑制等を図る観点から税率の引き上げ幅を低目に抑えるべき、こういう議論がなされたわけでございますけれども、軽油引取税に複数の税率を適用することは課税技術上も困難がございます。
 このために、都道府県におきまして、地方のトラック協会などが行います公益事業に対して交付金を交付することによって輸送コストの上昇の抑制等に資するということといたしまして、運輸事業振興助成交付金の制度が設けられたものでございます。

○塩川委員 地方の公益団体に対する補助金について自治省から通達が出ている、その場合に具体的な補助金の額についての算定根拠を示しているわけですけれども、昭和五十一年に導入をした、つまり、この制度というのは軽油引取税の暫定税率導入とともにスタートしたということになります。
 そこで、昭和五十一年に導入したときのこの交付金の総額はどのような理由で定められたのかをお示しください。

○河野政府参考人 昭和五十一年に運輸事業振興助成交付金制度が設けられた際の総額の考え方でございます。
 この際には、税率の引き上げに伴います軽油引取税の増収分のうちで営業用のバス、トラックに係る負担分の二分の一に相当する額を、公益法人でございますトラック協会などが行う輸送コストの上昇の抑制等に資する公益事業に対して交付する、こういう考え方に基づきまして、約百億円を交付する、こういうことにされたものでございます。

○塩川委員 負担増の二分の一に相当する額ということで百億円というのを枠としてつくったわけですね。その後、国の補助金の一律一割カットなどのときに若干計数を変えましたけれども、昭和六十三年以降に交付金の算定基準を変更したわけです。
 昭和六十三年以降の交付金の総額はどのように算定しているのか、総額の目安はどういうふうにしているのか、その点についてお答えください。

○河野政府参考人 総額の考え方でございますけれども、先ほど申し上げましたように、五十一年度の創設当時、おおむね総額百億円とされていたところでございますけれども、その後、昭和五十四年度の税制改正におきましてさらに税率の引き上げが行われまして、これに対応いたしまして、総額をおおむね二百億円とされたところでございます。
 さらに、昭和五十八年度税制改正におきましては、当時、国の補助金につきまして一割カットの措置がとられておりまして、これと同様に従来の額の一割減、おおむね百八十億円とされたわけでございます。
 その後、平成五年度の税制改正におきまして特例税率がさらに引き上げられたわけでございますけれども、その際には、こうした税率の引き上げの事情、また、地方財政に与える影響でございますとか交付対象となる事業の内容、規模等を勘案した上で、その額をおおむね二百億円とされたところでございます。
 その中で、算定の方式につきまして昭和六十三年度の変更について御指摘がございましたけれども、この際には、総額と算定式で算定した額の乖離を調整しますために、調整値という形で新たに乗じる率を設けるような算定の仕組みの改正も行われているところでございます。

○塩川委員 ですから、国が地方公共団体の公益法人に対する補助金の額の総額を二百億円となるように調整するという形での算定基準を示してきているわけです。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、地方税に関係をして、公益法人に対して一定の算定基準を示して補助金を出すように地方公共団体に通知をしているような事例というのは、この運輸事業振興助成交付金事業以外にあるんでしょうか。

○増田国務大臣 公益法人に対して算定を示して補助金を出すように地方団体に通知しているものは、この運輸事業振興助成交付金のほかにはございません。ないものでございます。

○塩川委員 ですから、国が地方公共団体に対し、この団体に補助金を出しましょうねと自治省が、そういう通達、通知というのはほかには出していないんですよね。だから、極めて特異、異例な制度ということが言えると思います。
 ですから、大臣に重ねて伺いますが、地方の補助金であるにもかかわらず国がその総額の枠づけをしている、しかも自治省が、いわば所管外の業界団体、公益法人への補助金について通達を出している、これは極めておかしいんじゃないかと思いますが、大臣のお考えはいかがですか。

○増田国務大臣 これは、制度ができたときに、関係する、その直接の影響を受けるバスあるいはトラックの関係の皆さん方の御理解をいただく、税制でございますので、負担をしていただく方々の理解の上に成り立たないといけないものですから、そういう皆さん方に御理解をいただく、そして、やはり輸送コストの上昇につながりますので、そういった輸送コストの上昇の抑制をきちんと行うということで、当初決められた。確かに、委員おっしゃるように、極めてまれなものであると私も思いますが、そういう経緯からこれができ上がっているもの、こういうふうに理解しています。
 そして、それが国でやらなければいけないのかどうかということもあるわけでございますが、バス、トラック、広域で動いていく団体でございますけれども、そうした中で、交付対象となる事業の内容ですとか規模というものをよく勘案して全体の額を決めていく必要がある。当初はトラックターミナルの整備等に使われておったようで、最近はちょっと変わってきているようですが、そういう事業内容を見ながら、一方で、地方財政に与える影響というものもございますので、そうしたことを把握しながらこの総額を定める必要がある。それから、軽油引取税の税率水準ということもございますので、そうしたことを、この制度の趣旨を踏んだ上で、こうしたことについて国の方で総額を定めて、そして各都道府県に対してその方法を示している、こういうふうに理解しております。

○塩川委員 重ねてお聞きしますけれども、それぞれの公益法人はそれぞれの都道府県に対応してあるわけです。その公益法人に対してその都道府県が補助金を出すということについて、何で国がその総額まで決める必要があるのか、そもそも今の時代に合わないんじゃないのか、そこを聞いているんですけれども、改めて、いかがですか。

○増田国務大臣 確かに、それぞれの都道府県が出している交付金でございますので、それぞれの都道府県の判断というものもあって、尊重しなければならない、こういうふうに思いますけれども、こうした税の創設された趣旨から、一方で、負担をしているバス、トラックの関係の皆さん方の理解も得るという必要もあるものですから、そうした中で、その皆さん方の全体としての事業の内容ということについて、今申し上げましたとおり、交付対象となるような事業の内容ですとかそれから規模というものについて、全体として国の方で一定の基準となるものをお示ししている。その中には地方財政に与える影響といったものも含めて勘案しているわけですが、そういうことになりますと、どうしても、各都道府県というよりは国の方で一つの基準をお示しするということの方が効果が出る、こういう考え方だと思います。

○塩川委員 枠組みの問題を議論しているわけで、大臣所信でも、地方の自由度の拡大、あるいは地方に対する枠づけの大幅な見直しということを表明されておられるわけです。ですから、地方の自主的な財源の使い方に国が口を挟むような制度については、これは必要な見直しを行うべきだ。改めてお聞きしたい。

○増田国務大臣 それぞれの納税者といいましょうか、バス、トラックを運行している皆さん方の、納税者の理解を得るということが、この場合優先をされているということでございまして、そうしたことを踏まえた上でこの制度ができ上がっている、こういうことかと存じております。

○塩川委員 おかしいと思うのは、この昭和五十一年の自治事務次官名の通達において交付金の対象事業も示されているわけですが、その中には、地方のバスやトラックの事業者から全国組織の公益法人に対する出捐、お金を出すということをわざわざ挙げているわけですけれども、例えばトラック協会の場合でいえば全日本トラック協会になるわけですけれども、その全日本トラック協会に、事務局の役員の中に役所からの天下りがあるという問題が出てまいります。
 そこで、国交省の御担当の松島副大臣にお伺いいたしますが、現在の全ト協におきまして、理事長、専務理事、常務理事ポスト、七人ぐらいだと思いますけれども、そのうち中央官庁からOBの方がどこのポストに何人いるのか、省庁別にお示しいただけますか。

○松島副大臣 塩川委員がおっしゃいましたように、全日本トラック協会には常勤の役員が七名いらっしゃいます。理事長以下七人いらっしゃるんですが、その中で国家公務員出身者は五人であります。五人でございまして、そのうちの三人が国土交通省あるいは旧運輸省の出身、あと二人が警察庁と旧自治省の出身でございます。
 どういう人かといいますと、理事長につきましては、元海上保安庁次長でございます。ただ、自動車交通局の審議官も経験しております。専務理事は元運輸省の近畿運輸局次長です。常務理事が三人おられて、それぞれ、運輸省出身者は最終の官職が自動車交通局保障課再保険業務室長、この道のプロでございます。そして、警察御出身の方が警察庁九州管区警察局長。さらに、旧自治省出身の方が自治大臣官房付参事官の方、そういう構成になっております。

○塩川委員 事務局の役員のポスト七人中五人が天下りということで、事務局の中枢に官庁OBの方がいらっしゃるわけですが、暫定税率の導入が昭和五十一年です。この理事長職に旧運輸省からの天下りが始まった、旧運輸省から天下りで理事長につき始めたのが昭和の五十年です。つまり、暫定税率と前後をして、それ以降ずっと理事長職は旧運輸省。若干おくれますけれども、専務理事についても二代にわたって旧運輸省ということになっておりますし、常務理事五つのポストのうちの三つが旧運輸省と警察庁とそれから旧自治省ということになっております。
 これはやはり、襟を正す上でも見直しが必要じゃないかと率直に思うんですが、松島副大臣、いかがでしょうか。

○松島副大臣 それが正しいかどうかは全日本トラック協会が決められる問題だと思っております。
 このような構成になっておりますが、もう塩川委員も御承知のように、トラック業界というのは我が国の物流の基盤的な、中心的な業界でございます。と同時に、中小企業が多いとか、環境問題をいろいろ抱えていたり、安全対策を抱えていたり、そういう特徴があるところでございます。そういうことを踏まえた上で、全日本トラック協会さんがこの三つの役所から人材を求めてもらえるんだ、そのように解釈しております。

○塩川委員 三つの役所ということで、私は天下りそのものは問題があると思っておりますけれども、そういう専門家の方などを受け入れるという点で、例えば旧運輸省の方というのは事情もあるでしょう、警察庁の方も何らかの御縁もあるんでしょう。旧自治省というのはどういう御縁があるんでしょうか。それを一言答えていただけますか。

○松島副大臣 それは全日本トラック協会が考えることでございますから、国土交通省が云々と申し上げる筋のことではないと思っております。

○塩川委員 そこで、天下りの方の一覧表をいただいたんですけれども、常務理事ポストの一つが自治省の方になっております。それは、現在いるということだけではなくて、八代にわたって旧自治省の方が常務理事職についている。いつからついているかというと、暫定税率の導入が昭和の五十一年であります。旧自治省の天下りが始まったのが昭和の五十二年であります。暫定税率の導入で今紹介したような制度ができたのを機に始まっている。
 ですから、国が、地方の補助金について総枠を決めるという通達を、事務次官名で所管外の公益法人への補助金ということで出すわけですね。そういう中身というのは、これはあり方としてゆがんでいるんじゃないでしょうか。増田大臣、いかがですか。

○増田国務大臣 私ども、総務省といいましょうか、当時のあれからいいますと旧自治省といいましょうか、そちらの方から見ても、通常ですと、所管法人とか所管外法人という言い方をしますけれども、いわゆる所管外法人ということになるので、ちょっと私も今お話を聞きまして、にわかに、どういう経緯でそういう形になっているのか、あるいは、今御答弁が国交省の方からございましたけれども、そちらの方でどういう人をもらいたいというふうに考えているのかわかりませんけれども、やはりそのあたり、公益法人側の人の話を聞いてみないと判断がつかないということでございます。

○塩川委員 担当の大臣がにわかに事情としてはよくわからないと言われるぐらい縁がないような関係にあるわけですね。(発言する者あり)今ありましたけれども、縁があってというところもさらに癒着を生むわけですから問題ですけれども、そういう点の枠組み自身が本当に不可思議なわけです。
 先ほど言いましたように、昭和五十一年に、暫定税率導入に合わせて運輸事業の振興助成交付金というのがスタートをするわけですけれども、その時期に合わせてこの天下りのポストが持たれた。これは、まさにみずからが補助金を確保したという実績を持って天下ってきているんじゃないのかと疑われても仕方がありません。
 そういう関係について、襟を正すという点でも、旧自治省、総務省からもう行かないということを示すことが国民の信頼を得る一番の道じゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

○増田国務大臣 公益法人ですと、通常ですと、私が大臣になったりしまして、いろいろあちこちでお会いしたりすることがございますけれども、今の関係の公益法人の理事長さんと全くお会いしたことはございませんし、そちらの方の理事長さんがどうお考えになってこういう人材を求めているかということがにわかに判断がつきません。
 それで、実は、この問題について、公益法人についての御質問があるということで、中身の様子などもちょっと私も事務方の方から聞かせてもらいましたけれども、ずっと続いている、そういう現前の事実があるわけですね。
 ですから、このあたりは私の方でも、何か事情があるんだろうと思いますし、もっとよく調べてみたいというふうに思います。(発言する者あり)

○塩川委員 そういう御指摘もありますし、きっぱりこれを断ち切ることが国民の不信を払拭する一番の道だということを申し上げたい。
 ですから、今の現状というのは、天下りの指定席をつくるためのものじゃないのか、こういうことを疑わざるを得ないわけで、暫定税率の維持は天下りのポストを確保するためだ、こういうことを言われても仕方がないということが問われてまいります。
 加えて、政治献金の問題があります。
 これは毎日新聞も指摘をしておりますが、私の調査でも、〇六年には、全ト協副会長が代表を務める政治団体、道路運送経営研究会にはパーティー名目で兵庫県トラック協会から四百五十万、北海道トラック協会から百四十七万の資金が寄せられて、その道路運送経営研究会から、自民党の政治団体、国民政治協会に、五百万円の寄附も支払われているわけです。
 ですから、税金が投入をされている公益法人からの政治資金提供というのは、これはもうきっぱりとやめると言うことこそ、国民の不信を解消する道だ。その点について、政治資金を所管される増田大臣と、この公益法人所管の松島副大臣にお答えいただきたいと思います。

○増田国務大臣 済みません。ちょっと政治資金の方、正直なところ、選挙部の方に聞いてこなかったものですから。
 もし仮にそういう話があるとしても、政治資金規正法上何か問題があるのであれば、私の方に当然報告があるでしょうから、政治資金規正法上は適正な処理がなされているんだろうというふうに思いますが、どういう形のものがあるのか、担当官の方に聞いておきたいというふうに思います。

○松島副大臣 今、塩川委員の御指摘の問題につきましては、国土交通省としてコメントする立場でございませんけれども、しかしながら、一応全日本トラック協会に聞きましたところ、このような政治献金については、今おっしゃったように、トラック協会とは別の組織である道路運送経営研究会が、その会員から寄附を集めて、そして政治資金規正法に基づいて献金を行っているということでございます。別に、交付金が即寄附に行っているとか何とかに行っているものでは全くございません。

○塩川委員 役員がつくる政治団体から行っているわけですから、そういう点でやはり疑念というのは抱かれるわけで、これはきっぱりとやめると、自民党の政治家としてもお答えいただきたかったというのを率直に申し上げて、この問題についても天下りをきっぱりとやめるということと、政治献金についてはもうきっぱりとなくすという上で、道路特定財源の一般財源化、暫定税率はなくすということが国民の声にこたえるものだということを述べて、質問を終わります。