○塩川委員 続けて、この間、地デジ移行に伴う諸問題を取り上げてまいりましたが、関連して何点かお伺いをしたいと思っております。 葉っぱビジネスで有名な徳島県の上勝町がございます。私も行ってまいりました。総務省の加入者系光ファイバ網設備整備事業を活用しまして、ブロードバンド環境の整備を進め、地域情報化基盤整備事業を進めているということでした。インターネットサービスやIP電話やケーブルテレビ、また、行政情報番組の提供を行っているとのことであります。現在、上勝町では、これらのサービスを一括して受ける利用料金の設定を行っております。 そこで、総務省に伺います。 この加入者系光ファイバ網設備整備事業、これまで十八件の採択があると承知をしておりますけれども、その交付の自治体の中には、例えば岡山市、合併をした旧建部町などのように、利用料金の設定におきまして、ブロードバンド利用の場合とケーブルテレビのみの利用の場合のような、複数の料金設定を行っているところがあると承知をしています。 こういう事例というのは、この補助金の支出の趣旨に反するものではないと考えますが、その点についてのお考えをお聞かせください。 |
○塩川委員 上勝町の住民の方から、ブロードバンドの利用とケーブルテレビのみの利用の二階建ての料金設定をしてほしいという要望も出されております。 ここで、総務の調査室につくっていただきました、加入者系光ファイバ網設備整備事業を利用しております自治体についての利用料などの負担状況についての資料がございます。 十八件の二十の自治体がございますが、この中でブロードバンドの加入世帯率を見ますと、全体、単純平均で三七・三%ぐらいなんですね。そういう中で、上勝町をとりますと、八六%と高い水準になっております。もちろん、ブロードバンドを利用しようという方が多いということにもなるわけですけれども、実際、少なくない方の声として、役場から、二〇一一年になるとテレビが映らなくなるから今のうちに光に入れ入れ、こういうふうに言われたという声があるのも実際であります。 この事業が進む中で、ケーブルテレビが視聴できるサービスを受けられるようになると、今まで自主共聴組合が行っていたテレビの視聴について、自主共聴組合を解散してケーブルテレビを利用しよう、つまりインターネットの方に接続しようという声が組合として出てくるわけですね。しかし、二十人の組合の二十人が全員、ではブロードバンドに加入しようかといったら、必ずしもそうではなくて、うちは別にインターネットは使わない、テレビだけ見られればいいんだという声の方もいらっしゃるわけです。そういう方の中には、利用もしないインターネットの料金まで取られるのは納得がいかないという形で、自主共聴組合は解散をし、ブロードバンドに接続も加入もしないという事態の中で、現時点でアナログのテレビが見られなくなるという状況なども生まれているということをお聞きしました。ですから、個々にアンテナを立てて、映りが悪いのですけれども現行のアナログの電波を受信する、そういうことなんかも行われているという話を聞いております。 ですから、現時点で、アナログ放送のもとで現行進んでいる事態がテレビ難民を生み出すような状況になっているということがあります。ですから、やはりこの上勝町の話を例に挙げても、再送信のみのケーブルテレビ利用料を設定するなど、テレビ難民を生み出さない、地デジ移行に対応したきめ細かい対応が求められます。 そこで、大臣に一言いただきたいのですけれども、地デジ対応ということであれば、とにかく光ファイバーを敷設してブロードバンドの環境整備だという中で、ケーブルテレビによって地デジ対応するというやり方ばかりではなくて、住民負担を軽減する、例えば共聴施設の地デジ対応というやり方もある。 いずれにせよ、住民の皆さんの要望に即して、地デジ移行ということであれば、住民負担が少ない方向で対応することが必要なんじゃないのか。そういった住民負担が少なくなるような地デジ移行の対応策について周知をしていくこと、対応策をとることが総務省として求められていると思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。 |
○塩川委員 東京新聞でも、山梨県の上野原市の事例などの紹介がありました。こういった形で、この前の電波法改正で新たな補助のスキームをつくったわけですから、そういうのも含めて、やはり住民負担をいかに軽減していくのかという立場での対応を改めて求めて、質問を終わります。 |