○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 独立行政法人統計センターを非公務員化にする法案について質問をいたします。 最初、大臣に伺いますが、この統計センターを非公務員化することのメリットについてお答えいただけますでしょうか。 |
○塩川委員 要するに、公務員並びを外すことによって採用ですとか勤務形態の柔軟化をという話でしょうけれども、逢坂委員の資料がいいのでちょっと拝借しながらお聞きします。このメリットというところで「柔軟な職員採用」ですとか「大学・研究機関等との人事交流が可能」というのがありますが、現行でも民間からの採用のシステムというのは、人事院としての採用試験だけではなくて、選考採用もありますし、任期付の職員法とか任期付の研究員法もあるわけですね。ですから、こういう枠組みを使えば当然対応することもできるんじゃないかと思うわけです。 要するに、独自にやるとなったら採用試験などのコストもかかるわけで、そこはどれだけメリットになるのか、それが率直に言ってわからないんですけれども、その点、いかがですか。 |
○塩川委員 専門性のある人材を確保するという必要性があるというお話ですけれども、百人、二百人を採るわけじゃないですよね、そもそも九百人もいないような組織の中で。 その点、何人とかというのは想定があるんですか。 |
○塩川委員 要するに、年間数名になるかならないかのようなそういう専門性のあるスタッフを確保するために非公務員化するというのがメリットだというお話になるわけです。 一方で、非公務員化についてのデメリット、懸念される点というのもあるんだと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えですか。 |
○塩川委員 この非公務員化の議論の中で、昨年九月十二日の総務省の統計センター整理合理化案の中で、公平性、中立性の確保という点での検討が必要だということを申し上げているんだと思います。 統計センターでは、消費者物価指数、完全失業率、家計消費支出等の我が国の金融市場や経済活動に直接影響を与え、又はその動向を左右する政策判断の基礎となる我が国の主要経済統計を扱うことから、職員における公平性・中立性の確保は、他の一般統計に増して強く要請され、そのあり方如何によっては、我が国の重要統計又は市場に対する国際的な信用問題にもつながるリスクを有している。 という指摘をしているわけですね。ですから、私、これがデメリットだということを考えれば、わずか数人の専門性のあるスタッフを確保する、そのためだけに非公務員化をする理由というのは全くないと考えますが、いかがですか。 |
○塩川委員 今、デメリットを超えるものかどうかというお話はありませんでしたけれども、大学、研究機関との交流というのは、任期付職員法ですとか任期付研究員法も含めて現在も行っているわけですよ。我々は官民交流についてはいろいろ問題があると考えていますけれども、現行のスキームでこの十年来そういうさまざまな運用が行われてきているわけですから、わざわざ新たに設ける理屈というのは、私は全く納得いくものじゃありません。 お聞きしますけれども、諸外国を見ても、国勢調査を初めとして、消費者物価指数や失業率等の各国の基幹的重要統計の製表は、調査を行う行政機関みずからが実施しているのではありませんか。 |
○塩川委員 しかし、日本でも統計局と一体で統計センターが一連の業務として行っている、そこまで含めて出しているような事例というのはないわけですから、そういう諸外国の例を見ても極めて特異なあり方であるわけです。 ですから、今回、そもそも独立行政法人にするという形態そのものが諸外国に見てもないような事例ですけれども、それに加えて、さらに一歩進めて非公務員型にするということではなくて、アウトソーシングをやめて、やはり本来の国の機関に戻すべきだ、独立行政法人でやる場合であっても、中立公正を担保するという点で、統計という個人情報や企業情報を扱う部門であるからこそ、公務員であることが国民の理解を得られる道ではないかと思いますが、その点、どうでしょうか。 |
○塩川委員 秘密保持義務ですとかみなし公務員規定という、公務員同等の責務を負わせなければできないような業務であれば公務員のままでいいわけで、そういう点でも理屈がないということを申し上げなければなりません。 あわせてお聞きしますけれども、統計センターが独立行政法人になることによって、役員体制が変わりました。 そこでお尋ねしますが、総務省の統計センター当時は、指定職、所長が一名ということだと思いますけれども、独立行政法人になって、役員、理事長、理事、監事について、常勤三名、理事長は一名ですね、理事が二名、非常勤は三名、理事が一名、監事が二名という構成になっています。そういう点では、役員も独立行政法人化でふえているわけですけれども、統計局統計センター当時の指定職一名の年収と、独立行政法人になっての役員、常勤、非常勤合わせた人件費の総額をそれぞれ示していただけますか。 |
○塩川委員 独立行政法人になることによって役員の報酬がふえるわけですよ。だから、本来一体としているような業務の中で行われていたものを切り出すために、わざわざ頭に余計な人を乗せなくちゃいけなくなる。職員の方はどんどんどんどん減らす一方だ。こういう組織形態は不合理だと思いますけれども、大臣、いかがですか。 |
○塩川委員 統計局、統計センターの一連の業務で行われていたのをわざわざ分断してやることによって、役員の頭が大きくなっているわけですよ。そんなことをやるんだったら、もとに戻すことによってその頭を取り除けばそれこそ効率化なんだという点でも、今回の非公務員化というのは逆行するものでしかないという点で、私たちは、これはそもそも非公務員化すべきではないし、そもそも国の機関でやるべきだということを申し上げて、質問を終わります。 |