○塩川委員
日本共産党の塩川鉄也でございます。 郵政事業に関して質問をさせていただきます。 最初に西川社長に、地元特産品のふるさと小包、ふるさと産品事業についてお尋ねをいたします。 地域振興にも貢献をしてきましたふるさと産品事業につきまして、民営化によって手数料等が大きく変更されました。今お手元に資料を配付させていただきましたが、郵政会社、郵便局会社からいただいた資料ですが、ふるさと産品の手数料等につきましては、民営化を機会に、これまで中間マージンを取っておりましたポスタルサービスセンターがなくなり、郵便局会社の直営となりました。その際、左側、下の方に、生産者、販売者からポスタルサービスセンターに委託をする際に、以前は販売手数料が七%前後、払込料が百円だったものが、右側、十月一日以降、民営化によって、生産者、販売者は郵便局会社に対し販売手数料が七%から一〇%に上がる、ゆうちょ銀行への払込料が百円から百二十円に上がる、そして、郵便局への配送料、チラシの配送料が、今まで無料だったものが新たに有料となる、配送料の負担がふえるということになりました。 郵政民営化につきましては、民営化でサービスがよくなる、利便の向上、経済の活性化と言われておりましたが、このふるさと産品の手数料等の変更によって、生産者、販売者のメリットというのは何なのか、この点について西川社長にお聞きしたいと思います。 |
○塩川委員 いや、もともと商品の安全性の確保というのは今までやっていなかったのかという話にもなるわけで、このポスタルサービスセンターという、中間マージンを取る組織がなくなったんですから、手数料が上がるどころか下がってもいいくらいだというのが実態で、民営化というのであれば、こういうサービスの向上につながるんじゃないのかというのが本来の国民の皆さんの声、というより、政府が行ってきた民営化のスキームだったのではないでしょうか。これについては、販売手数料が引き上げられるということも含めて、コストがふえるということになったわけです。 売り上げ向上につながるというお話だったわけですけれども、そこで、数字を確認させていただきますが、民営化前の十九年度上期及び民営化後の下期におけるこのふるさと産品の取り扱いの個数、取り扱いの金額はそれぞれ幾らでしょうか。あわせて、それぞれの前年比の数字をお示しください。 |
○塩川委員 今お示しいただきましたように、この料金などが変わる前につきましては前年比一〇〇%という数字でしたけれども、手数料などが大きく変更されて以降は、前年比で六四%、六五%と、三分の二以下に減少しているわけです。売り上げ向上につながるどころか、大きく減少するというのが実態であります。民営化後に三分の二以下に後退をしたというのが実態です。 全国各地からいろいろ声も寄せられて、ふるさとの味発送民営化で危機、民営化により一〇%の販売手数料が新設をされ対応できない食品加工グループが多く、継続が困難になったり販売量の減少を懸念したりするケースが出ている、地域活性化に向けた取り組みに黄信号とか、以前は数人の局員が荷づくり作業を手伝いに来たが民営化後は配送を受け持つ郵便事業会社社員が一人来ただけ、分社化に伴い郵便局会社社員は配送業務に携われなくなったためだ、このように、中国新聞ですとか愛媛新聞など地方紙で、この現状を憂える声が紹介をされております。 重ねて西川社長に伺いますが、生産者にとってはコスト増になる、会社にとっても、結果としてふるさと産品の取扱量が大きく減少したわけで、これで、民営化で掲げておりました利便の向上、経済の活性化と言えるんでしょうか。 |
○塩川委員 ふるさと産品事業が地域経済の振興にも資するものだということだったら、本当に振興にも努めるべきだと考えます。 しかし、現状はこうなったということが、やはり民営・分社化で、ゆうちょ銀行は手数料を上げて、郵便会社の方は、別枠で、今まで無料だったチラシの配送料を徴収する、そして郵便局会社は手数料を引き上げざるを得なくなる、こういう形で、まさに民営・分社化がもたらした利便性の後退なのではないのか、このことが厳しく問われているわけで、民営・分社化によるサービスの後退は明らかだということを指摘しておくものです。 次に、郵政労働者のサービス残業問題について伺います。 二〇〇四年の十一月の総務委員会で、私の質問に対し、当時の生田郵政公社総裁は、サービス残業は経営の恥だ、かなり根気が要ると思うが根絶していきたいと答弁をし、その後、公社は、二〇〇四年十月から十二月のサービス残業の実態調査を行い、二〇〇五年二月の総務委員会での私の質問の際に、五万七千人に対し三十二億円の不払い残業代を支払うことを明らかにしました。郵政公社は、その際に、サービス残業根絶のために実態をよく把握し対応していきたいと答弁をしました。 そこで、数字の確認をさせていただきますが、労働基準監督署から郵政公社、郵政会社に対し行われた是正勧告の件数、〇三年度から〇七年度のそれぞれの件数と、その勧告の内容はどのようなものだったのかをお示しください。 |
○塩川委員〇三年度は十件ということで承知をしております。労基署の勧告の内容については、時間外労働に対して割り増し賃金が支払われていないという中身だと承知をしています。 ですから、〇四年、〇五年で指摘もしたサービス残業について、実際には、〇五年度、〇六年度、〇七年度、それぞれ七件の是正勧告が行われている。引き続きサービス残業が継続をしております。 郵便会社の労働者から、休息、休憩時間も働いている、食事をとってからも働いている、配達区画がふやされても要員不足のまま、それなのに賃金が支払われていない、こういう訴えも聞いております。相変わらずただ働きが蔓延しているという声も寄せられています。 そこで、西川社長にお聞きします。 サービス残業についての西川社長の認識、あわせて、これが現状も引き続いて行われている、このことについての対応策、根絶策についてお聞かせください。 |
○塩川委員 民営・分社化で職場が混乱して、公務としての郵政事業への誇りが失われ、一方で大量の正社員の方が退職をする、他方で非正規の人をふやさざるを得ない、そういう中でサービス残業が蔓延する、こういう、いわば民営・分社化のゆがみこそ是正をされなければいけません。 最後に大臣に伺いますが、政府は、郵政民営化に当たって、サービスは低下をさせないと約束をいたしました。しかしながら、現状が、簡易郵便局の一時閉鎖などの金融サービスの後退や手数料の値上げ、分社化に伴う利用者不便の拡大など、国民、利用者はサービス後退を肌で感じております。 そこで、サービスは低下をさせないというのであれば、郵政会社のサービス状況について政府として検証作業をきちんと行うべきだ、このことを求めたいと思います。いかがでしょうか。 |
○塩川委員 民営化委員会任せでなくて、政府としてのきちんとした検証作業を行うことが国民の要望にこたえるものだということを改めて申し上げて、終わります。 |