○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 法案について質問いたします。 この道路特定財源制度の中でのこの法案、地方の財源の穴埋めをするのは当然のことでありますが、世論調査でも、国民の六割は道路特定財源の一般財源化を支持しておりました。今回の法案では、使途を道路に限定するとなっております。 そこで、大臣に伺いますが、なぜ使途を限定するのか、なぜ一般財源として自由に使えるようにしないのか、その点についてお答えください。 |
○塩川委員 日経新聞の報道なども拝見しても、ことしの四月の時点で、ある県では、道路整備費のほかに、イベントですとか教育ですとかあるいは福祉を含む幅広い行政経費について、一部の執行を留保したということが行われた。ですから、それが現時点でどういうふうになっているかということの実態調査もおありではないと思いますけれども、交付金ですから、福祉にも医療にも教育にも、もちろん道路にも使えるように、充てるようにすればいいわけで、福田総理も一般財源を言ったわけですし、もともと今回の六百五十六億円は色のついていないお金から持ってくるわけですから、例えば地域住民が願う地域の公立病院の維持の費用に充てるとか、そういうことだって可能にする選択肢があってもいいんじゃないですか。いかがでしょうか。 |
○塩川委員 地方の財源の自由度を制約すべきではないということを申し上げたい。 もともと道路建設の予算はこの間ずっと減っていて、地方の単独事業もずっと減っている。しかし、そういう中で国の直轄事業費はふえているわけですよね。それは、道路特定財源の制度というのが高速道路を優先するという仕組みになっている、そういう中で生まれているわけで、高速道路優先の道路政策から、地域の住民に身近な生活道路の維持管理などを中心にした道路政策への転換を求められております。そして、道路特定財源をなくして、国民生活にとって緊急性と優先順位に従って何にでも使える一般財源化を図ることが国民の要求であります。その点で、今回の法案が道路特定財源制度の枠内での措置という点で私どもは同意ができない、このことを申し上げるものであります。 その上で、やはり今の地方の実情というのは深刻であります。そこで、大臣が初閣議後の記者会見で、麻生総理の言葉を紹介されておられるのを拝見いたしました。麻生総理は、去年の福田内閣誕生で無役になって、地方行脚して、地方は疲弊をしている、これを元気にしなければこの国は元気にならないとおっしゃったということですが、では、一体だれが地方を疲弊させたのか、お聞かせください。 |
○塩川委員 一極集中が何か自然に起こったような話をされますけれども、やはりこの間の大都市に資源を集中するような規制緩和政策、これが後に大きな影響を与えたんじゃありませんか。 そのときに、だれが政権を担っていたのか、このことが問われる。まさに麻生総理が、日本経済は全治三年と言いますけれども、では、全治三年にするような大重体に追い込んだときに、政権にいたのは一体だれだったのか。自民党、公明党の皆さんじゃありませんか。その責任こそ問われているんではありませんか。九〇年代の公共事業を積み増しするような国のやり方が地方の借金も膨大にし、その上に、二〇〇〇年代の三位一体改革という名での五兆円の地方交付税の削減というのが大きな影響を与えた。そのことを今大臣も、五兆円の減額というのは大きいということをお認めになったわけですから、その点を行ったのが一体だれかといえば、小泉内閣のときの自民党、公明党の政治であります。 その点では、大臣も記者会見で、この五兆円の地方交付税がボディーブローとしてきいて地方の元気がないというお話をされますけれども、では、この地方の元気を奪う五兆円の地方交付税の削減を行ったときの総務大臣というのは一体どなたでしょうか、お聞かせください。 |
○塩川委員 五兆円の地方交付税削減のときの大臣は、片山大臣と麻生大臣と、それから竹中大臣が最後の方で少しかかわってこられたわけであります。 ですから、小泉内閣の発足以来、麻生総理はいつも中核におられました。まずは自民党の政調会長の任につき、その後総務大臣の任につき、その後外務大臣ということで、小泉内閣の期間は政府と党の要職をずっと務めた方であります。そんな方というのは、麻生さん以外だと竹中さんぐらいしかいませんよ。ですから、小泉内閣の右腕が竹中さんだとすれば、左腕の役割を果たしたのが麻生総理ということになるんじゃありませんか。 地方の元気を奪うような五兆円の削減を行った、そのいわば張本人の一人が麻生総理本人だ。そのことへの反省の言葉が一言もない、このことについてはどのようにお考えですか。 |
○塩川委員 自分は反省したからよろしくという指示を出したわけじゃありませんでしょうから、そういう点でも、反省もなしに具体的に本当に対策がとれるのかというのが、私どもが訴えるところであります。 そこで、大臣も地方交付税の五兆円の削減が非常に大きいとお認めになったわけですから、これをどうするのかということであります。地方団体からは、昨年から地方交付税の復元、増額という要求がある。その点で、来年度、地方交付税の増額、大臣の御決意をお聞かせください。 |
○塩川委員 三位一体改革というのは、結局は地方交付税を削ったということなんですよ。中央の、国の財政再建のために利用されたんだ、これが地方団体の共通の認識だと思いますよ。 だからこそ、改めて復元の増額という要求があるわけで、少なくとも来年度増額をする、昨年、増田大臣が増額ということで、仕組みそのものは何とも問題のあるものではありますけれども、来年度、増額をするという決意として、もう一回言っていただけますか。 |
○塩川委員 先ほどの質疑の中でも、地方税源の移譲の話はあったけれども、地方財源のお話がなかったものですから、改めてその立場で御努力をいただきたいということと、最後に、今、地方経済、中小企業の実態を考えたときに、今のアメリカ発の金融危機というのが日本の実体経済にも大きな影響を与え始めています。 その点で、中小企業金融について、きょうは吉川経済産業副大臣にお越しいただきました。ありがとうございます。具体的な対策について求めたいと思います。それは、中小企業金融の上での信用保証制度、信用補完制度の問題ですけれども、昨年の十月に、この信用補完制度に責任共有制度が導入をされました。これは、これまで融資額の一〇〇%を保証してきたものを、原則八割の部分保証として、残りの二割を金融機関が持とうという仕組みに切りかわったわけであります。 信用補完制度というのは、そもそも、リスクの高さゆえに金融機関からなかなか融資が受けられない中小企業のために、信用保証によってその資金繰りを援助しようという仕組みになっているわけです。信用保証協会が公的な保証人として融資の橋渡しをするものです。 その点で、もともとリスクを負おうとしないのが日本の金融機関でしたから、この二割のリスクを負わせたことによって、信用保証の利用件数が大きく減少しております。〇八年の上半期、前年同期比で見ても、保証件数で全国ベースで九%減、東京などでは一五・四%減、大阪では二四%減と、大きな影響が出ているわけです。 私は、この部分保証、責任共有制度の弊害は明らかだ、だからこそ直ちに責任共有制度を凍結すべきだ、きっぱり廃止をすべきだと思いますが、大臣の御所見をいただきます。副大臣の。 |
○塩川委員 〇二年の、導入の仕組みをつくった法律を変えるときに、当時の平沼大臣は、中小企業向け融資が確保されるような状況になるまでは導入するのは現実的ではないという形で、資金繰りが難しいときに導入するものではないんだと言っていたわけですが、現状では、その資金繰りは深刻になっている。 先日の代表質問で、与党の公明党の太田代表からも、この責任共有制度、これが金融機関の融資姿勢の硬直化を招き、中小企業を直撃している、与党からもこういう批判の声が上がっているわけで、実際には、信用保証協会はいいと言っても、銀行がうんと言わないから信用保証が利用できない。 セーフティーネット保証というのは、いわば転んだときのつえです。一般保証の方は、転ばぬ先のつえですから、こっちの方も使えてこそ初めて中小企業はしっかりと対応できるわけで、今実態が深刻なんだということを、実態調査をきちっとやっていただきたい。実態調査もやって、その上でふさわしい対策を求めたいと思いますが、現状をしっかり把握する、実態調査を行う、この点について、いかがですか。 |
○塩川委員 責任共有制度の凍結、廃止を改めて求めて、質問を終わります。 |
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案に反対の討論を行います。 年度当初見込んだ地方税の減収が補てんされるのは当然のことであります。しかしながら、この法案は、道路特定財源制度の枠内の措置であり、補てんされた財源の使途が道路関係に限定されております。もともと、本法案が必要になったのは、本年度の総予算の審議に当たって、暫定税率の廃止や一般財源化を求める世論を無視して、福田内閣と与党があくまでも暫定税率を強行しようとしたことにあります。こうした経過に思いをいたすなら、その補てんを道路関係に限定することは到底容認できません。 自治体で予算の執行が留保されたのは道路関係だけではありません。福祉や教育の投資的経費や経常的経費の一部も執行が留保されました。補てん財源は、道路だけでなく、福祉や教育にも使えるようにすべきであります。今年度限りとはいえ、道路特定財源を前提として財源補てんは容認できません。 政府は来年度からの道路特定財源の一般財源化を閣議決定していますが、来年度を待つのではなく、この法案から国民の求める道路特定財源の一般財源化に踏み出すべきであることを申し添えて、討論を終わります。 |