○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 郵政株式処分停止法案について質問をいたします。 三年前の郵政民営化の特別委員会でもずっと議論をしてまいりまして、そのときに、何よりも郵政民営化でサービスは維持をする、サービスは向上する、利便性の向上だとさんざん約束をしたわけであります。実態はどうか、その検証こそ必要だ。 その点で、一つ取り上げたいのは総合担務の問題でございますが、郵便局の方が、郵便屋さんが郵便配達時に貯金を預かったり、保険、年金を届けたりする、こういう業務、総合担務がこの郵政民営化に伴って廃止となりました。鳩山大臣も、十一月二十一日の記者会見の場で、なじみの郵便配達をされる方が私の簡保の積立金を持っていってくれる、こういうことができない、こういう話があると述べておられます。 今まで行われていたサービスが行われなくなるんですから、これはサービスの向上どころか後退だと私は思うんですが、この総合担務の廃止によってサービスがよくなったと言えるのか、大臣に率直に伺います。 |
○塩川委員 今までのサービスが提供されなくなる、いいことではない、結果として悪くなっているという事態であります。 金融サービスの問題では、あわせて、この間の株価の下落も反映した投資信託が大きく落ち込むという問題がございます。 そこで、日本郵政に何点かお伺いしますが、この投資信託の基準価額、一万に対して、今幾らぐらいになっているか。十六種類あります投資信託について、下落幅が一番小さいもの、全体下がっていると承知しておりますけれども、下落幅が小さいものと、大きく下落をしている、その数字についてお示しいただけますか。 |
○塩川委員 すべて下がっている中で、いいものでも八千円台、悪いものでは、REITということもあります、三千円台ということです。大きく下落をしておるわけです。 そこで、今、日本郵政、ゆうちょ銀行におきまして、この口座全体の評価損率が一定割合以上の顧客に対しアフターフォローするということを聞いております。評価損率が一定割合以上、私は二割以上、二〇%以上というふうに聞いておりますけれども、そういう顧客というのは、今、投資信託の全口座、五十四万口座というふうに承知していますが、それのうちのどのぐらいの口座数になるのか、お示しください。 |
○塩川委員 この評価損率が一定割合以上にアフターフォローする。今言った二十六万の数というのは、これは二割以上下落ということで承知しておいてよろしいですか。その点だけ確認。 |
○塩川委員 五十四万のうち二十六万ですから、半数の方が二割以上下落をするというのが実態であります。郵便局に預けている方というのは小口の方で、貯蓄性の高いものをということでやっている。そういう方々の中に、結果としてこういった投資信託の運用を通じて下落をするような事態が大きなショックにもつながっている、不安の声も広がっているわけであります。郵便局への信頼を大きく損なう事態にもつながっている。 あわせて、日本郵政の方で今わかれば教えてほしいんですが、簡易郵便局の閉鎖というのも数多いわけですけれども、民営化直前の公社の最後の時点の簡易局の一時閉鎖が幾つで、現時点での簡易局の一時閉鎖が幾つかというその数字、お示しいただけますか。 |
○塩川委員 もう一つの、民営化直前の公社の最後のときには幾つだったか、その数字はわかりますか。 |
○塩川委員 違うんですけれども。つまり、民営化の時点では四百十七なんですが、そのときに、一度に六十八局を閉鎖しているんですよ。ですから、それを差し引きますと、公社の時代の最後というのは、一時閉鎖は三百四十九なんです。それに対して今現在四百十七ということであれば、大きく減少したまま、そういうことは明らかであるわけで、この点でも金融サービスが後退をしている。ATMの撤去や手数料の引き上げなどを初めとして、金融サービスをとりましてもこれだけの大きな後退をしております。 そこで、法案提出者の方にお伺いをしますが、総合担務の廃止や簡易郵便局の閉鎖など、郵政民営化によって金融のユニバーサルサービスが投げ捨てられる結果になっているのではないのか、このことを思うわけですが、お考えをお聞かせください。 |
○塩川委員 サービス向上を掲げた郵政民営化が、現状としてサービスの後退になっているわけですから、見直しが必要なわけで、そういう点でも、郵政株式の売却の凍結というのは何よりも求められている、そのことを述べて、質問を終わります。 |
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 午前中、郵政の株式売却の凍結法案の審議をしました。引き続いて午後におきましても、郵政関連、特に投資信託に関連して質問をいたします。 午前中の中でもこの点について日本郵政からお答えいただきましたが、二割以上下がっている方が全体の半分近くある。そこでもう一点お伺いしたいんですが、その場合、百万円以上の投資信託を購入されている方の中で二割以上の下落の方が二十六万件ということですが、この百万円に満たないような方というのはどのぐらいの件数に上るのか、およそで結構なんですが、教えていただけますか。 |
○塩川委員 その百万円以下の購入者の方のおおよその人数を教えていただきたいのですが。 |
○塩川委員 よろしくお願いします。 そこで、こういう資産運用商品としての投資信託ですけれども、その顧客に対して販売をする際に、顧客の資産がどのぐらいあるかとか、対象とする方についての目安というのはどのようにお考えなんでしょうか。これだけ以上持っている人に対して対象にするとか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいのですが。 |
○塩川委員 三割ルールがあるんだということを承知しているわけですけれども、その点をお聞きしたいのですが、もちろん不動産は除いて、金融資産におきまして、大体そのうちの三割ぐらいを最大の枠として投資信託を購入してもらう、そういうことを内部でルールとされているということをお聞きしているのですが、そのとおりですか。 |
○塩川委員 少ない方についてと大きい方については違うという話ですが、少ない方であっても三割ルールというのが一つ基準としておありだということでは、少ない資産の方においても投資信託の対象とされておられるわけで、実際、購入されている方の六割は六十代以上の方だとお聞きしております。老後の資金として運用されておられる。 そういった方の中で、実際、投資信託を購入された方のお話を幾つかお伺いしました。まさかこうなるとは思わなかった、こういう声に対して、郵便局、ゆうちょ銀行の方が、下がることもあると説明したよねと、こういうふうに言いますと、それはそのとおりだけれどもというやりとりになるわけですが、こんなに下がるとは思わなかったのと聞かれたのに対して、それはそうよ、だって郵便局だものという答えなわけですよね。あるいは、証券会社だったら買っていなかった、郵便局のあなただから買ったんだ、こういう声ですね。 実際、その勧める商品としても、この投資信託のうち野村世界六資産分散投資、これは郵便局独自の商品です、野村が郵便局のためにオリジナルの商品をつくったんですよと言われると、あ、そうなんですか、それだったらという話になるわけですね。つまり、皆さん、郵便局だから信頼して購入している。もちろん、手続上に瑕疵があったと申し上げているわけではない。しかし、郵便局への信頼なしには購入しなかった、これが少なくない方の声だということなんです。 そこで大臣に伺いますが、このように投信を購入された方が、郵便局だから購入したんだ、ほかの勧めだったら買わなかった、こういう声が上がるのはなぜなのか、その点について、お気持ち、お考えをお聞かせいただけますか。 |
○塩川委員 身近な金融機関としての郵便局への信頼があるからだ、国そのものだからということであるわけで、購入される方というのはこれまで要するに郵便局に裏切られたことがないわけですね。ですから、小口貯蓄ですから、元本保証のあるものが大好きな方といいますか、そういった方にしてみれば、投資信託の購入を機会に、率直に言って、利用者が最も大切にしてきた安心の郵便局というサービスが損なわれてしまったのではないのか、この点が今言えることだろうと思っております。 そこで、重ねて伺いますが、〇五年の十月から販売が開始された投資信託ですが、郵政公社の時代に法改正が行われました。投資信託の販売を導入した理由、これは何だったのか、お聞かせください。 |
○塩川委員 その答弁は私の質問に対しての答弁になっていくところですが。 郵便局の収益源の多様化というのも、その麻生大臣の答弁では、民営化を想定しての収益源の多様化と述べておられる。それにあわせて、証券市場の活性化のためという二点が目的でした。 あの当時、〇三年の四月に株価が七千六百円、それを割るかという状況がありましたから、そのときに株価対策として導入されたのが郵政公社での投資信託の導入だったわけです。そういう点では、動機が不純だったんじゃないのかということが問われますし、当然民営化を展望して行われたのが投資信託でもありました。 そこで、民営化後の収益源の多様化のためと言われる投資信託、日本郵政に伺いますが、投信の手数料収入の推移がどうなっているのかを教えていただけますか。 |
○塩川委員 平成十七年度は後期だけですが、二十億、十八年度百二十一億、十九年度、公社と民営会社、通算して百三十五億円、二十年度上期で四十七億円。この手数料の実績というのは、日本郵政としては多いと考えているんでしょうか少ないと考えているんでしょうか、評価について聞かせていただけますか。 |
○塩川委員 新しい収入源として重要だということでは、その点では今郵政会社としては手数料稼ぎに非常に躍起となっている。投信などの金融商品販売というのは、もうかるところに力を入れていくことに当然なりますから、それだったら、結果として、金持ちを相手にすればいいんじゃないのかという話にもなりかねない。 そもそも、あまねく公平にと行われていた郵貯の事業において、資産のある人、お金のある人を対象にこういう事業が進められるということが、結果として、あまねく公平にと言われる金融のユニバーサルサービスそのものを損なうものになっているんじゃないのか、私、率直に思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。 |
○塩川委員 金融のユニバーサルサービスの義務づけが外される、そこにおいても郵貯の性格が変質していくのではないのか、このことがやはり問われてくるだろう。 そもそも官から民への資金の流れというのはアメリカ仕込みで行われてきたわけで、こういった郵政民営化が、本丸、もともとのアメリカ流のカジノ資本主義が破綻をしたときでありますから、こういう官から民への実態を考えたときにも、破綻したモデルに追随をするのか、このことが問われているわけで、その点について一言伺って、終わりにします。 |
○塩川委員 アメリカ流のカジノ資本主義の追随を転換せよということを求めて、質問を終わります。 |