○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 きょうは、子供たちの学業を保障する就学援助について、地方財政との関係で質問させていただきます。 最初に、文部科学省に伺います。 文部科学省は、二〇〇六年の二月に就学援助に関する二つの調査を実施しております。一つ目の、就学援助受給者数の変化の要因等に関するアンケート調査がありますが、そこで文科省にお尋ねしますが、この調査の目的は何か、受給者数の変化の要因、背景は何か、どのようになっているのか、お示しください。 |
○塩川委員 それに加えて、受給者数の変化の要因、背景について、回答数の多かった項目をお示しください。 |
○塩川委員 経済的理由等によって貧困世帯が増加をしている、これが就学援助の受給者数の増加になっているというのがこのときの調査でありました。貧困の拡大が反映をしているわけであります。 続けて文科省に伺いますが、就学援助の準要保護児童生徒数について、九七年度、それから二〇〇四年度、二〇〇五年度、二〇〇七年度は何人となっているのかをお答えください。 |
○塩川委員 お手元に資料をお配りしてありますけれども、準要保護児童生徒数の推移を見ましても、九七年度以降大変増加をしております。それが、二〇〇四年、二〇〇五年ぐらいを機に、その伸びが鈍化をしているわけであります。貧困世帯自体の増加そのものは大変大きなものですけれども、こういう現状となっております。 続けて文科省に伺いますが、市町村が給与しました就学援助の額について、二〇〇四年度、二〇〇五年度、二〇〇七年度が幾らかをお答えください。 |
○塩川委員 貧困世帯が増加している傾向がある中で、市町村が給与した就学援助の額も、伸びが鈍化をしているわけです。貧困世帯が増加しているにもかかわらず、就学援助の受給者、または市町村の就学援助費の伸びが抑えられております。背景には、自治体における就学援助の認定基準が厳しくなって、就学援助対象者が狭められている実態があるのではないかと考えます。 そこで、文科省にお聞きします。 先ほどお答えいただきました、二〇〇六年二月の就学援助調査の二つ目の項目ですけれども、平成十七年度における準要保護児童生徒に係る認定基準等の変更状況調査、その調査の目的は何か、そして、所得基準限度額あるいは率が引き下げられ、または認定要件、対象者が縮小された自治体は幾つなのか、お答えください。 |
○塩川委員 調査の目的にありますように、三位一体改革に伴って準要保護についての国庫補助が廃止をされて一般財源化をされる、それを機に文科省として調査を行った。結果として、これは、切りかえた当初の一年間といいますか、その年の調査でありますけれども、既に百以上の自治体で所得基準など準要保護基準の切り下げの方向で対応が行われていたということがこの調査で明らかとなっております。 〇五年度に準要保護の国庫補助が廃止をされ一般財源化される、それを機に、認定基準が厳しくなり、対象も伸びが抑えられ、支給額の伸びも抑えられるということにつながっていることが見てとれます。 文科省に続けてお聞きしますが、このときの調査以降、同趣旨の調査というのはどうなっておりますか、その中身も含めてお答えください。 |
○塩川委員 重ねて伺いますが、この二十年度の調査というのは、前回、三年前の調査と同趣旨のものなのか、その点の確認が一つ。要するに、認定基準が変更されているという調査と承知をしているわけですが、そうであるならば、十八年度、十九年度の調査というのはなぜ行わないのか、その点をお答えください。 |
○塩川委員 要するに、二十年度だけを切り取ってどういう傾向かといっても、この間の三年、四年の流れの中でどういう変化が生まれたのかというのはわからないわけですよね。つまり、十七年度で変更を行ったというのは前回の調査でわかったとしても、十八年度、十九年度でやった場合には、現状ではわからない。 今の千七百市区町村の中で、実際に準要保護の基準を見直したというのが、先ほど言った、国庫補助の一般財源化をした以降でどうなったかという全体像がわからないんじゃないですか。そういう調査は行わないんですか。その点をお聞かせください。 |
○塩川委員 いや、ですから、現状把握にならないわけですよ。二十年度だけの変化を切り取っただけでは、全体の流れがどうなったかというのはわからないでしょうということを聞いているんです。現状把握として今年度だけの変更を切り取っても、それは全体の特徴をつかむものにはならないんじゃないですかとお聞きしているんですが、いかがですか。 |
○塩川委員 いや、十八年度、十九年度で変更したところは、二十年度でも変更しなければ出てこないわけですよ。そういったことでは全体像がわからないでしょうと言っているわけです。ですから、十八年度、十九年度も含めて調査を行うべきだ、このことを申し上げておきたい。 あと、この二十年度の調査におきましても、回答日は一月の二十九日ということですから、既にお手元にデータをお持ちでしょう。集計結果の取りまとめは少し先なのかもしれませんけれども、大まかな傾向として、どのくらい基準を変更したのか、切り下げ方向に変更したのか、その数を教えていただけますか。 |
○塩川委員 文科省に対しては、抜けている年度についてもきちっと調査をしていただきたいと重ねて要望しておきます。二十年度の調査についても、明らかとなった時点で教えていただきたい。 そこで、総務省にお聞きします。 就学援助に係る地方財政措置額について、二〇〇四年度と二〇〇五年度、二〇〇七年度がどうなっているのか、お答えください。 |
○塩川委員 二〇〇四年度から二〇〇五年度にかけて国庫補助の廃止、一般財源化、それに対応して地方交付税措置が行われています。その数字として今伺ったわけです。 大臣に伺います。 この間の市区町村における就学援助の額は大きくふえているわけですね。しかし、この間、その伸びが鈍化をしている。他方、それに対する地方財政措置というのは大きく変わっていない。その開きが大きくなっているという実態があると思うんですけれども、少なくない自治体において就学援助の支給基準や支給額の引き下げ、抑制が行われているというのは、このような自治体の財政需要に見合った地方財政措置が行われていないからではないのか。どのようにお考えか、お聞かせください。 |
○塩川委員 本会議の大臣の答弁では、自治体において円滑な事業の実施が図られるように、文科省とも協議しながら必要な地方財政措置を講じたい、この点でもなるべく優しく援助すべきと。このなるべく優しくというのはどういう意味なのか。要は、市町村が住民の福祉の増進を図るのにふさわしい地方財政措置をしっかりやってもらいたいというのが私の趣旨でありますけれども、その点についてはいかがですか。 |
○塩川委員 市町村の財政力の違いによって就学援助にばらつきが出る、この点でも経済的理由によって教育上差別されてはならないという立場から考えても、私は、ここはやはり大いに知恵を出すべき、ふさわしい対策をとるべきときだと思います。 大臣自身も、三位一体改革に失敗の部分がある、そういうふうに答弁をされ、これは具体的にどういうことなのかといえば、少なくとも財政力の弱い団体にマイナスの影響があらわれたということをお認めになっているわけですから、その立場で、まさに就学援助を受けるような貧困世帯が多い自治体に結局より大きな負担がかかるような構図となれば、それ自身がさらに基準を引き下げるような悪循環にも陥りかねない、こういう事態こそ改めるためにふさわしい地方財政措置をとるべきだ。そのことについて一言御答弁いただいて、終わります。 |
○塩川委員 交付税の抜本的な増額、復元を求める、このことを改めて強調して、質問を終わります。 |
○塩川委員 日本共産党を代表して、地方交付税法、地方税法等改正案に反対の討論を行います。 まず、地方交付税法等改正案についてであります。 第一に、政府は特別枠で交付税額をふやしたと言いますが、三位一体改革で削減した五兆一千億円の交付税額を復元、増額することにはなっておりません。 今回の雇用対策や公立病院などに対する特別枠は、二年限りの措置などを含んでおり、恒久的、安定的な財源措置ではありません。 地域医療を担う公立病院を再建するために必要な財源は、全く不十分です。地域の実態を無視し、効率化を求める公立病院改革ガイドラインは、直ちに撤回をすべきであります。 また、雇用と景気が深刻化するもとで、例えば就学援助費が急増するなど住民の福祉や教育のために必要な財政需要はますますふえており、交付税の大幅増額が求められています。 国の行う大型公共事業に地方自治体の負担を強いる直轄負担金は、廃止を含め抜本的に見直すべきです。 また、骨太方針二〇〇六に沿って、住民サービスを担うための人件費を初め、必要な経費を厳しく抑制し続けていることは容認できません。これが、地域に必要な単独事業を圧迫し、住民サービスの低下をもたらしているのであります。 鳩山総務大臣は、三位一体改革は失敗だったと認めながら、本法案は、三位一体改革や骨太方針を何ら是正するものではありません。 第二に、地方財政を確保する国の責任が果たされていないことです。 地方交付税法は、ナショナルミニマムを保障するための財源保障を国に義務づけるとともに、財源不足が生じた場合には、交付税率の引き上げを政府と国会に求めています。 財源不足は十四年も連続して続いています。地方の借金で不足額の穴埋めを繰り返すやり方は、もう通用しません。 地方交付税法第六条の三第二項の規定に従って、交付税率を引き上げるときです。今まで一度も使われたことがないというこの規定を、今こそ実施すべきであります。 次に、地方税法等の一部を改正する法律案についてであります。 反対する理由は、大資産家優遇税制を延長、拡充していることです。上場株式等の配当、譲渡益課税は、二〇%から一〇%に減税されたままです。この軽減措置を延長した上、配当所得基準をなくす優遇策は直ちに廃止すべきです。また、固定資産税の負担調整措置は、負担水準が低い土地ほど税の負担を上昇させる仕組みになっています。住民に連続増税を強いる仕組みの延長は、容認することができません。 以上を述べて、反対討論を終わります。 |