給付金財源法案の再議決/塩川議員の反対討論


 4日の衆院本会議で、日本共産党の塩川てつや議員がおこなった「定額給付金の財源確保特例法案」の再議決を求める動議に対する反対討論は次のとおりです。
 政府与党は、参議院で否決された定額給付金の財源法案を三分の二の再議決までして押し通そうとしています。しかし、定額給付金には、いまなお国民の7割から8割が反対しています。

 麻生首相の発言も迷走しています。はじめは「生活対策」だから、受け取る金持ちは「さもしい」とまで言いました。ところが、一転して「景気対策だ」と言って、「金持ちももらって盛大に使ってほしい」と言い出しました。

 何のための給付金なのか、目的が定かでないのは、あなたの発言にハッキリと現れているではありませんか。

 結局、定額給付金の目的が、生活対策でもなく、景気対策でもない、公金を使った選挙対策だということではありませんか。国民は、このことをしっかり見抜いています。

 麻生内閣が迷走するなかで、唯一はっきりしているのは消費税を増税するということです。

 定額給付金と同時に打ち出したのが、2011年度に消費税を増税する計画でした。来年の国会にも消費税増税法案を提出すると明確に答弁したのであります。

 1回限りの給付金のバラマキ後には、何10倍もの消費税増税が待ちかまえている。この点でも国民は断じて納得できません。

 定額給付金の経済効果も大いに疑問です。

 政府は、もともと0・1%しかないGDP(国内総生産)押し上げ効果を、数字を操作して0・2%にみせかけようとしました。まったく姑息(こそく)な水増しです。かつての地域振興券は、その6割が貯蓄に回り経済効果が少なく「天下の愚策」といわれました。同じ過ちを繰り返すだけではありませんか。

 定額給付金は「生活対策」といいますが、ホームレスやネットカフェ難民に給付金が届く保障はありません。

 本当に生活に困っている人々のために2兆円の財源をつかってほしい、これが国民の率置な気持ちです。

 「景気対策」にも「生活対策」にもならない定額給付金はやめるべきであります。

 国民が直画している雇用不安、生活の困窮、いのちと健康さえも維持できない深刻な実態を直視すべきであります。国民を塗炭(とたん)の苦しみに追い込んだ構造改革路線をきっぱりとやめ、雇用確保・社会保障充実、国民のふところをあたためる政治に根本的に転換すべきではありませんか。

 いま政府与党に求められているのは、こうした国民多数の声を反映し、参議院が否決したことを責撃(しんし)にうけとめることであります。衆議院の三分の二の数の力で再議決することは、断じて容認できません。国民の8割が不支持を表明している麻生内閣に、これ以上、政権をまかせるわけにはいきません。

 すみやかに解散総選挙で国民の信を問うことを要求します。