○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 消防法について質問いたします。 最初に、もう一カ月前になりますか、十人の方が亡くなられた群馬県渋川市の高齢者の入所施設「たまゆら」での火災事故について、関連して質問をいたします。 直後に現地にも行きまして、渋川市の関係の方ですとか御近所の方、県の方にも行ってお話を伺ってまいりました。介護を必要とするような方、認知症の方などもいらっしゃる、自力で避難することが困難な方が入所している施設だったわけですが、そこにヘルパーで入っていたような方などのお話でも、入所者がふえると理事長が一つの部屋をベニヤで仕切って二つにして入所者を入れるとか、そんなことも行われていた、火災になったらどうなるのかという心配の声はあったという話などもございました。 施設の設置者、運営者の責任が問われるのは当然ですけれども、同時に、所得が少ない、所得がない、そして介護を必要とする高齢者が入所できるような施設そのものが足りないということが大問題であり、この点でも、医療介護施設を削減して受け入れ施設の不足の原因をつくってきた政府の責任が厳しく問われるということをまず指摘しておくものです。 その上で、消防設備の問題もございます。 四月の政令改正で、自力避難が困難な入所者がいる施設はスプリンクラーや火災報知機などの設置基準が強化をされましたが、地元の消防の方も、年末にも行って状況を見ているわけですけれども、「たまゆら」について対象になるかどうかというのもその時点では明確でなかったということもございました。 いずれにせよ、事業者側にしてみても、資力に乏しい事業者も多いわけですし、なかなかこういう整備が困難な場合もあります。また、小規模な施設では義務づけのないような場合もございます。 そこで、この防火安全対策、火災報知機などの義務づけのないような小規模な社会福祉施設などに対して、例えば火災報知機などを設置するような、防火設備設置の支援策をぜひ具体化すべきではないかと思いますが、お尋ねいたします。 |
○塩川委員 住宅用火災警報器、それが連動して各部屋で、一つで探知した場合には全部屋でという仕組み。その対象となるような社会福祉施設というのは、全国でどのぐらいあるものなんでしょうか。 |
○塩川委員 大臣に伺いますが、こういった資力に乏しいような小規模な施設においても今言った措置というのはぜひやっていただきたいと思いますし、同時に、多数が入所をされるような施設も当然ございます、これは当然義務づけのかかるような施設ですけれども。そういった施設についても、スプリンクラーをつけるにしてもかなりお金もかかりますし、事業者の努力を求めながらも、そこにプラスアルファの支援というのもぜひ具体化を検討いただきたい。 その点について、例えば厚生労働省との協議ですとかの具体化などもぜひ図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 |
○塩川委員 よろしくお願いいたします。 法案に関してですけれども、今回のスキームでは、都道府県に、消防車の搬送・受け入れの実施基準についての協議及び実施基準に基づく傷病者の搬送・受け入れの実施に係る連絡調整を行う協議会の設置を求めております。 医療については、医療法に基づき都道府県の責務がございますが、消防に関しては、都道府県にかかる義務というのはほとんどありません。また、都道府県単位をカバーする消防組織というのは東京消防庁以外にはないわけで、つまりは、市町村単位の消防組合、自治体消防と医療機関との連携強化というのが重要であり、課題だということだと思います。 法案では、実施基準を定める区域として、都道府県の区域と同時に、医療を提供する体制の状況を考慮して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに実施基準を定めることも可能としています。 そこで、お尋ねします。この実施基準の策定区域が、二段階といいますか、二つに類型化されている理由というのは何なのでしょうか。 |
○塩川委員 そうしますと、地域ごとにばらつきもある、そういう点で、地域ごとに実施基準をつくることの方が有効な場合があるということでありますので、その際に、その地域ごとでの実施基準を定めるための協議の場が必要なんじゃないかと思うんです。 今回の法のスキームでは都道府県単位での協議会ですけれども、今言った地域ごとの協議機関というのはどのように考えておられるのかをお尋ねします。 |
○塩川委員 実施基準策定に当たって、地域ごとで自治体消防と医療機関が連携もしているわけですけれども、そういった市町村消防の意見をどのように都道府県の段階で反映していくのか。そういう仕組みとして、今言った分科会の話なんかもあるんでしょうけれども、その他、市町村消防の意見をどのように実施基準策定に反映をしていくのか。その点についての内容をお答えいただけますか。 |
○塩川委員 今、県域を越えての救急搬送の話もございました。 そこで、私も埼玉県の所沢市なものですから、実際、所沢の消防にお話を伺っても、一割二割、都内に搬送する場合というのが当然出てくるわけです。周産期医療などにつきましても、重篤の場合などについては埼玉県内だけではカバーし切れないというのが実態でもあります。埼玉県内で医療を充実していくというところでこの取り組みが求められるのは当然ですけれども、命にかかわるものという点でも、現時点に立った、都県境を越えるような、そういう連携というのも極めて重要であります。 埼玉と東京もずっと東西に接しているのが長いものですから、東の方と西の方ではまた状況も違いますし、また、首都圏全体でもそういった都県境を越えてのいろいろなやりとりというのは多いわけですね。ですから、首都圏全体で、関係の都県の消防と医療整備関係の部局と、あと国の方が集まって、国が音頭をとってそういった協議の場をつくって必要な調整、連携強化を図っていく。そういう取り組みで、ぜひ厚労大臣とあわせて総務大臣の方が音頭をとっていただけないかと思いますが、大臣、その点はいかがでしょうか。 |
○塩川委員 わかりました。 今回のこういった救急搬送についての消防と医療機関の連携というのも、この間の奈良の事例ですとか、あるいは墨東病院の事例などが当然念頭にあり、救急患者のたらい回しをなくすということが基本でございます。そういう点でも消防と医療の連携強化は重要ですが、根本的には救急医療機関の疲弊という現状があるわけで、医師がもう確保できない、どんどんやめていくという実態があるわけです。 私は、率直に、この現状というのは、この間の政府の医師抑制政策、医療費抑制政策というのが根本の要因としてある。医師の不足をつくり出してきた、救急患者のたらい回しを生み出す原因としての政府の医師抑制政策、医療費抑制政策、その点についての責任の認識をぜひ大臣に伺いたいと思いますし、それを踏まえた対応策をどうお考えなのかをお聞かせいただけますか。 |
○塩川委員 医師抑制の閣議決定までした、そのころから、これは問題だという批判もあって、OECDの水準で見ても医師が少ないじゃないかという議論も当然あったということは改めて指摘をしなければいけないと思いますし、この間の医療費抑制も、効率化というだけではなくて、もともと毎年二千二百億円社会保障予算を削るという骨太方針という枠組みで政府として進めたわけですから、これは名実ともに撤回もするし、この間削った一兆六千二百億をもとに戻して社会保障の充実に充てる、こういう政策の転換というのを強く求めて、質問を終わります。 |