○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 住民基本台帳法について質問いたします。 最初に、リンクしています入管法に関して法務省に伺います。 住民基本台帳法の三十条の五十「外国人住民に係る住民票の記載の修正等のための法務大臣からの通知」と対になっている入管法改正案の六十一条の八の二「住民票の記載等に係る通知」の部分についてお尋ねします。 入管法では、政令で定められた一定範囲の住民票情報について、地方自治体に対し、国へ通知することを義務づけております。そこで法務省に伺いますが、地方自治体が国に対して通知をしなければならない住民票情報とは何を指しているのか、お答えください。 |
○塩川委員 外国人の出生や死亡の事実、この変更や、住所の変更あるいは行政区画の変更の場合などに通知をするということですけれども、住民票の記載には、住所にとどまらず、世帯情報や国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、年金、児童手当など、さまざまな情報が含まれているわけです。 世帯情報を初めとして、住民票に記載されている社会保険加入状況や福祉施策の受給状況に関する住民票記載情報というのは、これは将来にわたって国に通知しない、将来にわたって国に通知するものではないということですか。 |
○塩川委員 政令事項ですから聞いているわけですけれども、要するに、今現在定まっているわけじゃないわけですから、その点で、将来にわたってやらないという担保はあるのかということなんです。 |
○塩川委員 必要なものに限定してということに当然なるというお話ですけれども、であれば、それは法文上で書いてもらえばいいわけですよ。政令事項じゃなくて法文上にきちんと、今言った、法務省から市町村に通知をする、それに関連するような情報についての変更情報を提供してもらうというのであれば、はっきり法文上に書けばいいんですけれども、何で書かないんですか。 |
○塩川委員 住民票の情報というのが国に対して提供されるわけですから、その範囲はやはり限定をされることが必要なわけで、その点でも、法文上にはっきり明記する必要があるんだと考えます。 住基法の改正案の三十条の五十では法務大臣から市区町村へ通知する情報というのは具体的に記載をされているわけですから、それに対応するような形で、市区町村から国に対する情報についてもきちっと法文上で明記をするということが必要なんじゃないですか。 |
○塩川委員 ですから、必要のないものという、その必要のないという判断が法務省、国ということですから、法文上で明記されなければ国の判断でその範囲が変わるということであるので、その点について、やはり法文上で明記をすべきだということを申し上げているわけです。政令事項のままでは、国の都合次第で住民票記載情報の通知範囲が無限定に広がりかねないという懸念が生まれるわけです。 住民基本台帳法では、国が氏名や住所、生年月日の情報写しを閲覧しようと思えば、例えば十一条で、事由などを明らかにするなどの請求手続をした上で行うことになりますし、また十二条の二などでは、戸籍の表示についても交付の請求をして初めて得られる情報となっているわけです。国が情報を取得する場合には当然個別の手続が必要とされるわけですが、今回の入管法の改正の場合では、外国人住民については、このような手続さえ国が行わずに自動的に情報収集する仕組みになっている。これは外国人住民だけ情報提供する仕組みを新たにつくるものになる、こういう点が問題になってくるわけです。 そこで、佐藤大臣に伺いますけれども、こういう自動的に外国人住民の情報を国に提供するような仕組みをつくる、これはやはり住民基本台帳法の個人情報保護にもかかわる手続に穴をあけるものになるんじゃありませんか。 |
○塩川委員 今回の入管法が、前提として所属機関からの情報収集の強化を含めて外国人の管理強化を強めるものという枠組みになっているのは重大で、これとリンクした形で住民基本台帳法の改正が行われている。そういう点でも、外国人の管理強化に市町村を組み込むような仕組みになっているという点が重大だと申し上げているわけです。住民基本台帳の個人情報保護のルールを逸脱するような内容を含んでいるものであり、国による外国人情報の収集や一元管理はやめるべきだということを申し上げておくものです。 続けて、外国人住民への行政サービスの基準の問題ですけれども、厚生労働省に伺いますが、住民基本台帳法の改正に伴って、市町村が外国人についても住民として正確な情報を把握して、住民に関する各種行政サービスの適切な提供に利用される基盤を整備するとされております。 そこで、国民健康保険についてお聞きしますけれども、外国人についての現行制度の適用基準はどのようになっているでしょうか。 |
○塩川委員 一年未満については生活の本拠を有するとはとれないというお話でした。 改正案では、ここで外国人住民として規定をされます中長期の在留資格の方という点で変わるわけですけれども、そういう意味でいいますと、この一年という基準は妥当性を欠くと思うんですが、この点、住民基本台帳法が改正をされた場合にどのような対応をされるのかについてお聞かせください。 |
○塩川委員 最後に大臣に伺いますが、このように、外国人住民の方、新たに規定をされた場合に、現行の各種の行政サービスについても見直しが求められてくるわけです。そういったことについて、厚生労働省を初めとして、あるいは文科省など関係府省と連携をとり合って、各種行政サービスに係る基準や条件の見直しということは当然求められてくるわけです。 総務省として、その点について何らかの基準といいますか方向性といいますか、そういうことも示す必要があると考えておりますが、大臣のお考えをお聞かせください。 |
○塩川委員 住民基本台帳法において、やはり外国人住民の方が、一定範囲の方が対象から排除されるという仕組みが入管法とのリンクの中でも生まれてくるわけです。そういう点でも、私たちは、一律に排除するような仕組みというのは改めるべきだということを申し上げたいと思っておりますし、住基法と入管法がリンクしたような形での今回の法改正というのは枠組みとして問題があるというふうに考えております。 そういう意味でも、外国人住民として規定をすること自身は積極面はありながらも、入管法の管理強化の側面と一体となっている、こういう仕組みはやはり見直すべきだということについて、改めて大臣のお考えをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。 |
○塩川委員 終わります。 |