<第171通常国会 2009年06月30日 総務委員会 24号>


○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
 きょうは、JPエクスプレスにおける期間雇用社員の雇用問題について質問をいたします。
 郵便事業会社と日本通運の宅配便事業の統合が行われ、JPエクスプレスが設立をされました。その中で、ゆうパックを扱っている郵便事業会社の期間雇用社員の方に雇用不安が広がっております。
 郵便事業会社は、期間雇用社員に対し、四月にJPエクスプレスの会社概要の説明をし、五月には同社で働くことについての意向確認調査を行ったと承知をしております。
 そこで、日本郵政の方に伺いますが、この意向確認調査を行った期間雇用社員というのは全体で何人に上るんでしょうか。

○伊東参考人 お答えいたします。
 現在、JPEXの行う業務といいますのは、主として都市部を中心とした地域を限定して行うこととしておりますので、そこで働くゆうパックに携わっていると推定される期間雇用社員を対象として行いました。具体的な数は、約十万人強でございます。

○塩川委員 十万人ということであります。
 そこで、重ねて伺いますが、この郵便事業会社からJPエクスプレス、JPEXに契約がえを行う人数というのは何人をお考えでしょうか。

○伊東参考人 お答えいたします。
 まず、JPエクスプレス株式会社で必要な人数のうち、契約社員をどのぐらい予定しているかというのを申し上げますと、八千五百人ぐらいを予定しております。
 既に、JPエクスプレスはこの四月からペリカン便を扱っております。したがいまして、契約社員ですから出向という形ではないんですけれども、そこに日通から移った社員が二千名前後おります。その差になるわけでございますが、この契約社員の数というのは八時間換算で行っておりますので、単純にその数字だけではございません。さらに、集荷をきめ細かにやるために、例えば四時間の方とか六時間の方とか、そういった人たちも必要だというふうに今JPエクスプレスは検討していると聞いております。そうしますと、必要数というのはおよそ一万人近くなるというふうに聞いているところでございます。

○塩川委員 その意向確認調査でJPエクスプレスへの契約がえを希望した期間雇用社員の人数をおおよそ把握されておられると思うんですが、契約がえを希望した期間雇用社員の方のおおよその人数を教えていただけますか。

○伊東参考人 お答えします。
 約九千四百人でございます。

○塩川委員 これまで六カ月の雇用契約期間だった期間雇用社員の方が、このJPエクスプレスにおけるゆうパックの業務開始が八月からだということを理由に、この四月からの雇用契約期間は七月末までの四カ月となっています。仕事そのものは変わっていない。もちろん、会社の異動はあるかもしれませんけれども、仕事の業務量はあるのにもかかわらず、雇用契約期間をそもそも一律に六カ月から四カ月に短縮するというのは極めて不当ではないか、そういう扱いだと率直に思います。
 お考えをお聞かせください。

○伊東参考人 お答えいたします。
 JPエクスプレスへゆうパックの事業を移行するのは十月一日を予定しておりますが、その事前の準備といたしまして、業務を委託し、正社員あるいは期間雇用社員をJPエクスプレスに事前に移すことを考えております。
 これは、総務大臣の認可をいただいた上で私ども行う必要があると思っていますので、いまだ申請もできていない状況ですから具体的な日付を申し上げるわけにはいかないんですけれども、スケジュールを我々の方で検討する過程におきまして、八月以降その準備作業を行おうということを考えたわけでございます。
 したがいまして、その段階で、JPエクスプレスに移って業務を行う人、あるいはそうでない人もおりますけれども、ひとまずどの人が移るのか移らないのか、先ほど申し上げました意向確認をした上でそれを決める必要がありますが、四月の段階ではそこが確定していませんでした。したがいまして、七月末までの四カ月間、雇用期間を定めたものでございます。

○塩川委員 JPエクスプレスに行かない方が大半であるわけで、そういった方も含めて、本来は六カ月間の雇用契約期間を一律に四カ月間に短縮したということ自身が、現場の雇用不安をつくっているわけです。実際、十万人の方に意向確認調査を行ったということを含めて、意向確認調査を行い、雇用契約期間の短縮という形を通じて、期間雇用社員の方の雇用不安を大きく拡大したということは極めて重大だ、このことを申し上げておくものです。
 その上で、ゆうパックを扱う職場では、あなたのやる仕事はないという言い方もされている。具体的に聞きますが、千葉ですけれども、千葉ターミナル、浦安支店、船橋支店におけるゆうパック業務に従事している期間雇用社員数及びJPエクスプレスでそれぞれ必要としている人員数というのは何人ということを示しておられるんでしょうか。

○伊東参考人 お答えいたします。
 今先生御指摘の千葉支店、それから浦安支店は、ともに統括支店といいまして、集中業務を行っております。それらが、今度のJPEXの宅配統合におきまして、その支店を統括支店として、今度はターミナルと呼びますが、使う場合と使わない場合がございます。千葉支店は引き続きターミナルとして使用しますが、浦安支店は使わないことになります。
 したがいまして、現在、今先生御指摘の千葉支店におきましては、約百二十名の期間雇用社員がゆうパックの区分業務に従事しておるわけでございますが、今度は郵便事業会社由来の千葉ターミナルになるわけですけれども、当初八名で計画をしておりました。しかしながら、作業の見直し等を今行っておりまして、この数字はもう少しふえると思っております。
 それから、浦安支店につきましても、現在統括事務を行っているわけでございますが、この支店は、JPエクスプレスがゆうパックを統合した後にターミナルとしての使用は行いません。したがいまして、現在登録している期間雇用社員は三十七名、実際に勤務している職員は約二十名でございますが、この人たちのJPEXへ行く必要数はゼロでございます。
 それから、船橋支店の御指摘がございました。ここでは、ゆうパックの集荷、配達業務に従事している期間雇用社員は約七十五名おります。今度、この郵便会社由来の船橋支店、JPエクスプレスになってでございますが、セールスドライバーというのを置くことにしておりますが、その必要数は当初十九名で予定をしておりますが、これも集荷要員の見直し等を行っておりまして、若干ふえる予定でございます。
 以上でございます。

○塩川委員 千葉支店、千葉ターミナルの場合には百二十名に対し八名プラスアルファ、浦安の場合では二十名がゼロ、船橋の場合では七十五に対して十九プラスアルファということで、結局、示している数を見ると、郵便事業会社のゆうパック業務の従事者数とJPEXの必要人員数に大きな乖離があって、その職場においては、多くの期間雇用社員がいわば余剰人員と受けとめられるような状況を生み出している。そういうことでは、仕事がないことを口実にして雇いどめにするんじゃないのかという懸念の声が広がっているわけです。
 そこで、西川社長に伺います。
 この郵政の職場では、日通由来のJPEXの支店へのあっせんは、人は足りている、あっせんは考えていないとかと言われている。ペリカン便の方では郵便局の人を使わないことになったと会社から説明を受けている期間雇用社員の人もいるわけで、西川社長、引き続き就労を希望する期間雇用社員に対してはしっかりと必ず雇用を確保していただきたい、この点についての御答弁をお願いします。

○西川参考人 お答えいたします。
 宅配便事業統合に当たりましては、社員からの意向確認調書を提出していただいて、可能な限りそれぞれの希望を踏まえた上で対応することといたしておりまして、引き続き郵便事業会社に就労希望の期間雇用社員の方については、同一支店内の他の業務への配置がえや他支店へのあっせんも行っていく予定と承知をいたしております。それでもなお余剰となる場合は、適正な要員配置を行うという観点から、雇用日数や雇用時間の調整はあり得るものと承知しております。
 以上でございます。

○塩川委員 就労を希望する人については、同一支店のほかの業務や他支店へのあっせんを含めて、これは万全を期すということでよろしいですね。その上で、雇用日数や雇用時間の調整を行うこともあり得るというお話でした。
 そこで伺います。
 期間雇用社員の多くは、非正規の仕事であっても、その収入で家計を支えておられるわけです。賃金が減少することへの不安の声が大変多く上がっています。職場の郵産労の労働組合でアンケートをとった中でも、出勤日数が減るのは大変困る、勤務時間が減らされたら困る、正直、現状でも余裕がないので、雇用時間数の調整がされるとまともに生活していけません、こういう声が上がっているわけです。
 会社の収入で生計を立てている期間雇用社員に、このままではやめるしかないと思い込ませるような雇用日数の調整、雇用時間の調整では、要するに、自己都合の退職、やめてくれと言っているような状況になるのじゃないか。そういう点でも、雇用時間の調整というのはやはり行うべきではない。
 この点では、例えば先ほどお話を聞いた千葉の支店などにおいても、日通由来の支店の方では、こういう非正規の方の募集を行っているわけですよ、大量募集なんというのをやっているわけですね。日通側では大量募集と言いながら、こちらからは統合されるエクスプレスに送る人は限られますよというのは理屈が通らないんじゃないですか。こういうことを放置しておいて、雇用時間調整や雇用日数調整というのは全く筋が通らないんじゃありませんか。西川社長、いかがですか。

○伊東参考人 ちょっと事実関係だけ答えさせていただきます。
 日通由来のターミナルのところで大量に募集しているという御指摘がございました。私ども、全部詳細に内容は承知しているわけじゃございませんが、日通のもともとのターミナルにおきましては、内務作業を委託会社に任せております。したがいまして、委託会社で雇用されるということとJPEXで雇用されるということでは労働条件が違う可能性がありますので、私どもは、原則としてJPEXの雇用というのを考えております。
 しかしながら、先ほど先生御指摘の、時間調整とかいろいろな面で、自分はそれならば委託会社の契約でもいいという方がいらっしゃれば、当然それも考えたいと思っております。

○塩川委員 最後に、もう一回西川社長と大臣に伺います。
 西川社長、あくまでも期間雇用社員の方であっても、この郵政の職場で生計を支えている方が大変多くいらっしゃるわけです。そういった方々の雇用をしっかりと守り支えるということも日本郵政の仕事であるわけで、安易な雇用時間調整や雇用日数の調整を行わない、しっかりと働いて食べていけるだけの賃金を保障する、この立場で臨んでいただきたい、このことを一言御答弁いただきたい。
 大臣については、このような雇用時間調整を含めて、JPエクスプレスの設立に当たって、労働条件の切り下げが非正規の方、正規の方も含めて行われないような指導監督をしっかり行っていただきたい。
 それぞれお答えいただきたいと思います。

○西川参考人 お答えいたします。
 もちろん、安易な雇用調整、労働時間の短縮、雇用時間の短縮であるとか、こういったことを安易に行うということはございません。極力雇用を維持すべく努力をしていくということでございます。

○佐藤国務大臣 先生おっしゃられるとおり、社員の出向、転籍につきましては、候補となる社員に対して計画内容や労働条件等をしっかりと説明した上で、社員自身の意向が尊重され、計画が進められるべきものと考えております。

○塩川委員 雇用確保に万全を期すことを求めて、質問を終わります。