<第173臨時国会 2009年11月20日 本会議 6号>


○塩川鉄也君 私は、異常な国会運営を行う与党の暴挙に強く抗議の意を表明し、日本共産党を代表して、国家公務員給与法案について質問をいたします。(拍手)
 本法案は、自公政権下、八月十一日に出された人事院勧告に基づいて、給与本体とボーナスなどを大幅に引き下げ、国家公務員一人当たり平均十五万四千円という、過去最大規模の減収を押しつけるものであります。こうした大幅な減収が、国家公務員の生活、とりわけ中堅層、三十歳代、四十歳代の子育て世代に大きな打撃となることをどう考えるのですか。答弁を求めます。
 また、地方公務員を初め、国家公務員の給与に準拠する独立行政法人、国立大学法人、学校、病院等、約五百八十万人の労働者に広く関係するものです。その影響をどのように考えているのですか。
 持ち家住居手当の廃止も重大です。
 総務省は、事務次官通知で、地方自治体の持ち家住居手当について廃止を原則としていますが、これは事実上、地方自治体にも廃止を強制するものではありませんか。
 さらに、国家公務員の給与の動向は、民間の給与、ボーナスの指標となり、民間にも大きく影響を与えます。今日の景気状況のもと、個人消費を冷え込ませ、景気をさらに後退させることにつながるのではありませんか。答弁を求めます。
 次に、自公政権が進めた総人件費抑制政策についてです。
 二〇〇二年、小泉内閣が打ち出した総人件費抑制政策に基づき、政府は、国家公務員給与の抑制を図ってきました。そして、この政策を人事院にも押しつけてきたのです。
 人事院は、二〇〇二年には、人勧史上初の給与マイナス勧告を行い、それ以後も、二〇〇三年、二〇〇五年と相次いで給与マイナス勧告を重ねるとともに、地域間の賃金格差の拡大をもたらす給与構造改革を進めてきました。
 さらに、人事院は、官民給与比較の企業規模を百名以上の企業から五十名以上の企業まで対象に加える見直しを行い、民間給与を低く集計する方法に踏み出したのです。
 また、ことし四月の突然のボーナスカットの勧告は極めて異常でした。民間でもボーナス決定をしていない段階で、異例の臨時調査を実施し、勧告を出したのです。これは、過去一年間に支払われた民間のボーナス水準を正確に把握して官民格差を算出しボーナス水準を勧告するという、従来の人事院のやり方を踏み破って行ったものでした。民主党もこれを厳しく批判してきたのであります。
 この間の人事院勧告は、国家公務員の労働基本権を制約する代償措置とは到底言えません。自公政権の進めた総人件費抑制政策をどう考えるのか、答弁を求めます。
 同時に指摘しなければならないのは、自公政権の雇用破壊のもとで、民間給与が異常に低く抑え込まれてきたことです。公務員給与の引き下げが民間給与をさらに抑制する、まさに賃下げの悪循環を引き起こしてきたのです。これをきっぱりと断ち切ることが必要です。大臣の答弁を求めます。
 次に、国家公務員の一律定員削減についてお聞きします。
 二〇〇六年から五年間で一律五%の定員削減が進められ、既に四年間で二万数千人もの定員純減が行われてきました。このもとでハローワーク職員は、二〇〇〇年度から二〇〇九年度までに一千人以上が定員減となるなど、国民の雇用や暮らし、安全を担う行政現場は深刻な事態となっています。非正規職員の増大と官製ワーキングプアが広がり、公務員の超過勤務と健康被害も放置できません。公務員定数の一律削減こそ、これらの原因ではありませんか。答弁を求めます。
 公務員の労働基本権回復は焦眉の課題です。
 憲法二十八条が保障する労働基本権を半世紀にわたって制約してきた日本政府に対し、ILOは労働三権の保障などの勧告を繰り返し行っています。国際労働基準に従った、消防職員及び監獄職員への団結権、一般の公務員の争議権、労働協約締結権の保障を速やかに行うべきです。大臣の答弁を求めます。
 最後に、高級官僚の特権的な天下りの禁止の問題です。
 民主党は、マニフェストの第一に天下りの根絶を掲げ、鳩山首相は、四千五百の天下り団体に二万五千人が天下っていると主張してきました。日本郵政の社長となった齋藤次郎元大蔵事務次官が天下った研究情報基金など、指定席と呼ばれる天下りポストも、総務省調べでさえ、三百三十八法人四百二十二ポストと明らかになっています。自民党政治のもとで、政官財の癒着の温床となってきた天下りをどう根絶するのですか。
 以上、答弁を求め、総務委員会でのわずか一時間での審議打ち切りなどはとんでもない、活発で十分な審議を行うことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)

〔国務大臣原口一博君登壇〕