<第174通常国会 2010年02月24日 総務委員会 4号>


○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
 きょうは、地方行革に関連して質問をしたいと思っております。
 先日の本会議の質問の際に、私は、「自公政権は、行政改革推進法などに基づき、地方公務員の定数純減や給与削減、公共サービスの廃止、民営化、民間委託等の実施を地方に押しつけてきました。こうしたことが住民サービスを後退させてきたという認識がありますか。」という問いに対して、枝野大臣が、塩川議員の指摘のとおり、「これまでの行政改革が、そのやり方の一部において地方に行政改革を押しつけるという形になり、あるいはその他のさまざまな政策と相重なって地方の破壊をつくり出してきた」という認識は全く同感だと述べておられました。
 これは原口大臣も同じ認識と考えてよろしいんでしょうか。

○原口国務大臣 お答えいたします。
 全く同じ認識を持っております。

○塩川委員 この枝野大臣の答弁の中で、「やり方の一部」において地方に行革を押しつけるということをおっしゃっておられるんですけれども、この「やり方の一部」というのは何なのか。枝野大臣ではありませんから、原口大臣なりに何が行革の押しつけと言われるものか、お考えをお聞かせください。

○原口国務大臣 おっしゃるように、枝野さんによく昔間違えられていましたけれども、私は枝野さんじゃないから、そこがどういう意味で言われたかというのはそれこそ想像するしかないんですけれども、同じ閣内におる者としたら、二つあるのかなというふうに思って聞いておりました。
 一つは、公共サービスの質、あるいは公共サービスにおける中央政府や地方政府の責務といったことについての思いが至らずに、ただただ効率化あるいは削減というものについての指標を押しつけた、この部分だと思います。
 それからもう一つは、緑の分権改革で私は地域の創富力というものを申し上げていますけれども、その創富力といったことに着目せずに、逆にさまざまな、直轄事業負担金であるとか、あるいは三位一体改革で一方的に地方の財源を削るということをやった、そしてその結果として、健全化法なるものをつくり、いついつまでに何をやらないとあなたのところはこうなりますよというものを、おどしとは言いませんけれども、大変多くの抑圧的な動きを地域に対してかけてきた。このことは否めないのではないか。
 枝野大臣がお話をされているとしたら、この二点ではないかと想像するものでございます。

○塩川委員 地方財源を削るですとか、健全化法の話で、抑圧的な動き、枠をはめるような形をやってきたということと、やはり効率化、削減というのが指標を押しつけるという形で行われてきた、そういう点で問題があったのではないかというお話でございました。
 そのあたりについては、私もそのとおりだと思います。それが具体的にどのように行われてきたのかということを今検証する必要があるのではないかと思います。私は、こういった地方行革の押しつけというのが、集中改革プランの地方への押しつけとか、また行革推進法という形で行われたのではないのか、このことを指摘しているところであります。
 総務省が平成十七年、十七年指針と言われますけれども、過去五年間における全国の地方自治体の削減実績である四・六%を上回る総定員数の削減を求め、これに沿って地方が具体化を迫られたのが集中改革プランであります。
 大臣はさきの本会議の答弁で、集中改革プランについて総括が必要だと述べておられましたが、どのような総括が必要なのか、認識を伺わせてください。

○原口国務大臣 塩川委員にお答えいたします。
 三点の観点から総括が必要だろうというふうに思っています。
 一つは、経済財政の観点。こういうことを地域にやっていただいて、いや、むしろやらせてと言った方がいいでしょう、地域の経済がどれぐらいの影響を受けたかということ、この観点です。
 もう一つは、社会的な観点。地域が持っている、先ほど創富力と申し上げましたけれども、きずなをつくったり、あるいは小原委員にもお答えをしましたけれども、市民公益という形でさまざまな試みがされている、そういうものもどんどんどんどん切り捨てられてきたのではないか、その観点。
 そして三番目は、まさに地域が行っている公共サービス、自治体病院の閉鎖、医療や福祉あるいは教育に関する不安、こういったさまざまなものを地域が抱えていたのではないか。
 幾つかの指標を見ながら、この集中改革プランがどのような形で行われ、そしてそれが何を地域に及ぼしたかということを総務省としても総括してみたい、こう思っています。

○塩川委員 大臣の今現在の認識として、この集中改革プランそのものが地方に行革を押しつけた、結果として住民サービスの後退をもたらした、こういう認識はお持ちですか。

○原口国務大臣 その面は否めなかったと思います。
 ですから、この間も、ある北海道の厳しい財政の地域に、公立病院に対してしっかり財源手当てができるようにしてくださいと言っても、集中改革プランによっていついつまでに借金を返せというものがあるから、病院を支えるお金は、実は塩川委員、そこは借金返しに回っていたんです。これに象徴されるようなことが現実に起きて、命を守る、一番大事な政治の役割が果たせなくなっているというのは私は否定できないと思います。

○塩川委員 重要な認識、御指摘だと思います。
 その上で行革推進法についてですけれども、行政改革推進法は、地方行革について基本理念を示して地方自治体の責務を定めるとともに、地方自治体に関し、五十五条で、目標を示した上での地方公務員の職員数の純減を要請したり、五十六条で給与制度の見直しの義務づけなどを規定しております。
 さきの本会議質問で、枝野大臣は、この間の地方の破壊について、この法律、行革推進法そのものが直接の原因ではないと認識しているという答弁でしたが、私はそれは違うと考えております。原口大臣の行革推進法についての認識はいかがですか。

○原口国務大臣 枝野大臣と違う答弁を私ができるわけないですから、そこは御理解をいただきたいと思うんですけれども、では、行革推進法が地域主権的に行われてきているのか。中央で目標値を決めて、先ほど申し上げました、賃金がなぜ下方硬直的になってしまっているのか、どんどんどんどん賃金が下がり、そしてデフレというものをとめることができないのか、そういったことについてはしっかりと総括をする必要があるというふうに思いますし、とりもなおさず、やはり働いている人たちの権利が保障できない。
 私は松下政経塾時代にも幸之助さんからよく聞かされていたのは、ろくでもない経営者に限って最初に賃金を下げる、最初に労働者を切るということを学んできました。私は前政権をろくでもない経営者とここで強弁する気はありませんけれども、しかし、経営者の真髄に立った、国家経営の真髄に立ったことが行われていたかということは私はもう一回検証されるべきだ、このように考えています。

○塩川委員 総括が必要だ、地域主権的に見て、中央で目標値を決めるというやり方がどうなのかというお話でございました。
 これは現場で見たらどうなっているのかということがございます。例えば、行革推進法が四・六%の純減を地方に要請していますけれども、基本方針二〇〇六において五・七%の純減を求め、集中改革プランの押しつけと相まって、地方自治体は六・四%純減の計画を策定するというふうに、あおられるようにして純減目標が上積みされるような現状にあったというのがこの間でありました。それは、大臣もおっしゃったように、三位一体改革による地方財政措置の大幅な後退、社会保障費の増大の中で、結果として、地方がそういった職員の純減に拍車をかけざるを得ないような状況を国の地方行革の押しつけが生み出したということが重要だと思っています。
 一つ例として紹介したいのは、学校給食の民間委託の問題があります。私の地元の埼玉の鳩ケ谷市というところがございまして、そこで学校給食の民間委託を通じた職員の削減の話が、保護者の方からも、これは改めてほしいという運動が起こっているところであります。
 今まで、教員、栄養士の方、調理員の方、保護者の方そして子供たちも含めて、学校給食について力を合わせて、食育としての学校給食を育てていくために大きな努力をしてきたところだったわけですね。調理員の方と子供たちが一緒に、食材のトウモロコシですとかソラマメですとか、そういうものの皮むきをするとかいうことをして、食材をしっかり調えるところから学校給食をつくるという努力などが行われてきたところでありますし、自校方式という取り組みも含めて、今まで冷やしうどんのメニューだったのが、その日が寒いというんだったら温かいうどんにしよう。こういう形で、子供たちの目線に立った学校給食の提供ということで努力をしてきた、臨機応変の対応をしてきたのが、民間委託でぼろぼろになったという声を保護者の方々が上げておられます。
 民間委託の後で起こっていることは、例えば、アレルギー対応食が必要な子供たちに対して、アレルギー対応食のない、一般食を提供するようなことが行われたということもあったそうであります。これは命にもかかわるような重大な問題だったわけですね。また、目的とした業務の効率化が改善されるどころか、逆に費用がかかるようになったんじゃないのかという声も上がるような事態で、現場においては、労働局から偽装請負で指導も入るような状況も生まれているという事態にも至っております。
 こういった学校給食の民間委託が全国で大問題となっているわけですが、なぜこういうふうになるのかという仕組みの問題が問われなければならないと思っています。
 そこで、文部科学省の高井大臣政務官においでいただきました。何点かお尋ねしたいんですが、行革推進法の五十五条の三項に教職員についての規定がございます。この行革推進法五十五条三項に基づき、地方自治体はどのような教職員削減を行うことになるのか、その仕組みについて説明いただけますか。

○高井大臣政務官 お答えいたします。
 行革推進法五十五条第三項は、公立学校の教職員及び給食調理員、用務員等を含めたその他職員の総数について、平成十七年四月一日と平成二十二年四月一日とを比較して、児童と生徒の減少に見合う数、つまり、自然減以上の純減をさせるために必要な措置を講ずることを地方公共団体に求めているものでございます。

○塩川委員 今お話にございましたように、標準法で定められている教職員の定数は児童生徒の数とリンクをしているわけですから、児童生徒の数が減れば教職員の定数も減る。しかし、行革推進法で純減が求められているわけであります。そうすると、自治体レベルでどう考えるかというと、標準法で動かせない教職員のところは手がつけられないものですから、今お話のあった給食の調理員ですとか用務員さんというその他の職員、標準法のかからないその他職員を大幅に減らすという形で帳じりを合わせなければいけなくなる事態が広がっているということが今問われているわけであります。
 文科省は、この間、国民の声にも押されて教職員の定数改善を行ってまいりました。しかしながら、一方で行革推進法が枠をはめたままであるわけであります。
 そこで、高井大臣政務官に伺いますが、この間、教職員の定数改善の取り組みの中で、二〇〇八年度に向けて、二〇〇七年の十二月十八日に、定数改善に関する文部科学大臣と財務大臣と総務大臣の三大臣合意というのが行われていると承知をしておりますけれども、そこの部分で、この定数の問題についてどのように書かれているのかを御紹介いただけますか。

○高井大臣政務官 御指摘のあった二〇〇七年、自公政権下でございますが、十二月十八日の文部科学、財務、総務三大臣協議において、教職員定数については、行革推進法を改正しない範囲内で純増千人を含む千百九十五人の定数措置を行うこと、それから、定数増については、地方の現場を混乱させないよう、行革推進法五十五条第三項におけるその他の職員の削減について通知で徹底するなど、教育部門の地方行革について指導力を発揮することというふうに合意されたと聞いております。
 なお、今の鳩山政権下の文部科学省といたしましては、今御審議いただいております平成二十二年度予算案において四千二百人の教員定数の改善を盛り込むとともに、平成二十三年度以降の学級編制のあり方や教職員定数改善のあり方について本格的に議論をスタートしたところですので、御理解をいただければと思っています。

○塩川委員 自公政権下というお話で、今御説明がありましたように、行革推進法の枠がはまっているものですから、定数増については、行革推進法五十五条三項におけるその他の職員の削減について通知で徹底するなど、教育部門の地方行革について指導力を発揮すること、つまり、その他職員、調理員ですとか用務員を減らしてくださいよというのを、枠がはまっているがゆえに、さらにこれを徹底せざるを得なくなる状況というのが自公政権のもとで行われてきた。これが学校給食の現場で大きくサービスを後退させる事態を生んできたんだということが問われるんだと思うんですが、その認識について、高井政務官と原口大臣、一言いただけますか。

○原口国務大臣 これは法律の名前も、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律と書いてあるわけです。公共サービスがどうあるべきかとか、あるいは一人一人の、先ほどお話しになった子供たちの育ちとはどうあるべきか、食育とはどうあるべきかという観点よりも、まさに削るための観点でできている部分、これは条文をずっと読んでみても、今さらながらに、今の時代に合わない条文だと思います。
 私も、細君が管理栄養士ですけれども、大豆と小麦が食べられません、大豆と小麦を食べた瞬間にこの辺にじんま疹ができる、その割にはビールは大丈夫なんですけれども。本当に、これは大人だから何とかなりますけれども、小さい子供たちの命を守るという観点からも、やはり私たちはしっかりと議論を前に進めてまいりたい、このように考えております。

○高井大臣政務官 私も同じ認識を持っております。
 行革推進法はこの平成二十二年までということになっておりますので、改めて鳩山政権として、同じような認識を持っておりますので、そのために正職員の教員の数をふやしていく努力をスタートしておるところですので、いろいろと御理解をいただければと思っています。

○塩川委員 学校給食について言えば、総務省が地方団体から取りまとめた民間委託の実施状況という資料がございます。市区町村レベルで見ますと、平成十六年度末と二十一年四月一日時点を比較しますと、最も民間委託が進んでいるのは学校給食の調理になっております。それだけやはり強い圧力がかかって、学校給食の調理が民間委託という形でアウトソーシングされるということが加速をしてきたというのがこの間だった。こういう中で労働者の労働条件を切り下げられ、子供たち、保護者に対する住民サービスの後退が生まれているということをしっかり受けとめなければなりません。いわば行革推進法が圧力となって、学校給食などの民間委託、アウトソーシングを進め、結果として住民サービスを後退させてきたことは明らかであります。
 この定員管理の問題については、総務省としても研究会で議論を重ねているということを承知しております。そういう中で見ましても、都道府県や政令指定都市からの意見の中に、これ以上の行革でいいのかという声が上がっているということも紹介をされておりました。
 例えば、「教員や警察部門は、国が配置基準を定めており、団体の努力で純減ができない。また、病院部門では、診療報酬基準の改正に沿って、経営改善の観点から、医師、看護師等の確保を進めており、純減が困難である。このため、「定員総数」の純減目標を達成するには、一般行政部門において計画以上に純減を進めなければならない。」つまり、定数がかかっているような、あるいは要員の配置をよりふやさなくちゃいけないような部門があるとしたら、その残りの部分の、特に一般行政部門は大幅に削らなくちゃいけない事態が生まれているという指摘もございますし、あるいは、「行政需要が増大しており、これ以上の定員純減を行うことは、行政サービスの低下に影響を与えかねない。」という声も上がっております。
 大臣、重ねて伺いますけれども、地方に対し、数値目標を示して機械的に定員純減を押しつけたことが、住民サービスを後退させて、職員の配置にも大きなゆがみをもたらすことになったのではないのか、この点についての認識をお聞きしたいと思います。

○原口国務大臣 私は、民主党の行政改革調査会の座長もかつて務めました。不断の行政改革というのはとても大事です。しかし、問題はその手法です。実際に、行政改革の目標なんというのはみずから決定しなければ、それは押しつけられたものにすぎない。また、その地域の実情とも合ってこない、あるいは現場とも合わなくなるのは必定であります。その中にやはりダイナミズムを、あるいは人間の尊厳というものを入れていかなければ、このような間違ったものになるのではないか、そう考えておりまして、今の委員の御指摘を踏まえて、政務三役あるいは総務省の中でも議論を深めてまいりたい、こう考えております。

○塩川委員 行革推進法について、原口大臣が、この条文はもう時代に合わない、そういうものになっているんじゃないのかというお話がございました。そういう点では、枝野大臣の本会議での答弁ぶりとは違う認識も示されているという点は重要だと考えております。
 問題は、こういった地方破壊と住民サービスの後退をもたらした集中改革プランと行革推進法についてしっかりとした総括をすると同時に、今後、地方行革の押しつけは行わないということが必要であります。
 そこで、行革推進法の内容について大島内閣府副大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、行革推進法の五十五条一項から五項までが地方公務員の職員数の純減を地方に求める規定になっております。この行革推進法の五十五条というのは、そもそも全体が時限措置ではないかと考えますが、いかがですか。

○大島副大臣 お答えいたします。
 行革推進法第五十五条は、地方公務員の職員数の純減について、五年間で実行すべき取り組みを定めた行政改革の重要方針をできる限り忠実に法制化したものであり、平成二十二年度までの五年間の取り組みを念頭に置いた規定であると考えております。

○塩川委員 二十二年度までの規定ですから、二十二年度も縛っているということですね。

○大島副大臣 二十二年度、四月一日時点での職員数の純減の数値だと考えております。

○塩川委員 ですから、二十二年四月一日ということは二十二年度の定員管理ということでよろしいですね。

○大島副大臣 と考えております。

○塩川委員 ですから、行革推進法は、もちろん自公政権のもとでつくられたものですけれども、来年度までかかっているんですよ。来年度までかかっているからこそ、先ほど高井大臣政務官がおっしゃったように、来年度、教職員をふやすんだけれども、一方で減らすということの見合いで、五年間トータルで減らしているからここまで行きますよという話であって、本当にふやすとしたら二十三年度以降の話ということであるわけですから、行革推進法そのものが来年度いっぱいかかっているということであります。
 ですから、私、そういう点では、来年度も縛るような規定を残している行革推進法そのものを撤廃することが必要なんじゃないのかと思うんですが、法を所管しているのは内閣府ですから、大島副大臣、どうですか。

○大島副大臣 理解としては平成二十二年度までの五年間を念頭に置いた規定であるということと、これは、平成二十二年度、二十二年の四月一日の職員数ですから、予算措置としては四月一日以降の予算措置の一年間だと考えております。

○塩川委員 そういう点でも、来年度までかかっているわけですから、では、原口大臣、行革推進法が問題がある、時代に合わないものだとおっしゃったわけですから、来年度もかかっているような行革推進法そのものについて、これをきっぱりやめろということこそ言うべき話じゃないか。いかがですか。

○原口国務大臣 大臣としたら、所管外のことにどこまで踏み込めるかということは考えながら言わなきゃいけない話でございます。
 ただ、その上で、地域主権担当としても、あるいは地域のさまざまな公共サービスを確保する責務を持つ大臣としても、この法律で本当に大丈夫なんですかということは閣内でもしっかりと議論を進めていきたい、そう思っています。

○塩川委員 私たちは、行革推進法は撤廃すべきだと考えます。その上で、先ほどお聞きした集中改革プランについては、今後の話ということで、その後継計画の作成を地方に求めるようなことはしない、このことは約束できますか。

○原口国務大臣 ここは国、地方協議の場でもさらに議論を詰めていきたいと思っていますけれども、これは合併もそうですけれども、このような集中改革プランをまず総括し、そして、その上で総務省としての基本的な考え方をまとめていきたい。
 今、塩川委員とるるこうやって議論をしている、その方向性でもって、私たちは、地方の行革はどうあるべきか、それは努力をしていただきたいこともいっぱいあります。先ほどから電子政府やクラウド化というような話をいたしました。その上で、命の現場やあるいは福祉や教育の現場、こういったものにしわ寄せが行かないようにしっかりと考えてまいりたいと思っています。

○塩川委員 大島副大臣、高井政務官、用事もおありだと聞いておりますので、ありがとうございました。
 集中改革プランはしっかり総括すると同時に、もうつくらない、こういう形での地方行革の押しつけをやめるということこそ、今総務省、国が行うべき仕事だということを申し上げたいことと、地方自治体との関係でいいますと、では、地方財政計画でどうなっているのかという話があります。
 「平成二十二年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」、地方財政計画で「給与関係経費」を見ると、「地方財政計画上の職員数については、引き続き定員の純減を進める」と書かれております。これは、平成二十二年度においても「引き続き定員の純減を進める」、こういうふうに記している根拠というのは何なんでしょうか。

○小川大臣政務官 集中改革プランの期限等につきましては、既に委員が御指摘のとおりでございます。
 そこで、給与の関係経費の積算のために定員の議論をしてきたわけでございますが、引き続き、政府全体でも定員の合理化の議論を進め、それについては、もちろん技術的な助言の範囲でございますけれども、その合理化の取り組みを要請しているわけでございまして、そうしたものを総合的に検討した結果、そのような形になっておると理解をしております。

○塩川委員 いや、この間、きょう議論してきたように、定員の純減を押しつけるようなやり方というのはおかしいんだ、時代に合わないんだと言ってきたわけですよ。それにもかかわらず、鳩山政権、民主党中心の政権で初めてつくった地方財政計画の「給与関係経費」のところを見ると、来年度についても「引き続き定員の純減を進める」、地方に純減してください、やってくれ、減らせと言っているんです。総合的というんじゃなくて、根拠をはっきり聞きたいんですけれども。

○小川大臣政務官 二十二年度以降におきましても、政府全体で、公共部門を含めて合理化を進めるという大きな方針のもとに、そうした技術的な助言を行い、また、そういう全体の方向感を前提に必要な合理化については引き続き進めていくということでございます。
 大臣も重ねて御答弁申し上げておりますとおり、公共部門、特に地域の公共部門の合理化そのものが目的ではないのだろうと思います。住民生活、また地域の行政サービス、そして地域社会を守る、そういう価値を求めていくために、一方で、手段として、引き続き無駄のない体制を整備することも必要でございまして、そうした全体を見渡してのこうした措置であるということでございます。

○塩川委員 いや、答えていないんですけれども。
 今示したのは二十二年度、来年度の地方財政計画ですけれども、では、例えば二十一年度の地方財政計画上にはどういうふうに書いてあるのか。該当部分を読み上げますから、ちょっと確認してもらえばいいんですけれども、「地方財政計画上の職員数については、「基本方針二〇〇六」における五年間で五・七%の定員純減目標を踏まえた定員の純減を進める」とあるわけです。つまり、来年度についても骨太〇六がかかったままということなんでしょう。

○小川大臣政務官 詳細は少し確認をしたいと思いますが、いずれにしても、この集中改革プランそのものは四月一日を念頭に置いておりますので、二十二年度全体を見渡した計画ということではなかろうと思います。
 その上で、目標といたしましては六・四%、これは自主的な目標でありますが、それを六・二%まで、ほぼ達成に向けての取り組みが進められているということでございまして、いずれにしても、重ねて大臣も御答弁申し上げておりますとおり、強制的な形で数字を割り当ててということでは、そういう性格のものとしては受けとめていただかないように、私どももよくよく気をつけなければならないと思います。

○原口国務大臣 塩川委員、基本はやはり、安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されるということだと思います。その中で、公共サービス基本法の基本理念にのっとった上で、今後も不断の行政改革に取り組む、これは私たちも塩川委員も否定できるものじゃない。
 厳しい財政状況が続く中で住民サービスを守っていく、そのために、では、今までの集中改革プランをどのように総括して、そして、本当の意味での地方行革というものは自主的にどのようにあるべきかということを私たちは定めていくべきだ、こう考えているわけでございます。

○塩川委員 集中改革プランの話じゃなくて、骨太〇六なんですよ。骨太〇六で、この地方公務員のところで書いてあるのは、「本年四月末に総務省から公表された速報値を踏まえ、五年間で行政機関の国家公務員の定員純減(▲五・七%)と同程度の定員純減(二〇一〇年度まで)を行う。」と書いてあるんです。年度途中で何とかという話じゃないんですよ、地方財政計画上の話なんだから。来年度まで地方財政計画にかかるように、純減がかかっているんですよ、〇六では。
 その上、〇六では、加えてプライマリーバランスの黒字化の話もございまして、「定員純減を二〇一一年度まで継続する。」とあるんです。来年度で終わらず、二〇一一年度まで純減するという規定が書いてあるんですよ。
 これは閣議決定されているんですけれども、撤回しているんですか。撤回すべきじゃありませんか。

○小川大臣政務官 旧政権下の取り組みではございますが、それを明示的に廃止したという事実はなかろうと思います。

○塩川委員 であれば、二〇一一年度まで地方に定員の純減を押しつけるようなこういう閣議決定は撤廃していただきたい。それでこそ、初めて前向きの地域主権ということが言えるんじゃありませんか。

○原口国務大臣 お答えいたします。
 今、旧政権下での、私たちがそれをそのまま直せていないものがまだ幾つもあります。政務三役の中で、私たちの政策と合わない閣議決定、私たちの政策と真反対を向いている閣議決定、これをあぶり出して、そして変えていきたい、こう考えています。

○塩川委員 今お話にありましたように、来年度の地財計画上はかかったままなんですよ。自公政権を引きずっているんです、構造改革路線を。
 骨太〇六というのは、御案内のとおり、あの小泉・竹中構造改革路線のあしき遺産であって、将来にわたって枠をはめようという中身ですから、それを引きずった、〇六に縛られた、自公政権を引き継ぐような今の鳩山政権では、構造改革路線と決別したと言えないんじゃないのか。このことを強く申し上げて、質問を終わります。