<第176臨時国会 2010年10月29日 内閣委員会 3号>



○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
 大臣所信に対する質問をさせていただきます。
 その前に、当委員会が不正常な状況で開かれたということについて、与党側の対応、また委員長の対応について、私としては強く物申すものであります。
 そもそも、政府参考人の要求について、国会議員の質問権にも深くかかわるもので、ひいては国会の調査権にもかかわる大きな問題であるにもかかわらず十分な対応を行わなかったという与党側の問題について強く抗議をすると同時に、こういう不正常な状況で開かなければいけないということについても、与党側の対応に強く猛省を促すものであります。
 その上で、質問をいたします。
 きょうは、補正予算案とも関連して、情報収集衛星の問題について質問をいたします。
 今回の補正予算案には、内閣官房の予算として、情報収集衛星の体制整備について百八十八億円を要求しております。経緯のこともありますので、事務方で結構ですからお答えいただきたいんですが、この情報収集衛星の目的というのはそもそも何なのか、この点について教えていただけますか。

○小野政府参考人 情報収集衛星の目的は、我が国が政策判断をしていく上で、その基礎となる情報が重要であるということにかんがみまして、特に外交等の安全保障及び危機管理のために必要な情報収集をする手段として情報収集衛星を活用するという考え方から設けられたものでございます。

○塩川委員 情報収集衛星の目的ということで、政府の方針の中にこういうふうに書いてあります。「外交・防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報の収集を主な目的として」いる、このように述べていますが、そのとおりですね。

○小野政府参考人 そのとおりでございます。

○塩川委員 ですから、情報収集衛星の目的として、外交、防衛等の安全保障と大規模災害等への対応策という二つの大きな目的を持っているとされているのが情報収集衛星であります。
 続けて質問しますが、情報収集衛星のデータを利用している省庁はどこなのか、お答えください。

○小野政府参考人 お答えを申し上げます。
 もちろん、官邸、内閣官房等も利用しているわけでございますが、そのほかには、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁、海上保安庁、国土地理院、経済産業省、消防庁等が利用させていただいております。

○塩川委員 それぞれの省庁での利用実績、それぞれどのぐらいの画像の提供を受けているのかについてお答えいただけますか。

○小野政府参考人 情報収集衛星の運用につきましては、これはまことに申しわけございませんが、その運用の状況については、詳細を申し上げることは控えさせていただきたいというふうに思っております。

○塩川委員 詳細を申し上げることは控えたいと言いますけれども、大規模災害などでどういうふうに使っているのか、その活用の度合いがどうなのか、こういう問題についての検証も必要ではありませんか。もちろん、外交等安全保障にかかわる問題についてもどうなのか、こういう問題についての検証をすべきなのに、その中身が今示されないという話であります。これはおかしい。
 先ほど言いましたように、外交、防衛等の安全保障とともに、大規模災害等の危機管理のために必要な情報の収集を行うのが情報収集衛星と聞いているわけですが、では、ちょっと個別に聞きます。
 消防庁に伺いますが、どのような大規模災害でこの情報収集衛星のデータを利用したことがあるのか、実績についてお答えください。

○塚田政府参考人 大規模災害におきまして、消防庁もこの情報を使わせていただくという形にはなっておりますが、具体的な利用の実績につきましては、私どもからのお答えは差し控えさせていただきます。

○塩川委員 では、取りまとめをやっている内閣官房に改めて伺いますけれども、大規模災害についてどの程度使っているのかというのは答えられないんですか。過去五年間でどんな実績があるのか、どのぐらいの割合なのか、消防庁とかあるいは気象庁とか、あるいは国土交通省などがどういうふうに使っているのか。何でこういう実績も明らかにできないのか。
 具体的に、実績を含めて、答えられないというのであればその理由もお聞きしたい。

○小野政府参考人 個別の具体的な実績につきましては、今後の情報収集衛星の運用、情報収集活動に支障が出るおそれがございますので、お答えを控えさせていただいているところでございます。
 一般論で申し上げますと、災害状況について、情報収集衛星で画像を撮りまして、判読、分析した上で報告書を作成し、官邸に報告いたしますとともに、関係する省庁に配付させていただいております。
 具体的に私どもの情報収集衛星の運用状況については申し上げがたいのですが、内閣情報調査室におきましては、私どもの分析した内容も含めまして、例えば災害につきましては、被災状況の推定地図というようなものをつくっております。これは情報収集衛星以外のものももちろん入れてつくっているわけでございますが、そういうものを例えば内閣府の防災担当でありますとか必要なところに配付をし、そういうものを現実に活用させていただいているという状況でございます。
 ですから、情報収集衛星のことは申し上げられませんが、被災状況推定地図につきましては、例えば、昨年山口県で豪雨が起きたときでありますとか、平成二十年の岩手・宮城内陸地震のときでありますとか、また、海外の災害におきましても、例えば、本年のパキスタンでの洪水でありますとか、ハイチで起きました地震でありますとか、そういう場合にも、内調の方といたしましては、これは一般論でございますが、情報収集衛星の画像も活用した形でそういうものをつくりまして、関係のところに配付させていただいているという状況で御理解をいただきたいと思います。

○塩川委員 直近のものについての実績とかも具体的に出ないというのでは、検証のしようもないわけです。
 こういう点について、例えば、過去五年間の情報収集衛星の画像がどの省庁に提供されているのか、こういうことについてしっかりと国会の場に出していただきたい。この点について、ぜひ理事会で協議いただきたいと思います。

○荒井委員長 後刻、理事会で協議いたします。

○塩川委員 この情報収集衛星の画像情報の収集や配付など、衛星の利用に関する基本方針を総合的に検討するために情報収集衛星運営委員会が設置されていると承知をしております。そのメンバーとなっている省庁はどこかをお答えください。

○小野政府参考人 情報収集衛星の運営委員会といいますのは、情報収集衛星の運営に関する基本的な方針を検討するために設けております。
 委員長は、事務担当の内閣官房副長官がしていただいております。それから、参加メンバーといたしましては、内閣危機管理監、それから内閣官房副長官補、これは安全保障・危機管理担当の副長官補でございます。さらに、内閣情報官、内閣衛星情報センター、私どもの所長、それから警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省の関係局長でございます。

○塩川委員 大規模災害などにも対応している消防庁などが入っていないのはなぜですか。

○小野政府参考人 情報収集衛星の基本的な運営ということに関しますと、安全保障の面もかかわります。これは情報上の保全の問題もございますので、それをクリアできるメンバーで運営委員会は対応しているという状況でございます。
 もちろん、だからといいまして、災害関係については一切無視しているという状況ではございませんで、そういうものも含めまして基本方針を検討させていただいているところでございます。

○塩川委員 いや、大規模自然災害が起こったときに広域で連携してやりましょうと国の消防庁が音頭をとっていろいろやるわけですよ。東京消防庁や各都道府県の消防本部などと連携してやっているわけですね。
 そういうときに、大規模な自然災害に対応する、そのための情報収集を行うと言われる衛星の運営委員会のメンバーに消防庁が入っていないのは何でなんですか。もう一回答えてください。

○小野政府参考人 先ほど申し上げましたが、基本的には、安全保障上の問題がございますので、メンバーをある程度限定しております。
 ただ、もちろん、災害をテーマにして検討するということになって、その大きなテーマとして例えば災害をやるという場合には、必要なメンバーをあわせて入れることは可能でございますので、そういう場合に、必要であれば消防庁をメンバーとして入れることも不可能ではございません。

○塩川委員 今の答弁にあるように、大規模災害はどっちかというとわきの話、自然災害とかはわきの話であって、安全保障の話だ、だから運営委員会をそのメンバーに限っているんだという説明です。
 二〇〇六年の参議院の行政監視委員会で、当時の内閣官房内閣審議官は、今話をしている「この運営委員会自体を広げることにつきましては、情報衛星の扱います情報のごく一部を扱う省庁を全体の運営をつかさどります運営委員会の構成メンバーとすることについては、効率的な運営委員会の運用という観点から適当ではないのではないか」という答弁までしているわけです。消防庁が入るのは効率的な運営にならないんだ、こういう話であります。
 だから、大規模自然災害などに対応する消防庁は、いわばこの情報収集衛星が扱っている情報のごく一部にも入っているのかどうかもわからないような実態がこの情報収集衛星でのデータ画像の提供の実態なんじゃないのか、具体的に実績も示せない、ということにならざるを得ないわけであります。
 ですから、結局は、二つの目的を言っているようであるけれども、大規模自然災害、大規模災害などというのは建前、口実であって、実態としては、軍事偵察衛星というのが実情だということを言わざるを得ません。
 配付資料を見ていただきたいのですが、これは情報収集衛星の「研究・開発及び打上げスケジュール」、内閣官房からいただいた資料であります。
 一番左側にありますように、光学衛星とレーダー衛星の二種類あります。今それぞれ二基体制で運用するという方針を持っているわけであります。ですから、一番上のところに点線というか破線がありますが、この二つのところまで、光学一号機及びレーダー一号機、光学二号機及びレーダー二号機、これが一セットで運用されているということになるわけですね。
 ですから、左下のところに米印で書いてありますように、衛星の設計寿命は五年ということとされておりますから、どんどん新たなものを打ち上げて交換しなければならぬということになっているわけです。ですから、上の、光学一、二号機、レーダー一、二号機の次の世代として、光学三号機、四号機、レーダー三号機、四号機が入っているということになっているわけであります。さらには、また次の世代の打ち上げ、運用もしなければいけないから、光学五号機、六号機、レーダー五号機、六号機となっているというのを見ていただければおわかりいただけると思っております。
 ですから、現状では、色がついていないのでちょっとわかりにくいんですが、一番上の横の棒がありますけれども、平成二十年度のところまで線で引かれているのが光学一号機、その下がレーダー一号機ですから、レーダー一号機は平成十八年度で運用が停止をされています。レーダー二号機は平成二十二年度の八月に、この前運用を停止したということになっているわけで、レーダー衛星は現状は一基もなくなっているわけですけれども、計画では、ここにありますように、第二世代、第二弾、第三弾と、それぞれ既に計画があるわけですね。二〇一一年度にはレーダー三号機、四号機も打ち上げる計画にはなっているわけです。
 今回の補正予算で新たな研究開発を打ち出したんですが、これは、こういう二基、二基の四基体制を変更して、要するに五基体制にするということなんでしょうか。

○小野政府参考人 情報収集衛星につきましては、平成十年度に、この計画を始めた当時からでございますが、考え方といたしましては、光学衛星を二基、それからレーダー衛星を二基打ち上げまして、それぞれで地球上の特定地点を一日一回以上は撮れるようにしたいという考え方で進めていったものでございます。
 しかし、レーダーにつきましては、先ほど御指摘ございましたように、レーダー一号機が平成十八年度に、まだ設計寿命を満たさずに機能が不十分な状態に至り、不用決定に至っております。それから、レーダー二号機につきましても、御指摘のとおり、平成二十二年度、八月に不全を来しまして、現在、不用という状況になってきております。
 宇宙環境というのは大変厳しいものですから、我々としては、一日一回以上は特定の地点を撮りたいという考え方でいるわけでありますが、それを実現する上で、四基、二基、二基という先ほど申し上げた体制では、設計寿命五年と計画してやっているわけでございますが、もちろん長生きしているものもあるんですが、残念ながら、このように設計寿命の期間を満たさずに、経年劣化等によりまして衛星がふぐあいを来すということが絶対ないとは言えない状況でございます。
 その場合に、現在のようにレーダー機が喪失したという状態になりますと、必要な情報収集、分析に残念ながら支障を来してしまう。これはやはり我が国の安全また危機管理のために必ずしも好ましいことではないという考え方から、この四基体制を実質的にも維持するためには、そのための予備機というものを打ち上げて運用していくことが必要ではないかという考え方に基づきまして、今回の補正予算のお願いをしているところでございます。御理解をいただきたいと思います。

○塩川委員 問題なのは、設計寿命五年に届かないような研究開発を行ったという実態の方が問題なんじゃないですか。五年もたないから新たなものを追加するとしたら、そもそも五年というその設定そのものが間違っていた、あるいは、それを達成できない研究開発のあり方の方が問題なんじゃないですか。そっちの方を問うことなしに、いや、とにかく足りないから飛ばしてくれという話で済むのかということであります。
 それで、既に四基体制のスケジュールが組まれているわけですから、レーダー二号機が使用不能になったから新たに今から予備機で追加といっても、実際に飛ぶのは三年とか五年とかもっと先の話ですから、そういう点でも、今さら予備機を入れる話でもありません。問題は、五年もたないような研究開発を行っているという実態の方こそ問われるべきだ。
 そこで、この予備機について、これまで情報収集衛星の研究開発を請け負ってきた事業者はどこでしょうか。

○小野政府参考人 情報収集衛星につきましては、私どもは、JAXA、宇宙航空研究開発機構でございますが、そこに研究開発を委託しておりまして、JAXAを通じまして三菱電機がその製作に当たっているという状況でございます。

○塩川委員 この研究開発に当たっている事業者は、再委託という形も含めて、事業者としては三菱電機一社ということでよろしいですか。

○小野政府参考人 JAXAにおきましては、これはやはり競争性を出しませんと技術の発展、また価格の低減にも悪い影響を与えるということを考えておりまして、当初はいろいろ問題がありましたのでできなかった部分がございますが、その後につきましては、企画競争という形で日本のメーカーに競争をさせて行っております。
 実際に衛星を開発するだけの能力、また技術的なシステム管理等ができますのは、現在、日本では、数少ない、二社ないし三社というところではないかと思いますが、我々としては、実績のあるところで、その二社の中で競争をさせまして、その企画それから価格というものを評価いたしまして、JAXAの方で選んでいるというのが現状でございます。

○塩川委員 選んだのが三菱電機だけということであります。
 それで、平成二十二年度までに情報収集衛星にかけた費用の総額、研究開発だけじゃなくて打ち上げの費用などもありますけれども、幾らぐらいなんでしょうか。

○小野政府参考人 突然の御質問なので詳細にはちょっとわからないところがございますが、平成十年にこの計画を始めて、例えば土地を買った、建物をつくったということまで含めまして、ですから衛星そのものの開発だけではございませんが、そういうものも含めまして、七千五百億余ぐらいのところではないかと思っております。

○塩川委員 全体の費用が七千五百億円余、そのうち研究開発、衛星開発にかけた費用はおよそ幾らぐらいですか。
 総額の話は事前にお伝えしていましたけれども、研究開発の費用ということでいうと、平成二十一年度までで五千億円余り、大体そういう感じですよね。
 それで、こういった情報収集衛星の実態ですけれども、今回、予備機でも百八十八億と追加になっているわけですが、実際には五年もたないような衛星の打ち上げを行っている事業者が引き続き研究開発も行っているというのが実態であります。
 この情報収集衛星の実態としてのヘビーユーザーというのは防衛省になっているわけで、三菱電機にこの十年間に防衛省から何人天下っているのか、私が質問主意書で求めたところ、答弁書を見ますと、九九年度から二〇〇八年度の間に、三菱電機に対して四十四人が再就職、天下りをしているということであります。
 資料の二枚目にありますように、「三菱電機株式会社への国家公務員の再就職状況」というのを衆議院の内閣調査室でつくっていただきました。人事院、総務省などの資料に基づいて作成をされておりますけれども、ここをごらんいただいてわかるように、三菱電機に対して、内閣官房から十二人、公安調査庁から一人などとなっております。
 先ほど紹介をしました、運用を決めている情報収集衛星運営委員会に入っているメンバーはどこかといえば、先ほどの答弁にあったように、内閣官房と警察庁と防衛省と公安調査庁と外務省となっております。防衛省の天下りが四十四人、内閣官房から十二人、公安調査庁からも一人、また、特定地方警務官という形ですが警察庁からも一人。いわば情報収集衛星の運営をつかさどっている中核の府省等から三菱電機に大量の天下りが行っているというのが実態であります。
 三菱電機も、実際、五千億円を超えるような研究開発の費用を受け取っている。実際には五年もたないようなものになっている。それなのに、足りないからということで補正予算で百八十八億円を新たにつぎ込むというような実態であります。
 こんな新たな受注計画を計画する前に、補正とあわせて、この費用のあり方そのものを見直すべきじゃありませんか。こういった癒着も問われるようなこういう構図について、これこそメスを入れるべきだ、こういう立場で内閣官房長官のお答えを聞かせてください。

○仙谷国務大臣 今、お話をお伺いいたしておりまして、先生が聞いておられたような、受発注関係を前提にした癒着的天下りなのか、おっしゃるように、衛星の開発そのものが、大変、人材的というか研究的に、専門的な観点から見て、非常に薄いことが三菱電機にしか発注されていないということなのか、そこのところはよく調べてみないとわからないなというふうに聞いておりました。
 ただ、この人事院による再就職の承認状況、当然のことながら、民主党が政権をとる前の話でありますが、多分、この平成二十一年度というところまでに書かれた二十二人の三菱電機への再就職というのはそうでありましょう。
 これも、エンジニアというか技術者がヘッドハンティングというかスカウトされたのか、それとも、そうじゃなくて、受発注関係を有利にするためにこういうふうな公務員の方々を三菱電機が取り込んでいるのか、あるいは、反対に、役所の方が指定席をつくって押し込んだようなことになっているのか。それは調べてみないと。
 つまり、国からの受注を受けて、本件の場合には衛星を開発するという、極めて専門的で、日本の場合にはまだまだ小さい、狭い世界のことでありますから、ちょっと一概にはなかなか、今おっしゃるように百八十八億円予算をつけたことが、聞いておりますと、レベルの余り高くないところに予算を流し込むのはけしからぬみたいな話に聞こえるんですけれども、果たして、実態としてそうなのか、あるいは全般的にレベルがまだまだ高くないのか。
 しかし、これは、もしそのレベルを上げようとすれば、この種のものについては、時間をかけて、もっと大量に予算をつぎ込まないとレベルが上がってこない。こんな少ないのは何なんだというむしろおしかりを受けてもよさそうな感じもするな、そういうふうに今聞いていたところでございます。

○塩川委員 蓮舫大臣に最後に伺います。
 もともと、二十三年度の概算要求では、例の一割削りましょうねということがあって、この情報収集衛星関係の経費も、二十二年度の六百三十五億円を五百七十億で、削っているんですよ。まあ要望額でも出しているというのはありますけれども、一割削るということで言っているんです。それなのに、補正予算でまたどんと百八十八億積み上げると、削ると言った分よりもふえているんですね。その話は予備機で必要だからというんだけれども、そもそも、設計寿命五年といいながらもたないような実態が新たな予備機を入れなければいけない理由となっている。
 私は、これはきちんと検証が必要だと思うんですよ。本当に百八十八億円を入れる必要があるのか。概算では削っておきながら、一方で、この補正では百八十八億円を大きく上積みするようなことが行われている。こういった再就職、天下りと言われる実態もあるわけですから、こういったことについてきちっと検証を行うべきだ。
 なぜ五基なのか、四基じゃだめなのか、こういうことも含めて、しっかりとこの問題についての、癒着のことも含めた検証、事業仕分けを行っていただきたい。この点についてお答えをいただけますか。

○蓮舫国務大臣 この件について、今初めて伺ったものですから、個別事業の予算が、過去どういうものであって、そして、今回、補正にどれぐらい積まれているのかを実は私は詳細に把握しておりませんので、把握していないものについては答弁は控えさせていただきます。

○塩川委員 帰ればすぐわかる話ですから、ぜひ、私の話を含めてしっかりと、検証するという立場でいいですか。

○蓮舫国務大臣 一義的に、検証をするのは所管のところでだと思います。

○塩川委員 全く歯切れの悪い答弁であります。
 大規模災害の利用実績も示さないわけですし、実態は軍事偵察衛星と言わざるを得ない。そういった事業について、五年もたないからといって新たに予備機という形でお金をつぎ込むような、そういうやり方そのものが今問われている。
 宇宙の軍事利用の拡大は許されないということとあわせて、このことを強く求めて、質問を終わります。