<第176臨時国会 2010年11月25日 総務委員会 6号>



○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
 私は、日本共産党を代表して、放送法等の一部を改正する法律案に対して討論を行います。
 まず、修正案について、NHK経営委員会への会長の参加、NHK経営委員、会長、副会長、理事の欠格事由の緩和の規定の削除は当然であり、賛成するものです。
 しかしながら、原案には重大な問題が解消されていないため反対であります。
 反対理由の第一は、放送番組の制作、編集を行うソフト事業者と放送施設の設置を担うハード事業者の分離を原則にし、総務大臣が放送番組の編集事業者を直接審査、認定するとともに、業務停止命令など、総務大臣の権限強化が行われているからであります。
 現行の放送局免許は、電波法に基づく施設免許であります。これは、番組内容に対する行政の直接審査、関与を防ぐことで、放送の自由を制度的かつ厳格に保障してきたものであります。この原則を変えることは、番組への行政の恣意的な介入を招きかねません。
 第二に、出資など制限をしたマスメディア集中排除原則の法定化は、現行の規定の緩和も可能とする条文であるとともに、この原則に違反した場合の認定・免許取り消し権限も規定されており、総務大臣の権限を強化するものとなっているからです。
 第三に、「放送」の定義を「無線通信の送信」に限定していたものから「電気通信の送信」に変えていますが、放送規制の対象拡大への懸念を払拭できる条文となっていないからです。
 放送法を議論するのであれば、行政の介入懸念を排除するために、独立性の高い行政機関を設置することこそが必要です。
 また、施設整備支援を継続する高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の一部を改正する法案には賛成ですが、いわゆるテレビ難民を生まないために、来年七月のアナログ停波の延期こそ行うべきであることを指摘して、討論を終わります。