<質問の要旨・2011年2月15日・衆議院本会議>



 地方財政計画ほか3法案について質問します。

 まず地域主権改革です。これまで民主党は、自公政権の地方分権改革との違いを強調してきました。ところが、民主党政権が昨年提出した第1次「地域主権改革法案」は、自公政権下の地方分権改革推進委員会の勧告をそのまま実行するものです。さらに、今国会に提出予定の第2次法案は、「地域主権改革」の言葉が削られています。名実ともに、自公政権の地方分権改革を継続することではありませんか。

生存権保障義務

 政府は「国の地方に対する義務付け、枠付けを見直す」と言います。その中には、憲法に基づく国民の生存権保障のための国と自治体の義務を見直す内容まで含まれています。

 例えば、保育の最低基準です。待機児童解消のため、特例的に保育所の面積基準を条例に委任するとしています。これを許せば、自治体が面積基準を引き下げることになるのではないですか。待機児童解消というのなら認可保育所増設が必要です。

 障害者分野でも、施設の人員配置や居室面積などの義務規定が自治体任せにされるのでは、不安の声があがっています。

 菅内閣の地域主権改革は、あらゆる分野で、国のナショナルミニマム保障(最低生活保障)への責任を投げ捨てることになるのではありませんか。

 菅内閣は、昨年6月の「財政運営戦略」で、国の一般歳出と地方交付税の合計額を今後3年間、71兆円以内にする「歳出の大枠」を決め、地方財源抑制の仕組みを導入しました。「大枠」が固定化されれば、いっそう社会保障費の抑制や公務員人件費の削減を地方自治体に強いることになります。自治体独自の施策である子どもや障害者の医療費助成などが削減されないと言えますか。

 公務員人件費の削減は住民サービスの後退につながります。国からの定員純減やアウトソーシング(業務委託、外注など)の押し付けはやめるべきではありませんか。公契約法の制定こそ行うべきです。

「三位一体改革」

 管内闇は一括交付金化によって、地方の自由度が拡大すると言いますが、「三位一体改革」と同様、地方の財源を減らすことになるのではありませんか。

 地方税等の滞納者が増加し、自治体による差し押さえ、競売件数が増加している問題です。徴収現場では、サラ金まがいの脅しや自宅の差し押さえ、競売で、寒空に住民を放り出すことを自治体が行っているのです。

 なぜ、こうしたことが横行するのか。国が地方に、徴税強化を押し付けているからです。厚労省は、国保料(税)収納率向上のため、市町村が緊急プランを作成するよう通知を出し、「預貯金、給与等の差し押さえ」を求めています。総務省は、差し押さえや競売で徴収率を上げた自治体徴収機構を特別表彰するなど、それをあおっています。

 徴税強化を直ちにやめることを求めます。