<第177通常国会 2011年05月20日 内閣委員会 11号>



○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、PFI法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、欠陥、問題点が明らかになってきたPFI事業を、対象範囲の拡大や推進体制の一層の整備によってさらに推進を図るものとなっているからです。
 一九九九年の法制定以降、三百を超すPFI事業が行われてきましたが、それらの事業が、そもそも地方自治体などの公共団体が直接行うよりPFI事業で行うことが適切だったかどうか、検証が求められています。きょうの質疑でも明らかにしたように、大半のPFI事業で、PFI事業の適否を決めるバリュー・フォー・マネーの算定が不適切に行われてきたからです。これは、同時に、国も含めてPFI事業を行った大半の公共団体にPFIの適否を適切に判断する力量さえなかったことを示しています。
 そして、病院PFIでは、高知医療センター、近江八幡市立総合医療センターと次々に破綻しました。近江八幡市立総合医療センターの院長は、PFIには構造的欠陥とも言える問題が内包されている可能性が見えてきましたと指摘をしています。PFI推進委員会でも、PFIは必要ない、これが恐らく地方自治体の本音ではないかとの発言も出ています。求められているのは、PFIの推進ではなく、これまでの事業の検証と撤退です。
 第二の理由は、関空と伊丹空港を統合した新会社に空港の運営権を設定することを可能とするコンセッション方式の導入を図るものだからです。関空の巨額債務返済のためにその権利は売却することが計画されており、これによって、関空の巨額債務の責任があいまいにされるとともに、国民の財産である伊丹空港が民営化をされ、空港の安全性や公共性が後退する重大な懸念があるからであります。
 以上、討論を終わります。