<第179臨時国会 2011年11月22日 総務委員会 4号>



○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、復興財源確保のための地方税特例法案並びに経済社会の構造変化に対応する地方税法の改正案の原案並びに修正案に対して反対の討論を行います。
 第一に、復興財源確保のための地方税特例法案についてです。
 本法案は、全国緊急防災・減災事業の財源確保を名目に、個人住民税の均等割の標準税率を千円引き上げるものであります。個人住民税の均等割は、就業者数に照らしてもそのほとんどが納税義務者になっており、生活することも困難な所得の低い人にも負担増を課すものであります。応能負担こそが税制の基本であります。低所得者にも負担を強いる住民税の均等割引き上げに財源を求めるべきではありません。
 しかも、引き上げ期間も十年間で、恒久的な増税措置にもなりかねません。
 さらに、住民税均等割の引き上げによる地方税の増税は、被災自治体の住民にも及ぶもので、被災者支援にも反するものと言わなければなりません。
 第二に、経済社会の構造変化に対応する地方税法改正案についてです。
 本法案が、納税環境の整備として、納税者の権利についての法的な担保は一切ないまま、税務調査における徴税吏員の権限として、帳簿、物件の提示やその留置について法定化するなど、徴税の側の権限強化を一方的に定める内容となっていることは重大です。
 現在、地方税の徴収現場では、人権を侵害するような差し押さえや預貯金の調査などが強められ、深刻な問題となっております。本法案は、こうした問題を解決するどころか、さらに深刻な納税者の権利を抑制することをもたらすものであります。
 最後に、地方交付税総額特例法案については、被災自治体の復旧復興事業や地方税の減免による減収分の穴埋めのための起債分を特別交付税で措置するものであり、被災自治体の要望にこたえる踏み込んだ対応として賛成することを申し上げ、討論を終わります。