<第180通常国会 2012年03月05日 予算委員会第五分科会 1号>



○塩川分科員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、一点要望だけさせていただきます。
 前に小宮山大臣にお聞きしましたけれども、被災者の被用者保険の方の医療窓口負担免除措置の件ですけれども、原発事故の警戒区域内に事業所が所在をするある健保組合が、原発事故に伴う避難者も含めて、被災者向け自己負担免除措置を二月末で打ち切ったということがあります。この組合は、原発事故による影響を直接受けて、保険料が減少し、免除対象者の多いことがありますが、国の支援の枠組みが夏ごろまで示されないことが背景にあります。
 財源措置の枠組みを早期に示して、免除措置の再開や、三月一日にさかのぼっての自己負担の還付など、被災者の不利益とならないような措置を求めるべきだと考えています。また、ほかにも同様の事例がないか、しっかりとした調査を求めておくものであります。
 では、一言、済みません。

○小宮山国務大臣 お求めだけなので、受けとめればいいのかもしれませんけれども、今、手元にいろいろな材料を持っておりませんので、御指摘も受けて、困られる方がないようにどうしたらいいかということは検討をさせていただきたいと思います。

○塩川分科員 お願いいたします。
 それでは、きょう質問をいたします雇用促進住宅の関係であります。
 私は、昨年の七月以来、被災者に提供されています雇用促進住宅、またUR賃貸住宅など、独立行政法人が所管をする公的な住宅について、応急仮設住宅として扱われていないことを指摘してきました。
 本来、公的な住宅は、真っ先に被災者を受け入れて、そのためのいろいろな附帯設備も設置をする。夏場の暑いときにはエアコンなどは当然あってしかるべきものですし、冬場の寒いときには給湯器があってしかるべきであります。そういった対策をしっかりと公的住宅が最優先で行うべきであり、この雇用促進住宅やあるいはUR賃貸住宅について、応急仮設住宅として扱うことを求めてきたところであります。
 そこで、厚生労働省にお尋ねいたしますが、この被災者に提供されている雇用促進住宅やUR賃貸住宅について、応急仮設住宅としての借り上げの手続は今どのように対応されておられるのか、この点について確認をいたします。

○森山政府参考人 お答え申し上げます。
 今、先生御指摘されましたように、被災者の方々に雇用促進住宅あるいはUR賃貸住宅を提供しているところでございますけれども、災害救助法上、救助の実施主体でございます都道府県等が雇用促進住宅あるいはUR賃貸住宅を借り上げて、災害救助法による応急仮設住宅として被災者の方々に提供した場合は、エアコン等の附帯設備等に係る費用について国庫負担の対象になるところでございます。
 このために、雇用促進住宅等を応急仮設住宅として借り上げていただくよう都道府県と協議を行ってきたところでございますけれども、従来の一戸ごとの個別の借り上げ方式では、都道府県の事務処理が膨大になること等から今進んでいないところでございます。
 このようなことから、借り上げ手続の事務処理を大幅に簡素化するために、当該住戸を一括して借り上げることで協議を進めまして、今般、岩手県、宮城県、福島県との間で、被災県による借り上げが行われる方向で合意がなされましたことから、厚生労働省としましては、当該借り上げ手続について早急に進めてまいりたいと考えているところでございます。

○塩川分科員 一括借り上げという形で借り上げ住宅の扱いをするというお話がありました。
 雇用促進住宅ですけれども、UR賃貸もどうなんでしょうか。

○井上政府参考人 お答え申し上げます。
 被災者向けに提供していますUR賃貸住宅の入居戸数は、二月の二十四日段階で五百四十八戸でございます。これらにつきまして、ことしの三月三十一日までURが無償で御提供する旨、昨年の八月に居住者の方々にお知らせをしました。
 また、応急仮設住宅としての借り上げについて、国交省及びURにおいて、被災者の避難先の地方公共団体との間で協議を行ってまいりました。これによりまして、現在、借り上げが実施されているのは、三県四市で八十一戸でございます。
 厚労省から、被災県による借り上げも可能だという見解も示されたことを受けまして、厚労省を通じまして被災三県と要請をしてまいりました。これを受けて、今般、被災三県から、借り上げる旨の合意がなされまして、UR賃貸住宅の被災県による借り上げが行われる方向になったところでございます。
 以上でございます。

○塩川分科員 今まで借り上げの扱いとなっていなかった雇用促進住宅及びUR賃貸住宅が、一括借り上げという形で災害救助法上の応急仮設住宅として扱われるという対応だということであります。この間、被災県と厚生労働省など関係機関が協議をした。そういう結果として、いわば一括借り上げという形で行われることになったことは、非常に重要であります。ただ、遅過ぎるという問題があります。
 そこで、雇用促進住宅の件についてお尋ねしますが、被災者が入居をしている雇用促進住宅が応急仮設住宅となった場合に、かつての雇用・能力開発機構、今、高齢・障害・求職者雇用支援機構にとって何が変わり、何よりも、入居している被災者の皆さんにとって何が変わるのか、この点についてお答えいただけますか。

○森山政府参考人 お答えいたします。
 都道府県が雇用促進住宅を借り上げて応急仮設住宅となった場合には、まず、高齢・障害・求職者雇用支援機構におきましては、設置費用の求償は可能になります。
 また、被災者におきましては、エアコンなどの附帯設備、これが無償で設備されることになりますので、応急仮設住宅と同様の支援が受けられることになります。

○塩川分科員 機構とすれば、附帯設備の設置費用を求償できるということになる。あわせて、被災者にとってみれば、エアコン等の設備が無償で提供されるということですけれども、実際に、もう既に暑い夏も通り過ぎているわけであります。
 雇用促進住宅に入居した被災者の方は、夏の暑いときに、仮設住宅であればエアコンはあったんです、借り上げの場合も含めて。それなのに、雇用促進住宅に入ったがために、エアコンが設置されない中で住まざるを得なかった。そのために、自腹を切ってエアコンを設置したという人もありました。その後、雇用促進住宅としてエアコン設置というふうに動きましたけれども、では、立てかえ払いをした人にその分払ってくれるのかといったら、そうはならないままで、自腹を切ったままだと。
 冬の寒いときに給湯器もなかった。それについて、寒い中での洗い物も大変だからということで、結局、自腹で給湯器を設置した。その後、雇用促進住宅としても給湯器を設置すると動きましたけれども、では、払った分を立てかえてくれるんですかといったら、そうはならなかった。これでは何にもいいことがないという話にもなるわけであります。
 あわせて、UR賃貸についても同様の点を確認したいんですが、よろしくお願いします。

○井上政府参考人 お答え申し上げます。
 基本的に、UR賃貸住宅についても同様でございます。URにおきましては、家賃等の求償が可能になるということになると思います。
 また、被災者の方々にとりましては、応急仮設住宅と同様の支援を受けるということで、家賃負担の免除の継続、それからURの場合は、給湯器等は、これは団地によっても異なりますけれども、基本的にはついていると思いますが、エアコンについては設置が可能になるということでございます。

○塩川分科員 雇用促進住宅は遅きに失しましたけれども、後からエアコンとか給湯器をつけましたが、UR賃貸の場合はエアコンはつけてないんですよ。ですから、自腹を切ってつけた人以外は、いまだに被災者の方はエアコンがないままですから、応急仮設住宅となれば、この暑い夏に向けては、当然のことながらエアコン設置ということになるわけで、しかし、一年間放置してきたということ自身が問題だということであります。
 こういった、本来、応急仮設住宅であれば標準装備されている附帯設備が、雇用促進住宅にもUR賃貸にも設置をされていなかったという点で借り上げの要望というのがあったわけですが、実際にはその対応が遅きに失した。もう一年ですからね。なぜこんなに遅かったのか。この点について、ぜひお聞きしたいのですが。

○小宮山国務大臣 なるべく迅速に対応という形はとりたいと思っているんですけれども、いろいろな制度ですとか各省間のこととかいろいろなことがあって、当事者の方にとっては遅い対応というお叱りをいただいていますが、御要望いただいたことが調整がつき次第、なるべく早くやりたいという気持ちではやっております。

○塩川分科員 この間、ずっとやりとりを見てきて、被災県の方も大変ですよね。受け入れる県の方も大変なんです。その事務処理にやはり大変に大きな手間がかかるということで、この雇用促進やURというのは国がやっているんだから、国が仮設と同様に扱ってほしい、被災県や受け入れ県の手間はとらせないでくれというのがもともとの趣旨だったわけで、私は、この点で、災害救助法の仕組みそのものに見直しが必要なんじゃないのかというのがこの間、実感をしているところであります。
 災害救助法は、被災自治体が被災住民の救助を行い、国が被災自治体を支援するという仕組みですけれども、しかし、自治体が丸ごと被災をする、自治体の丸ごと避難のような広域災害、広域避難では通用しないわけで、この間、民間借り上げの話をずっと国会でやりとりもしてきて、実際に民間借り上げを実施しようと思っても、受け入れた自治体による被災者支援については、被災県からの要請を受けるということが前提にあるわけですね。どうしても要請待ちになるから一歩出おくれるということにもなりますし、また、要請がない限りは踏み出せないということにもなります。
 あわせて、その受け入れ県としても予算措置が必要になってくるんですよ。補正を組むという話になるんですね。そうすると、その補正の時期ということでまたさらにおくれるということもあって、二重三重にこの対応がおくれざるを得ないというのが今の災害救助法の仕組みとなっている。
 この点で、広域災害、広域避難についてふさわしい措置というのが求められているということで、これは既に福島県が昨年の四月三日の要望書でも出されております。「全国的な広域応援や被災者受入れが全国に広がっている状況を踏まえ、災害救助費用については、応援自治体が被災自治体に求償するのではなく、応援自治体が国に直接請求する仕組みとすること。」を国に求めております。
 大臣、こういった求償制度の見直しを求める要望をどのように受けとめておられますか。

○小宮山国務大臣 今の仕組みは、委員が御指摘いただいたように、受け入れ県から被災県に求償する仕組みになっていますが、今回、その事務的な手続も大変ということで、東日本大震災に際しては、その求償事務を厚生労働省が代行しています。
 ただ、直接やるとなると、今度、被災県が、みずからの県民に対するつながりが薄れる、県民の皆さんもやはり自分の県とのつながりを持ちたいということもあるということも、今福島からの要望をおっしゃいましたけれども、福島の方も、そういう言い方をされている方もあるんですね。
 ですから、今後どうするかにつきましては、今、防災対策推進検討会議で、やはり一番必要なのは基礎自治体がいろいろなことをできることじゃないかということも含めて検討していますので、これからのあり方については、また関係者の皆さんや有識者の皆さんの御意見も伺いながら検討していきたいというふうに考えます。

○塩川分科員 全国知事会の要望も七月で出されているわけであります。その点では同趣旨であるわけで、「被災地以外の自治体が救助に要する費用を支弁した場合、直接、国に請求し、支払いされるよう制度変更を行うこと。」
 だから、被災者の把握をその避難元の自治体がしっかりやりたいというのは当然の思いであって、それに応えるような事務手続はしっかりやる。同時に、現に避難をされている方々を受け入れている自治体にとって、そういった避難者の方の支援をしっかりやれる。
 これをつくってこそ、まさに避難元の自治体の皆さんにとっても、自分たちの住民の方の避難先での生活が保障されるということですから、そういう点でも、今言った直接求償できる仕組みというのをやはりもう一歩踏み込んで考えるべきで、防災対策推進検討会議での検討といっても、どの程度のものなのかということも率直に思っているんですが、求償制度の見直しを含めて、踏み込んだ対応をぜひ出していただきたい。
 この点について改めてお聞きいたします。

○小宮山国務大臣 これは、私もこの検討会議のメンバーですので、今の委員のような御指摘もいただいておりますから、そうしたことも含めて、私の方からも問題提起もしたいと思います。

○塩川分科員 ぜひ、こういう方向で、新たな広域災害が起こった場合に迅速に対応できる、そういう仕組みこそ必要だということでの対応方を要請しておきます。
 次に、雇用促進住宅に入居されている避難者の方々からは、入居期間の延長というのが強い要望となっております。雇用促進住宅に入居している避難者は、入居の期限が入居から原則二年というお話で、来年の四月だったら四月、五月だったら五月という時期になっているわけです。
 この雇用促進住宅についての譲渡、廃止をめぐる経緯というのがあるわけですけれども、これについて、簡単にで結構ですから、説明していただけますか。

○森山政府参考人 雇用促進住宅につきましては、平成十九年の規制改革推進のための三カ年計画の閣議決定によりまして、平成三十三年度までに譲渡、廃止が完了するということにされているところでございます。
 それで、今先生ちょっとお話しになりました、入居者の関係、退去期限の関係でございますけれども、このために、平成二十年十月より入居者説明会を開催いたしまして、順次入居者の退去を求めていくこととしていましたけれども、リーマン・ショックの影響によりまして、平成二十年末に、解雇等に伴い住居を喪失した求職者に対して雇用促進住宅を活用することとしたために、平成二十一年一月以降の退去を求める入居者説明会は中止いたしました。
 また、既存の入居者の退去が同時に行われることのないように、二十一年四月以降、少なくとも三年間は退去促進の取り組みを延期することとしておりました。
 さらにまた、今回の東日本大震災の被災者に対しまして、平成二十五年三月末まで提供することとしたことに伴いまして、退去促進の取り組みも一年間、ですから二十五年の三月末まで延期することとしているところでございます。

○塩川分科員 今お話がありましたように、廃止決定をされた雇用促進住宅があります。そこでの退去手続の開始というのは、当初平成二十一年の四月だったのが、派遣切りなどの住居を失った方々への住居提供ということで二十四年三月末まで延び、さらに東日本大震災の被災者を受け入れるということで、二十五年三月末まで退去手続を実施しないということになりました。これは廃止決定住宅との関係でありますけれども。
 この上で、現在の雇用促進住宅への入居戸数が幾つか、それから、そのうち、緊急一時入居戸数、いわゆる派遣切りなどで住居を失った方たちの数は幾つか、及び東日本大震災に係る被災入居の戸数は幾つか、この数字を教えてください。

○森山政府参考人 お答えいたします。
 雇用促進住宅における平成二十四年一月三十一日現在の入居状況でございますけれども、入居総数は六万六千五百九戸でございます。そのうち、今先生おっしゃいました、いわゆる解雇等の緊急一時入居戸数、これは四千百四十六戸、そして被災者の方々、被災入居戸数が五千三十一戸というふうになってございます。

○塩川分科員 派遣切りなどの方が四千世帯ぐらいあって、被災者、避難者の方が、五千戸を上回る方たちが入居されておられます。全体の数にしても大きな割合を占めるのが、雇用促進住宅へのこれらの入居者の方となっています。
 先ほど言いましたように、特に被災者、避難者の方の一番の不安は、廃止決定の住宅であれば来年三月末までという期限であり、あわせて、その他の方も二年間ということでの期限というのが示されているわけで、こういった雇用促進住宅への被災者の方の入居期間について、もっと延ばしてほしいという要望にはどのように対応されるんでしょうか。お答えいただけますか。

○小宮山国務大臣 御指摘のように、二年間は原則無償で貸与をする、入居期限は来年三月の末までというふうになっているわけですけれども、これは、仮設住宅の状況ですとか、それから復興住宅の状況とかを見なければなりませんし、やはり被災自治体のお考えもあるかと思いますので、いろいろな状況を聞いて、しっかりとその状況を踏まえた上で検討をしていきたいというふうに思っています。そこでただ期日が来たから切りますという話にはならないようにしていきたいと思います。

○塩川分科員 期日が来たから切るという対応じゃないという話でありました。
 その点で、今お話にもありましたように、被災自治体などの考えなど十分踏まえてということで、さきの福島の県議会でも、県の答弁として、民間借り上げ住宅の入居期間については、災害救助法に基づき、契約日から二年間とされているが、本県の実情を踏まえ、期間の延長を国に要望している、県外の借り上げ住宅の期間の延長について、国に要望していきたいと述べておられます。
 こういうのをしっかりと踏まえるということでよろしいでしょうか。確認で。

○小宮山国務大臣 被災自治体のお考えはしっかりと受けとめていきたいと思います。

○塩川分科員 それと、復興住宅の建設状況という話もございました。
 これは、岩手や宮城などでの災害公営住宅、復興住宅の建設計画などが大分進んでいる。今度の復興交付金でもそういった事業計画がかなり出されているわけですけれども、福島県の場合はなかなかそこまで至っていないという状況ということで、区域の再編が三月末で行われるということを踏まえて、実際に、では、公営住宅、復興住宅はどうしようか、県としてこの被災市町村の要望などの取りまとめも行うという話を聞いております。
 もちろん、相馬市でしたか、先になされているようなところもありますが、津波被害のところなどでの対応ということで、原発事故の関係でいえば、多くの自治体が対応はこれからということでいっても、やはり、来年ということでは、とても受け皿の公営住宅すらままならないというのははっきりしている状況ですよね。であれば、被災者、避難者の方に、来年三月、四月とか言いません、受け皿ができるまで、こういった公営住宅など、しっかりと住宅の復興状況が整わない限り、ずっと住んでいてもいいですよ、こういうメッセージこそ必要なんじゃないでしょうか。

○小宮山国務大臣 ずっと無期限にというのがどうかというのはありますけれども、それはやはり、岩手、宮城とまた福島が違う事情だということは十分わかっておりますので、そういう意味では、福島の方のそれぞれの被災自治体、そこでの住民の皆さんのお考えになるべく沿う形で、どこの段階でそれが言えるかというのはまた検討させていただきたいと思いますけれども、もう来年三月でだめだという不安を抱きながらお住まいになることがないように、可能な限りの対応をしたいというふうには思います。

○塩川分科員 こういった被災者、避難者が安心してもとに戻れるまでの期間、しっかり入居を保証するという姿勢で臨んでいくことが必要だと思います。
 そこで、お尋ねしたいのが、先ほど言った雇用促進住宅の、廃止決定の住宅の問題があります。もちろん、廃止決定の住宅にお住まいの福島などからの被災者、避難者の方を、環境も整わないのに追い出すということはしないというお話であります。であれば、当然のことながら、この廃止決定住宅に入居をしている派遣切りなどでお住まいの方々や、また、既存の、これまでお住まいになっていた方々についても、当然、追い出すということはしないということになると思うんですが、そういうことでよろしいですか。

○森山政府参考人 先ほど申し上げましたように、この退去期間につきましては、いろいろな事情を考慮しながら今まで延ばしてきているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、最初三年間であったものを、今度、東日本の震災等を踏まえまして、また一年間延ばす、そういうことでやっているところでございまして、今後とも、こういう雇用の状況、それからまた、被災者につきましては、先ほどのいろいろな住宅の状況等を踏まえまして、また対応してまいりたいと考えているところでございます。

○塩川分科員 その点をはっきり答えてほしいのは、要するに、今言ったように、廃止決定の雇用促進住宅に入居している福島などからの避難者の方々が、戻れる状況にありません、つまり、退去する状況にありませんということで、その期限が延びた場合に、当然のことながら、その廃止決定の雇用促進住宅にお住まいの方々についても、退去ということを求めることはしませんよねという問いなんですが、それでオーケーということでいいですか。

○森山政府参考人 全体的には、先ほど言いました閣議決定で、三十三年度までに雇用促進住宅を廃止、そして譲渡をしていくということでございまして、その間につきましては、先ほど大臣の方からお答えいただきましたように、いろいろな状況を踏まえまして、その退去期間につきましては、今後ともまた考えていくということでございます。

○塩川分科員 ですから、大臣がお答えになったように、期限が来たからといってむげに追い出すということじゃないよという話ですから、そのことをとれば、同じ住宅に住んでいる方々についても、当然のことながら、追い出すという話にはならないでしょうということなんですが。

○小宮山国務大臣 それは、リーマン・ショックなどがあって、その閣議決定を延ばして今やっているところですが、そこに対しても、もちろん困られないような対応は必要ですけれども、それは福島から避難されている方の場合とはまたちょっと違うと思いますよ、そこは。もちろん、その方たちが困られないようにすることは、また考えなきゃいけない。すぐやらないと言っているんじゃありません。ただ、ケースが違いますので、それぞれに検討させていただくということだというふうに思っています。

○塩川分科員 いや、もともと、派遣切りなどで住まいを失った方々が入居されてからは、三年間というので延長しました。それが平成二十四年の三月末だったものを、さらにそこに加えて、東日本大震災が発災をして、二十五年の三月末まで延長するということですから、そういう意味では、そもそも、派遣切りなどの入居の方々について言えば、経済状況あるいはその後の雇用失業状況を勘案してということではなく、今の状況でいえば、東日本大震災での被災者の受け入れということで期限を切っているわけです。
 だとしたら、その期限の延長ということであれば、今お話しになったような、派遣切りなどの方々について、事情は違うというのではなくて、そもそも、受け皿としての雇用促進住宅は引き続き入居を続けるということですから、追い出すという話には当然ならないですよねということなんですが。

○小宮山国務大臣 派遣切りの方などに対しては、また求職者支援制度とかいろいろな制度を使って、なるべくまたきちんと自立して労働ができるようにということを、最善の努力をさせていただきますので、そういう状況もいろいろ見ながらということと、また、戻れない福島の場合とはケースが違うでしょうということを申し上げているので、それぞれにきちんと対応をさせていただきたいと思っています。

○塩川分科員 いや、廃止決定をした雇用促進住宅にもともと入居されている方がいるわけですよね。これは、機構の立場でいっても、入居されている方について、当然のことながら、入っている以上は一定の環境も整えるわけで、いろいろな意味での家賃収入などが以前から住んでいる方などから得られるのであれば、避難者、被災者の方が入居している住宅そのものを残す以上は、家賃収入などが見込めるような人たちをそのまま置いておくというのは矛盾がないことなんじゃないのかなというふうに考えているわけです。
 そういう点でも、もう一回戻りますけれども、改めて、こういった被災者、避難者のために廃止決定の雇用促進住宅について入居期間を延長するのであれば、実際にそこに残っている方々の期限の延長ということについても、ぜひ前向きに対応を考えていただきたいと思うんですが、いかがですか。

○小宮山国務大臣 繰り返しになりますが、それは、それぞれそこにお住まいの事情が違いますので、そのそれぞれの事情の中で、入っていらっしゃる方が困られないような対応をさせていただきたいと思っています。

○塩川分科員 こういう議論をするというのも、そもそも、閣議決定で、前倒しで雇用促進住宅を廃止するというのが大もとにあるわけですよね。七百八十四の住宅については廃止決定をしたというのが、それこそ前倒しで性急に行われたことに対して、入居された方々からは、それは困るという声が上がった。
 それが、実際には、リーマン・ショックなどを機に、延長という形で実質的には居住が確保されるということになったわけですけれども、こういったハウジングレスのような方々に対して住居を提供するというのは、そもそもの雇用促進住宅の趣旨からいってもかなったものであるわけで、私は、こういった七百八十四の住宅の廃止決定をした閣議決定そのものを見直すべきだ、このことを、担当の厚生労働大臣からぜひ対応していただきたいと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

○笹木主査 時間が来ておりますので、簡潔に。

○小宮山国務大臣 それはやはり、閣議決定は閣議決定でございますので、その後、実際にそこに入っていらっしゃる方の実情を勘案して今の措置をとらせていただいていますので、先ほどから繰り返しになりますが、それぞれの事情の中で、入っていらっしゃる方の身になって対応するということだというふうに考えています。

○塩川分科員 ありがとうございました。