<第180通常国会 2012年08月07日 総務委員会 15号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 私は、日本共産党を代表して、大都市地域における特別区の設置に関する法律案について反対の討論を行うものであります。
 本法案は、大阪維新の会が掲げる大阪都構想を実現するために、現行の地方自治法上、東京に限って適用している特別区制度を東京以外の道府県にも認めることとし、その手続を定めようとするものであります。
 大阪都構想は、特別区制度を使って政令指定都市である大阪市を解体し、これを府と特別区に再編するものであります。なぜこうした自治体制度のつくりかえが必要なのか、それは、大阪府、市全体の事務、権限と財源を大阪府に集中することを可能とするためにほかなりません。
 橋下大阪市長は、二月十六日、第三十次地方制度調査会の専門小委員会に出席し、大阪都構想の内容と狙いを説明し、大阪全体を広域行政地域とし、長が立てた広域行政戦略のもと、産業政策、空港戦略、広域インフラ等を展開していくと述べているのであります。要するに、関西大資本が進める巨大開発事業のために、権限と財源を活用していく、これが大阪都構想の核心であります。
 特別区の税収や地方交付税が府に吸い上げられるならば、特別区の財政の悪化をもたらし、住民の福祉や暮らしは大きく後退することになることは明らかです。
 大阪の経済発展を言うのであれば、大資本優先の政治を根本から転換し、府民の暮らしと福祉を立て直すことこそが求められているのであります。
 東京都の特別区制度の歩みを見ても、東京二十三区を基礎的自治体として認め、その機能を拡充する方向を築いてきています。また、地方分権の流れは、権限と財源をできる限り市町村に付与し、国と道府県がこれを補完していくというものであります。
 大阪都構想はこうした流れにも逆行するものであり、大阪都構想に対する疑問や反対の声が次々と上がっているのも当然のことであります。
 以上、大阪都構想を実現するための本法案には反対であることを述べて、討論を終わります。