
<第183通常国会 2013年03月14日 本会議 11号>
○塩川鉄也君 日本共産党を代表して、地方財政計画外二法案に関連して質問します。(拍手)
まず、東日本大震災被災地の復興の問題です。
この間、被災自治体は、取り崩し型復興基金を活用して、被災者の生活となりわいの再建のため、独自の支援策を行ってきました。また、震災復興特別交付税を復旧復興の単独事業費に充ててきました。
被災地の実情に即した被災者支援、地域の再建を図るため、復興基金と震災復興特別交付税の増額が必要ではありませんか。
一方、使い勝手のよい自由度の高い交付金とされた復興交付金に伴い配分される効果促進事業が活用されていません。一括配分された効果促進事業の総額及び使途が決まっている額は幾らですか。一割にもならないのではありませんか。
仙台市が効果促進事業を活用して市独自に住宅再建支援策を実施しようとしましたが、国は認めませんでした。このようなやり方を改め、被災地域の維持、再建という公益性の観点で住宅再建支援にも活用できるよう、改善を図るべきではありませんか。
国や自治体による支援策にはさまざまな線引きが行われて、被災者の負担軽減策に差が生じています。全ての被災者を対象にした被災者生活再建支援金の増額こそ必要です。
自民党は、野党時代、五百万円への増額を要求していました。政権についた今こそ、実施をすべきではありませんか。
次に、地方財政に関連して、二点質問します。
第一は、緊急経済対策と称して巨額の公共事業を計画していることです。
国の直轄・補助事業につき合えば、地方負担分の約八割相当に臨時元気交付金が交付され、単独事業等にも使えるとしています。しかし、一方、直轄・補助事業による借金も残ることになります。
逼迫する地方財政をどう認識しているのですか。かつて自民党政権が、国の景気対策に地方を従わせ、膨大な借金を押しつけて地方財政を疲弊させた過ちを繰り返すものではありませんか。
第二は、地方公務員給与を削減するために地方交付税を削減した問題です。
新藤総務大臣は、一月二十七日の記者会見で、財政削減の姿勢を示していこうということ、その上において地方交付税を減らすことができたことはよかったと発言しましたが、とんでもないことです。
そもそも、地方交付税は、地方の固有の財源であり、地方自治の本旨にのっとり、国が責任を持って確保すべきものであります。そのもとで、地方公務員の給与は、地方自治体が条例によって自主的に決定します。ところが、国は、七・八%もの地方公務員給与削減という勝手な方針を押しつけるために、地方交付税の算定に当たり、地方公務員の給与分を削減したのであります。
さらに、新藤大臣は石破自民党幹事長と会談し、地方議会での給与削減の条例改正への協力まで求めたと報じられています。
こうしたやり方は、地方自治への重大な介入であり、断じて許すことはできません。答弁を求めます。
全国の自治体で、住民の生活を支える先頭に立っているのが地方公務員です。
被災地では、みずからも被災しながら、被災住民の支援、復旧復興業務に不眠不休で頑張っております。身を切るなどといって、公務労働者の生計費である給与を一方的に引き下げていくやり方は間違っています。
地方公務員の給与水準は、地域の民間労働者の賃金水準にも連動し、地域経済に重大な影響を与えるという認識はありますか。安倍内閣がデフレ不況脱却を真剣に考えるのであれば、地方公務員の給与削減は、これに逆行するのではありませんか。
最後に、農林水産業や食の安全、医療、地域経済と住民生活に深刻な打撃を与えるTPPの問題です。
TPPに関する日米共同声明では、二〇一一年のアウトラインで示された非関税障壁の撤廃を確認しました。交渉参加国の協議では、地方自治体の公共調達も対象となっています。
地域経済振興の立場から、公共事業や物品調達などについて、地元中小企業への優先発注を行うという地元要件を設けている地方自治体が多数あります。地元要件が守られ、規制緩和が行われないという担保はあるのですか。
TPP交渉参加は、やめることを強く求めて、質問を終わります。(拍手)