国会質問

<第183通常国会 2013年03月19日 総務委員会 3号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、地方公務員給与削減問題について質問をいたします。
 最初に、事実関係について、坂本副大臣にお尋ねしますが、地方財政計画における給与関係経費の計上の仕方についてお尋ねをします。
 要するに、単価掛ける人数ということになるわけですけれども、ここ何年間か、民主党政権のもとでは、この単価掛ける人数について言えば、単価は人事委員会勧告を反映し、人数については自治体の定員適正化計画の削減割合を勘案して算定をしておったわけですが、これはそのとおりでよろしいでしょうか。

○坂本副大臣 はい。委員おっしゃるとおりでございます。
 地方財政計画において、給料単価につきましては、各地方公共団体の人事委員会が行う勧告を職員数で加重平均した給料改定率を算出します。その給料改定率を前年度の給料単価に乗じることを基本に計上をしていたところです。

○塩川委員 来年度について、今回の法案で出されている措置では、これまでとどこが違うんでしょうか。

○坂本副大臣 今回、政府といたしましては、地方公共団体に対しまして、国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置を講ずるよう要請する閣議決定を行いました。
 したがいまして、二十五年度における地方財政計画上の給料単価は、各地方公共団体の人事委員会勧告を従来と同様に反映するということをした上で、この閣議決定に沿って、平成二十五年七月から国家公務員と同様の給与削減を実施することを前提に、国家公務員の支給減額率を反映して積算をしているところであります。

○塩川委員 地方財政計画上の給与単価については、人数の方はちょっと置いておいて、単価の話でいえば、人事委員会勧告の反映に加えて、二十五年七月から国家公務員と同様の臨時特例的な給与削減を実施することを前提とした減を見込んでいるということであります。
 そこでお尋ねしますが、地方財政計画における地方公務員給与費の削減が地方交付税の単位費用にも反映をされるわけで、地方交付税の算定に当たって、給与支給削減額、七・八相当、これを初めに決めておいて、地方交付税を削るというやり方、こんなやり方というのは過去あるんでしょうか。

○新藤国務大臣 今回、国の臨時緊急的な特別措置に基づいて、それと同様のことを要請するという形で行ったわけであります。

○塩川委員 いや、過去にあるかないかをお聞きしているんです。お答えください。

○佐藤政府参考人 先ほど申しましたように、これまでの地方財政計画における給与関係経費の積算につきましては、単価掛ける職員数ということでやってまいりました。
 かつて、地方公務員のラスパイレス指数が一〇〇を上回っていた時代がありました。そのときには、その分は割り落として一〇〇として計算して、地方財政計画上の給与費を出しておりました。

○塩川委員 いや、今回みたいに七・八というような形でばさっと削る、こういう形で算定したという例があるかないかを聞いているんですよ。

○佐藤政府参考人 ばさっとといいますか、一〇〇を超えていた場合には、一〇〇に置き直してその給与費を計上したということであります。

○塩川委員 いや、七・八に準じてという形でばさっと切ったのはほかにあるんですか。

○佐藤政府参考人 ほかにといいますか、今回は国の削減と同様の内容をしていただくということを前提に削減をしております。
 私が申し上げましたのは、かつて、ラスが高い場合には国と同程度の水準になるようにということで計算をしたということで、その本質においては同じではないかと思います。

○塩川委員 いや、ラスの関係なしに、一律でいわば七・八に準じて削るというやり方なんでしょう。地財計画上はどうなのか。

○佐藤政府参考人 今回は、国家公務員と同様の削減を講じていただくということを要請し、それを前提に給与費を計上しておりますから、基本的に一律七・八%の削減をしております。

○塩川委員 ないんですよ、こういう話は。ですから、地方からは、こんなことはおかしい、前代未聞だという話が出てくるわけです。
 大臣にお尋ねしますが、全国市長会などは、地方の固有財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いるものだと厳しい批判の声が上がっているんですが、これはそのとおりじゃないですか。

○新藤国務大臣 これはもう既に何度もお答えをしておりますが、まず、政権の方針として、今回、国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置を講ずるように地方公共団体に要請する、こういう閣議決定を行ったわけであります。
 そして、その閣議決定に沿った水準を標準的なものとして基準財政需要額を算定することとしておるわけでありまして、政策目的を達成するための手段として用いたものではありません。地方の固有財源という地方交付税の性格を否定するものとも思っておりません。

○塩川委員 いや、政権の方針として、国公で七・八削りますよと。それに沿った水準を標準的なものとして算定するんですから、まさに一律で削るということを前提に算定しているということになります。これが地方にとってみれば押しつけだ、地方自治への介入だと厳しい声が上がっているわけであります。
 では、それは現場でどういうふうに進められようとしているのか。
 総務省が、二月の十三日に都道府県の総務部長会議を開いております。その場で総務省は、「地方公共団体における給与減額支給措置の基本的な考え方について」、こういう文書も示して説明をしております。このペーパーを総務省からいただきました。
 そこでは、具体的取り組みの目安として、給料について、「ラスパイレス指数と参考値との差が、国の給与減額支給措置による相対的な給与水準の上昇部分と捉えられることから、この部分を引き下げ。」とか、手当については、「給料に連動した手当については、算定基礎である給料の減額の影響をそのまま反映。」「期末・勤勉手当については、国に準じた九・七七%の減額を基本とする。」と、具体的な給与減額措置の制度設計まで指南して、押しつけているものじゃありませんか。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、閣議決定に沿いまして、国に準じた必要な措置を講じていただくように、そのような要請を地方にいたしておるところでございます。
 それに関連をいたしまして、地方団体からは、その具体的な意味、中身等についていろいろと問い合わせ等々がございます。そういうこともございまして、御指摘の、地方に対する説明会、こういう場で、具体的な取り組みの目安ということで、御指摘のような内容について助言を申し上げている、このようなことでございます。

○塩川委員 その総務部長会議の場で、地方からは、こういうふうに具体的取り組みの目安が示されているけれども、例えば、給料ということじゃなくて手当について見直すということでどうかということに対する質問への総務省側の説明では、この目安をもとにやってくれ、人員削減とかそういうことではなくて、あくまで給与水準の引き下げを求めているんだということで、要するに、給与水準の引き下げ、こういうのを特定してやってくれという要請というのは、これは要請じゃなくて強制なんじゃないですか。大臣、いかがですか。

○新藤国務大臣 あくまで要請でございます。そして、その要請に基づいて、地方自治体は議会を開き、そこで議論をされて議決した上、条例で制定されるもの、このように思っております。地方の自主性によって最終的には決めていただくもの、このように考えております。

○塩川委員 要請だと言いますけれども、この総務部長会議においては、取り組み状況調査というのも行うんだということが書いてあるわけですよ。各地方公共団体の取り組み、進捗状況等を随時調査、公表を予定しているということです。これは、どんなことを求めるんですか。

○三輪政府参考人 御指摘の二月の十三日の地方の総務部長会議において我々が説明いたしました内容は、まさに御指摘のように、それぞれの自治体の取り組みあるいは進捗状況を調査させていただきたい、また、そのことを公表させていただきたい、こういうことをお話をさせていただいております。
 具体的な取り組み状況、その進捗状況等について調査をして、それぞれの自治体がこれからどういうふうなことをやろうとしているか、あるいはやっているか、そのようなことを調査して公表したい、このように考えております。

○塩川委員 いやいや、もっとその中身について聞きたいんですよ。
 実際の説明では、作業の取り組み状況についてきちんと点検をする、できた条例はどんなものか、こういうことについても聞くと。また、独自の給与削減、つまり七月からじゃなくて四月からやっているというものについても聞きますよと。こういう取り組みも必要かと考えているという説明をしているんじゃありませんか。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 取り組みあるいは進捗状況等の調査でございますから、例えば、議会に提案をされたとか、あるいは議会で議決されたとか、そういうような状況、それから、当然、その中身として、このような給与の削減を提案したというような、そういう具体的中身、こういうものについて調査をしたい、このように思っております。

○塩川委員 大臣、要請だけだったら、何でこんな点検をする必要があるんですか。技術的助言としてしっかり地方が受けとめて、地方が自主的に決める話なんでしょう。
 それなのに、総務省の方は、できた条例まで点検しますよ、さらに踏み込んで削ったものについても聞きますよと。まさに削減をあおるかのような、要請じゃなくて強制だと言わざるを得ないようなことを、こういう取り組み状況の調査、点検で行っているということじゃないですか。

○新藤国務大臣 何か嫌なことを無理やり暴かれているふうに今聞こえてしまうんです。
 そうではなくて、地方自治体が自主的に取り組んでこのような協力をしている、我々はこういう行政を措置したということを公開する、そして、それを透明性を持って国民に知らせる。これは特別な、それが強制や、何かあおることにつながるとは私は思っておりません。
 指導、また技術的助言、こういった中で、また我々は、国内においてどういう行政が、地方自治が行われているか、そういったものをきちんと把握する。
 それは、都合の悪いこととかいいこととか、そういうことではなくて、行われたことは、しかも、今回のことは臨時、追加的な、異例のことでもあります。そして、わざわざ国としても、これはいろいろな反発、また、そういう意味では気持ちの上で非常にいろいろな思いがあると思います。それも含んでも、ここはみんなで頑張ろうじゃないですかということでお願いをしている。
 そういうことに対して、結果がどういうふうに動いているかというのは、我々が把握をして、それをお知らせすることは、特別に何かほかの意図があることとは考えておりません。

○塩川委員 過去、集中改革プランなどでもずっと点検をとったわけですよ。ちゃんと削っているか、こういうことを点検をとった。こういうことに対して、例えば鳥取県知事などは、問題だ、地方自治の侵害だと厳しく批判をしたという経緯がかつての自公政権であったという反省が踏まえられていないじゃないかということを指摘しているわけです。
 重ねてお尋ねしますが、この都道府県の総務部長会議における質疑の場で、地方からの、今回の総務省からの要請に応えなかった場合に国からの不利益措置があるのかという問いに対して、総務省側は、政府としては十分説明をしていく、削減をやってもやらなくてもいいという姿勢で説明しているわけではない、このように述べています。
 不利益措置があるかどうかには直接答えておりませんけれども、やってもやらなくてもいいという姿勢で説明しているわけではない。つまり、やらない場合については何らかのペナルティーを考えているということになりはしませんか。

○新藤国務大臣 ペナルティーというものが制度上に存在いたしておりません。ですから、これは、我々とすれば、要請をし、誠意を持って丁寧に説明をしていく、それをきちんとしていきたいということでございます。

○塩川委員 国に準じた給与削減を実施しない場合には、他団体と比較をして、財政的に余裕があることによる超過支給とみなされる、それによって、その超過支給額に応じた特別交付税の減額措置を行う、こういうことになるんじゃありませんか。

○新藤国務大臣 それは御心配があるのかもしれませんが、例えば今回の緊急措置以外でも、そもそもラスパイで国を上回る給与を支払っている、そういう団体はございますね。しかも、かなり上回っている団体もございます。そういったところに対しての特交の措置というのが何か行われたとは私は承知をしておりません。
 いずれにしても、今度の問題は、そのような何か強制的なことは伴わないのであります。その上で、皆さんが気持ちを、大義を共有してくださいということでお願いしているし、私は、何よりも自治体の住民の皆さんの意見、声をよく聞いていただくべきだと。また、住民の皆さんに、公務員がそういう形で自分たちの地域に貢献しようとしているんだということがきちんと伝わって、そして、公務員の信頼性がさらに高まり、地域の一体性が高まっていくことを私は期待しております。

○塩川委員 いやいや、省令でそういう定めがあるでしょう、減額措置について。どうですか。

○佐藤政府参考人 特別交付税におきましては、給与水準が高いことをもって減額するということはいたしておりませんし、そういう規定はございません。
 ただし、本俸以外に、例えば期末・勤勉手当で国の支給水準を超えて支給しているような団体については、その超過支給分の一部を減額するというような規定はございます。

○塩川委員 そういうことが行われるんじゃないかという懸念があるわけですよ。
 例えば、技能労務職員についても、新たに採用することは認めませんよ、それは余裕があるからでしょうというので、それをもって地方団体に対する特別交付税を減額するなんということが現に行われている。そういうことが指摘をされているわけですから、そういう懸念の声が上がるのは当然です。
 では、今回みたいなことで実際に減額をしなかった、あるいは、引き下げたところでのラスとの関係で、それに見合って削らなかったようなところは富裕団体だ、財政に余力がある団体だから交付税、特交を削るというような省令改正は行わないということでいいですか。

○新藤国務大臣 今回削らなかった団体が財政余裕団体であるとは思っておりません。そもそもみんな苦しい中で自治体はみずからの削減努力をやっていただいているわけであります。ですから、そのことが、やったか、そのペナルティーというようなものは考えていないんです。
 そうではなくて、とにかく皆さんで一緒に、公務員は全体の奉仕者でございます、その観点に立って、ぜひ協力をいただけないか、我々はこういう要請をしているということでございます。

○塩川委員 この件に関する省令の改正をしないということでいいですねとお聞きしているんです。

○新藤国務大臣 そういった作業はしておりません。

○塩川委員 今後もやらないということでいいですか。

○新藤国務大臣 これは現状、まだ事態が発生していないわけですから、そういうことに、仮定の状態で、それをやるか、やらなかった場合どうするかというようなことをそもそも今御質問されること自体が、私はちょっとよくわからないんです。これは皆さんでお願いをしている状態なのであります。それから、何かそれによってのペナルティー措置というのは、現状、制度設計の中でございません。

○塩川委員 要するに、法律の改正に伴って省令の改正も行われるわけですから、何も切り離された話ではないわけです。今のお話では、こういう法改正を行おうとしているけれども、それに伴う省令改正については、何だか先の話だから、それについてのコメントはありませんでした。私は、率直に、そういう措置も行われるのではないのかという懸念を抱かざるを得ない。それは多くの地方団体の懸念と共通するものだということを指摘しておくものであります。
 そういう点でも、普通交付税が削られるだけじゃなくて、特別交付税も削られるんじゃないのか、こういったあり方に対して厳しい声があるということについては、しっかりと受けとめなければいけませんし、こんな押しつけは許されない。そういう点でも、地方自治への重大な介入は許されないということについて重ねて申し上げておくものであります。
 それで、関連して、こういう地方公務員給与削減の影響についてであります。
 本会議の質問におきまして、私、地方自治体の職員が、まさに自治体における住民の利益を守るために懸命に頑張っておられる、特に被災地においては、まさに復興業務、みずから被災しながら懸命に頑張っておられる、こういうことをお聞きしたのについて、新藤大臣の答弁でも、被災地においては、地元の地方公共団体の職員や応援派遣された職員の方々が昼夜を問わず復旧復興業務に従事され、大変に御苦労されていると承知している、その努力には心より敬意を表したいと述べたわけであります。
 しかし、今回の措置というのが、結果としてそういう被災地で懸命に頑張っている地方公務員の給与を引き下げることになりはしないか。つまり、頑張っている被災地の自治体職員に対して賃下げで報いる、こういうことであれば、大臣として胸が痛みませんか。

○新藤国務大臣 それは、私も直接、被災地の市長さんや職員の皆さんとそのことで話をしたことがあります。幹部の職員や市長さんは、これは本当につらい、こういうお話をされました。ですから、その気持ちは、これだけ頑張って仕事をしてもらっているのに、その上でこれから給与を削減するというのはつらいよな、この思いというのは私も受けとめております。
 しかし、何度も申しますが、そもそも行革努力をして国の給与よりも低い水準になっているところ、そこは今回の要請の範囲にならないわけであります。ですから、頑張っている皆さんのこと、そのことと今回の給与の削減措置というのは、これは私は別々に考えていただくしかない、制度としてそういった例外の規定を設けているわけではない、こういうことでございます。

○塩川委員 ですから、結果として被災地の自治体職員にむち打つようなことになってしまうということに対して胸を痛めることこそ、今政治に求められている、大臣にまさに問われていることじゃないかということを申し上げます。
 それで、こういった自治体職員への給与削減というのが、仕事への意欲も奪って復興への障害となるだけではなくて、人材の確保も困難にするのではないのかという懸念があるわけです。
 例えば、東京新聞の三月十四日付で、「公務員不足の問題は、東日本大震災の被災地ばかりではない。震災を機に全国で防災インフラの必要性が高まり、被災地以外の自治体でも、土木系職員は引っ張りだこ。首都圏の自治体でも試験日を前倒ししたり、一般教養試験を免除したりして人材確保に懸命だ。復興事業で民間企業も採用を増やしており、限られたパイを奪い合う獲得合戦の様相を見せている。」として横浜市の例を挙げていますけれども、横浜市の担当者は、「民間や自治体間同士の取り合いで、土木職員の人材確保は難しくなっている」と明かしているということです。
 ですから、今回のような地方公務員の給与削減というのは、結果として、被災地を含めて、自治体の人材確保に大きな支障を及ぼすことになりかねないという重大な懸念が浮かぶわけですが、この点についてはいかがですか。

○新藤国務大臣 私は、そういう御懸念には当たらない、このように思っています。
 何よりも、今回、地域住民の皆さんに、自分たちがこのように身を削って、そしてその身を削った分は、ですから地域に使っていただけるような、そういう工夫をさせていただいたわけであります。したがって、町の皆さんが、いや、うちの役場の職員が頑張ってくれた、こういう声が聞こえてくることは、私は容易に想像できますし、そこで、いや、うちの公務員もやるじゃないかと。
 それぞれの場所があると思いますが、概括的に言われているのは、大体、地方において一番給料が高いのは役場の職員、それから農協、そして民間企業はずっと下。こういう中で、公務員が頑張っているのか、こういう声が出たときの、よし、それでは、自分たちの町は、一生懸命働いて、町の財政をよくして、そして公務員の給料をそんなふうに下げなくたって済むようにしてやろうじゃないか、こういう関係が公務員と住民の間に生まれてくるのではないか、私はこのように思っています。
 そして、削減した金額でいうと、削減した影響額は地域経済に回るようになっているわけであります。ですから、地域経済の疲弊にも当たらない。
 それから、そもそも、土木系の職員や技術系の職員が減ってきた。これは国家の政策として十五兆あった公共事業を半分以下に減らしてきた、これは我々もやってきたことであります。そして、それは、世界の潮流の中で、GDPにおける公共事業費の割合というものを下げていかなくてはいけない、こういう国際的な展開もございました。そういう中で、人材が今不足しているんです。
 ですから、このままでいいんでしょうか。これから、もう一度新しい国づくりを進めていく上で、必要な人材があるならば、そこに必ず人間は流れていくことになり、当然のように、今有効求人は建設業は最も高くなっております。そういうところに有為な人材が集まっていく。この回転を、こういうサイクルもつくらなければ、やはり景気回復の道にはなりません。現状のままでいいんだ、その中で足りない足りない、足りなければふやすしかないんです。私は、そういう好回転が生まれてくるのではないかなと期待をしております。

○塩川委員 いや、自治体職員の賃下げをしておいて、どうやって有為な人材を集められるのかということを聞いているんですよ。
 ちょっと時間に限りがありますから。
 要は、一年限りなのかどうかという問題があるんですよ。二十五年度に限ってということなのか、平成二十六年度以降の給与削減措置というのを行わないのか、その点についてお聞かせください。

○新藤国務大臣 これも、大臣としてちょっと踏み込み過ぎる発言になってしまうかもしれませんが、少なくとも、私は、市の職員に応募するときに、給料が幾らだからという理由で応募はしませんでした。それは、国家公務員も地方公務員も恐らくそうだと思います。ことし入ると何%か少なくなるから損する得するというような人は、私は余りいないと思います。そもそも給料を高く欲しいんだったらば公務員にはならないですから。だからいいんだと言っているわけじゃないんですよ。
 ですから、今回の削減措置、それによって採用にまで影響が出るかということは、私は、公務員という人たちのことを考えれば、そこは余り考えておりません。それよりも、みんなでもって地域に奉仕するんだ、そういう原点に戻った活動を国、地方ともやろうではないかということだと思っております。

○塩川委員 いや、要するに、賃下げで人が集まらないでしょうという話を聞いているわけですよ。
 それとあわせて、来年度だけなのかということについてお答えがありませんでしたけれども、自民党の政権公約では、将来の国家像を見据え、計画性を持って、地方公務員等を含む公務員人件費を国、地方合わせて二兆円削減しますとあります。つまり、将来にわたって計画的に公務員人件費を削るということであれば、一年限りではなくて、将来にわたって賃下げを押しつけるということになるんじゃないですか。

○新藤国務大臣 まず、今回の措置は今年度限り。所信表明の中でもお話をさせていただきましたし、これまでもずっと説明をしております。それは、国の臨時措置が今年度で終わるからであります。
 二十六年度については、今後、国として、政府内でしっかり検討してまいりたい。そのときには、地方の声もきちんと聞かせていただく中で、みんなで考えていくべきものだと思っています。
 そして、給与の削減措置、それは、ひとえにこの国の財政再建のためにどのような計画をつくっていかなきゃいけないかということと密接に関連いたします。したがって、今我々は、景気をよくして経済を拡大させるんだ、そういう中で、税収の見込みや我々の財政再建の道筋、そういったものを総合的に勘案しながら、その中から結論が出てくるものだ、このように思っています。

○塩川委員 最後に、一言。
 財政再建のため云々と言いますけれども、大体目的そのものが、手紙もありますけれども、ここにもあるように、防災、減災とか、地域経済の活性化ということを理由にしていて、国の財政状況が厳しいから行うものではありませんと言っているじゃないですか。一方で財政再建、一方で財政状況じゃありませんという点でいっても、根拠そのものが非常に薄弱で、これ自身の、目的自身の問題というのをこの点でも明らかにしているということ。
 この手紙では、「今後、負担増をお願いすることとなる消費税について国民の理解を得ていくためには、まずは公務員が先頭に立って、「隗より始めよ」の精神でさらなる行財政改革に取り組む姿勢を示すことが重要だ」ということであれば、来年度から消費税の増税ですから、であれば、消費税増税が進む以上は公務員人件費も削りますよ、給与削減を継続するということになりかねないわけです。
 そういう点でも、消費税増税の中止とともに公務員人件費の削減撤回を強く求めて、質問を終わります。