国会質問

<第183通常国会 2013年05月23日 総務委員会 8号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 地域住民や沿線自治体に甚大な影響を与えます一部投資家による西武鉄道路線廃止提案問題について、まず最初にお尋ねをいたします。
 三月十一日、西武鉄道を子会社とする西武ホールディングスの筆頭株主、米投資会社サーベラス・グループは、株式公開買い付け、TOBで西武ホールディングスの株式を買い増すと発表しました。その後、株式の買い増しなどを条件変更し、五月三十一日までが期限となっております。
 西武ホールディングスが公表したところによると、サーベラスは西武ホールディングスに対し、都市交通、沿線事業において、少なくとも一千四十五名中八十名の駅員の削減、八%に相当します、を提案する、また、不要路線として西武秩父線、国分寺線、多摩川線、山口線、多摩湖線を列挙する、埼玉西武ライオンズは売却の選択肢としています。
 西武ホールディングスの筆頭株主サーベラスによるこのようなリストラ提案に対し、埼玉県を初め廃止提案がされた路線の沿線自治体がこぞって反対であります。また、埼玉県市長会、埼玉県町村会、十七市が参加する東京都北多摩議長連絡協議会、埼玉県秩父郡市の一市四町議会なども同様であります。西武鉄道沿線全ての自治体あるいは地方議会から路線存続の要望が出ております。
 資料の一枚目にありますように、こういう地方団体、議会から意見表明、要望も出され、二枚目には、東村山市を初めとしました国分寺線、多摩湖線沿線の四市が出された要望書、こういったものがそれぞれからも出されているわけであります。背景には、とんでもないという住民の怒りがあるわけです。
 そこで、最初に、沿線住民の一人でもあります柴山副大臣にお尋ねをします。
 このように、路線廃止問題について沿線自治体と住民からこぞって反対の声が上がっている、こういう声をどのように受けとめておられるのか、お尋ねします。

○柴山副大臣 塩川委員も私も同じ埼玉八区を地盤としておりまして、まさしくこの西武鉄道の動向というのは地元の大変大きな関心事であります。
 先日出演をしたテレビ番組で、私は、この問題に対しては、確かに民民の問題でありますけれども、ただ、やはり地域の利便性に非常に重大な影響を及ぼす問題であるということから、非常に関心を持っているというような話をさせていただきました。
 私の直接の所管ではありませんけれども、個人的には、地元で行われた署名にも協力をさせていただいておりますし、何としても、まだお互いの条件に食い違いがあるというような報道がありますので確定的なことは申し上げられませんけれども、一住民として、今申し上げたように、沿線地域にとって非常に重要な路線あるいは球団の移転などは、非常に懸念を持っているところでございます。

○塩川委員 懸念を持っているというお話でございました。
 鉄道会社というのは公益性、公共性を持つ事業体であります。一部投資家による株主利益第一の要求によって、路線廃止など、沿線住民の利便性を後退させるようなことがあってはなりません。
 外為法においては、外国投資家に対し、鉄道業など一部業種に対して、対内直接投資に対する規制を行っております。
 鉄道業における公の秩序の維持を妨げるおそれのある株式の買い増しについては、財務大臣及び事業所管大臣は、その買い増しについて中止を求めることができます。
 赤字でもない路線について廃止を求めるとか、駅員の大幅削減によって安全対策を後退させるような株式の買い増しの計画というのは、公の秩序の維持を妨げることになるのは明らかであります。
 一方、一九九九年の鉄道事業法の改正において、路線廃止が許可制から事前届け出制に変わったことによって、路線廃止の原則禁止が原則自由に変わりました。事業者の一方的判断だけで廃止ができることとなったわけであります。規制緩和前は、地元合意なしに路線廃止はできませんでした。このような規制緩和が行われなければ、今回のような地元自治体無視の路線廃止要求を一部投資家が行うこともあり得なかったはずであります。
 この問題については、既に国土交通委員会で太田国交大臣にもただしているところではありますが、自治体や住民生活と公共交通機関は不可分の関係でもあります。その点で、新藤大臣に、こういった沿線自治体がこぞって反対の声を上げているこの問題についてどのように受けとめておられるのか。大臣としてできることが何なのか、この点についてもお考えのところをぜひお聞かせください。

○新藤国務大臣 これは私が所管する権限ですとか、そういった範囲ではございませんので、これについては具体的な何か手段があるということではありません。しかし、私も埼玉に住む人間でありますし、それ以前に、株式会社といえども、こういう公共性や社会性を事業に対して要求されるのは、会社の中の要素である、私はこのように思っています。
 ですから、関連の住民や沿線の住民の方々にいろいろな悪影響の出ないように、また心配が及ばないように、会社においてもそれらをきちんと踏まえた対応を期待したい、このように思いますし、また、そういったことも十二分に考えた上でこれは対処されていくのではないか、このように思っています。

○塩川委員 資料の二枚目に、東村山市、小平市、国分寺市、東大和市がつくります西武鉄道国分寺線・多摩湖線沿線連絡協議会の要望書が出されています。
 この下に要望項目がありますけれども、1.にありますように、「鉄道事業廃止に関する鉄道事業法における法規制の更なる強化、充実を図ること。」、2.として、「公共交通機関への投資規制などの法制度の整備を図ること。」このように挙げられているように、私が既に国交委員会で取り上げた中身と重なる要望も出されているところであります。
 地元自治体の同意要件を復活するなど、路線廃止に関する規制緩和策を見直すべきであります。路線存続のためのあらゆる手段を尽くすことを改めて求めておきたいと思っています。
 次に、オスプレイを含む米軍機の訓練飛行が住民生活に与える影響について質問をいたします。
 墜落事故を繰り返す最悪の欠陥機オスプレイが沖縄に配備され、訓練が繰り返されております。三月以降、本土でも、米軍岩国基地を拠点にして、オレンジルートなどでの訓練が行われております。
 沖縄を初め全国で配備、訓練に反対の声が上がっています。オスプレイを含む米軍機の飛行について、住民からの情報提供を求める都道府県が全国で二十三県に広がるなど、自治体による監視行動、情報収集活動も広がっております。米軍が発表しました環境レビューでは、オスプレイの分遣隊を岩国基地とともにキャンプ富士に派遣することを明らかにしています。
 防衛省にお尋ねします。
 防衛省発行の航空路図誌の滝ケ原飛行場の記載、キャンプ富士のところですね、その記載を見ますと、ヘリ離着陸場の東側に、ヘリコプターによる有視界飛行の場周経路が設定をされております。この場周経路は、御殿場市の市街地上空を通るようになっているのではありませんか。

○黒江政府参考人 今お尋ねのありました、陸上自衛隊滝ケ原駐屯地への離着陸を行いますヘリコプターのための場周経路でございますが、これは、陸上自衛隊の滝ケ原駐屯地及び板妻駐屯地、さらに東富士演習場といったところの上空に加えまして、御指摘がありましたように、御殿場市の市街地の上空にもかかって設定をされております。

○塩川委員 御殿場市市街地の中心部を南北方向に飛行するルートが設定をされております。自衛隊機及び米軍機も、この場周経路を飛行するというふうに設定をされているということでよろしいですか。

○真部政府参考人 米軍機についてのお尋ねかと思いますけれども、私ども、先ほど御指摘ありましたオスプレイを含みます米軍機の飛行経路につきましては、その運用の詳細については、正直申し上げて承知しておりませんが、オスプレイに関しましては、飛行運用に関しましては、昨年九月十九日に、日米合同委員会合意で、安全性あるいは地元住民への十分な配慮ということについて日米間で合意がされております。それに従って運用が行われるものというふうに理解しておるところでございます。

○塩川委員 その前に、そもそも場周経路というのは、このキャンプ富士という米軍の飛行場における場周経路であります。管理は自衛隊の部隊がやっております。このキャンプ富士滝ケ原飛行場の場周経路、離着陸する場合については、自衛隊機はその場周経路を飛ぶということが想定されているわけですね。

○黒江政府参考人 ただいま御指摘ありましたように、滝ケ原駐屯地の場周経路につきましては、自衛隊機はこの場周経路に沿って飛ぶということになります。

○塩川委員 であれば、米軍機も同様にその場周経路に沿って飛ぶということが想定されると思いますが、その点いかがですか。

○真部政府参考人 申しわけございません。繰り返しになって恐縮でございますが、今おっしゃった場周経路を含めまして、MV22に関する運用の詳細、キャンプ富士に関して、私どもとしては、運用の詳細については承知していないということでございます。

○塩川委員 このキャンプ富士滝ケ原飛行場というのは、米軍の飛行場なんですよ。米軍の飛行場において、場周経路が設定されている。自衛隊機はその場周経路に沿って飛行することが想定されているんです。当然のことながら、米軍もそれに沿って飛ぶということが想定されるわけで、つまり、オスプレイを含む米軍機がキャンプ富士を利用する際には、御殿場市の市街地上空を飛ぶということになるわけであります。
 この点でも、地元自治体等の質問に対する防衛省の回答では、米側からは、主にキャンプ富士は着陸帯での着陸訓練等で使用する考えと聞いているとある。オスプレイがキャンプ富士を使用する場合には、御殿場市市街地上空を飛ぶことになる、そういう人口密集地上空をオスプレイが飛行する危険性があるということを否定できないということになるわけで、極めて重大であります。
 続けて質問しますが、山口県と岩国市から、岩国基地におけるオスプレイの飛行について問い合わせがあったものに対し、防衛省の回答には、米側からは、岩国飛行場は主に給油等の中継地として使用される旨、説明を受けているとあるのはそのとおりか、確認をしたいと思います。また、その後、変更はあるでしょうか。

○前田政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の点につきましては、平成二十四年、昨年の八月の十六日に山口県及び岩国市から連名で、私どもの中国四国防衛局に対しまして、MV22オスプレイの環境レビューについての照会がございました。これにつきましては、昨年の十一月三十日に同局から口頭でお答えを申し上げております。
 その中身でございますが、照会事項、さまざまあったわけでございますけれども、先生御指摘になりました岩国飛行場における訓練内容等に関する照会につきましては、まさに御指摘がありましたとおり、米軍の運用に係る事項についてお答えすることは困難であるが、米側からは、環境レビューの記述に関して、岩国飛行場は主に給油等の中継地として使用される旨、説明を受けている、このように回答をさせていただいております。
 また、この回答内容につきましては、現段階で、米側からこの旨と異なる新たな説明を受けてはおりません。

○塩川委員 岩国基地において、オスプレイは給油等の中継地として使用するということを米軍からの話として防衛省が回答しています。
 キャンプ富士について続けてお聞きします。
 東富士演習場使用協定運用委員会拡大会議において、地元から出された質問書に対する防衛省の回答には、「米側からは、キャンプ富士は、現在、航空機の整備・補給機能を有しておらず、また、かかる機能を保有する具体的な計画もないと聞いており、この点からも、これまでの運用の態様の範囲内になるものと認識している。」とありますが、このとおりでしょうか。また、その後、この件についての変更はあるでしょうか。

○前田政府参考人 お答えいたします。
 平成二十四年、昨年の十二月十四日に開催されました東富士演習場の使用協定運用委員会の拡大会議におきまして、土地等の権利者の皆さんから出されたオスプレイに関する質問に対しまして、私どもの南関東防衛局から回答させていただいております。
 その中で、キャンプ富士を拠点とする飛行訓練等の運用計画の有無に関する質問がございまして、これに対しまして、米側からは、キャンプ富士は、現在、航空機の整備補給機能を有しておらず、また、かかる機能を保有する具体的な計画もないというふうに聞いており、この点からも、これまでの運用の態様の範囲内になるものと認識しているといった旨の回答をさせていただいてございます。
 また、この回答内容につきまして、現段階で、米側からこの旨と異なる新たな説明は受けてございません。

○塩川委員 キャンプ富士は、米軍の航空機の整備補給機能を有していない、かかる機能を保有する具体的な計画もないということであります。
 キャンプ富士には、自衛隊機の航空燃料はありますが、米軍機用の航空燃料は備えられていないと承知していますが、その点、確認したいと思います。

○真部政府参考人 今おっしゃったように、キャンプ富士におきましては、米軍の燃料補給、そういったものが十分にできるような施設は置かれていないというふうに承知しております。

○塩川委員 つまり、岩国基地は給油等の中継地としても使用するわけですが、キャンプ富士については、米軍用の航空機の整備補給機能を有していないし、かかる機能を保有する具体的な計画もないわけです。
 キャンプ富士をオスプレイが使用するとなれば、キャンプ富士近傍において整備補給機能を有する施設が必要になります。そうなりますと、オスプレイが仮にキャンプ富士を使用する場合には、整備補給機能を有する厚木基地を使用する、こういうことになるのではありませんか。

○真部政府参考人 今委員御指摘のように、キャンプ富士を拠点にして、例えばMV22が飛行訓練といったものをする場合に、今おっしゃったように整備とか補給が必要になる場合が十分考えられるわけでございますが、恐縮でございますけれども、私ども、その場合の、どこを、そこは多分訓練内容等によって変わるかと思いますけれども、そういった訓練内容等の詳細について承知していないということでございます。

○塩川委員 厚木基地をオスプレイが使用することはないと言えるんでしょうか。

○真部政府参考人 オスプレイに関しましては、広く本土各地の施設・区域に飛来することがあり得るというふうに聞いておりまして、その本土各地の施設・区域という中には、具体的に確認しているわけでは必ずしもありませんけれども、厚木基地も含まれ得るものというふうに認識しております。

○塩川委員 まさに、首都圏にある厚木基地に危険なオスプレイが飛ぶということを容認する、そういう発言、答弁にもなるわけで、これは許されないことであります。
 キャンプ富士の使用に当たっては、地元との使用協定など厳格な手続が必要になっております。当事者であります、東富士演習場地域農民再建連盟の勝又委員長は、地元住民に不安や危険を与えないということが国と結んでいる使用協定の基本だ、新しい武器を導入する場合は地元協議をすることになっている、オスプレイ配備はこれら協定に反する、地元団体としてオスプレイ配備は認められないと述べております。
 地元の同意もないままにオスプレイの使用や訓練をすることがない、このようにはっきりと言ってもらいたい。

○真部政府参考人 先ほど申し上げたように、今具体的に厚木基地なりあるいはキャンプ富士をオスプレイが使用するという計画については承知していないところでございますが、先ほど同じく申しましたように、昨年の九月十九日の合同委員会合意によって、オスプレイはそれに従って、例えば、飛行経路を、周辺コミュニティーに対する影響を最小限にするといったふうな形で設定するなどの規制を受けるわけでございまして、そのようなことを徹底することを通じて、住民の方々に影響が最小限になるように努めてまいりたいと思います。

○塩川委員 沖縄では、この合同委員会合意がもう破られているということに対して、県民を挙げて怒りの声を上げているわけで、何の担保にもなりません。人口稠密な首都圏において危険なオスプレイの飛行は認められない、沖縄を初め、岩国やキャンプ富士や厚木基地など、全国でのオスプレイの配備、訓練、その中止を強く求めるものであります。
 関連して、首都圏における米軍機の飛行の問題について続けて質問します。
 資料の三枚目と四枚目、これは米軍横田基地が作成をしました、米軍横田基地主催の第四回関東航空機空中衝突防止会議の資料であります。
 そこで、防衛省にお尋ねしますが、この関東航空機空中衝突防止会議とはいかなるものか。目的や設置の経緯、開催状況及び防衛省、国交省など日本政府の行政機関の出席の有無を明らかにしていただけますか。

○黒江政府参考人 ただいま御指摘がありました関東航空機空中衝突防止対策会議でございますが、これは、米軍の横田飛行場に所在します米軍の第三七四空輸航空団が、航空機の空中衝突防止対策ということにつきまして、日本の民間機パイロット等と対話をする機会を設けるなどの趣旨で開催をしているというふうに承知をいたしております。
 これにつきましては、平成二十二年以降、四回開催されているというふうに私どもは承知をいたしております。また、防衛省からは、この会議に対しまして、第一回から第四回の会議について、各回とも航空自衛隊の入間管制隊または航空保安管制群の本部から隊員が参加をしております。また、第三回及び第四回の会議につきましては、陸上自衛隊の東部方面航空隊からも隊員が参加をしておるということを確認いたしております。

○塩川委員 首都圏上空で航空機等の空中衝突の危険性があるということを示すものであります。民間航空機の安全とともに、その下で暮らす住民生活にとっても極めて重大な問題であります。
 この資料も、横田基地が立地する地元自治体が資料提出を米軍に要望し、それを受けて米軍から地元自治体に提出されたものです。国は関与していないんですよ、こういう重大な問題について。
 重ねてお尋ねしますが、資料の四枚目、当該資料に掲載されています横田基地C130編隊飛行訓練エリアについて、政府としては承知をしておりますか。

○黒江政府参考人 ただいま御指摘がありました資料でございますが、米軍のC130が編隊飛行を行う際に使用する空域に関する記載があるということは承知をいたしておりますけれども、具体的にそれではこの空域の中でどのような経路を飛行しているのかといったことの詳細につきましては、我々としては把握をしてございません。

○塩川委員 自衛隊の部隊も参加しているわけじゃないですか。
 この資料、三十六ページになるんですけれども、この中を見ますと、例えば、千フィート、約三百メートル以下の低い高度の飛行訓練や、編隊飛行訓練といって二機から六機連なって飛んで回る、その際に、物資投下訓練を含む訓練を行う、あるいは急降下進入ですとか横田基地における強襲離着陸帯での訓練、このような軍事訓練を重ねているということが明らかであります。
 こういった重大な問題について、この会議でも米側から示されている。こういった事実について、出席する自衛隊の部隊があったわけですけれども、防衛省として承知していないということですか。

○黒江政府参考人 ただいま先生から御指摘がありましたようなさまざまな訓練につきましては、順次、米軍から情報提供を受けまして、その内容について防衛省の機関から関係の自治体等へお知らせをしておるところでございます。

○塩川委員 いや、この空中衝突防止会議の資料というのは防衛省から提供なんかされていませんよ。地元自治体が米軍に要望して出された資料なんですよ。防衛省からのこういう空中衝突防止会議についての資料提供なんかないんですよ。
 今後、そういう資料提供をするということですか。そういうことですね。

○黒江政府参考人 繰り返しになりますけれども、私どもとしましては、その都度、米軍からこの種の訓練が行われるということを伝えられた際に、これにつきまして、その内容を関係自治体等へお知らせするということでございます。

○塩川委員 この空中衝突防止会議について、防衛省からの説明は一言も地元にないんですよ。こんな無責任な対応はない。
 国交省にお尋ねします。
 この空中衝突防止会議に国交省からの参加はあるんでしょうか。また、人口密集地の首都圏上空で米軍が軍事訓練を繰り返しているわけです。航空交通の安全確保において障害をもたらすことになっているんじゃないのか、このように考えますが、国交省として御答弁ください。

○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、会議への出席でございますけれども、国土交通省としては参加をいたしておりません。
 次に、航空交通への障害の話でございますけれども、配付資料に示されております、米軍がC130輸送機の訓練を行っているとされている空域におきましては、民間の航空機も有視界飛行方式で飛行を行っているところでございます。しかしながら、現在のところ、飛行訓練により運航に支障が生じているという情報はございません。

○塩川委員 二点、お尋ねします。
 このC130の有視界飛行の訓練空域については、国交省としては承知しているのかということが一つ。
 もう一つ。この図の中には自衛隊の訓練空域とかは書かれているんですよ、群馬上空ですとか伊豆の西側の方とか。しかし、利根川の中流域にあります民間の訓練試験空域が書いていないんですよ。これは、安全対策という点で極めて重大ではありませんか。この点について、米軍に対してきちっと物申す、こういうことをやる考えはありませんか。

○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 この空域について米軍が使用しているということについては、今回、私ども承知したものでございます。
 次に、利根川中流周辺で民間訓練空域が存在しております。国土交通省といたしましては、航空法の規定に基づきまして、航空機の運航のために必要な情報として、民間訓練試験空域を航空路誌に掲載して、パイロットに対し周知を図っているところでございまして、安全上問題はないというふうに考えております。

○塩川委員 グライダークラブなんかが出している滑空場の利用マニュアルの中にも、C130の編隊飛行訓練がある、低い高度で飛ぶので注意が必要だ。こういうことが実際に現場では行われているわけですよね。
 ですから、そもそも危険性があるからこそ米軍側がこういう空中衝突防止会議を開いているという認識が欠落している点が極めて重大だと言わざるを得ません。
 空中衝突防止会議の資料を見ると、最低安全高度以下の飛行ですとか急降下飛行とか物件投下飛行とか編隊飛行など、航空特例法に基づき、米軍が航空法の適用除外になっている、こういう中で、問題の原因として今問われているところであります。
 こういった訓練というのが、例えば、キャンプ富士、東富士、北富士演習場などでも行われています。さらに、米軍横田基地では、近年、サムライサージ訓練というのが始まっている。
 米軍からの情報提供を防衛省は地元自治体に伝達していると承知していますが、横田基地におけるサムライサージ訓練の目的、訓練日、訓練内容、訓練に伴う航空機の運用状況を含むこういった内容はどのようになっているのかをお答えください。

○前田政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のサムライサージという訓練でありますが、防衛省、具体的には北関東防衛局というところが担当いたしましたけれども、この横田飛行場におけるサムライサージ及び投下等の訓練の実施につきまして、これは米軍から情報提供を受けましたので、その内容につきまして関係自治体等にお知らせをさせていただいているところでございます。
 これは、過去数回やっている、類似の訓練を数回やっていると思うんですが、昨年の六月に行われました直近の訓練に沿いまして、今の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 米軍からは、まず、訓練の目的につきましては、日本を含む太平洋地域の安全を守り、緊急事態に対応するためであることと聞いてございます。
 それから、訓練の内容でございますが、昨年の六月の五日に、横田基地所属のC130輸送機の編隊飛行というのを行い、横田飛行場に一列編隊で進入をして上空を通過するという動きをしている。さらに、六月の六日及び七日に、同じく基地所属のC130輸送機による砂袋等の投下訓練及び人員の降下訓練を行っている。それから、投下場所あるいは降下場所につきましては、横田基地の滑走路上であるということ。
 こういった情報を得ておりまして、これは、関係自治体の皆様にお知らせをしたところでございます。
 なお、本訓練に関するこれ以上の詳細については、米軍の運用に係る事項であり、私どもとしては承知をいたしておりません。

○塩川委員 首都の上空でC130輸送機を使った、パラシュートの降下訓練ですとか、また物資の投下訓練を含む実践的な訓練がかつてない規模で行われております。練度維持のための慣熟飛行訓練ですとか、サムライサージといった、レベルの異なる軍事訓練が人口密集地の首都圏上空で繰り返し行われています。
 横田基地ホームページは、西太平洋における唯一の輸送航空団の中継基地である横田基地は、全国のどこにでも展開する準備を整えている遠征部隊である、それが大規模な訓練を行っている理由であると述べています。これら訓練は、世界のどこにでも出撃できる軍事体制づくりのためであります。
 首都に外国軍基地がある異常さというのは浮き彫りになっております。大もとには安保条約があるわけですが、米軍が航空機の出入りを管理する横田進入管制空域、横田エリアが新潟県から伊豆半島まで首都圏上空に広がっている。戦後続く米軍特権が住民に被害をもたらす大もとにあるということを言わざるを得ません。
 防衛省にお聞きしますが、人口密集地であり航空機の過密な首都圏上空での米軍機のこのような訓練飛行を見直すように求める、こういう考えはありませんか。

○真部政府参考人 今、在日米軍が行っております我が国における各種の訓練といったものにつきましては、今委員御指摘がございましたけれども、日米安保条約に基づいて、我が国防衛等のために必要なこととして行われているというふうに理解しております。そういう意味では、私どもの方から、その点について見直せといったようなことを申す考えは率直に言って持っておりません。
 ただ、安全性ということについては無視していいということでは全くありませんので、その安全性にかかわる問題については、私どもも、米軍に必要に応じて申し入れる等、きちんと対応していきたいと思っております。

○塩川委員 合同委員会合意が守られていないというのは沖縄県自身が言っていることですよ。何の担保にもならないということを重ねて申し上げ、こういった米軍特権の大もとにある航空特例法をなくすことや、あるいは横田空域そのものをなくす、このことを強く求めておくものであります。
 これは、自衛隊においても同様の会議が繰り返されております。資料の五枚目と六枚目。五枚目の方が、航空自衛隊入間基地で行われている関東西部地区飛行連絡会の資料で、入間基地上空で民間小型機などと自衛隊機が交錯をする、こういう事態が生じているということを自衛隊側が示している図であります。また、六枚目については、海上自衛隊の下総の基地が行っています下総航空基地周辺飛行安全会合の資料ですが、この下総基地の周辺にドクターヘリの場外離着陸場がたくさんあるということについての注意を呼びかけるという中身になっています。
 つまり、この間、スカイレジャーも非常にふえました。気球あるいはハンググライダー、パラグライダー、グライダー、ウルトラライトプレーンと言われる超軽量動力機、フットランチと言われます動力つきのパラグライダー、こういったスカイレジャーというのが機数もどんどんふえておりますし、ドクターヘリの運用も大きく拡大をして、関東地方においては、二〇〇一年度に千葉県でスタートをしたときには搬送件数は百二十一件でしたが、二〇一一年度には三千八百四十一件、ここには消防防災ヘリを使っている東京都は含まれておりません、非常にふえている。米軍の運用も変化をした。首都圏の空が過密で危険な空域となっているわけです。
 最後に、大臣にお尋ねしますが、ドクターヘリの運航など、米軍機の飛行は住民生活にも影響を与えます。少なくとも、米軍及び自衛隊が自治体に対する説明責任をしっかりと果たせ、住民の安全を守る、こういう立場から物申すことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○新藤国務大臣 住民生活の安心や安全を確保することは極めて重要だ、このように思っております。そして、私の方は、これは所管ではありませんので、具体的な御答弁をすることはできないわけでありますが、いずれにいたしましても、防衛省においてできる限り丁寧な対応をしていただきたい、このように期待をしております。

○塩川委員 ドイツでは、例えば米軍が低空飛行をする場合には、ドイツ法に基づいて個別に協定しているんですよ。こういうことを日本はやっていないという点こそ今まさに問われている、こういうことを指摘して、質問を終わります。
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