国会質問

<第183通常国会 2013年05月29日 経済産業委員会 15号>




○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆる小規模企業活性化法案に対し、我が党提出の修正案に賛成、政府提出法案に対して反対の立場で討論を行います。
 二〇一〇年六月に閣議決定された中小企業憲章は、小規模企業の役割を、地域社会の安定をもたらす存在だと高く評価しています。地域経済、雇用を支える小規模企業への支援を拡充し、その暮らしと営業を支えることの重要性は言うまでもありません。
 一九九九年の中小企業基本法改定によって、大企業との間の二重構造を前提とした格差是正策は放棄されました。この政策の誤りと長引く内需の不振が、小規模企業の大幅な減少と地域経済の疲弊をもたらしたのです。
 本法案には、中小企業基本法の基本理念に小規模企業の意義の重要性を明記し、今日的に重要となっている施策を追加するなど評価すべき点もありますが、二〇一四年度末で小規模企業者等設備導入資金助成制度を廃止することには賛成できません。
 反対理由の第一は、担保力、信用力が弱く、みずからの力で設備投資を行うことが困難な小規模企業にとって、金融機関の融資枠とは別に設備資金の調達が可能となる本制度の意義は依然として高いからです。
 経済産業省は、本制度を廃止しても、経営力強化融資などを利用することで代替可能としていますが、金額がかさむ設備投資の資金調達を金融機関に全て委ねるデメリットも考慮すべきです。
 第二は、本制度の利用低迷をもたらした機械類信用保険制度の廃止という失政のツケを小規模企業に負わせるものだからです。
 二〇〇二年の機械類信用保険制度廃止により、利用者が融資の返済やリース代の支払いが困難になった場合、その損失を設備貸与機関が全て負担することになりました。このことが設備貸与機関の採算の悪化を招き、二十七都県で事業の休止という大幅な制度縮小をもたらしたことは明らかです。
 この反省に立つならば、小規模企業者等設備導入資金助成制度は、廃止ではなく、利用者である小規模企業の立場に立った改善、拡充や認知度の向上にこそ取り組むべきで、わずか二時間半の審議で廃止の結論を出すのは拙速と考えます。
 以上を指摘し、反対討論といたします。