国会質問

<第183通常国会 2013年06月05日 経済産業委員会 18号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 電気事業法の改正案について質問いたします。
 最初に、ちょっと確認でお尋ねです。
 日本の電力体制につきまして、日本は民営で、発送電一貫という電力体制で行ってまいりました。こういった仕組みは、世界を見渡して、主要国においてほかにあるのかどうか、その点についてお尋ねいたします。

○糟谷政府参考人 まず、ヨーロッパでありますが、欧州委員会が送配電部門の分離を求める指令を出しております。一部、マルタとかキプロス、ルクセンブルクという例外はありますけれども、それ以外の国では全て、所有権分離や法的分離の方式による送配電部門の分離が進められております。
 ロシアにおいても、電気事業体制が再構築される過程において、送配電部門の分離、民営化といったことが進められております。
 他方で、アメリカやカナダにおきましては、州によって事情が異なります。自由化されている州を中心に、機能分離の方式により送配電部門の分離が行われているという現実がある一方で、発送電一貫体制が維持されている州もございます。

○塩川委員 国単位ということでは、ヨーロッパの例を挙げて、発送電一貫ではなく送配電分離が行われているということですし、実際、発送電一貫をやっているような国を見渡しますと、国営だったりという状況が残されているという点でいっても、九電力民営会社の垂直統合による地域独占体制というのはほかにはないあり方という点での、制度設計での特別な工夫が必要だと考えております。
 この間の電気事業制度改革を振り返ってみたいんです。
 電気事業制度改革、前回は二〇〇八年に具体的な措置が行われました。このときは法改正を伴わなかったわけですけれども、二〇〇八年の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の報告書では、小売自由化範囲の拡大の是非について、現時点で小売自由化範囲の拡大を行うことは適切ではないとして、五年後を目途に再検証を行うとしたわけであります。
 このときに掲げました五年後の再検証というのはやったんでしょうか。

○糟谷政府参考人 実は、五年後の再検証の作業でありますが、震災の直前、二〇一一年の二月に検証作業に着手いたしました。
 新規参入者のシェアについては、自由化された需要が二〇〇八年で二・五%でありましたけれども、これが二〇一〇年は三・四%へとやや拡大したものの、一般電気事業者による地域を越えた直接的な競争はほとんど生じていないなど、活発な競争が行われているとは言いがたい面がある、そういう状況でございました。

○塩川委員 競争はほとんど生じていないということであります。
 実際に、市場シェアもわずかにとどまっておりますし、一般電気事業者の他のエリアへの供給実績も一件のみということです。この間の自由化では、小売市場における新規参入事業者のシェアが伸び悩んで、需要家の選択肢は広がっておりません。
 この電気事業法改正を伴う電気事業制度の改革は、今回の前に行われたのは二〇〇二年のときであります。この二〇〇二年二月、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会報告「今後の望ましい電気事業制度の骨格について」においては、送配電部門の公平性、透明性の確保方策について、構造規制によらず、行為規制で担保するとしたものであります。いわば発送電一貫体制の維持を前提に、二〇〇三年の電気事業法の改正が行われました。
 そこでお尋ねしますが、この政府の発送電一貫体制の維持の方針が、その後の再生可能エネルギーの普及や需要家の選択肢の拡大、これへの障害となっていたのではないのか、このように思いますが、いかがでしょうか。

○糟谷政府参考人 二〇〇二、三年の改革におきましては、一貫体制を維持しながら、その中で、会計の分離、情報を遮断する、そういう形の規制を入れることによって送配電網の中立化を図ろうということでトライをしたわけであります。
 ただ、二〇〇八年三月に取りまとめられた電気事業分科会の報告書において、その後まだ五、六年であったということから、新規参入者、すなわち新電力の数や市場シェア、一般電気事業者によるほかのエリアへの供給件数など、需要家の選択肢の確保状況等を検討した結果、小売自由化範囲の拡大を二〇〇八年の段階では見送りまして、まずは既に自由化された範囲において競争環境整備に資する制度改革を実施する、その上で、先ほど御質問にありましたような、五年後を目途の再検証を行うということにしたものであります。
 その間、時間がかかったではないかという御指摘であろうと思いますが、様子を見ながら、再検証した上で再度制度の見直しをするという判断を二〇〇八年の段階で行ったものであります。

○塩川委員 二〇〇二年の報告を取りまとめた分科会の会合においては、電事連の会長が、一年余りの議論の結果、安定供給確保のための発送電一貫体制を堅持した、この報告取りまとめについて感謝申し上げたいと述べています。発送電一貫体制の維持を求めてきた電事連の要望も反映されているわけであります。
 大臣にお尋ねしますけれども、午前中の委員会でも同僚委員が、こういう発送電一貫体制は地域独占のもとでさまざまな長年の慣行があって、新規参入の妨げになったり、需要家の選択肢の拡大の妨げになっている、こういう状況があったわけであります。そういった発送電一貫体制を中心とした地域独占、こういう枠組みそのものを断ち切ることなしに、再生エネルギーの普及ですとか需要家の選択肢の拡大は進まないのではないのかと考えますが、お考えをお聞かせください。

○茂木国務大臣 電力システムのあり方も時代とともに当然変わってくるんだと思います。戦後の日本においては、発電そして送配電網を早急に整備することによって経済発展を遂げていかなきゃならない、その時代にあって、発送電一貫体制のもとで設備の増強等々を図ってきたことは、日本の経済成長に資する面が大であったと思っております。
 しかし、現在、新たなエネルギー制約に直面する中で、より賢くエネルギーを使っていく、より広域的に供給体制をとっていく、こういったことを考えたときに、発送電の分離、そして料金の自由化、広域系統運用の拡大、こういった一連のシステム改革は待ったなしだ、こういう思いで、今回、法案の提出をお願いしているところでございます。

○塩川委員 そういう点でも、電力会社にとっての規制なき独占とならないような措置が求められているわけで、送配電部門の中立性の確保がやはり課題となってまいります。
 そこで、今回の電力システム改革のプログラムについて、十一条の関係でお尋ねいたします。
 このプログラムで、最初に広域系統運用の拡大の話が一つありますけれども、小売に関しての全面自由化と発送電分離、今回の場合は法的分離ということですが、この前後関係について、小売の全面自由化より発送電分離の方が後になるというのはどういう理由からなんでしょうか。

○糟谷政府参考人 送配電部門の中立化は、競争を確保するための必要な条件であるというふうに考えております。ちゃんとした競争が確保できませんと、消費者にとって、自由化した場合に電力価格が逆に引き上げられるとか、そういうおそれがあり得るということで、そういうおそれがある場合については、電気料金の自由化について時期を見直すことができる旨の規定を置いているものでございます。

○塩川委員 いや、小売の全面自由化があって、その後に発送電分離、参入の自由化があって、その後に法的分離、そういう流れとなっているのはなぜですかということです。

○茂木国務大臣 三段階の中で、まず広域系統運用の拡大を行います。そして、参入を促しながら小売の自由化を行いますけれども、料金につきましては、その段階で、一般電気事業者につきましては料金規制を残します。そして、第三段階になりまして、発送電分離を行うことによって送配電部門が中立になる。こういったニュートラルな状態をつくって、最終的には全ての料金の自由化を行う、こういう順序立ったプロセスを考えております。

○塩川委員 送配電部門の中立性の確保によって自由化を促していくということに……(茂木国務大臣「最終」と呼ぶ)ええ。
 そういう趣旨でいっても、前回の五月三十一日の大臣の御答弁の中で、このプログラムの関係についてお話があったときに、まず広域系統運用を拡大して、全国レベルでの電力需給の安定化の仕組みをつくっていく、そして次に法的な分離によって送配電部門の一層の中立化を図る、これによって発電部門等々にも参入が促進されると述べておられるわけですが、これは、広域系統運用の拡大、参入の自由化、法的分離という順番と異なるような説明に受け取れるんですけれども、その点についてはいかがですか。

○茂木国務大臣 言っていること自体は三つの柱なんですけれども、言っている順番を、ポイントごとで言っていなかったというか、最初に広域系統運用の拡大のお話をしまして、最終ゴールの話をしまして、実は、料金の自由化の話と小売の自由化の話、どちらかといいますと需要家にかかわる問題ですからまとめてお話をした方がいいかなということで、その部分は最後にいたしました。
 ですから、私としても、順番として、広域系統の運用から始まって、それから次に発送電分離をやって、最後に小売の自由化をやっていく、こういう答弁にはなっていなかったと思いますけれども、先生がおっしゃるように正しく言うとしたら、小売の自由化の方がもちろん先に来るわけであります。

○塩川委員 そういう点で、私は、こういう説明の方がかえっていいんじゃないかなと思うのは、やはり発送電分離が行われてこそ参入の自由化も促されるし、小売の自由化にもつながってくるということこそ本来あるべき姿ではないかなと思うんですが、その点、いかがですか。

○茂木国務大臣 料金の自由化、これも進められる部分から進めたいと考えておりますが、先ほども申し上げましたように、この第二段階におきましては、一般電気事業者につきましては、規制料金を残す予定であります。もちろん、自由化料金の部分も出てきますけれども。そして、中立化がなされた段階において、ドミナントな事業者であっても、競争条件が整えば完全に自由化をするということで、需要家にとって不利にならないような設計を行ったという形であります。

○塩川委員 需要家の選択肢の拡大につながるようなこと、これは一方で、再生可能エネルギーの普及という側面も当然あります。そういった自由化を進めるためには、やはり送配電部門の一層の中立化を図っていく、この措置が先行してこそ全体も促されていく、こういう流れになるのではないのかと思うんです。
 まさに送配電部門の中立化の確保を先んじて行うということこそ大事ではないかと思うんですが、改めて、いかがですか。

○茂木国務大臣 送配電部門の中立性の一層の確保、二〇一八年から二〇年に行うということをやりますけれども、言ってみますと、電力システム改革はそこで全部終わるわけではないんです。そこからさらに進んでいくといいますか、さらなる競争が入り、さらなる参入が入り、こういうことが起こっていきます。
 ただ、例えば発送電の分離を行っていくということになりますと、発電会社と送配電会社の間のいろいろなルールの整備というのがやはり必要であります。そしてまた、それをつなぐシステムの設計が必要であります。恐らく、システムの設計だけでも一年ぐらいかかるのではないかなと想定しております。
 そして、実際には、システムの開発をしなきゃならない、これに三年から五年かかるという形でありまして、最終的に、この発送電の分離、同時に料金の全面自由化、これが二〇一八年から二〇年ということになっておりますけれども、もちろん、それ以降の段階においても、恐らく、新しい参入業者が発電部門にも小売部門にも出てまいります。そこでさらなる競争が進んでいくということになるんだと思います。
 NTTが民営化しましたのが一九八五年でありますから、二十年ぐらい前のことになると思いますけれども、それで全ての改革が終わったわけではなくて、まさに新しいサービスとか新しい参入というのがどんどん起こっている、それが現状であります。電力システムにつきましても、一つの改革としては二〇二〇年に完了しましても、本当の意味での競争とか、本当の意味でのさまざまなサービスの展開というのはそれ以降もたくさん出てくる、そういったことを期待いたしております。

○塩川委員 二〇〇〇年代の改革を見ても、発送電一貫体制を維持したままでは、結果として自由化は進まなかったねということが教訓であるわけで、そういう点でも、この発送電の分離ということについて、踏み込んだ対応が先んじて行われるべきだ。そういう意味では、システム開発の問題なんかもあるでしょう。そういう点では、ぜひとも、そこにこそやはり国が積極的な役割を果たしていく。
 大臣は、国が前面に出るというのが大分お好きで、この間、強調されておりますが、こういうところでぜひ国が前面に出て、この発送電分離体制を実際に整備していく、こういうところこそ先んじて行って、需要家の選択肢の拡大や、また再生可能エネルギーの普及拡大につながるような電力システムの改革こそ行うことが求められていると思います。
 自由化が進まないというのは、この間の電力会社の地域独占の問題もあったわけで、この電力会社のガリバー支配を打ち破る、そういう取り組みこそ必要だということを申し上げておくものであります。
 大臣、今、NTTのお話をされました。昨日、参考人質疑がございまして、エネットの池辺社長がおいでで、意見陳述をいただきました。エネットの池辺社長のお話で、私も紹介したんですが、昨年の雑誌のインタビュー記事の中で、インタビュアーから、通信自由化にあって電力自由化にないものはという問いに対して、池辺さんが、非対称規制だと。この規制は、独占企業に対して規制を課すことによって他の事業者の事業を営みやすくするものだ、通信の場合、自由化から二十七年がたって、ようやくNTTグループのシェアが六割まで下がった、非対称規制を導入し、独占企業が占めるシェアをこれくらいまで落とさないことには、本物の競争は起きない、現在の電力市場には、当社の自助努力だけではどうにもならない壁がある、本気で競争を起こすのかどうかは、国の決断にかかっているということを述べておられました。
 お聞きしますが、今回の法案で、この非対称規制というのはどのように措置されているんでしょうか。

○糟谷政府参考人 第二段階から第三段階までの間、一般電気事業者について規制料金を維持するということは、一つ明確に書いてございます。
 それ以外、法律上の規制と言えるかどうかはあれですけれども、一般電気事業者に対して、必要最低限の供給予備力を超える電源の全量市場投入を今自主的に行い、それのモニタリングを行っております。
 今後、卸電力取引所における電気の取引量を増加させるための措置、これがまさに競争の条件の統一化ということにもつながるということであると思っておりますし、こういう措置を検討する中で、具体的にどういう措置が適切であるか、そういうことを検討していきたいと思っております。

○塩川委員 法文で見ると、適正な競争関係を確保するための措置とあるだけで、来年、再来年の法案に預けるという形になっているわけですから、今回の法案での具体的な規定はないわけです。
 現行、運用でいろいろな取り組みをやっているということもあるわけですけれども、これは、電力会社の自主的な取り組みということがスキームになっているわけです。
 きのうの参考人質疑での池辺参考人の配付された参考資料で、例えば、卸電力取引所の活性化についての説明の資料もありました。この中で、必要な予備率を超える電源の取引所への投入とかいった今回の改革について、課題として、既に電力会社が表明しているこのような自主的取り組みが確実に実行されることを期待している、同時に、今後、電力会社の取り組みをしっかりとモニタリングし、競争が十分に促進されない場合には、電力会社による取引所への一定規模、例えば三〇%以上の売買を義務化などの制度的措置が必要ということも述べているわけです。
 このような制度的措置というのを検討されることはあるんでしょうか。

○糟谷政府参考人 まさに今行っておられる自主的な措置をモニタリングいたしまして、もし、それでは不十分である、制度的措置が必要であるということになりますれば、検討を行っていくことになると考えております。

○塩川委員 必要な場合での義務化、こういうものも伴った形で、非対称規制によって、ガリバーの手足を縛るような役割を果たしていくということが国の対応としても求められてくると考えます。
 再生可能エネルギーの普及や消費者の選択肢の拡大につながる独占の規制策として、非対称規制などを初めとした踏み込んだ対策を進めるべきだと考えます。
 その上で、こういった具体的な取り組みを行っていく際にも、ガリバーをしっかりと監視していく、こういう取り組みが必要なわけで、そういう点でも電力会社の取り組みをモニタリングするという重要性が指摘されたわけですが、この点で、国が電力会社をチェックすることなしには進まないわけですけれども、それが実際には不十分だったというのがこの間の経緯じゃないでしょうか。
 新規の参入促進や独占の規制策として、規制機関の重要性が大きいわけであります。今回の法案においては、新たな規制機関というのが掲げられていますけれども、これはどのようなものになると想定しているんでしょうか。

○高原政府参考人 今回の改革プログラムに、御指摘のとおり、規制に関する事務をつかさどる行政組織について、そのあり方を見直して、二〇一五年を目途に、独立性及び高度な専門性を有する新たな行政組織に移行させる旨を定めております。
 この具体的な仕事といたしましては、自由化された市場における電力取引の監視、モニタリング、あるいはルールの整備、そして送配電事業に関する料金規制や中立性確保のための行為規制の厳格な実施、そしてさらには安定供給確保のための緊急時の供給命令の的確な実施など、国の規制業務に万全を期すことが必要でございます。
 このため、先ほど申し上げましたとおり、独立性と高度な専門性を有する組織とすることが重要だと考えておりまして、このシステム改革の実効性がしっかり確保されるように、具体的な業務内容でございますとか、権限、規模、組織設計などにつきまして、さらに精査をしていきたいと考えております。
 以上でございます。

○塩川委員 閣議決定された改革方針、その中身に沿っての御答弁だと思いますが、そもそも、現在、電気事業の規制に関する事務をつかさどる行政組織というのはどこで、どういった権限や体制で行っているんでしょうか。

○高原政府参考人 現在は、資源エネルギー庁の中に電力・ガス事業部という部がございまして、そこで今御指摘のような業務を行っております。
 しかし、電力システム改革の場合には、より高度な観点からの監視ですとかモニタリング等がいろいろ必要になると思いますので、先ほど申し上げたような新しい規制組織というものが必要になるのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○塩川委員 電ガ部でやっているということで、実際その規制に携わっている人というのは、今はどのぐらいなんですか。

○高原政府参考人 これはちょっと、私、人数を精査してみないとわかりませんので、今お答え申し上げられないんですけれども、いろいろな規制業務がございますけれども、それ以外に、振興的な業務もございますので、ちょっとその数等については、今ここで持ち合わせておりません。不正確になってもいけませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

○塩川委員 諸外国の比較で、ドイツなんかが二百人ですとか、数百のオーダーでの規制機関という話をお聞きするわけですけれども、そういった実効性があるような規制機関になるかどうかということが内容としても問われているんじゃないでしょうか。
 先ほど小池委員の質問を聞いていてなるほどと思いましたのが、託送料金へのいろいろな上乗せの話がございました。そういう意味では、広域的運営推進機関について、その会費については託送料金に上乗せするという話もありましたし、先ほど大臣にもお尋ねしていましたけれども、廃炉の費用などについても報道では託送料金の上乗せなんということも出てくるわけですから、そういった総括原価方式で行われるようなこの託送料金の仕組みのところに何でもかんでも上乗せするというのはどう考えても納得がいかないわけで、そういった点でも規制機関の役割が重要なわけです。
 そういった点について、どういう役割を果たすのか、その辺の制度設計はどうなっているのか、これはどのようにお考えですか。

○高原政府参考人 まず第一に、託送料金に入る範囲というのは、やはりこれは送配電に関するコストでございますので、報道も含めて、もう少し正確に議論をしていただくことが必要だと思います。
 その上で、どういった形のものを、正確に送配電業務に関するものを託送料金に乗せるか、これを総括原価主義のもとに置くかといったようなことにつきましても、しっかりと精査していくことが必要だというふうに考えております。
 以上でございます。

○塩川委員 詳細も明らかにならないところでの実効性というのは見えてこないということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、広域的運営推進機関の関係ですけれども、この会員構成と現行のESCJの会員構成には違いがあります。ESCJにおいては、四グループの一つとして学識経験者が入っているわけですけれども、広域的運営推進機関には入っておりません。こういった仕組みで、需要家や新規参入者の立場でのチェック機能を果たすことができるのか、こういう懸念もあるわけですけれども、この点について御説明いただけますか。

○糟谷政府参考人 現在のESCJでありますが、これは送配電等業務の円滑な実施を支援することが目的でありまして、電気事業者に加入義務を課しておりません。
 今回つくられます広域的運営推進機関につきましては、広域的運営のために協調することが電事法上義務づけられておりまして、これを効果的に実現していくことを目的としておりますので、全ての電気事業者に加入義務を課すということであります。
 中立者である学識経験者が会員として参画していないのが問題ではないかという御指摘でありますけれども、今回の広域的運営推進機関におきましても、理事長を初めとする役員ですとか、運営に関する重要事項を審議する評議員について学識経験者が就任して、公正な運営を確保したり、第三者的な専門的知見を取り入れていくということは十分可能なたてつけになっておりまして、こういうことを活用しながら、引き続き中立性をうまく確保していきたいと思っております。

○塩川委員 最後に大臣に、こういった規制機関の役割は極めて重要だと考えていますけれども、現行の制度設計ではなかなか中身が見えてこない、こういう点で、どのようなものをつくるお考えなのかについて、大臣のお言葉でいただきたいと思います。

○茂木国務大臣 今後、第二弾、第三弾の法案の設計もしてまいります。その段階におきまして、具体的なものをお示ししたいと思っております。
 厳格な監視が行える機関にしなければいけない、同時に、それが組織の肥大化につながることになってもいけない、そういう思いで取り組みをさせていただきたいと思います。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。