国会質問

<第186通常国会 2014年03月27日 総務委員会 10号>




○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、NHK二〇一四年度予算の承認に対し、反対の討論を行います。
 籾井NHK会長の就任会見での発言は、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保することや、放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、健全な民主主義の発達に資するようにすることなど、目的を規定した放送法の第一条、NHKについては政府からの独立への配慮がなされている放送法の趣旨についてのNHK会長の不理解が露呈したものでした。さらに、日本軍慰安婦問題など、歴史を歪曲する発言は、会長としての資質が問われるものでした。
 国会で、会長は、発言を取り消す、個人的な見解を放送に反映することはないとしながら、個人的見解を変えたわけではないとも述べました。このような籾井会長の発言に対して、かつてない規模で国民・視聴者から批判が寄せられているもとでは、予算は承認することはできません。
 また、消費税増税を理由とした受信料値上げは、視聴者に負担増を強いるものです。しかし、今回の予算では、受信料値上げを抑えるという経営姿勢が見られません。
 なお、NHK予算に対する総務大臣意見は、NHKに政府の成長戦略への貢献を求める踏み込んだものとなっていることは重大です。かつてNHKが設置した有識者会議では、公共的性格を備える放送を産業振興策に使ってはならないと明らかにしました。NHKは、政府の産業政策に迎合せず、政府から独立し、商業主義にくみしないという基本的立場を貫くべきです。
 最後に、NHK及び経営委員会には、国民・視聴者の声に真摯に向き合うことを求めて、討論を終わります。(拍手)