国会質問

<第186通常国会 2014年04月02日 経済産業委員会 6号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 中心市街地活性化法改正案について質問いたします。
 中心市街地活性化法は、御案内のとおり、まちづくり三法の一つであります。まちづくり三法というのは、都市計画法のゾーニング、土地利用規制により大型店の出店場所の適否を市町村が判断し、立地場所が決定した後の大型店については、大店立地法により交通渋滞や騒音等、周辺の生活環境保持のための配慮を求め、中心市街地活性化法で町の中心部のにぎわいを取り戻そうというものであります。
 二〇〇六年の都市計画法改正は、大規模集客施設の適切な立地の確保を図るとして、大規模集客施設、床面積一万平米超が立地可能な用途地域を六つから三つへ限定することや、非線引き白地地域等では大規模集客施設は原則立地不可とする、規制強化される地域において大規模集客施設の立地を認め得る新たな地区計画制度を創設するなどを行ったわけであります。
 関連してということで、最初に都市計画法について質問いたします。
 二〇〇六年の都市計画法改正の成果というのはどうだったのか、この点について国交省にお尋ねいたします。

○坂井大臣政務官 平成十八年の都市計画法では、大規模集客施設について立地可能な用途地域を限定した上で、立地しようとする場合は地区計画を策定するなど、都市計画手続を経ることにより地域の判断を反映した適正な立地を確保する等の都市計画制度の充実を図ってまいりまして、大規模集客施設について、改正法施行後は立地件数が減少するとともに、商業地域等への立地割合が増加するなど、地域の判断を反映した大規模集客施設の適正な立地を図る上で一定の効果があったものと考えております。

○塩川委員 一定の効果があったというお話でございました。
 今、国交省としては、改正都市計画法について、一定の成果が上がった上で、何らかの課題があると考えておられるのか。その点についてお聞かせください。

○坂井大臣政務官 今のところ、十八年の都市計画法改正で求めてきたところに関しましては一定の効果がありますし、その上、今後それぞれの地域において必要があれば、面積要件の引き下げや準工業地域等での立地制限等、各地方自治体において制限を課せる都市計画手法もあるということでございますので、こういったことも含めて、地方自治体等々とも相談しながら進めていきたいと思っております。

○塩川委員 一万平米以上の大規模集客施設の郊外への出店が減少したということです。
 国交省にお尋ねいたします。
 延べ面積で一万平米を超える大規模商業施設について、改正都市計画法施行の二〇〇八年から二〇一二年までの間で規制強化されました用途地域であります第二種住居地域、準住居地域、工業地域における大規模商業施設の立地件数はどうなっているか、及び原則立地不可とされた白地地域や市街化調整区域における大型店の立地件数の推移はどうなっているのか。この点について教えてください。

○田村政府参考人 お答えいたします。
 平成十八年の都市計画法の改正は平成十九年十一月三十日ということで、法施行後となる二十年から二十四年、二〇〇八年から二〇一二年までの五年間について申し上げます。
 まず、御質問の、建築物全体の延べ床面積が一万平方メートルを超える建築物につきましては、新たに立地制限が適用されることとなった用途地域別に、第二種住居地域で十八件、準住居地域で十件、工業地域で十七件。それから、市街化調整区域で十四件、非線引きの都市計画区域の白地区域では七件。合計で六十六件、五年間平均では約十三件となってございます。
 なお、十八年の都市計画法の改正に係る制限対象として、店舗等の床面積一万平米で見た場合は、おのおの、第二種住居地域で一件、準住居地域で一件、工業地域で二件、市街化調整区域で十件、非線引きの都市計画区域の白地で一件、合計十五件で、五年間の平均では三件となってございます。

○塩川委員 今言ったように、規制強化の地域、あるいは原則立地不可の地域でも出店例があるわけであります。もちろんこれは、床面積をどうとるかで数字は変わってくるわけです。延べ床面積で聞いた場合と、あと、小売商業の面積について、当然いろいろとり方がありますから。ただ、大規模集客施設という都市計画法の改正の中身でいいますと、一万平米というのは売り場面積でいうと大体七千から八千の間ぐらいというふうに言われておりますので、私の方で資料をお配りいたしました。
 表二が、二〇〇七年十二月から二〇一三年十二月までに大店立地法に基づく届け出のあった大型店のうち、店舗面積五千平米超の新設大型店の用途地域別の一覧であります。
 ここで見ていただきますと、網のかかっている部分ですけれども、先ほど言いましたように、店舗面積で八千平米の上というとり方をしている部分です。そうなりますと、この八千平米を超える規制強化された用途地域での出店数というのが、合計で、括弧にしてある方ですけれども、第二種の住居地域では二十一件、準住居地域は十三件、工業地域は二十八件、また、原則立地不可とされている市街化調整区域が十八、白地地域が十四ということになっております。原則禁止となったはずのエリアでの郊外への出店が続いているということが、ここにも見てとれるわけであります。やはり、そうはいっても郊外への出店の傾向が高いということは言わざるを得ません。
 そういう点で、国交省にお尋ねしますが、中心市街地への出店よりも実際には郊外への出店が多いという傾向、これ自身は二〇〇八年以降においても変わりがないんじゃないのかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○田村政府参考人 郊外への立地の傾向ということでございますけれども、いろいろとり方があって申しわけございませんが、店舗面積ということで、実際の売り場の面積ということだと思いますので、この数字よりももう少し実際の床面積だと大きいところから規制はかけていると思いますが、傾向的に見ますと、郊外への立地は法改正後は抑えられておりますし、中心市街地への立地というものは傾向的にはふえている、立地件数としてみればそういったことかなと理解しております。

○塩川委員 配付資料の上の方の表一、ショッピングセンターの立地別新設状況というところがあります。これは日本ショッピングセンター協会の公表資料をもとに作成したものですが、この区分そのものはショッピングセンター協会の区分ですから、厳密な法令上に基づいてということではありません。
 中心地域と周辺地域と郊外地域ということでいえば、二〇〇八年から二〇一二年、中心地域が一七%だとすれば、周辺地域が二七%、郊外地域が五七%ということで、実際に過去をさかのぼってみても、郊外地域中心の出店の傾向というのは基本的に変わっていないんじゃないのか。もちろん、大規模集客施設はショッピングセンターだけに限られるものではありませんが、傾向として、こういった郊外への大規模集客施設の出店傾向は変わりがないんじゃないのか。
 そういう点でいいますと、この都市計画法改正の趣旨に必ずしもそぐわない事態というのが今なお続いているのではないのか、このように思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○茂木国務大臣 これは詳しいデータを拝見しないとわからないんですが、先生にお示しいただいた表の一、我々が中心市街地のあれでいわゆる大型店と捉えているのとは違うようなショッピングセンターがかなり入っていると思います。それは恐らく、九〇年代は主流ではなかった、そういったものが二〇〇〇年以降かなり出てきまして、それが郊外に立地するといった形でこういった数字になっているのではないか。
 直観的にはそういうふうに思いますけれども、もう少し細かい細部のデータがないと、これについてコメントするのはなかなか難しいと思います。

○塩川委員 そういう点でいいますと、私も探したんですが、こういう形のものしかなかったという点では、改正都市計画法に一定の成果があったということであれば、その検証をぜひしっかりやっていただきたいと思っておりまして、そういう点でも、今言ったように、中心部よりも実際には郊外の方が多いんじゃないのかということは今の傾向としても感じるわけです。そういったことについての国交省としての検証をぜひ行っていただきたいと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

○坂井大臣政務官 委員の御指摘に沿って、できる限り情報を集めて、話を聞きながら検討したいと思っております。

○塩川委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その点でいえば、自治体が非常にいろいろ努力しながら都市計画法の手法に基づいて大型店の立地の誘導などに取り組んできておるわけですけれども、なかなか苦労しているというのも実態だろうと思います。
 例えば、先駆的なのが福島県ですけれども、それはちょうど改正都市計画法の二〇〇六年の議論を行っているのに先んじる形で、福島県が条例もつくりました。商業まちづくり条例ということで、二〇〇五年の十月の制定ですが、ここでは、売り場面積六千平米以上の小売商業施設を特定大型店に指定して、広域的な視点から立地調整を行うとともに、出店する大型店に地元貢献を求めるというところがポイントの一つだったわけであります。
 しかしながら、六千平米以上という要件を課したわけですけれども、実際には、施行後で見ますと、バイパス沿いに大型店が出店する、それも六千平米ぎりぎりの、田村市の白地地域では五千九百九十一平米の大型店が出店するとか、あるいは喜多方市においても郊外のバイパスで五千九百三十一平米という面積とか、あるいは福島市でも五千九百九十七平米といった形での大型店が出店し、それが連担して出店する。ですから、トータルで見れば万を超えるような大型店の出店という状況が現に生まれてしまったということもあったわけであります。
 そういう点でいえば、もともとコンパクトシティーということで取り組みが行われた一つが青森市だったわけですけれども、青森市では、浜田地区というところにイオンタウン青森浜田というのができたということで、経営実態としては一体であるにもかかわらず、道路が入って、道路で隔てることによって大型店が立地をするということですから、結果として、建物を道路で隔て、売り場面積を分割した形で規制を逃れるという形の立地なども現にあったわけであります。
 そういうさまざまな事業者の取り組みがあるものですから、そういう前例も踏まえた上で、岩手県においては特定大規模集客施設の立地誘導条例というのを二〇〇七年に制定して、二〇〇八年十月から施行され、運用されているわけですが、青森の例のような条例回避の可能性が出たことを受けて、施行規則を全面的に見直して、公道を挟んでいても一体的な利用となっていれば規制対象にする、こういう取り組みなども行ってきているわけです。
 そういう点でいいますと、実際にはなかなか、何か一つつくればそれで済むという状況じゃないということもあるわけですから、こういった現場の、自治体でのまちづくりの苦労の状況というのは国交省としてはしっかりと把握しておられるのか、そういう声、要望というのは聞いていないのか。その点はいかがですか。

○坂井大臣政務官 各地域、地方自治体が御努力をされているということはいろいろとお聞きいたしておりますけれども、その細かな事例に関しましては、私自身が今存じ上げないものもございましたのであれですけれども、各地域それぞれの努力があって、そして、先ほど申し上げましたけれども、それがあるために地方自治体がいろいろと制約できるというのが生きているという評価もさせていただいているところでございます。

○塩川委員 実際にはイタチごっこみたいな状況になっているわけですから、そういう意味では、私は、そもそもの都市計画法でのゾーニングのさまざまな手法についてのルールづくりについて、都市計画法のルールづくりを見直すことも必要なのではないのかというふうに考えたわけです。
 私たちは、二〇〇六年の法改正のときに都市計画法の改正に賛成いたしました。その際に、やはりこういった点でのしっかりとしたルールをつくるべきだという点での修正案を提出したわけであります。その修正案は、やはり、今のこういった自治体の独自の取り組みが、そうはいいながらもイタチごっことなっているという状況の中で、改めて重要じゃないかなと思っているわけです。
 例えば、一万平米という規模要件そのものも、あの時点では三千平米という切り方をしたわけですけれども、引き下げたらどうか、そういった修正案を出したわけです。そういった規模要件を見直すということなどはお考えになりませんか。

○坂井大臣政務官 先ほど委員が示された数値等もございましたし、また、我々も情報を集めるというお話をさせていただきましたが、まずはヒアリングをして、しっかりと情報を集めた上で検討させていただきたいと思います。

○塩川委員 あわせてお尋ねしたいのが、二〇〇六年の法改正のときに、我が党としては、大規模集客施設の立地が制限される用途地域に準工業地域も追加した方がいいということを提案したんですけれども、この準工業地域においての出店の件数というのは教えていただけますでしょうか。

○田村政府参考人 お答えいたします。
 建築物全体の延べ床面積が一万平方メートルを超えるものにつきまして、平成二十年から二十四年までの五年間で、準工業地域では百十一件の立地となっております。
 また、法令上の制限対象である店舗等の床面積一万平方メートルという意味では、同じく五十件となっております。

○塩川委員 これは、線の引き方で数が違ってくるのはあるわけですけれども、延べ床の一万でいえば百十一件という話でありました。そういった準工業地域も含めて規制対象に加えるべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。

○坂井大臣政務官 委員の御指摘もありましたので、先ほど申し上げているとおり、しっかり現地の情報をヒアリングして、情報を集めて、検討させていただきたいと思います。

○塩川委員 商店街など商工団体からは、二〇〇六年改正作業の際には、準工業地域も規制強化の対象に入れるべきだという議論があったわけですが、実際には不動産協会などの要望もあって、反対の声もありということで三大都市圏とか指定都市が除かれるという経緯もあったわけですから、こういう点についてもぜひ検証していただきたいと思っております。
 そういう点で、私はやはり、都市計画法のゾーニングというのは手法としては当然活用されるべきものだと思いますけれども、現行、日本におきましては、都市計画区域というのが国土面積の二七%、市街化区域は四%程度ですか、そういうふうに限られているという点でいいますと、土地利用規制というのが郊外に行くほど緩い、そういう仕組みになっている。ここの点について、そもそも、見直し、改めるときではないかなと思うんです。この点についてはいかがですか。

○坂井大臣政務官 一つ一つの件に関してはしっかりと情報を集めさせていただきたいと申し上げたいと思います。
 一応、地方公共団体にこの立地規制の制度に対してのアンケートをさせていただいておりますが、これは平成二十四年十一月から十二月ということでございますけれども、そのときに、各地方自治体においては、おおむね現行制度を続けていただきたいというような要望もあったということもお聞きいたしておりますので、ですから、委員がおっしゃられた細かな話は、これからまた改めて情報を集めさせていただきたい、このように思っております。

○塩川委員 きょうの議論の中でも英国の事例なども紹介されました。まずは中心部で、それの周辺で、もし郊外にというのであれば、しっかりとした、公共交通機関などを含む多様なアクセス手段を確保しましょう、こういった手法というのが紹介もされたところですし、そういう点でいえば、人口減少時代であるならば、こういった対応こそ必要だろうなと思っております。
 次に、大店立地法について茂木大臣にお尋ねいたします。
 大店立地法は、「需給状況を勘案することなく」と、商業調整を禁止する条文が入っております。この点について自治体から意見が上がっております。
 例えば岩手県ですけれども、先ほど紹介しました条例づくりの議論を行っています岩手県の特定大規模集客施設立地誘導審議会の専門検討委員会の報告書の中には、県が策定する条例には限界があるとして、その一つに商業調整の禁止を挙げております。これは二〇一三年七月の報告書ですけれども、大店立地法十三条の商業調整の禁止によって、中心市街地、既存商店街を守るといった趣旨の条例を制定することは難しいとしているということです。
 大臣にお尋ねしますけれども、こういった大店立地法による商業調整の禁止というのが自治体の独自の取り組みを行う上での制約要因となっているんじゃないのかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○茂木国務大臣 まちづくり三法ができまして、それによって大店立地法にかわるわけです。それで、それまでのいわゆる地域的な需給調整のやり方をゾーニング規制といった形にしまして、さらには、二〇〇六年の改正によりましてさらにこの規制を強化するという形で、先ほど来答弁がありますように、大店の立地が二〇〇七年以降、三分の一に減少する。
 私は、先ほどのショッピングセンターの立地のをもう一回見てみたんですけれども、多分、私が間違っていなければ、二〇〇〇年ぐらいからホームセンターとかができ出すんですよ、家具センターとか。別にこれは中心市街地の商店街とそんなに、それは一部の家具屋さんとか植木屋さんとは競合しますけれども、しないところが結構出てきたのがこのぐらいの時代じゃないかなと思います。国土交通省が後で調べるなら調べていただければいいんですけれども、こんな極端な変化にはなっていないのではないか、傾向としてはやはり、大型店の立地というのはかなり規制を実態的にされるような状態になってきたんじゃないか、そんなふうに思っています。
 それから、都市計画の話も私のあれではありませんけれども、恐らく、日本は山が多いですから、山まで都市計画でやる必要はないのでこういったカバー率になっているのではないかなと思っております。

○塩川委員 農地のあり方も含めて、本来はきちんと、一体的にということが基本ですから、当然、二〇〇六年のときにはそういう議論があって、一定のかかりがするような仕組みをつくったわけですけれども、そのことも含めて、大臣の御意見もありますから、それも含めた分析、検証をぜひ国交省の方ではやっていただきたいと思います。
 そうはいっても、やはり私は、商業調整の禁止というのが自治体の身の丈に合ったまちづくりをつくる上での選択肢を狭めるものになっているというふうに思いますし、必ずしも、海外の事例を見れば、商業調整を全面的にだめだと言っているわけではなくて、手法の一つとして活用している例もあるわけですから、国の制度として手を縛るようなやり方というのは見直すべきだということを申し上げています。
 それから、この間、長浜の視察も行きました。中心市街地の活性化ということで大変御努力されているという話を伺ってまいりました。また、北関東では高崎市に伺いまして、第一次の基本計画の話も伺い、そういう中での御苦労もいただいたところです。
 そこで商店街の役員の方のお話も伺ったんですが、高崎の場合には、もちろん人口がもう三十七万と、周辺も合併して大きくなったわけですけれども、非常に商業の集積のある町でもあります。駅の西口にイオンの出店が報道されておりまして、地元商店の代表の方は、中心市街地へのイオン出店については、にぎわいの回復につながればと期待しているということもお話を伺いました。
 この間、高崎市は、中心市街地の基本計画に基づいて、高チャリと言われる、自転車で回遊できるような、こういうような自転車を各地に配置するですとか、もちろんオープンカフェを活用するですとか、周遊、回遊できるようなそういったまちづくりという点での取り組みをしてきているわけですが、ただ、イオンの出店というのが、第一種特例区域ということもあって、事前の大店立地法上の届け出も必要がないとかというところも含めて、なかなか計画全体が地元にわからないというんですね。
 だから、私は、そういう点でいっても、基本計画に整合的な活性化策を図る上では、新規出店する大規模集客施設、大型店について、地元との協議の場をつくることを含めた、しっかりとした、基本計画に沿った中心市街地活性化の取り組みになるような話し合いの場を設定するなどの工夫がぜひ必要じゃないかなと思うんですが、この点、大臣は何かお考えがございますでしょうか。

○茂木国務大臣 需給調整については、先ほど説明申し上げたように、ゾーニング規制といった形に変えさせていただきました。
 ただ、大型商業施設と地域の商店街の方々がさまざまな意味でまちづくりについて意見交換をする、さらには理解を深める、こういったことは極めて大切なことだと思っております。

○塩川委員 長浜で伺ったのは、もちろん、観光関係のいろいろな物販のお店がふえているのは確かなんですけれども、生鮮品の店がやはり少ないままなんですよ。地元の努力で、シルバー、プラチナの皆さんに頑張っていただいて生鮮品のお店を出したというのがあるんですけれども、それぐらいで、さらにふえるという状況じゃないんです。
 そうすると、町中居住を進めようと思っても、生鮮品のお店がないというのが大きなネックになっているという点でいいますと、そういった形での立地をどういうふうに進めるとかというのは、もっと知恵を出さなくちゃいけないところだろうと思っております。それは高崎市も同様に、生鮮品の店がないというのは共通しているところじゃないでしょうか。そういった点について、しっかりとした事業者の協議の場を整えていくような取り組みに、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
 この間、大型店の出店動向について言えば、郊外への出店も進めるというのはありますけれども、例えば、イオンモールなどのIRリポートなどを拝見すると、郊外出店も引き続き進めるけれども、同時に中心部への出店というのを進めよう、こういうことを掲げているわけですから、そういう意味でも、法改正の中身というのが、そういったディベロッパーの意向の反映という部分も当然あるのかもしれません。その際に、やはり地元商店街や地元自治体、住民との共存共栄が図れるような工夫をぜひ行っていただきたいと思います。
 それで、高崎市の関係で一問。
 大雪被害、二月の大雪でアーケードが壊れました。地元市の方での助成もあって撤去は行っているわけですけれども、今後どうするかということがあります。その点で、中小企業庁では、こういった大雪によるアーケードの被害について、経産省として被害状況をどうつかんでいるのか、また、どのような商店街のアーケードへの支援策を考えているのか。この点について教えていただけますか。

○北川政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の大雪におきましてアーケードが壊れた、また大きな被害が各地で起こったと承知してございます。このアーケードの改修あるいは撤去というものにつきましては、補正予算で措置しております、安心、安全な生活環境を守るための商店街施設の整備を行う商店街まちづくり事業、これは補助事業でございますが、これにおきまして支援を行っております。
 具体的には、本年二月十四日の大雪に係る被害状況を踏まえまして、まず、この補助事業、募集期間は当初十四日までだったのでございますが、これを二月二十八日まで延長いたしまして制度を使えるようにいたしまして、関東経済産業局から、被害を受けた自治体あるいは商店街に対してその周知を行ってきております。
 こうした取り組みによりまして、二件採択が出ておりまして、群馬県前橋市の立川町大通商店街振興組合、それから栃木県日光市のフラワーズプラザ商店街振興組合からアーケードの改修や撤去についての申請がございまして、採択を経まして活用されるという方向になってございます。
 この二商店街に加えまして九つの商店街から相談を受けておりますけれども、その中で、委員御指摘の群馬県高崎市の高崎中央銀座商店街につきましては、現在、関東経済産業局から高崎市及び商店街に連絡をとっているところでございます。現在、商店街側で、補助事業の活用も含めまして、アーケードの撤去や改修を今後どのように進めるかということを検討中というふうにお伺いしております。
 この補助事業につきましては、八月十五日までを公募期間としておりますけれども、この事業実施ニーズに的確に応えるために、四月三十日、そして六月二十七日と、早期採択のための先行的な締め切りを設けております。
 今後とも、自治体との連携を図りながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

○塩川委員 ぜひ、きめ細かな対応を要望するものです。
 最後に、特例通訳案内士制度についてお尋ねいたします。
 きょう、一日の審議の中でも議論されているところで重なるところもありますが、確認でお尋ねいたします。
 今回の法案では、中心市街地において活動が認められる特例通訳案内士制度といった規制の特例措置を講じることになっております。この間、一連の特区制度などによって地域限定の特例通訳案内士制度が発足しているわけですが、国交省にお尋ねしますけれども、やはり、通訳案内士が多数いるような都市部というのは、通訳案内士の方がいるわけですから、本来、新たな特例通訳案内士制度の必要性がそもそも薄いのではないのか。
 そういう点で考えたときに、中心市街地の区域内だけでは広域的な観光のニーズにも応えられないということもありますので、特例の制度というのは本来の通訳案内士制度の補完的な役割を果たすものではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○坂井大臣政務官 おっしゃるとおりでございまして、通訳案内士を補完する形で、地域の実情に応じて、その地域をきめ細かく案内できる通訳ガイドを養成するというのが特例ガイドの趣旨でございますので、その趣旨を十分生かせるような制度というもの、また運用というものを心がけていきたいと思っております。

○塩川委員 それと、名称の問題についてです。
 通訳案内士制度と特例通訳案内士制度では、仕組みやレベルももちろん大きく異なります。通訳案内士というのは、制度でいえば、業の独占もあり、名称の独占もあるわけです。そういう点ではしっかりとした資格制度としてあるわけですから、そこが特例の通訳案内士制度と区分できるような名称の使い方ということは工夫すべきところではないかなと思っております。
 ですから、通訳案内士と特例通訳案内士が混同されることがないような名称の使用についてぜひ具体化を図っていただきたいと思いますが、この点についてぜひお答えください。

○坂井大臣政務官 特例ガイド制度と通訳案内士制度による混同が起こりませんように、外国人旅行者に提示する証明書で使用される名称等で工夫をしてまいりたいと考えております。

○塩川委員 その点では、具体的に、特例通訳案内士の場合には特例ガイドとか、そういう文言を使うということをお考えになっているのか。その点について最後に。

○坂井大臣政務官 おっしゃるとおりでございまして、例えば、奄美特区でありますと奄美群島特例ガイドということで、こちらを大きく表示して、わかりやすく、見やすくしていきたいと考えております。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。