国会質問

<第186通常国会 2014年04月25日 経済産業委員会 13号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうお時間をいただきました。エネルギー基本計画を含む電気事業法、エネルギー政策全般にわたっての質疑ということでもあります。
 本会議におきまして私が新規制基準の問題についてお尋ねをした際に、安倍総理の答弁は、「新規制基準については、原子力規制委員会において、国会事故調などにより明らかにされた情報を踏まえ、米国を初め海外の規制基準も確認しながら、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案した上で、世界で最も厳しい水準の規制基準を策定したところです。」このように述べております。これを踏まえて、経済産業省、大臣及び原子力規制委員会の田中委員長にもおいでいただきましたので、質問をさせていただきます。
 資料をお配りしております。ここでは、九州電力の川内原発一、二号機の重大事故等対策の有効性評価ということで掲げられている重大事故シナリオの一つの例を取り上げております。
 新規制基準は、重大事故として想定し得る代表的な幾つかのシナリオに対して、その対策の実効性を明示することを要求しております。そのような想定シナリオの一つとして、格納容器の破損防止対策に関する、大破断LOCAプラスECCS注入失敗プラス格納容器スプレー失敗というのがあります。
 この一枚目の資料の左上、黄色く塗られて赤い枠で囲まれている、ここが重大事故のシナリオの設定でありますけれども、原子炉に直結している一次冷却水配管などの大口径配管が破断をし、かつ、何らかの原因で交流電源、外部電源及び非常用交流電源が失われた場合が相当するものです。電気が来ないために、緊急炉心冷却装置、ECCSのポンプが動かず、格納容器スプレー装置も動かないという想定であります。
 こういった事態が生じた場合の事故シナリオを描いた図になるわけですけれども、この図を見ますと、一番左側のところに解析上の時刻というのがあります。ゼロ秒というところからスタートをして、炉心溶融が約十九分、そしてそれから三十分を仮定して、常設電動注入ポンプによる格納容器スプレー開始が行われて、それは約四十九分となります。それでも、約一・五時間後には原子炉容器の破損に至るという想定のものであります。
 九州電力のシナリオはこのとおりだと思うんですけれども、この点について確認だけしていただけますか。

○櫻田政府参考人 御説明いたします。
 この資料の位置づけ、あるいはここに書いてある重大事故シナリオの概要については今議員のお話のとおりだと思いますが、少し補足させていただきますと、これは議員のお話にもございましたとおり、格納容器の破損防止対策の有効性を説明するということでございます。
 格納容器の破損防止対策を考えるに当たっては、やはり、炉心が溶融をして、それがその格納容器に影響する可能性があるような事故の進展を想定する必要があるということで、このような、全交流電源が喪失をする、さらに大破断LOCA、ECCSの注入失敗、格納容器のスプレーの注入も失敗するという想定をしているということでございます。
 それで、事故の進展も、十九分で炉心が溶融をする、それから約一・五時間で原子炉容器が破損するに至る、こういうことなんですけれども、一方で、今回の新規制基準に対応するために、新たに常設電動注入ポンプという重大事故対策設備を設けておって、この作動をして格納容器にスプレーを開始することが四十九分に至るまでにできるだろうということです。
 そうすると、その後、約一・五時間で原子炉容器が破損する、この時間になりますと原子炉容器の底から溶融した燃料が格納容器の下の方に落ちていくわけですけれども、その約一・五時間に至るまでの間に常設電動注入ポンプによるスプレーによって格納容器の下の方に水をためることができて、これは九州電力の想定、評価によると深さ約一・三メートルというふうになってございますが、水がたまるということによって格納容器に溶融した炉心が落下しても影響を与えることがない、そういうようなシナリオになってございます。
 また、もう少し下まで行きますと、二十四時間というところに書いてございますが、移動式の大容量ポンプ車を使って海水を格納容器再循環ユニットという機械に通水することによって格納容器の中の熱を下げる、自然対流冷却と書いてございますが、そういうことによって格納容器の健全性を維持することができる、こういう評価でございます。

○塩川委員 炉心溶融、原子炉格納容器破損という事態でも、格納容器スプレー開始によって、水がたまることによって、深刻な事態に至ることを避けるというシナリオだということであります。
 その上で、やはり、炉心溶融で約十九分ですとか、原子炉容器破損に約一・五時間、そういう時間の妥当性ということも問われてくるわけで、この点では、事業者の解析だけではなくて、規制委員会としてのクロスチェック解析も必要だと思うんですが、この点は実際にはどうなんでしょうか。

○櫻田政府参考人 こういう評価を、電気事業者、九州電力は、彼らの使用している解析コードを用いて解析しているわけでございますが、時間そのものが、厳密にどのくらいの時間になるかということよりも、この程度の時間でこういう事態に至る、それから、例えばここでは、先ほど議員の御指摘もございましたけれども、炉心溶融から三十分の時間を仮定して常設電動注入ポンプによるスプレーが作動できる、こういうようなことも含めて、こういった時間間隔で実際に作動させるような体制がとられているのか、人員がいて、実際に人が動いて機械をうまく機能させることができるかといったソフト面の対策も含めて、有効性が本当にあるのかという、この評価についての妥当性を全体的に評価している、こういうことでございます。

○塩川委員 直接のお答えはありませんでした。
 三十分の仮定のところでも、人為的に本当に水を入れられるのかどうなのかという判断というのは、当然事業者として、妥当なものがあるのかどうかということも問われるわけですけれども。
 私がお聞きしましたのは、資料の二枚目にお示しした、これは東電福島第一原発一号機事故時の炉心状態評価のクロスチェック解析の資料であります。
 表の一の一を見ていただきますと、いろいろな初期の設定があるわけですけれども、「福島第一原子力発電所一号機に係る事業者解析ケースでの結果と比較」ということで、事業者が行った解析の結果に対して、原子力安全・保安院が独自にクロスチェックで解析を行っている、その表に当たるわけであります。
 表の一の一でいえば、二つ目の枠にありますように、炉心損傷開始時間というのが、一番右側の事業者の解析では地震発生後約四時間となっているのに、保安院の解析では地震発生後三時間と、違いが出ている。その下の枠、原子炉圧力容器破損時間を見ると、事業者解析は地震発生後約十五時間に対して、保安院の解析は地震発生後約五時間、三分の一ということであります。
 これは、事業者の解析はマープという手法で、保安院の解析はメルコアというものだというふうにお聞きしておりますけれども、このように、解析の方法によって大きく時間が異なる。
 そういうことになりますと、要は、先ほど示した資料の一にあるような、炉心溶融ですとか原子炉容器の破損の時期というのも大きく異なるとなれば、対応そのものが異なってくるのではないのかということがあって、こういった解析上の時刻というのがクロスチェック解析で妥当なものという評価を、事業者の解析とは別に規制委員会として行っているのかどうかということをお尋ねしたんですが、改めて、いかがですか。

○櫻田政府参考人 事業者の対策の有効性を評価するに当たりましては、時間間隔をきちんと把握した上でということが大事だということは御指摘のとおりでございます。
 一方で、十九分が二十分なのか二十五分なのかとか、そういうことというよりも、実際に全交流電源が喪失して大LOCAになってというような事故が起こったときに、どういう挙動を原子炉なり冷却水の設備が示すかというその全体的な動き方、それから、例えば、ここでは四十九分という時点で常設電動スプレーポンプ、水を注水するポンプの電源を作動させることができる、そういうことになっていますけれども、そこに至るまでの事業者の中での人の動きとかいったところで、おくれた場合にこれがどうなるのかとか、感度解析みたいなことになりますけれども、そういったさまざまな不確かさみたいなものを組み合わせて考えたときに、しっかりとその対策が有効に働くのかというところを審査する必要がございまして、今、そういう観点でこれまでの審査を進めてきている、そういうことでございます。

○塩川委員 ここにも解析上の時刻とあるので、事業者は解析をしているわけですよ。
 そうすると、今のお話ですと、事業者の解析上の時刻は、それを所与のものとして審査を行っているということですか。つまり、この解析の時刻について、規制委員会の方でクロスチェック解析は行っていないということでよろしいんですね。

○櫻田政府参考人 私どもの審査の中でも、今はもう既に統合していますけれども、原子力安全基盤機構、JNESの中にこういった事象に対する専門家もおります。そちらの方でも、このシナリオでやってきたかどうかというところはまた別ですけれども、事業者の解析におかしなところがないか、本当に一分一秒とかそういう話ではなくて、全体としておかしなことになっていないか、そういうようなことを評価するということも、必要に応じてやるということはやってございます。
 繰り返しになりますけれども、ここで大事なことは、十九分なのかとかいう話ではなくて、時間間隔、一時間と二時間とかいうことではなくて、このくらいの時間でこの事態に至るという想定の中で、炉心溶融が起こった後に、格納容器の破損を防止するために必要な水をきちんと圧力容器が完全な間に注入することが可能なのかどうか、そのために必要な対策が講じられているのかどうか、そういうところの妥当性を確認するということであるというふうに考えてございます。

○塩川委員 今のお話を聞いても、この事象に合わせた、このシナリオでの解析上の時刻に対応した形でクロスチェック解析を行っているというお話はございませんでした。そういう点でも、全体はどうなっているのかということについての妥当性をどうやって評価するのかという問題があります。このことが一つ。
 あと、我が党の笠井議員の質問に対して、原子力規制庁に回答の中身を書面で寄せてもらいましたけれども、そこの中では、今般の適合性審査で実施しているクロスチェック解析については、新規制基準における重大事故等対策の有効性評価に関して実施しているものです、また、原子力安全・保安院等が実施してきたクロスチェック解析については、設計基準事故等に係る解析を検証するために実施してきたものと承知しておりますという書き方で、今般の適合性審査で規制委員会が行っているクロスチェック解析というのは、重大事故等対策の有効性評価に関して行うと。
 これまで原子力安全・保安院が行ってきたクロスチェック解析というのは、当然、重大事故の想定がありませんから、設計基準事故に係る解析を実施するということですから、現行の規制委員会のこの解析においては、設計基準事故に相当するような部分についての解析というのは特段行っていないということなんでしょうか。

○櫻田政府参考人 現在行っております適合性審査、これは新しい規制基準の適合性を見ておりますが、今回申請されているものの中では、新しい基準に対して適合するために設計を変更した、そこのところの審査でございますので、これまでの要求事項が変わっていなかったところについて、特に申請の中で変更がありません。
 ということは、これまでやってきた設計基準事故に対する解析を行う必要のあるようなものの変更がないということでございますので、今回やっているのは、新しく追加された重大事故対策の妥当性を確認する、そういう審査に重点が置かれているということでございます。

○塩川委員 重点を置かれている重大事故のクロスチェック解析が全体としてもどうなっているのかというのは不鮮明だという点でも、しっかりとした別のプログラムでも解析を行うクロスチェック解析を実施すべきでありますし、これを伴わないような審査というのは世界最高水準などと言えないのは当然のことであります。
 次に、コアキャッチャーについての質問をいたします。
 資料の三枚目に参考までにお示ししましたが、このコアキャッチャーというのはどういうものなのかについて、エネ庁でも規制庁でもいいんですが、簡単に説明してもらえますか。

○櫻田政府参考人 委員がお示しされたこの三枚目の絵でございますが、これは欧州型PWRと書いてございます、略称でEPRと呼ばれる一つの原子炉の型式がございまして、その中に設計されている設備というふうに承知をしています。
 これは、原子炉容器の中に存在する核燃料、炉心が溶融をして、原子炉容器の破損に伴って下部に溶融炉心が落下したときに、その落下してくるところに備えられている設備というふうに承知をしてございます。

○塩川委員 このコアキャッチャーを設置した海外の原子炉の事例、稼働には至っていないんでしょうけれども、建設中のものとか、御存じのことがあれば御紹介いただけませんか。

○櫻田政府参考人 済みません、私どもの手元で確認できたところは少し古い時点の情報でございますが、二〇一一年十月現在、三基建設中だというふうに承知をしてございます。フィンランド、フランス、中国というふうに承知をしてございますが、その後の情報についてはちょっと今手元にございません。

○塩川委員 フランス、フィンランド、中国で建設中というお話でありました。
 このEPR、欧州型PWRは、上の表に紹介しておりますように、コアキャッチャーの設置や、コアキャッチャーに水冷設備を設置することや、さらに大型航空機衝突に耐えるような二重構造、こういうのを要求していると承知しておりますけれども、それでよろしいでしょうか。

○櫻田政府参考人 今委員がお話しされたのは、この配付された資料の三枚目の上の方に書いてあるところの話だと思いますが、このEPRの中でこういう設計でつくっている、EPRという型式はこういう設備を備えている、こういうことだとは承知してございますが、これが日本の規制基準に該当するような、それぞれの国の基準で要求されているかどうかということに関して申し上げると、そういうことかどうかというところまでは承知してございません。私どもは、そういう要求がなされているということは聞いてはおりません。

○塩川委員 こういった機能を持つEPRが建設されているということであります。
 資源エネルギー庁にお尋ねします。
 二〇一二年度に、資源エネルギー庁は、薄型コアキャッチャーの開発に向けた基盤整備の事業募集を行っています。さらなる安全性向上の技術として、シビアアクシデント発生時に溶融炉心を受けとめる、施工性の高い薄型のコアキャッチャーの技術開発に向けた基盤整備を行うことを目的とするとなっています。
 この予算措置は、その後、どのようになり、どのような成果が出ているでしょうか。

○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力につきましては、事業者がみずから自主的に安全性を高めていくということが大変重要と考えてございまして、経済産業省といたしましても、事業者の自主的安全性向上のための努力、技術開発を含めまして支援をしているところでございます。
 御指摘の薄型コアキャッチャー開発に向けた基盤整備の事業でございますけれども、これは二〇一二年より、研究の事業、技術開発の支援の事業を行っているものでございます。二〇一二年から始めておりまして、今年度も継続をしてございます。
 これは、薄型コアキャッチャーの開発に向けた基盤の整備ということでして、具体的に申し上げますと、熱流動の実験、それからコンピューターによる解析を行うことで基礎的なデータを収集するというものでございます。

○塩川委員 重ねてお尋ねしますが、こういうコアキャッチャーの必要性というのは、早くから事業者においても認識されていたんじゃないでしょうか。

○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力の安全性の向上につきましては、終わりがないということで、今事業者がいろいろな取り組みを進めてございまして、この事業は、十ある事業の一つのテーマとして、事業者の自主的な安全性を向上する一つの研究テーマとして採択したものでございまして、これにつきましては、現在、熱流動の実験を行う等、コンピューター解析ということで基礎的なデータ収集を行っているという状況でございます。

○塩川委員 例えば東芝など、特許におきましても一九九〇年代から出願もしておりますし、直近でも二〇一一年での特許出願の例があるということも承知しております。
 そこで、規制委員会としては、新規制基準をつくるに当たって、このような、海外で実際に安全確保の立場から実施に移されている、既に建設中の炉に取り込まれているコアキャッチャー、これを求めるというふうなことはお考えにはならないんでしょうか。

○田中政府特別補佐人 コアキャッチャーを設置するという炉は、先ほどお答えしたように、EPRという新しい炉、新設炉について、コアキャッチャーがあった方がいいということで、そういう設計になっております。EPRはフランスの炉でありますけれども、フランスにもたくさんの炉がありますけれども、既存の炉でコアキャッチャーのあるものはありません。
 今後、日本でも、もし新しい炉がつくられるときにはそういったことも具体的に検討される可能性はあると思いますけれども、今回は、既存の炉にコアキャッチャーをつけるというのはもう不可能でございますので、それに相当するような性能があるように、先ほど櫻田からも御説明申し上げましたけれども、炉心が溶けたときにも格納容器の方に水をきちっと入れて、格納容器を突き破って下に抜けるようなことのないような方策を求めているということでございます。

○塩川委員 エネ庁の先ほどの事業、薄型コアキャッチャーの開発に向けた基盤整備というのは、既存の炉に対してどうしていくのかという観点での事業でありますよね。ですから、既設炉への導入を念頭に置いて、どういう課題があるのかということを明らかにする、そういうものだと思うんですが。

○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 薄型ということでございますので、可能性として、既存の炉への適用というのも視野に入ってございますけれども、その薄型のコアキャッチャーという概念が成立するかどうかということの基礎的なデータを収集しているものでございます。

○塩川委員 ですから、今後どうするかという点も当然あるでしょうし、既設炉についても、つけるのは不可能ということではなくて、やはり、技術的に最先端のもので、本当に安全を確保するということであれば、世界最高水準ということを政府がおっしゃっている、そういう中での規制基準において、こういうコアキャッチャーなどの仕組みについてしっかりとした対応をとるということこそ行うべきことじゃありませんか。
 改めて、委員長、いかがですか。

○田中政府特別補佐人 一番避けなければいけないことは、炉心が溶けて、下に抜けて、それが格納容器のコンクリートとか何かと反応して、それでさらに悪い事態に行くということを避けるという意味で、そういったコアキャッチャー的な機能を持たせるということが大事です。
 今、エネ庁がどういった研究をしているかということについての詳細は私も承知しておりませんけれども、基本的に私どもが求めているのは、格納容器といわゆる溶けた炉心との反応によって格納容器が破れるようなことのないような方策を今回の規制基準では求めているということでございます。

○塩川委員 同等のということではなくて、コアキャッチャーという仕組みをつくってきているわけですから、そういうのを生かした規制基準こそ求められているわけで、そういう点でも、世界で最も厳しい水準の規制基準と政府が言うような中身が伴っていないということも指摘せざるを得ません。
 残りの時間で避難計画について若干お尋ねします。
 規制委員会の規制基準には、避難計画を含む地域防災計画に係る事項は含まれていないと承知しておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。

○黒木政府参考人 そのとおりでございます。

○塩川委員 含まれていないということです。
 一方で、アメリカのNRCの基準がどうかということですけれども、NRCの元委員長のグレゴリー・ヤツコ氏は、避難計画が不十分なら、アメリカでは原子力規制委員会が原発停止を指示すると述べております。ですから、アメリカのNRCは避難計画というのを一連の規制の中に取り込んでいるというふうに思いますけれども、この辺の事実関係についてお答えいただけますか。

○黒木政府参考人 米国の例に関しましては、たしか、イニシャルと申しますか、一番初めの稼働段階においてはそのような形の規制がなされているように聞いております。ただし、アメリカの場合は、さらにそれから原子力発電所は継続しているわけですけれども、その段階においては、FEMA等がいろいろ援助しながら、そういった避難計画がより実効的なものになるような形で不断の努力がされているというふうに聞いております。
 また、アメリカはそういうふうなシステムでございますけれども、フランスあるいはイギリスにおきましては、そういった形で避難計画が作成されていることが稼働の条件にはなっていないというふうに聞いております。

○塩川委員 スタートのときには対象となるという話です。そういう点で、最後、大臣にお尋ねします。
 本会議の総理の答弁で、世界で最も厳しい水準の規制基準というふうにおっしゃいました。しかし、今お話ししてきましたように、クロスチェックのあり方そのものについてもはっきりとお答えいただけない、コアキャッチャーについての規制も盛り込まれていない、避難計画についても規制対象としない、これでどうして世界で最も厳しい水準の規制基準などと言えるのかと思うんですが、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣 先ほどから塩川委員のEPRのコアキャッチャーの話を聞いていますと、まるで原発の新設を進めろという話をされているように聞こえてくるんですけれども、先ほどから答弁をしておりますように、これは設備というか設計上の問題でありまして、基準の問題ではないということであります。
 しかも、世界で最も厳しい水準の規制基準というのは、個々のものではなくて、私は全体として決まってくるものだと考えておりますけれども、では、規制基準がどうあるべきかにつきましては、規制委員会にお尋ねいただければと思います。

○塩川委員 こういう規制基準のもとで原発を推進するということは大問題だ、本来、規制基準に基づく計画では原発が日本に立地できないじゃないか、こういうことこそ問われているわけで、そういうことについては引き続きまた質問していきたいと思います。
 ありがとうございました。