
<第186通常国会 2014年04月25日 本会議 21号>
○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、地方自治法改正案並びに第四次一括法案に反対の討論を行います。(拍手)
この間の政府による市町村合併や権限移譲の押しつけは、地方自治の拡充に逆行する深刻な事態をもたらしてきました。本法案は、この逆行をさらに進めるものであります。
本法案は、特例市を廃止し、人口要件を二十万以上に引き下げた新中核市を、さらなる権限移譲の受け皿とするものです。
新中核市には保健所設置が義務づけられますが、その対象となる特例市で保健所設置を希望するのは、わずか四分の一です。新中核市となれば、特例市に移譲されていない事務、権限も次々に移譲されることになります。
地方公務員人件費の削減を初めとする地方行革のもとで、人的、財政的な裏づけが十分にないまま、一律に行われてきた権限移譲をさらに拡大するならば、地方自治体の一層の負担増と業務水準の低下を招き、結局、住民福祉の後退とならざるを得ないのであります。
連携協約、事務の代替執行の制度は、こうした一律の事務、権限の移譲を新たな広域連携の中で受けとめる仕組みとなるものであります。
また、指定都市と都道府県の調整会議を設置する問題です。
指定都市の市長か知事のどちらかが必要とすれば、調整会議が必ず開かれ、調整がつかなければ、結論を出すために、総務大臣の勧告を求めることも可能となります。
調整会議は、競合回避の原則や最小コストの原則を掲げています。
しかし、そもそも、地方自治法第一条は、「民主的にして能率的な行政の確保」を明記しており、住民自治の追求を要請しているのであります。
民主的、すなわち住民が主人公という基本を欠落させたのでは、二重行政解消を口実にして、公営住宅や病院、学校の統廃合や中小企業支援、男女共同参画事業といった、住民の暮らしや営業、人権に密接にかかわる行政の削減に使われることになりかねません。
最後に、道州制導入についてです。
新藤大臣は、地方分権を進めた結果と道州制の設計は、必ずそこに連携が生まれると答弁しました。
全国町村会は、道州制が、新たな集権体制を生み出し、大都市への集中を招き、地域間格差は一層拡大し、市町村合併が事実上強制されると、厳しく批判しています。
地方自治を根本から覆す道州制の導入には断固反対であることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)