国会質問

<第186通常国会 2014年06月12日 総務委員会 26号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、米軍機低空飛行被害に対する自治体の取り組みについて取り上げます。
 西日本、中国、四国地方におきまして、米軍機飛行に関して自治体のさまざまな取り組みが行われております。
 防衛省にまずお尋ねいたしますが、中国、四国地方において、米軍機飛行に関して、防衛省及び地元自治体による騒音測定器の設置状況について確認をしたいと思います。

○山本政府参考人 お答えいたします。
 岩国飛行場及びその周辺を除く中国、四国地方におきまして、米軍機の飛行に関して防衛省が設置をした騒音測定器といたしましては、島根県浜田市及び広島県北広島町にそれぞれ一カ所ございまして、いずれも平成二十五年九月から運用を開始しております。
 また、岩国飛行場及びその周辺を除く中国、四国地方において、米軍機の飛行に関し地方自治体が設定した騒音測定器につきましては、各地方自治体のホームページで確認をしたところ、島根県浜田市が平成二十三年十二月から一カ所、島根県が平成二十四年十二月から九カ所、広島県北広島町が平成二十五年一月から四カ所、島根県邑南町が同年四月から二カ所、合計十六カ所で運用が開始しているものと承知をしております。

○塩川委員 岩国飛行場及びその周辺を除くというふうに整理してもらいましたように、要するに、岩国基地の周辺は除いている、そういう基地がない場所で多大な米軍機の低空飛行の被害が生じているという状況があります。
 住民の要望や自治体の要望、国会の質問を踏まえて、防衛省が島根県浜田市と広島県北広島町に騒音測定器を設置しました。
 さらに、自治体による騒音測定器の設置については、今、ホームページで確認をしたというふうにおっしゃいましたけれども、実際には、例えば、広島県の廿日市市吉和という地域においては騒音測定器が設置されています。あそこはちょうど自衛隊の高高度訓練空域Q、ケベックのエリアです。また、四国においては、高知県内で本山町内に一カ所県が設置をし、今年度予算で大川、土佐、大豊、香美市物部支所内、こういう四カ所にも設置予定であり、徳島県でも二台、海陽町内と牟岐町内に設置がされているわけであります。
 こういった状況については、防衛省は把握をしていませんか。

○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の自治体の騒音測定器の設置状況につきましては、防衛省としては、現時点におきましては、ホームページ等において確認はできないところから、把握はしてございません。

○塩川委員 各自治体が予算措置も行って実際に設置をする、あるいは設置を予定しているということについて、米軍機の被害なんですよ、こういう問題について防衛省が把握をしていない、自治体の取り組みを知らないということ自身が問題じゃありませんか。
 こういった騒音測定器、最初に設置をしたのが島根県の浜田市、二〇一一年の十二月でありました。それから二年半の間に、中国、四国地方で自治体設置の騒音測定器が予定も含めて二十四台にも上るわけであります。自治体の要請も受けて防衛省も二台を設置したわけで、それは、余りにも米軍機の低空飛行訓練被害がひどいからであります。被害の大きいのが、低空飛行訓練ルートのブラウンルート、オレンジルート、それとともに、自衛隊の訓練空域の、高高度訓練空域のQ及び低高度の訓練空域の7であります。
 防衛省にお尋ねいたしますが、二〇一三年三月から二〇一四年二月までの一年間、自衛隊の高高度訓練空域のQ及び低高度訓練空域の7における、米軍が使用するための調整を行った、そういう実績がどうなっているのかについて御説明ください。

○宮園政府参考人 お答えをいたします。
 お尋ねの、AIPに基づき行われた米軍使用に関する調整実績についてでございますが、平成二十五年三月から本年二月までの期間における調整実績は、お尋ねのエリアQでは二百四十五日間、またエリア7では同じく二百四十五日間となっております。
 以上でございます。

○塩川委員 エリアQ、エリア7でそれぞれ二百四十五日間。一年間で二百四十五日間ですから、土日を除けばほとんど毎日だ。実際には土日も飛んでいるようですから、そういう意味では、ほとんど、米軍機がもう日常的に飛んで回っているという場所になっています。
 重ねてお聞きしますが、自衛隊の訓練空域ではありますが、このエリアQ、エリア7において、自衛隊の戦闘機、練習機などではない自衛隊戦闘機の訓練飛行というのは行われているわけですか。

○宮園政府参考人 お答え申し上げます。
 当然、自衛隊の訓練試験空域でございますので自衛隊も運用してございますが、その運用の詳細につきましては答弁を控えさせていただきたいというふうに思います。

○塩川委員 これは前も確認をして、自衛隊の戦闘機の訓練はやっていないんですよ。そういう意味では、自衛隊の訓練空域でありながら米軍の専用の訓練空域になっているというのがこの実態であります。
 一年じゅう米軍機の爆音が響いている。だからこそ島根県浜田市は、米軍機騒音マニュアルというのを役所として作成して、市職員二十六人を飛行騒音状況収集員に任命し、写真とかビデオの記録に努めております。また、島根県浜田市、益田市、江津市、邑南町、川本町の五つの首長さんは、米軍機騒音等対策協議会を設立し、共同で運動に取り組むことを確認しております。鳥取県などは、我が党の市谷県議の指摘も踏まえて、米軍機の低空飛行情報のシステムは変更し、目撃情報の提供ではなく苦情として扱うよう防衛省に要請をする。このように、客観的な事実を示すことで国や米軍に対して飛行中止を強く求めているのが地元自治体の実態であります。
 大臣にお尋ねしますが、このような自治体の独自の取り組みに対して、米軍機の訓練飛行は本当にやめてほしい、こういう自治体の強い意思のあらわれとして行われている取り組みについて、大臣としてはどのように受けとめておられるでしょうか。

○新藤国務大臣 住民生活の安心や安全を確保すること、これは極めて重要なことである、このように考えております。
 そして、米軍基地の騒音対策につきましては、ただいま防衛省から答弁がありましたように、防衛省が担当しているということであります。そして、この問題は政府全体として取り組まなければいけないということであります。
 まずは、一義的に防衛省ができる限り丁寧な対応をしていただきたい、このように考えております。

○塩川委員 岩国基地は、米海兵隊の航空基地として、FA18などの戦闘機約五十機の軍用機が配備をされております。
 二〇〇六年五月、米軍再編のロードマップ以降、岩国基地の強化が図られてまいりました。この間、二〇一四年中に十五機のKC130が移駐をする。また、二〇一七年には厚木基地から空母艦載機約六十機が移駐をする。また、二〇一七年にF35Bステルス戦闘機がアメリカ国外初配備の可能性ということも岩国基地で指摘をされております。さらに、オスプレイの拠点基地化という点で、今後、岩国基地がアジア最大の戦闘機の基地になる。岩国基地を中心とした西日本において、米軍機の訓練飛行の被害がさらに集中する危険性が高まっている、このことを言わざるを得ない。
 このような米軍基地の強化、また米軍機の訓練飛行はきっぱりとやめるべきだ、これが自治体、住民の声だ。この声にしっかりと応える、防衛省として、答弁を求めます。

○山本政府参考人 お答えいたします。
 米軍が行う飛行訓練につきましては、部隊の練度の維持向上を図る上で不可欠なものであり、日米安保条約の目的達成のために極めて重要なものであると認識をしております。
 他方、このような訓練を全く自由に行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことは言うまでもございません。
 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、米軍機の飛行に際しては、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう、引き続き米側に働きかけてまいりたいと考えております。

○塩川委員 学校の窓ガラスが割れるような、そういう被害なんかも出ているわけで、子供たちが学んでいく上でも本当に大きな障害となっている。日常生活に重大な支障を来している。こういった米軍機の訓練飛行はアメリカ本土ではやっていませんよ、人が住んでいるような場所で。こんな無法はきっぱりとやめろ、こういうことを強く求めて、質問を終わります。