国会質問

<第189通常国会 2015年09月02日 内閣委員会 21号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今回の法案は、コンセッション事業の円滑かつ効率的な実施を図るため、専門的ノウハウを有する公務員を退職派遣させる制度を創設する等の措置を講ずるものであります。
 特に、国、自治体管理の滑走路等の航空系事業とターミナルビル等の非航空系事業の一体経営を図るための障害を取り除こうというものであります。仙台空港などにおいて、専門的ノウハウを有する公務員を事業初期段階に派遣することについて民間から強いニーズがあったというふうに聞いております。
 そこで、最初に国交省の方にお尋ねをいたします。
 このコンセッションの案件について、宮城県は、PFI事業者に、旅客ターミナル運営会社と貨物ターミナル運営会社の第三セクター二社を譲渡するということになっておりますが、その譲渡額は幾らでしょうか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 仙台空港ビル株式会社及び仙台エアカーゴターミナル株式会社の株式について、空港運営権者に対する譲渡価格は五十六億八千七百五十万円となっております。

○塩川委員 よく五十七億円ということで、これについては、知事の発言などを拝見しますと、村井知事は、この五十七億円について、ほぼ出資見合い、これで県は利益を上げようという気はありません、最低の価格にさせていただいたとか、新設すれば三百億円以上、破格の値段だ、このように記者会見ですとか日経などの報道で述べているということが紹介をされております。
 それから次に、仙台空港ビル会社の二〇一三年度と一四年度の経常利益が幾らかを教えてもらえますか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 仙台空港ビル株式会社の経営状況ですが、平成二十五年度は約六億五千万円の経常黒字、平成二十六年度は約六億三千万円の経常黒字となっております。

○塩川委員 大きな黒字の額でありますけれども、旅客数がほぼ同規模、年間三百万人規模の他の空港のビル会社と比較をしますと、例えば熊本の場合は三億四千万円、長崎が三億二千万円、宮崎が二億四千万円、いずれも二〇一四年度ですが、仙台空港のビル会社の場合には六億三千万ということで、非常に大きな利益を上げているということが見てとれると思います。
 そうしますと、仙台空港のPFI事業の案件というのは、参入事業者に対する自治体による多額の財政支援なしには成り立たない案件なんじゃないかなと思うんですが、そういうことでよろしいですか。

○和田政府参考人 決してそういうことではございませんで、宮城県としても、地域の活性化のために、民間事業者の創意工夫でさまざまな取り組みを行うことによってコンセッションというものを考えていこうというふうにおっしゃっていると聞いています。

○塩川委員 当初、宮城県は、赤字の三セク鉄道会社、アクセス鉄道の方についても譲渡も考えていたけれども、かなわなかった、国の方があくまでも空港にかかわるものという線引きをしたということですけれども、本来、交通アクセスを含めて一体的に行うということもあるわけで、駐車場などは入っているわけですから、そういった点でも、結局は、県としてもアクセス鉄道の赤字の解消に県費を八十五億円も投入している。
 結局は、赤字のところはそのままにして、黒字のところを民間の事業者に持っていくといった対応については、今回、自治体による多額の財政支援を行うという形でのPFI事業については、地元の宮城県内でも疑問や批判の声もあるということは受けとめていただきたいと思います。
 次に、公務員派遣について国交省にまずお尋ねしますが、なぜ今回、公務員派遣を行うのかということについて教えてもらえますか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 現在、国が行っております業務のうち、滑走路の点検、維持管理に関する業務ですとか、航空灯火の運用管理に関する業務ですとか、駐機スポットの運用管理に関する業務につきましては、高度な専門的なノウハウが必要な業務でございまして、こういうような業務に関しては、民間委託をするに当たって、一定の期間、共有をしながら仕事を進める必要があるというふうに考えているところでございます。

○塩川委員 空港コンセッション方式に参入を検討している事業者の要求、要請があったわけであります。
 大臣にお尋ねします。
 PFIというのは、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行うものですが、今回の仙台空港の場合をとってみても、民間事業者が経営能力及び技術的能力を持っていない、民間にノウハウがない、加えて、自治体の財政的な支援を前提に行うというものになっているということを考えると、結局、自治体による実質的な補助と国家公務員のノウハウを提供されることがなければ仙台空港のPFIは成り立たないわけで、その点では、民間事業者にとって非常に都合のよい話ではないかと率直に思いますが、大臣はどのように受けとめておられますか。

○甘利国務大臣 今回の事案、仙台空港のコンセッション事業におきましては、ターミナルビルのみならず滑走路等の空港施設まで、幅広くその運営を民間に委ねることといたしておりまして、民間事業者に対し大きな事業運営の自由度が認められ、その創意工夫が発揮しやすいものとなっているところであります。
 このために、管理者が空港の収支等の情報を事前に開示した上で三者の民間事業者が入札への参加を表明しているところでありまして、今後、最終的にコンセッション事業者が決定された後は、民間事業者としてその資金や創意工夫を最大限活用しまして利用者の大幅な増加等を達成することによりまして、仙台空港の収益の改善、ひいては地元経済の発展に大きく貢献するものと期待をしているところであります。

○塩川委員 この間でいえば、空港のコンセッションについては二〇一一年にコンセッションの仕組みをつくり、二〇一三年には航空法、空港法の改正をしてそれを支援し、さらに今回、二〇一五年に新たに公務員派遣のスキーム、次から次へと法改正をして作業を行っていくということであれば、自治体による県のこういった大きな黒字の事業所を譲渡するということを含めて、いわばコンセッション方式の成功事例をつくるための特別扱いなんじゃないのかということは率直に言わざるを得ません。
 そこで、今回の法案の中身ですけれども、公務員派遣の仕組みについて確認をしたい。
 最初に人事院にお尋ねしますが、民間企業に国家公務員を派遣する官民人事交流法というのがあります。この官民人事交流法というのはどのような制度なのかについて説明をお願いいたします。

○大下政府参考人 官民人事交流法による交流派遣でございますが、行政運営における重要な役割を担うことが期待される職員に民間企業の実務を経験させることを通じて、効率的かつ機動的な業務遂行の手法を体得させ、かつ、民間企業の実情に関する理解を深めさせることによりまして、行政の課題に柔軟かつ的確に対応するために必要な知識及び能力を有する人材の育成を図ることを目的とするものであります。
 各任命権者は、交流派遣をしようとするときには、あらかじめ、交流派遣に係る職員の同意を得た上で、当該交流派遣の実施に関する計画を作成し、当該計画が官民人事交流法及び人事院が定めます交流基準に適合するものであることについて、人事院の認定を受けなければならないこととされているところであります。この交流基準は、所管関係にある民間企業への派遣の制限等、人事交流の制度の適正な運営のため必要な事項について定めているものであります。
 交流派遣をされました職員は、交流派遣の期間中、公務員の身分を保有したまま、公務員としての職務には従事せず、当該職員と民間企業との間で締結した労働契約に基づいて派遣先民間企業の業務に従事することになります。

○塩川委員 人材の育成を図ることが目的ということで、公務員の身分を保持したまま派遣をされるということであります。今回の改正案の中身とはその点が違うわけで、いわば、官民人事交流法においては、自分が担当している業務をそのまま民間で行う仕組みというのは法律に抵触するという整理になっているわけであります。
 内閣人事局にお尋ねします。
 国家公務員について、復帰を前提として退職をし、その後戻ってくる、そういう点では通算した身分を保障する、そういう復帰を前提として民間企業に派遣する仕組みというのは現行はあるんでしょうか。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 国家公務員の復帰を前提とした出向制度についてのお尋ねでございます。
 現行法では、国家公務員を退職して地方自治体、独立行政法人、国立大学法人、特殊法人等に出向した場合、公務への復帰を前提とした措置がなされております。このほかにも、中部国際空港株式会社等のように、株式会社形態の中にも個別法において公務への復帰を前提とした措置が行われているものもございます。
 以上でございます。

○塩川委員 個別法によって措置されたものを除いて、国家公務員について復帰を前提として民間企業に派遣する仕組みがあるのかについて、もう一回お願いします。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 個別の法律に規定されたもの以外の御質問でございますけれども、退職手当法あるいはその施行令におきまして、一定の株式会社、例えば、首都高速道路株式会社あるいは日本政策投資銀行、そういった株式会社形式のものが指定をされているという例はございます。

○塩川委員 そういう指定されているものを除いた民間企業に復帰を前提として派遣する仕組みはありますか。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 退職手当法、それから、先ほど申しました個別の法律によって指定されているもの以外ということになりますと、先ほど来ございますような官民人事交流法、これは、御指摘のように、退職ということではなく、公務員の身分を有したままの派遣ということでございますけれども、そういう仕組みということになります。
 以上でございます。

○塩川委員 では、そういうのを除けばないということですね。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま申しましたような法律の規定のあるものということのみでございます。

○塩川委員 要するに、そういう法律上の規定がない場合については現行上派遣する仕組みがないということでありました。
 今回の法案は、国家公務員が民間企業の営利活動に直接奉仕することになる初めての制度ということになります。
 次に、総務省にお尋ねします。
 地方公務員についてでありますが、復帰を前提として民間企業に派遣する仕組みというのはどうなっていますか。

○北崎政府参考人 お答えいたします。
 公益的法人等派遣法がございまして、この第十条に定めます退職派遣制度は、地方団体と特定の法人との間で締結された取り決めの内容に従って、地方団体の職員が任命権者の要請に応じて一旦退職した上で、当該特定の法人の職員等として業務に従事するものでございます。
 この場合の派遣先の法人につきましては、地方団体が出資している株式会社のうち、その業務が公益の増進に寄与し、地方団体の事務事業と密接関連性を有し、人的援助が必要なものとして条例で定められるものに限定しているところでございます。
 以上であります。

○塩川委員 三セク派遣法の説明をされました。
 要するに、出資もしていない民間企業に地方公務員を派遣するという仕組みは初めてということですね。

○北崎政府参考人 お答えいたします。
 研修を目的としたような派遣はございますけれども、退職をして、またそこの民間企業から帰ってくるというものにつきましては、公益法人、いわゆる三セク派遣法が全てでございます。
 以上であります。

○塩川委員 ですから、出資をしていない、いわば公益性を持たないと判断される民間企業に地方公務員を派遣する初めての制度ということになります。
 今までできなかったことを可能とするわけですけれども、大臣にお尋ねします。
 営利を目的とする民間企業の業務に公務員を従事させるということは、公務の公正性及び信頼性を損なうことになりはしないのか、この点についての大臣のお考えをお聞かせください。

○甘利国務大臣 本法案によります公務員派遣制度は、コンセッション事業者に専門的なノウハウを確実に継承することによりまして、コンセッション事業の円滑な立ち上げを確保することを目的としているものでありまして、その際に、不必要に派遣期間が長期にわたることのないように、派遣を事業の初期段階に限定するということとしております。具体的には、一人当たりの派遣期間は三年以内としまして、事業全体の派遣期間も最大で五年程度を想定しております。
 いずれにいたしましても、事業の初期段階における専門的なノウハウの継承という本制度の趣旨を逸脱することのないように厳格に運用してまいりたいと考えています。

○塩川委員 憲法十五条の二項に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」というふうに規定されているように、営利企業の業務に国家公務員を従事させるということはこれまで認めてこなかったわけであります。公務員みずからが担当している業務を民間企業でそのまま実施する、こういう制度というのは容認できないということを申し上げるものであります。
 あわせて、こういったスキームの安全性、公共性が担保されるのかということですけれども、今回の法案を活用して民間事業者が検討しているビジネスモデルというのは、国、自治体管理の滑走路等の航空系事業とターミナルビル等の非航空系事業の一体経営を行うことで効率化を図り、物販、サービスなどのもうけを着陸料引き下げに充てて、LCC誘致で顧客増を狙うという、好循環ということを考えておられるということであります。
 そこでお聞きしたいのが、今回のスキームで、コンセッションを担う民間事業者に譲渡される施設等に仙台空港の駐車場の問題もあると思うんですけれども、国交省にお尋ねしますが、仙台空港の駐車場は、現行、空港環境整備協会が管理運営していると承知をしています。十七の国管理空港の管理運営を担っております。仙台空港における駐車場については、昨日お聞きしましたら、二〇一三年度の経常損益は一億六千二百万円の赤字となっています。これはなぜなのか、教えてもらえますか。

○和田政府参考人 済みません。ちょっと今手元に資料がないので、調べた上で、後ほどお答えさせていただきます。

○塩川委員 きのう、その件では事前に資料要求もし、説明を求めていたわけですけれども。
 地域への補助事業を実施している、大震災復興の事業が多かったということですけれども、そういうことでよろしいですか。

○和田政府参考人 大変失礼をいたしました。
 仙台空港の駐車場事業については、一般財団法人空港環境整備協会が実施をしております。東日本大震災により甚大な被害をこうむった仙台空港及びその周辺地域の復旧復興等に資するため、周辺自治体における防災資機材の整備等の取り組みに多くの助成を実施したことが一因にあるというふうに承知をしております。

○塩川委員 そういう点では、復旧復興に資するために地元自治体への助成を行ったということが、結果として、一億六千二百万円の赤字が二〇一三年度で出ているわけであります。
 この空港環境整備協会が管理運営している駐車場というのは、各空港ごとの独立採算なんですか、それともプール制なんでしょうか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 各空港個別収支ではなくて、全体で収支を管理してございます。

○塩川委員 全体で収支を管理している。プール制だから全体の上がりがあって、しかし、このように復旧復興のためということで必要な支出を行うということがプール制だからこそ可能になっているんじゃないのかと思うわけであります。
 今回のこのスキームによりますと、これは仙台空港の駐車場の分だけ切り出すという形になると承知しているんですけれども、それでよろしいですか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 先生御指摘のとおりでございます。

○塩川委員 そうしますと、全国プール制だからこそ、災害時の特別な支出が可能となったわけであります。それが今回、仙台空港の駐車場だけ切り出すような場合に、これは全国、同じような例も当然そうだと思いますけれども、まさに東日本大震災のような大規模災害があって、復旧復興を図ろうと、全国的な支援の一環として、全国一体の、そういった団体からのしかるべき地元被災自治体への財政支援というのが行われてきたのが、個別に切り分けられるとできなくなってしまうんじゃないのか。現行でいえば、今言ったこの協会の対応でやっているわけですけれども。
 そういう場合に、このPFI、コンセッション方式の場合に、事業者の方が責任を持つのか、あるいは国なのか、そういう整理というのを考えたときに、結果とすれば、こういった切り出されるようなやり方で進められるということが災害時の特別な対策をとることを困難にすることになりはしないのかと思うんですが、いかがですか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 空港環境整備協会全体の努力でそこは引き続き収入を上げる努力をしていただいて、今までの業務に支障が生じないようにやっていただくということかと思います。

○塩川委員 でも、切り出されるわけでしょう。切り出された際に、では、もとのところからお金を持ってくるのかといったら、そういう話にならないわけですよね。
 そう考えたときに、結局は、切り出された中の収支でやりましょうといった際に、災害時における対応というのが現行よりも後退することになるんじゃないのかという懸念を言っているんですけれども、もう一回。

○和田政府参考人 駐車場の事業を民間に委託した場合には、運営権者がそこは全体の事業の中で災害復旧の関係の措置についても適切に対応していただきたいなというふうに思っております。

○塩川委員 答えになっていないわけで、要するに個別の収支の枠内でしかできないんですよ。しかし、現行のプール制であれば、ほかの上がりで入れましょうということになっているわけですから、災害時の緊急の対応というのも可能じゃないのか、それが今回のように切り出されたら後退することは明らかじゃないかということについて、明確な説明がありませんでした。
 公共交通機関は、ネットワークによって公共性、採算性を確保しております。個々に切り出されればそのメリットが失われることになるということを指摘せざるを得ません。
 きょうは議論の時間がありませんから紹介だけですが、仙台空港の着陸料値下げによるLCCの誘致の場合に、仮に仙台空港の利用者がふえても、周辺地域の利用者が吸い取られてしまうことになりはしないのか。山形空港とか福島空港とか花巻空港の運営が困難になるということも危惧されるわけで、こういった今回の法案に基づくやり方というのが公共交通政策をゆがめることになりかねないということを指摘しておくものであります。
 残りの時間で、安全対策の問題ですけれども、公務員派遣対象となる公務員のもとで委託業務を行っている事業者があります。これはきょうの質疑の中でも紹介されていましたが、消火救難体制を担うような業務については委託の事業者が担っておられる。十八名の職員がいて、その際に公務員派遣で四人の人が入るということです。コンセッション方式が採用された場合には、コンセッションの運営権者のもとで業務を行うことになるわけであります。
 いずれも、退職派遣の対象となる公務員というのは、安全に関する業務だと思うんですが、どのような業務が今回対象となるのか。退職派遣の対象となる公務員の数について紹介してもらえますか。

○和田政府参考人 お答えをいたします。
 公務員派遣の対象となる業務については、最終的には民間事業者からの要請に応じて検討することになりますけれども、主なものを申し上げれば、滑走路の点検、維持管理に関する業務ですとか、航空灯火の運用管理に関する業務ですとか、駐機スポットの運用管理に関する業務等が対象となり、これらの業務に関するノウハウを有する職員を派遣することを想定しております。
 仙台空港における現在の国の業務量及び担当職員数を勘案すると、おおむね十名程度の派遣となるのではないかと想定をしております。

○塩川委員 そういった切り出されるところで、消火救難体制については委託の事業者などが担っているわけであります。
 大臣にお尋ねしますが、やはり効率性を追求するといった中で、営利優先についての、委託業者への経費の削減ですとか保安防災体制の後退の懸念ということも考えられるんですけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

○甘利国務大臣 コンセッション事業は、これまで公共が実施してきたインフラ運営を民間に委ねるものでありまして、引き続き安全性が確保されることは極めて重要であるというふうに考えています。
 このために、実施契約等におきまして確保されるべき安全基準について規定すること、管理者が安全基準の遵守状況を的確に把握すること、そして、コンセッション事業者の対応が不十分な場合には、管理者が必要な指示等をすること等によりまして、コンセッション事業の的確な実施を確保することといたしております。
 これらを厳格に運用することでコンセッション事業におきまして安全性が確保されるよう取り組んでまいりたいと考えています。

○塩川委員 現行でも、やはりさまざまな経費節減の要請があるということをお聞きしております。直接人命にかかわらないような機器の更新ですとかあるいは性能向上を先延ばしせざるを得ないような実態があるということをお聞きしております。航空保安業務に影響を及ぼすことによる運航の遅延ですとか利便性の低下も懸念されるというお話でありました。
 やはり公共交通におけるコスト優先の問題点というのは、例えば、あの笹子トンネルの事故などにもあらわれているわけです。民営化をされた中日本高速道路会社が引き起こした笹子トンネル事故というのは、点検もずさんだったわけですけれども、会社は、この維持管理コストの三割減というのを経営計画に上げていたわけであります。
 コスト優先で安全対策が軽視される懸念は拭えないということを申し上げて、質問を終わります。