国会質問

<第190通常国会 2016年02月02日 本会議 9号>




○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。(拍手)
 まず明らかにすべきは、甘利大臣辞任における総理の責任です。
 一月二十日に甘利氏の口きき疑惑が明らかになって以降、野党は、疑惑の渦中にある大臣が経済演説を行うことは問題であり、その前に疑惑解明を行うべきだと主張しました。しかし、政府・与党はそれに応えず、政府四演説を押し切り、野党各党は経済演説を退席し、抗議の意思を表明いたしました。
 甘利氏は、法に反するようなことはやってきていないと述べる一方、事実関係を確認したい、それを含めて説明するとの答弁に終始しました。安倍総理は、重要な職務に引き続き邁進してもらいたいと甘利氏をかばい立て、続投させようとしたのです。
 総理、内閣を代表して経済演説を行った重要閣僚が、代表質問の直後に口きき疑惑で辞任するなど前代未聞です。この事態を招いたあなたの責任をどう考えているのですか。
 甘利氏が大臣を辞職したからといって、幕引きは許されません。
 総理、一月二十八日の甘利氏の会見で説明責任は果たしたと考えますか。
 甘利氏自身、この会見を中間報告と述べているとおり、疑惑は残されたままです。甘利氏側と建設会社側の説明の食い違い、秘書や事務所の関与、URや国土交通省などの補償交渉への影響などを明らかにする必要があります。甘利氏ら関係者の証人喚問など、国会と政府が全容解明の責任を果たすべきです。総理の見解を求めます。
 大臣が受け取った金は政治資金収支報告書に記載しているから問題ないとの発言が与党から出ていますが、これは問題のすりかえです。特定の企業から献金を受け取り、その要請を受けて口ききをしたことが問われているのです。
 これまでの議論は、国会議員などが行政に口ききをして金をもらうことは禁止しようということだったではありませんか。それがいまだに繰り返されていることを、総理はどう考えているのですか。
 今回の疑惑は、企業側が口ききなどの見返りを求めて政治家に金を出したということです。これは、企業、団体からの金が賄賂性を持つことを示したものです。
 このもとで、甘利氏側が金を受け取り、パーティー券で処理をと発言していたとの証言は極めて重大です。
 大臣規範で大規模パーティー開催の自粛を決めているにもかかわらず、甘利氏は大規模パーティーを繰り返し、収支報告が出ている直近の二年間を見ても、九千二百八十六万円もの収入を得ています。企業からの金は、透明化しなくても済むパーティー券で処理すればよしとするやり方を放置していいと総理は考えますか。
 日本共産党は、パーティー券を含めた企業・団体献金の全面禁止法案を、昨年四月、提出しました。この法案は、先国会、趣旨説明、質疑を行い、今国会に継続となっています。
 今こそ議論を尽くし、今国会を企業・団体献金の全面禁止を実現する国会とすべきであります。
 最後に、自民党が政権復帰し、第二次安倍政権が発足して以降、日本経団連は企業・団体献金の重要性をアピールし、自民党、国民政治協会への企業・団体献金は一・六倍にはね上がりました。このもとで、自民党安倍政権は、大企業、経団連の要求に応え、法人税減税、TPPなどの政策を推進してきましたが、これは財界、大企業の政治献金と無縁ではありません。
 総理、こうした安倍政権の姿勢が、相次ぐ政治と金の問題を引き起こしているのではありませんか。
 以上、答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕