国会質問

<第190通常国会 2016年03月25日 環境委員会 5号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、最初にLRTの問題について質問をいたします。
 宇都宮のLRTの計画がございます。今資料を配付させていただきますが、ごらんいただきたいんですが、環境白書を拝見しておりますと、その中に、「地域経済・社会的課題の解決に資する持続可能な地域づくり」の項において、市街地のコンパクト化に関連して宇都宮市が紹介をされております。
 環境白書で紹介をしている宇都宮市の市街地の構造の特徴は何か、このことについて、まず環境省から説明を求めます。

○三好政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、平成二十七年版の環境白書におきまして、都市の人口密度と温室効果ガスの関係から、人口、面積が同じ規模の都市である栃木県宇都宮市と愛媛県松山市を取り上げて比較をしたところでございます。
 御指摘の市街地の構造でございますけれども、宇都宮市は、環状道路周辺等に広く人口が分布いたしまして、市街地が拡散をしているという特徴がございまして、一方、比較いたしました松山市におきましては、市内の中心部に路面電車が存在し、その周辺等に人口密度の高い人口集積地区があるという分析をいたしております。
 温室効果ガスの排出量についてでございますけれども、一人当たり年間の自動車CO2排出量は、宇都宮市が約二・二トン、松山市が約一・三トンということでございまして、宇都宮市の方が一人当たり年間の自動車CO2排出量が多いという結果を得ているところでございます。

○塩川委員 松山市との対比ということではありますけれども、宇都宮市が、要するに、中心部の人口密度がそれほど高くなくて市街地が拡散しているというお話でありました。
 そこで、環境白書では、CO2の排出量削減や行政コストの削減、中心市街地活性化、都市全体の自動車依存度の低減など、環境に優しい町づくりのためとしてLRTの活用が紹介されております。
 この点、どんなふうに書かれているか、説明いただけますか。

○三好政府参考人 環境白書での御紹介でよろしいでしょうか。
 松山市と宇都宮市の市街地の構造を比較した上で、仮に宇都宮市の市街地が松山市と同程度の人口密度にコンパクト化し、あわせて公共交通機関の利便性を高めたなどと仮定した場合におきまして、その結果を推計いたしております。
 データを簡単に御紹介いたしますと、メニューといたしまして市街地のコンパクト化と公共交通の整備というものを挙げておりまして、その公共交通等の整備の中にLRTの整備、公共交通の便数の増加、自転車利用環境の向上を入れさせていただいているところでございまして、例えば、総走行距離と平均燃費がそれぞれ三割削減される場合、総排出量は半減することになるというような試算結果もあわせて紹介しているところでございます。

○塩川委員 公共交通機関の利便性の向上、整備、その一つとしてLRTが例示をされています。
 松山市に路面電車があって、宇都宮市に、既存のものはありません、新設ということで次世代型路面電車のLRTの建設計画が今進んでいるところです。
 LRTの役割、効果というのは理解するところであります。同時に、住民合意があってこそそれは発揮をされるということを申し上げなければなりません。
 そこで、この宇都宮市のLRT計画について国交省にお尋ねをいたします。
 配付資料は、宇都宮市の「広報うつのみや」であります。このように、宇都宮駅の東口から東に向けてLRTを敷設して、右手の方ですけれども、清原工業団地、芳賀工業団地、芳賀・高根沢工業団地と工業団地を結んで、終点は本田技研の北門というふうになっているわけです。隣接する芳賀町と共同で計画が出されているんですけれども、芳賀町の中心部の方には行かずに、本田技研の入り口が終点になっているというのが現時点の計画であります。
 ですから、これは、地域住民というよりも工業団地の立地企業の従業者の利用を狙った路線となっており、従業者の皆さんにとって自動車利用よりもLRTの利用の方が便利だということをアピールしており、所要時間の短縮というのが最優先課題となっています。アピールする従業者が本田技研というのもなかなかのポイントですけれども。
 実際、この芳賀・高根沢、そして芳賀工業団地は二万人の就業者があるところですけれども、その八割が本田技研の関連の企業という点においても非常に大きなウエートを占めている、そういう工業団地とを結ぶという路線になっています。
 時間短縮のために、鬼怒川を渡る部分などが、自動車道路との並走を行わずに、新たに軌道を設けることにしております。
 国交省に提出をされております宇都宮市、芳賀町の軌道運送高度化実施計画では、運行最高速度について、スタート時は時速四十キロとしております。ただ、将来的にはそれをもっとスピードアップするということも書かれておりまして、この配付資料でも、左下の欄外に注があります。米印の三を見ていただきますと、「将来的に運転最高速度は自動車交通との併用区間で時速五十キロメートル、鬼怒川橋りょうなどのLRT専用走行区間の一部で時速七十キロメートルとする軌道法の特認を目指します。」とあります。
 こういうふうに計画に盛り込まれているということは、国交省も御存じのことですよね。そのことを確認します。

○志村政府参考人 存じ上げております。

○塩川委員 つまり、四十キロでスタートするんだけれども、将来には五十キロ、七十キロで走らせたいというのが宇都宮市、芳賀町の計画になっております。
 申請者の宇都宮市、芳賀町は、四十キロ走行の場合の所要時間を何分ぐらいとしているのか、また、七十キロ走行の場合の所要時間というのは、駅と本田技研の北口とを何分に想定しているのかというのはどういうふうに出されておりますか。

○志村政府参考人 今回認定申請のありました高度化実施計画に伴って申請者の方から提出されました運転計画の資料によりますと、最高速度時速四十キロメートル、それから、JR宇都宮駅東口から本田技研北門、これは十四・六キロメートルでございますが、この区間全線にかかる所要時分は、快速列車で三十八分、普通列車で約四十四分となってございます。
 その時間短縮効果でございますが、同区間の自動車による所要時間につきましては、宇都宮市の方から、朝夕の時間帯におきまして約七十分と聞いてございまして、快速列車で約三十分、普通列車で約二十分の時間短縮となります。

○塩川委員 七十キロ走行の場合についての所要時間というのは出されているんでしょうか。

○志村政府参考人 国土交通省としては、運転最高速度時速四十キロメートルを前提とした審査を行っているところでございまして、申請者による将来的な構想におきます時間短縮時分につきましては承知してございません。

○塩川委員 配付資料「広報うつのみや」で見ていただくと、LRTの路線について、そもそも全線四十キロ走行としているわけですけれども、赤い部分は五十キロで走りたい、青い部分については最高速度七十キロになるような、そういうスピードで走りたいというふうに書かれているわけなんですよね。ですから、宇都宮市、芳賀町はもうこのように、つまり七十キロ走行を念頭に置いた計画を大々的に住民にアピールをしているわけなんですよ。この計画の中にも、このことを目指すということが書かれているわけですよね。
 ですから、LRT計画について、時速については四十キロと言っているようですけれども、そもそも工業団地を結ぶ路線ですから、速達性を重視する、とにかく速く移動することによって利用者を確保したいという趣旨ですから、狙いとすれば、四十キロで走るんじゃなくて、やはり七十キロを目指すというのが売りになっているわけなんですよね。これを今言ったように市民の皆さんにも大きくアピールするという格好になるんです。
 ですから、国交省として、この宇都宮市、芳賀町から出された計画に七十キロを目指すと書いてあるわけですから、この計画を認定するということは、七十キロ走行を国が認めたということになりはしませんか。

○志村政府参考人 今回認定申請のありました実施計画におきましては、軌道運送高度化事業の内容として、運転最高速度時速四十キロメートルと記載をされております。
 先生おっしゃられるように、同申請書におきましては、ただし書きがございまして、運転最高速度については、将来的に自動車交通との併用区間で時速五十キロメートル、それからLRTのみが走行する区間において時速七十キロメートルで走行する軌道法における特認を目指すものとし、軌道線形の設計を行うものとする、こういうふうに記載されているところでございますが、これは申請者における将来的な構想を記載したものというふうに理解してございまして、国土交通省としては、運転最高速度四十キロメートルを前提とした審査を行ってまいります。
 したがって、最高速度五十キロメートルでございますとか七十キロメートルでの運転を、今回の認定に当たって認定するということにはなりません。

○塩川委員 私が最高速度の指摘をしているというのは、現地における交通安全対策があるんですよ。
 もともと、このLRTの軌道は、道路の上を走る部分と、そうでない、田んぼあるいは民地、そこのところに新たに敷設する軌道になっている部分があるわけですよね、青いところなんかはそこですけれども。私が伺ったところでは、県道に接する平石中央小学校、その中央小学校の裏の敷地を削って、民地を削って軌道を敷設するんですよ。そうなりますと、小学校の入り口のところが、交通量の多い県道とLRTの軌道の交差部分になるんです。ですから、児童の安全対策としてもどうなるのか。
 そもそも、敷設をされて走ること自身に心配の声が当然地元からありますし、その速度が七十キロになるとなれば、当然のことながらいろいろな危険が伴うじゃないか。だとしたら、四十キロの場合の安全対策と七十キロの場合の安全対策は違うだろう。施設を一度つくった場合に、四十キロ想定のものでつくってしまったら、七十キロの最高速度になったときに対応できないんじゃないのか、こういう問題が出てくるので聞いているわけなんです。
 このように、この場所というのが、県道の交通量は一日当たり行き来で二万台近く通過をすると聞いておりますし、LRTはピーク時に三分間隔で通過をするわけですよね。それなのに、LRTの軌道と県道の交差部分というのは信号操作だけなんです。踏切を設置するという予定も出されていない。こういうもので大丈夫なのかという声が出るのも当然なわけで、道路交通環境の悪化、教育環境の悪化、住環境の悪化という懸念があるわけです。
 そこで、警察庁にお尋ねしますが、宇都宮のLRTは、併用軌道と言われるように、道路の上に軌道を敷設して走らせる。ですから、道路をLRTが走るわけですけれども、これは道路交通法の対象ということになるかと思いますが、その点を確認したいと思います。

○掛江政府参考人 道路交通法の対象となります。

○塩川委員 そうしますと、道路交通法における道路を走るLRT、路面電車の制限速度はどういうふうになっているんですか。

○掛江政府参考人 都道府県公安委員会において、道路の交通実態や道路状況等を踏まえて、四十キロメートル毎時以下の最高速度規制が行われている道路、そこをLRTが通るという場合には、他の車両と同様、LRTも当該速度を最高速度として進行することになります。三十キロの規制であれば三十キロ、四十キロであれば四十キロということでございます。
 他方、都道府県公安委員会において四十キロメートル毎時を超える最高速度規制が行われている道路においては、LRTは、基本的には軌道法令の規定に基づき、四十キロメートル毎時を最高速度として進行することとなるものと承知しております。

○塩川委員 当然、道路ですから、道路の最高制限速度に規定をされる。同時に、軌道法に基づいて、LRT、路面電車の場合については、車両の重みもありますし、制動の距離が長くなるという点でいうと、最高制限速度というのが四十キロにそもそも定められている。つまり、道路を走るLRTの場合については、そもそも四十キロということですから、四十キロ以上出すというふうにはなりません、そこの道路の最高制限速度が三十だったら三十にという考え方の説明をいただいたところです。
 ただ、この宇都宮のLRT計画というのが、今お話ししましたように、事業者の方は最高速度七十キロというのを掲げているんですよ。
 道路を走る、併用軌道としている宇都宮のLRT計画は、将来的には七十キロにしたいと言っているんですけれども、これは、こういった道路交通を所管する栃木県の公安委員会、栃木県警としては、この宇都宮LRT計画について、最高制限速度四十キロを超えるような、七十キロというような走行を認めるんですか。

○掛江政府参考人 先ほど、LRTは基本的には、公安委員会の方で四十キロメートル毎時を超える最高速度規制が行われている道路では、軌道法令の規定に基づき、四十キロメートル毎時を最高速度として進行することになると申し上げましたが、国土交通大臣の許可によりまして、LRTの最高速度について例外が認められる制度がございます。ただし、その場合でも、都道府県公安委員会が指定した当該道路の最高速度を超えて進行することはないというふうに承知しております。
 いずれにしましても、本件につきましては、栃木県警察において交通実態や道路状況等を把握して適切に対応していくものと認識しております。

○塩川委員 地元の方では、ここに地図で示した青い部分というのはLRTしか走らないんですよ、ほかの道路とか人が通るわけじゃないんですよね。それを、本来、鉄道の軌道に相当するような部分を道路にしているんです。そうすると、道路だからというので軌道法の世界になって対応するということなんですが、では、その場合の制限速度というのをどう考えるかという問題になってくるんですよ。
 事業者の都合で決められるという場合になったら、道路なんだけれども軌道事業者の都合で五十、六十、七十というのができるのかどうか、それをそもそも公安委員会が認めるのかという問題なんですけれども、そこは改めてどうですか。

○掛江政府参考人 先ほど例外が認められる制度があると申し上げましたが、その場合でも、都道府県公安委員会が交通実態や道路状況等を把握して指定しました当該道路における最高速度を超えることはないという制度になってございます。
 また、軌道法の関係につきましては、国土交通大臣において適切に判断されるものと承知しております。

○塩川委員 道路交通法では、最高速度に関する規制実施基準というのがあるというのをお聞きしました。
 基準速度を定めた場合に、上に上げたり下に下げたりという補正をするケースがある。下方に補正するケースとして、通学路であること、また大型車混入率が高いということが示されています。
 その理由は何か、説明をください。

○掛江政府参考人 先生御指摘のとおり、速度規制の下方補正要因として大型車混入率、通学路等が挙げられておりますが、その理由でございます。
 速度規制に関しましては、警察庁において、その地域が市街地であるか否か、車線数、中央分離帯の有無、歩行者交通量の状況などの基準を示しているところでございますが、その他考慮すべき事項の例示として、交通事故発生状況、歩道の設置の有無等の道路構造、そして沿道状況、交通特性等を挙げており、この中には御指摘の大型車混入率が高い、通学路であるなども挙げられているところでございます。
 御指摘の大型車混入率が高いや通学路であるということについては、大型車の衝突事故は重大な被害につながりやすいと考えられますことや、通学路は、児童が通り、また生活道路である場合が多いと考えることなどから例示として挙げているものでございます。
 都道府県公安委員会においては、こうした点に加え、さまざまな要因を考慮して規制速度を決定しているものと承知しております。

○塩川委員 学校周辺は生活道路だからというところがあるわけですけれども、その生活道路というのは、実際、最高速度については普通は何キロの規制になっているものですか。

○掛江政府参考人 生活道路における速度規制につきましては、歩行者、車両の通行実態や交通事故の発生状況等を勘案しつつ、住民、地方公共団体、道路管理者などの意見を十分に踏まえて、速度を抑えるべき道路を選定し、このような道路の最高速度は三十キロメートル毎時を原則とするというふうにしてございます。

○塩川委員 よく住宅団地なんかの道路の最高制限速度というのは三十キロなんですよね。ですから、そういう意味では、本当に、児童が通学をするような道路というのは高い速度にはなっていないのが前提なんです。
 今紹介をした交差部分というのがまさに小学校の入り口と言いましたように、そういった生活道路、そういう意味では、本来、車であれば三十キロで走るようなところに当然なってまいりますし、大型車両というのがやはり重大事故をもたらす、普通車よりも質量が大きいですから、当然のことながら事故も大きくなってくるという点でいって、LRTなんかまさに大型車両ですよね。百五十五人の定員の車両であるわけですから。そういったものについて、本来であれば、定められている制限速度よりも下方に補正をする、そういう対象の場所になってくるんじゃないのかということです。
 警察庁にお尋ねしますけれども、今説明いただいたような点も踏まえて、最高速度に関する規制実施基準に基づけば、このLRTの最高制限速度の四十キロ、これよりも低い速度に設定するということが現場で必要になってくるんじゃないでしょうかね。

○掛江政府参考人 ただいま申し上げました生活道路における速度規制でございますが、これは、速度を抑えるべき道路を選定し、その場合には三十キロメートル毎時を原則とするということですので、全ての生活道路が三十キロメートル毎時を原則とするというわけではございません。
 先ほど申し上げましたように、交通実態ですとか道路環境を勘案しまして、総合的に公安委員会の方で適切な速度規制を定めるものと承知しております。

○塩川委員 国交省にお尋ねしますが、本来、鉄道であれば、鉄道と道路の平面交差、踏切はなくすというのが基本方針なんですよね。国交省、政府の大方針であります。ですから、過去三十年間、新たに敷設をされた鉄道を全部拾ってみて、そういった過去三十年間に新たにつくられた鉄道において、平面交差の踏切というのは一カ所もないんですよ。当たり前の話で、やはり重大事故につながるから踏切は解消するんだというので、立体交差化を図ってきているわけなんですよね。
 だけれども、この宇都宮のLRTは平面交差なんですよ、新設のものであるにもかかわらず。なぜそうかというと、LRTは鉄道事業法の対象じゃなくて軌道法の対象だから、こうなっているんですよね。だけれども、今お話ししましたように、軌道法だからこそ最高速度が四十キロという制限もあるにもかかわらず、宇都宮市などは七十キロまで飛ばしたいと言っているわけなんですよ。そのためにも専用の軌道もつくったわけですよね。
 普通であれば、こういう専用軌道をつくるときには、鉄道事業法の規定を踏まえて、鉄道事業法に基づく技術基準省令を適用する、つまり鉄道と同等の扱いにするということは本来やるべきなのに、あくまでも軌道法の世界でということを言っているものですから、結果として、七十を目指すような専用軌道をつくりながら、鉄道事業法の対象にせず、軌道法のままにしているために、平面交差になってしまっている。
 これは、安全基準の後退だと言わざるを得ません。こんなことになるのも、需要を大きく見込みたいがために、駅と工業団地の所要時間を短縮していくことに血道を上げているからで、こういった需要予測によって安全対策が軽視されるようなことがあってはならないわけであります。
 ですから、国交省にお尋ねしますけれども、宇都宮市は七十キロなんて書いているんですけれども、こんなの本来実現できるはずないんですよ。実現できるはずもないようなことを大々的に市民、住民に宣伝をしている。こんなのおかしいんじゃないですか。そういう根拠になっているというのが、皆さんの方に宇都宮市、芳賀町が出した計画であります。
 ですから、この軌道運送高度化実施計画、七十キロ走行、ただし書きということであっても書かれている。そういうことは、この計画は認められないという立場で臨むべきで、こういう計画そのものをそもそも白紙に戻すということこそ国交省がやるべきことじゃないですか。いかがですか。

○志村政府参考人 先生がおっしゃられていますように、道路の路面に敷設する併用軌道区間の最高速度につきましては、原則毎時四十キロメートルを超えることは認められない、こういうのが原則でございます。
 他方、道路の路面に敷設する併用軌道区間については例外規定もございまして、軌道運転規則の第二条の規定によりまして、例外取り扱い許可を受けて、毎時四十キロメートルを超えた最高速度を設定することもできるとされているところでございます。
 いずれにいたしましても、現時点で、私ども、四十キロ走行を前提とした実施計画の提出を受けたところでございまして、将来五十キロ化、あるいは専用敷となります区間につきましては七十キロ化と記載されてございますが、この七十キロ化でありますとか五十キロ化に当たりましては、その際どのような設備を考えているのか、その際の手続の中でしっかりと審査をし、判断をしてまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 もし七十を出す計画は認めないというのであれば、この実施計画を書き直ししろと言うべき話なんですよ。七十キロを出すのであれば、そもそも、平面交差じゃなくて立体交差化を図るようなそういう計画なんですよ。そんなこともやらないような計画をそのままオーケーと言えるのかという問題なんですよ。
 こういう計画を宇都宮市は出してきているわけですけれども、宇都宮市のこの問題の担当の副市長というのは国からの出向者と聞きましたけれども、どこの国かわかりますか。

○志村政府参考人 何省の出身かということでございますか。国土交通省の出身と承知しております。

○塩川委員 ですから、宇都宮市で推進している副市長は国交省の出向者なんですよ。身内でやっているような計画で、安全基準を緩和するようなことというのは絶対認められない。
 最後に大臣にお尋ねしますけれども、こういうLRTの一般的な意義というのはわかりますが、このように安全対策を後退させるような計画のままでいいのか。そういう点でも、住民合意がないような計画というのは認められない、こういうことこそ今求められていると思うんですが、率直な感想をお聞きします。

○丸川国務大臣 コンパクトシティー化を進める上で、LRTを活用された自治体というのはたくさんいらっしゃると思いますが、やはり地元の住民の皆様方ときっちりと理解を深めた上で計画を進めていかれることが重要ではないかと考えております。

○塩川委員 地元ではBRTなどを活用するような、いろいろな形での地域公共交通機関の活性化というのはあるんです。ですから、LRTを前提にしたような、こういうことを一方的に押しつけるようなやり方というのはきっぱりと改める、白紙に戻す、こういうことこそ必要だということを最後に強調して、質問を終わります。