国会質問

<第192臨時国会 2016年11月08日 議院運営委員会 9号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。本日の委員会におきまして一言申し上げます。
 山本農水大臣のたび重なる強行採決発言は極めて重大であります。
 一度目の発言について、大臣は、行政が国会に介入するような不適切な発言で御迷惑をおかけし申しわけないと陳謝しましたが、それが冗談だとするような二度目の発言は、全く反省がなく、国会の審議をないがしろにするものであります。
 国会の権威にかかわる重大問題だからこそ、四野党は農水大臣の辞任を要求しました。しかし、政府・与党はゼロ回答のまま、TPP特で与党が一方的に強行採決を行ったことに厳重に抗議をするものです。
 農水大臣の強行採決発言が問題となっているそのときに、地方公聴会日程が強行されました。しかしながら、佐藤議運委員長は、委員派遣申請を受け取らず、なお一層の歩み寄りの努力を図ってほしいと述べ、TPP特別委員会の自民、民進の理事を呼んで地方公聴会日程を変更させました。事態の正常化に努め、今後は円満にと注意を行いました。このような佐藤委員長の運営は極めて重要であります。
 だからこそ、二度目の農水大臣の発言を受け、十一月二日の理事会で、佐藤議運委員長は、職権で四日の本会議を立てながらも、四日まで二日ある、議長、副議長に相談の上いろいろなことを進めたい、私も努力すると述べました。四日の理事会でも、本会議を開くところまでに至っていない、いましばらく時間も必要だ、できれば与党側に努力をいただきたい、私も努力するとして、一旦理事会は休憩になりました。
 この間、本会議開会に向けた努力が行われていたさなかに、与党がTPP特別委員会を強行し、野党の反対を押し切って採決を行いました。
 本会議開会中は議長の許可なく委員会を開くことができないという衆議院規則を踏み破るものであります。私の抗議に対して、佐藤議運委員長も、私も知らなかった、ルール上はできないと明言をいたしました。
 大島議長は、四野党国対委員長の申し入れに対して、平穏な状況での採決ではないと述べておられます。
 休憩後の理事会の冒頭で、佐藤委員長は、午前の理事会で野党からの要望があったのに、いい方向に進められなかったことを陳謝したい、さらに混乱したという事実に責任を感じている、おわびしたいと述べられました。
 委員長の努力を無にするような暴挙を行った政府・与党の責任は極めて重大であります。
 昨日七日の理事会でも、佐藤委員長は、本会議開会に向けた努力を行っている最中に委員会の開会を強行したことについて、国会に二十年いるが初めての経験だ、こんなことがまかり通れば議運は要らないと厳しく指摘をいたしました。まさにそのとおりであります。
 国会審議を損なわせる一番の原因である山本農水大臣に対する野党の辞任要求に対して、何らの回答もしない政府・与党の姿勢を厳しく批判するものです。
 そのことに加えて、委員会審査終了議案として、協定と関連法案について議運理事会で協議の対象とすることは、国会のルールを踏み破ったTPP特別委員会の質疑、採決の強行を容認することになります。議事日程延期で済む話ではありません。
 TPP協定と関連法案は、委員会に差し戻して徹底した審議を行うべきです。
 大島議長、佐藤議運委員長のなお一層の御努力を期待し、発言を終わります。