国会質問

<第193通常国会 2017年01月19日 議院運営委員会 19号>




○塩川委員 二〇一七年度の本院予算について意見を述べます。
 以下の理由により、本院予算に反対を表明します。
 第一に、情報監視審査会関連の経費が計上されていることです。
 国会を政府の秘密保全体制に組み込む国会秘密法ともいうべき国会法に基づく体制を継続するものとなっています。国民の知る権利を侵害し、国会の国政調査権や政府監視機能を制約するものであり、削除すべきであります。
 第二に、議員関係経費についてです。
 議会雑費、委員長手当については、国会役員を特別扱いする特権的な制度として廃止を求めるものです。
 また、文書通信交通滞在費については、在京議員に対しても滞在費と称して手当を支給することは、国民から見て合理的説明が立たないものであり、見直すべきです。
 次に、本院予算にかかわって何点か意見を申し述べたい。
 一つは、次期議員会館運営手法検討調査費についてです。
 現行のPFI方式については、NAS電池故障に伴う賠償問題や議員室のレイアウトを変えるだけで費用が徴収されるなど、運営のあり方についてさまざまな問題が生じています。参議院では清水谷議員宿舎建てかえに当たってPFI方式を採用しませんでした。
 PFI契約終了期限を機に、この間の課題を洗い出し、PFI方式の検証を行うべきです。PPP、PFIありきではなく、直営に戻すことを含め、運営手法について真剣に検討することを求めます。
 第二に、憲政記念館の機能、役割についてです。
 今回、憲政記念館機能等検討調査費が計上され、国立公文書館建設に関連して、憲政記念館の機能をどうするのか調査検討を行うことになっています。
 憲政記念館は、国民の浄財によって建設された尾崎記念会館を吸収して、議会制民主主義についての国民の理解を深めるため、憲政資料を収集、公開する常設の展示館として一九七二年に発足しました。国会見学を初め、憲政についての学びの場として重要な役割を果たしてきました。
 一方、憲政資料の収集経費や資料保管場所の不十分さ、憲政記念館として資料収集方針を持っていないことなど、充実させるべき課題は多々あります。憲政記念館については、国立公文書館建設の議論とは切り離して、このような歴史的な資料の収集、保管、展示を行う博物館的な役割をどのように発展させるのかという立場で検討を行うべきです。
 この間の議運班による各国議会制度調査では、諸外国議会において議会図書館、議会公文書館、議会資料館が連携しつつ、それぞれ重要な役割を果たしていることを学びました。日本においても、立法府の公文書管理を担う議会公文書館の創設とともに、憲政記念館を議会資料館として充実させ、さらには立法府の情報公開を担う機関として位置づけるなど、議論を深めていきたいと思います。
 なお、国立公文書館建設計画については、公文書の適切な作成、整理、保存、重要公文書の公文書館への移管、公開、利用という公文書管理の全体に関する議論が尽くされていません。憲政記念館敷地を建設用地の第一候補とした議論は、本来求められる国立公文書館の機能や規模の検討を制約するものとなりかねません。衆院用地の活用は見合わせ、求められる国立公文書館のあり方について真摯な議論を行うことを求め、発言を終わります。