国会質問

<第193通常国会 2017年04月04日 議院運営委員会 17号>




 政治資金適正化委員会委員の指名について発言します。
 政治資金適正化委員会は、政治資金をチェックするとしてつくられたものですが、実際は、国会議員関係政治団体のみを対象とし、その収支報告書の記載内容と会計帳簿、領収書などを突き合わせ、形式的な適正を確認するだけです。要するに、登録政治資金監査人のチェックを受けたというお墨つきを得ようとするものにほかならないのであります。
 制度発足後、白紙領収書問題、補助金受注企業からの献金問題などが起きておりますが、いずれの事案でも、この制度のチェックが意味をなさないことを露呈しました。
 また、監査人のチェックを受け提出された収支報告書について、監査マニュアルからの逸脱や誤記を指摘されるものが数%あるなど、形式上の適正すら確認できていない実態があります。
 さらに、この制度の導入により、収支報告書の公開期限をおくらせたことで、前年の報告書は十一月末にならなければ国民の監視にさらされないことも問題です。
 我が党はこの制度の導入に反対しましたが、実際の運用からも制度が不必要であることは明らかです。したがって、今回、我が党に委員人選の推薦枠が割り当てられましたが、このような制度を維持する必要はないとの立場から、推薦しませんでした。
 政治資金は、政治団体がその収支を公開し、国民の不断の監視と批判のもとに置き、国民の判断に委ねることが基本であります。収支はそのまま速やかに公開すればいいのであって、適正化委員会は必要ありません。
 以上、政治資金適正化委員会委員の指名に反対の意見を表明します。