国会質問

<第193通常国会 2017年04月11日 環境委員会 11号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 土壌汚染対策法について質問をいたします。
 きょうの午前中からも議論があります東京都における築地市場の豊洲新市場への移転問題に関連して質問をいたします。
 最初に環境省にお尋ねしますが、この豊洲の新市場の予定地と土壌汚染対策法の関係について、土壌汚染対策法のスキームはこの豊洲の新市場予定地においてどのようにかかわっているのか、この点についてまず御説明ください。

○高橋政府参考人 お答えいたします。
 土壌汚染対策法における豊洲新市場予定地の位置づけでございますけれども、豊洲新市場予定地におきましては、三千平米以上の土地の形質の変更が行われるということに基づきまして、土壌汚染対策法の第四条に基づきまして東京都において形質変更の届け出がなされ、それを踏まえて、土壌の汚染状況の調査が、これは十四条に基づく調査でございますけれども、実施をされ、それによって、汚染があったわけでございますけれども、地下水利用がない等、土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないという判断のもと、土壌汚染対策法に基づく形質変更時要届出区域に指定をされているというふうに認識をしてございます。

○塩川委員 資料をお配りしました。一枚目をごらんいただきたいんですが、これは、東京都の豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議、よく言われています専門家会議の資料ですが、新市場予定地でガス供給を行っていた東京ガス豊洲工場は、石炭ガスを製造しており、一九五六年から一九八八年までの約三十年間操業しておりました。
 石炭ガス工場が操業していた昭和四十三年のときの写真が上の図です。ちなみに、築地の市場はNと書かれている北の方の先にあるわけですけれども。このように、ガスを製造する、そういうさまざまな設備、施設が置かれているところだったわけであります。下は昭和四十一年時の土地利用状況で、青い枠線に囲まれた区域が東京ガスの豊洲工場の敷地に当たります。真ん中あたりのちょっと右にある油ガスの発生装置、その下のコークス炉、こういうところが中心となって、石炭置き場、コークス置き場など、一連の施設が設置をされているという図であります。
 環境省にお尋ねしますが、このような石炭ガスの製造過程における有害物質の使用や排出状況というのは、一般的にどのようなものかについて説明をしていただけますか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。
 石炭を熱分解してガス化をするというプロセスになるわけでございますけれども、その際には、ベンゼンでありますとかシアン化合物、こういうものが副生成をするということでございます。また、冷却後の副産物であるタールの中にはベンゼン等が含まれているというふうに認識をしてございます。
 通常、こういう排水とか排ガスあるいはその副産物中に含まれる有害物質というものにつきましては、排水、排ガスの処理工程等で環境保全上支障のない状態にして排出されているということでございますけれども、各工程において漏えいとか不適正処理があった場合には、こういうものが土壌汚染等の原因となるということが考えられるということでございます。

○塩川委員 資料の二枚目の上の図、フローになっていますけれども、ガスの製造過程における有害物質の使用、排出状況ということです。
 ここに書いてありますように、新市場予定地でガス供給を行っていた東京ガス豊洲工場は、石炭ガスを製造しており、その精製過程において触媒として砒素化合物を一部使用するとともに、製造、精製過程においてベンゼン、シアン化合物が副産物として生成されていたというものであります。
 先ほど、タールとベンゼンの話もありましたけれども、ベンゼンは揮発性ですけれども、タールと一緒になるとなかなかすぐ揮発するものでもないということですから、一定期間残り得るという点でも、汚染をされれば中長期にその汚染が残るということにもなるわけであります。
 下の図がその汚染源とされるような場所でありまして、真ん中あたり、横長の楕円状のところがコークス炉、その右側に、触媒として砒素化合物を使用していた箇所、こういった図になっているわけです。
 それで、こういった汚染源も示されているわけですけれども、環境省にお聞きしますが、そういったところにおいて、この間、地下水のモニタリング調査が行われてきたわけですけれども、この一回から九回というモニタリング調査も大きく報道されましたけれども、この地下水モニタリング調査による現段階での汚染状況については、環境省としては把握しておられますか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。
 豊洲市場の地下水のモニタリング結果については、東京都の専門家会議において議論がされているわけで、私ども、結果は承知してございますけれども、特に直近では、一月及び三月に公表された結果におきましては、多くの地点で地下水環境基準を超過するベンゼン等が検出をされている。その理由としては、一つの可能性として、地下水管理システムの稼働による地下水の流動の変化が原因と推定されたというふうに承知をしてございます。

○塩川委員 基準超のそういった結果が出たという話です。
 土壌汚染対策の結果の適否を確認するために、二〇一四年以降行われてきた地下水モニタリング調査ですが、七回目までは環境基準を超えた有害物質はなかった。しかし、八回目に三カ所から環境基準を超えるベンゼンや砒素を検出し、ことし一月実施の九回目の調査では、調査地点二百一カ所のうち七十二カ所から基準値超の有害物質が検出をされる。ベンゼンは三十五カ所で基準値を超え、最大は基準値の七十九倍だと。砒素は二十カ所で基準値を超え、最大三・八倍。検出されてはならない猛毒のシアンも三十九カ所で検出をされたわけであります。
 資料の三枚目に、この地下水のモニタリング結果のシアンですけれども、上の図が第八回で、これは青いのは不検出ですけれども、下が第九回の図で、赤にバツがついているのは十倍、赤い色が基準値を超えるものという点でも、非常に多くのポイントでシアンが検出をされるということが見てとれるわけであります。大変安全性が危惧されるわけですね。
 こういった九回目の調査というのはクロスチェックで数値として確認されているわけですけれども、率直に安全性が危惧される問題なんですが、その点について、環境省としてはどのように認識をしておられますか。

○高橋政府参考人 調査結果、それからそれを踏まえた今後の安全管理の対策については、まさに東京都の専門家会合で検討されているという状況でございますので、それをしっかりと見守っていきたいと思ってございますけれども、一般論として申し上げれば、汚染の検出をされた場合には、やはりその汚染の状況をしっかりと把握した上で、そこを利用しようという場合には、それが人の健康に影響を及ぼさないように摂取経路をしっかりと遮断して、適正に管理をしていくということが必要だろうというふうに思っております。

○塩川委員 人の健康に影響を及ぼさないように適切に管理をする旨の話がありましたけれども、確かに専門家会議の会合を見守るという話もありましたが、その専門家会議が、地下の汚染は残るが地上は安全ということで安全宣言を出そうとしているということに対しては厳しい批判の声があるところです。
 環境省にお聞きしますが、この地下の汚染物質であるベンゼンやシアンや水銀などは、揮発をして地上や建物内を空気汚染する可能性があり、地下と地上は分離できないので地上の安全も保証されないのではないかと考えますが、この点についてはどうですか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。
 ベンゼンなどの揮発性の有害物質についての対応でございますけれども、これまでの私どもの調査によれば、土壌汚染地を掘削するような場合に、揮散による大気汚染を引き起こすということがあるということで、法律上は、汚染地の掘削の際の揮散防止対策というのを義務づけているところでございます。
 他方で、汚染土壌の存在そのものによって、そこから有機物質、揮発性の有害物質が蒸発をして大気汚染を生じるという可能性については、これまでのところ、そういうものによって例えば環境基準を上回るような大気汚染が生じたという事例は確認をしてございません。引き続き、そういう揮散のリスクについては、科学的知見の集積に努めてまいりたいと考えております。

○塩川委員 ですから、掘削ではなくて、実際にその措置したところから出ているわけですから、やはり健康被害の懸念というのは当然生まれてくるわけで、形質変更時要届出区域というのが、要措置区域との対比の中で、汚染はあるんだけれども、要措置区域は汚染の摂取経路があります、形質変更時要届出区域の場合には汚染の摂取経路がない、だから健康被害が生ずるおそれがないという説明なんだけれども、私はやはり、率直に言って、こういった揮発性のガスによって健康被害が生ずるおそれがあるんじゃないか、こういう声というのは当然あるわけですから、健康被害が生ずるおそれがないというふうに言えないんじゃないかと思うんですが、この点どうですか。

○高橋政府参考人 繰り返しになりますけれども、汚染土壌が存在しているというだけで、それによって、その揮発によって大気汚染が生じたという事例はこれまでのところはないということでございます。引き続き知見は集積をしてまいりますけれども、これまでのところはないということでございます。
 また、現に豊洲新市場予定地においてもさまざま大気の測定はされておりますけれども、一部、例の地下ピットで、密閉された空間でそこに地下水がたまっていたときに、そこから蒸発した水銀等によって濃度が高まったという事例はございましたけれども、そういうものも適切に換気をすれば問題ないということでございますので、十分対応可能な状況ではないかというふうに思っております。

○塩川委員 もともとのこの土対法上についての健康被害の話というのが、やはり、地下水の話それから土壌の経口摂取という、非常に限定的な問題だというところにも問われているわけで、本来であれば、より健康を考慮するサイドから、揮発性のガスも含めて対処をするということこそ必要なわけで、そういうものが、こういう市場という形で、まさに国民の体にかかわるような、食品に携わる場所という点でも、安心という点でももちろんそうですけれども、安全という対策についても万全を期すのは当然であって、これについて、やはり健康被害が生ずるおそれが本当にないのかという立場で慎重な対応こそすべきであって、その対策こそ必要じゃないかなと思うんですが、大臣の方はこの点についてお考えはいかがですか。

○山本(公)国務大臣 局長が答弁いたしましたとおり、今後は科学的知見の集積に努めてまいりたいと思っております。

○塩川委員 こういった調査の結果というのが、先ほども示しましたように、第一回から第八回目と第九回目が大きく違うという結果になっているわけです。そういう点でも、これまでの対応がどうだったのかということが問われてくるわけです。
 資料の四枚目にありますが、日本共産党の都議団やしんぶん赤旗のこの間の追及によりますと、今回の、これは上の部分は、一番上が東京都の豊洲新市場の土壌汚染対策工事、五街区が鹿島を中心としたJV、六街区が清水を中心としたJV、七街区が大成を中心としたJVになって、同じように、施設の建設工事もそれぞれのJVが受注をしている。さらには、その下にある地下水のモニタリングについても、それぞれ受注者が対応する三つのJVになっているということが、ここにも見てとれるわけです。
 第一回から第三回は、採水、分析は日水コンや日立プラントサービスであります。第四回から第八回の方が、それぞれ受注者は全て、もともとの土壌汚染対策工事、施設建設工事を行うJVが受注をしているという図になってくるわけです。
 このように、この三つのJVの大手ゼネコンは、豊洲の新市場の土壌汚染対策工事を施工し、その後、青果棟などの建物建設、さらには地下水管理施設の整備工事を行っています。採水、分析は、同施設整備工事の一環として随意契約で受注をしていたという話であります。
 私、率直に言って、こういった土壌汚染対策を実施した事業者が汚染対策の効果をはかるための地下水モニタリング調査を受注するというのは、中立公正な調査と言えないんじゃないのか。こういった調査のあり方というのは客観性が担保できないのではないかと私は思いますが、環境省としてはどのようにお考えか。

○高橋政府参考人 地下水モニタリングの測定でございますけれども、これは当然、しっかりとした技術的な基盤のあるところが実施をしなければいけませんので、具体的にまた、計量法に基づく計量証明等によって一定の信頼性が確保された実施機関において実施をするという必要があるかと思っております。

○塩川委員 大臣にお尋ねしますけれども、午前中の参考人質疑でも、私、このことを聞きました。こういった土壌汚染対策を実施する事業者がこの地下水モニタリングの受注者になっている。みずからが実施した土壌汚染対策のその調査をみずからが受注するという構図はおかしいんじゃないですかという問いに対して、参考人の皆さん四人ともお答えいただきましたけれども、親会社のもとでの子会社が作業者になるような、そういうことは控えるとか、信頼性を高めることは必要だ、また、できるだけ第三者が望ましいとか、土対法に基づく措置でモニタリングしている調査機関であれば立場が違う、この点についておっしゃった方も一方でおられましたけれども、やはり関係の事業者が随意契約で受けるというのはおかしいという声ということで、どなたもそれはよろしいと言う方はいらっしゃらなかったわけで、多数の方々が、こういった関係事業者が採水、分析などの調査の事業を受注するのはおかしいという指摘をしておるわけですけれども、大臣もおかしいと思いませんか。

○山本(公)国務大臣 好ましいものではないと思います。

○塩川委員 それが現場で行われているわけであります。ですから、そんなことがなぜ、それがどういうことを生み出すのかという点が極めて重大で、実際に、採水をすることも土壌汚染対策法のガイドラインなどに示されているわけですよね。
 これは都議会でも我が党が追及しておりますが、地下水を採水する場合というのは、井戸にたまった水について一度排水をする、それで新たに出てくる水を採取するということになるわけですけれども、それは、やはりベンゼンなどは揮発しやすいわけです。ですから、時間がたつと飛んでしまう。また、砒素などは沈殿しやすいわけですから、時間がたつと下に落ちてしまう。となると、時間を置けば置くほどそういう意味では適切な調査にならないよねということがあるわけですよね。
 そういうことを見ると、例えば、一回目から三回目の採水を担当した日水コンは、排水をして、湧き出した水を採水するまでに二十四時間前後の時間が経過をしてから、つまり翌日になってから採水をするということが明らかになっておりますし、四回目から八回目のモニタリング調査ではゼネコンのJVが受注者でしたけれども、こちらも、こういった排水をして、またしみ出してくる、そのときから一日とか二日時間が経過してから採水するという点でいうと、データの信頼性を欠くことになるんじゃないのか。一方で、九回目を実施した事業者の場合では当日中に採水をする。試料の揮発や沈殿を防ぐ配慮がなされている。
 そういう点でいうと、やはり、一回目から八回目と九回目においては、適正に行われたと言われるこういった調査のあり方についても、私は一回目から八回目については信頼性が欠けるのではないのかと率直に思うんですが、環境省としてもそう思いませんか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。
 今、地下水のモニタリングにおける、パージと言っておりますけれども、その手法についての御質問でございました。
 土壌汚染対策法に基づく調査等のガイドラインにおきましては、地下水をサンプリングする際には、観測井戸にたまっている地下水ではなくて、本来の地下水の状況を調査するために、観測井、井戸の中にたまっている水をまず十分にパージ、くみ上げた上で、地下水位が回復をして、濁りがなくなって、水質が安定したところで採水をするというふうな規定になってございます。ただ、具体的に採水までの時間というのは規定はしていないという状況でございます。
 今回、豊洲新市場における調査の結果については、東京都の専門家会議での評価においては、今まさに御指摘のあった部分につきまして、パージをした後に地下水位が回復した後どれぐらいの時間を置いたか、そういう時間の違いによって分析結果に違いが出るかというようなことも調査をされておりまして、その結果、地下水位が回復した後の静置時間の違いによる影響はないということが確認されたというふうに専門家会議ではおっしゃっております。
 したがいまして、ただ一つだけ、パージした水そのものを分析してしまった、これは不適切だったということでございますけれども、それを除けば、第一回から第九回までの地下水モニタリングの結果は有効であると専門家会議においては判断をされたというふうに承知をしてございます。

○塩川委員 この問題についてはいろいろ現場から批判の声が上がっていて、日水コンが採水した試料は、一度会社に持ち帰って、その後、都に持ち込んで、都職員の確認を得てから分析会社に送付するという不可解な行動をとっているという問題なんかもありましたし、もともと、再採水を都の方が指示するようなことがある、そういった点での都の関与を含めて非常に不透明なことがたくさん続いているというのがこの地下水のモニタリング調査の問題であって、まさに信頼性を欠くような状況にあった、そのことが問われているわけであります。
 私は、大臣が、こういった、要するに、土壌汚染対策を行った事業者、それにかかわる事業者がこういった調査、検査を行うのは好ましくないと言うのであれば、それを排除するような仕組みこそ必要だと思うんですね。ですから、中立公正な第三者が、利害関係のない第三者が調査、分析を行う、こういう仕組みこそつくる必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○山本(公)国務大臣 おっしゃるとおり、土壌の汚染状況を適切に把握して対策を講じるためには、公正中立に調査を実施する仕組みが欠かせないと思っております。
 そのために、土壌汚染対策法では、環境大臣または都道府県知事が指定する調査機関に調査を行わせる仕組みとしているところでございまして、また、指定に際しては、その役員構成が調査の公平実施に支障を及ぼすものでないこと等の基準に適合していることを審査いたしております。
 いずれにしましても、環境省としては、指定調査機関の適切な指定及び監督を通じて、公正な調査を実施する体制を支えてまいります。

○塩川委員 公正な調査を支えるということをおっしゃっていただきましたが、本当にそうなっているのかという問題なんです。
 これは資料の四のところに、鹿島のところを見ていただきますと、下の方のモニタリングの実施機関ですね、受注者は鹿島JVですけれども、パージ、排水をする、あるいは採水する、分析をする、そのところを見ますと、ケミカルグラウトという企業が出てまいります。
 このパージ、採水等を行う事業者であるケミカルグラウトというのは、土壌汚染対策法における指定調査機関ではないかと思うんですが、わかりますか。

○高橋政府参考人 東京都港区に所在するケミカルグラウト株式会社であれば、これは土壌汚染対策法に基づく指定調査機関として指定をされているというものでございます。

○塩川委員 指定調査機関のケミカルグラウトですけれども、このケミカルグラウトの株主が誰かというのはわかりますか。

○高橋政府参考人 この株主構成については、現時点ではこれは公開情報になっておりませんので、私ども、回答は控えさせていただきたいと思います。

○塩川委員 ケミカルグラウトは鹿島の一〇〇%の子会社です。ですから、汚染対策や施設建設を受注したのは鹿島です、この親会社の鹿島が汚染対策を行い、子会社のケミカルグラウトがお墨つきを与える。これはやはりどう考えてもおかしいわけで、環境行政を所管する環境省としてこんなやり方を容認するのかと。
 先ほど、好ましくないというお話がありました。こういった仕事を現行では排除できるんですか。排除できているんですか。

○高橋政府参考人 現行法では、いわゆる地下水の通常の、通常というか、モニタリング調査につきまして、請け負う会社の株主構成云々ということまで法律上規定をしておりませんので、排除しているというものではございません。
 ただ、これはさっき委員がおっしゃった話でございますけれども、今回の九回のモニタリング調査の結果の妥当性については今まさに東京都の専門家会合で詳細に検討されていますので、その調査が適正だったかどうかについては、その結果をしっかりと私どもは見ていきたいと思っております。

○塩川委員 そもそも疑いが持たれているわけですよ、自分が実施をした土壌汚染対策について、その妥当性の調査を子会社にやらせているんですから。そんなのが容認されるのかという問題なんですよ。
 そういう意味でも、もちろん指定調査機関の枠組みの話がありますけれども、私は、そもそも、土壌汚染対策をやった事業者が、その調査、妥当性についてみずからの子会社にやらせるような、こういうことはきっぱり排除する、これはやはり環境省が行うべき仕事じゃないですか。そうなっているんですか。

○高橋政府参考人 地下水のモニタリングにつきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、計量法に基づく計量証明等によって信頼性の確保された調査機関が実施をするということで、信頼性を確保する必要があるかと考えてございます。
 いずれにしましても、今回の件につきましては、東京都において今検証がなされておりますので、その結果をしっかりと見て、何か必要なことがあればしっかりと対応していきたいというふうに思っております。

○塩川委員 信頼性を欠いているこの豊洲新市場の移転の計画そのものはやはりきっぱりと中止をすべきだ、築地市場の豊洲新市場移転計画を中止し、現在地再整備の本格的な検討こそ求められるということは申し上げ、その上で、ちょっと今の話の続きです。
 もともと、指定調査機関のあり方の話なんですけれども、先ほどもちょっと大臣の方でもお述べいただいたんですが、土壌汚染対策法上の区域指定が行われるときには、指定調査機関が中立公正な立場で関与することになっています。実際には、指定調査機関の看板でいろいろな検査とかをやっているわけですよね。それはやはりお役所としての指定という重みがあるわけですから、環境省がそういうお墨つきを与えているわけですから。そういったときに、今言ったような親会社、子会社のような関係というのはまずいよね、こういうのを排除するようなスキームにそもそもなっているのか、豊洲の話はちょっとおいておいて。
 そもそも土対法上のスキームがどうなっているのかということについて確認したいんですが。

○高橋政府参考人 土対法上は、まさに今おっしゃったような公正な調査という意味では、土対法に基づく土壌汚染状況調査、これはまさに区域の指定にかかわる非常に重要なものでございますけれども、これにつきましては、まさに区域の指定を左右するということでございますので、非常に公正性が必要だということで、この土壌汚染状況調査については指定調査機関が実施するということが義務づけられております。
 この指定調査機関というのは、信頼性を高めるという意味で、業務規程の中に利害関係上疑念を持たれないようなことに配慮した規定というものをしっかりと設けるということも、業務規程の中にそういうことをしっかり盛り込むようにということも規定をしてございます。
 ただ、今回の、今話題になっております豊洲のモニタリング調査については、これはいわゆる土壌汚染状況調査ではございませんで、その後のモニタリング調査ということなので、法律上は、このモニタリングについては、指定調査機関が実施をしなければいけないという規定にはなっていないということでございます。

○塩川委員 今お話しのように、土壌汚染状況調査、つまり区域指定を行う際にどれだけ汚染されていますかということを調査する際には指定調査機関が必要ですということで、その際には、確かに、環境省の事務方にお聞きしまして、実際、その文書、書類を出してもらう際には、参考例としての例示があるといった場合に、資本関係でいえば、五%以上保有する株主、指定調査機関の株を五%以上保有するような人が所有しているような土地を調査するのはだめよとかとなっているんですよね。もちろん、人的関係もあればだめとかという話には当然なるわけなんですけれども。
 そういうのであれば、私、それはもっと広げる必要があるんじゃないかなと思うんですよ。実際には、皆さん、指定調査機関の看板でいろいろなモニタリング調査なんかもやっているわけですよね。そういったときに、さっきも出てくるような、鹿島の行った土壌汚染対策を鹿島の子会社がチェックする、こういうことを含めて、これはもともと、資本関係があるのはだめよと排除しているというのが指定調査機関、そもそもの法律上の枠組みなんだけれども、それを敷衍して、制度としてまさに信頼性を高める、こういうことこそ今やるべきじゃないかなと思うんですが、最後にそのことをお聞きして終わりたいと思います。

○高橋政府参考人 この指定調査機関の活用のあり方については、御指摘の点も踏まえて今後検討してまいりたいと思っております。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。