国会質問

<第193通常国会 2017年04月14日 議院運営委員会 20号>




○塩川委員 私は、憲政記念館敷地を含む国会前庭を新たな国立公文書館の建設候補地として決定することに反対の意見表明を行います。
 新たな国立公文書館の建設は政府の責任で行うものであり、用地が必要であれば、政府が確保すべきものです。衆院用地を使用することは認められません。
 しかも、この計画については、以下のような問題点があります。
 第一に、内閣府がまとめた報告書によると、新たな国立公文書館の施設計画は、公文書館に必要とされる機能やスペースを最大限に確保するというものです。しかし、同敷地は、景観や地下鉄など建築上の制約があるため、当然、コストが高く、工期も長くなります。
 一方で、既存の国立公文書館本館、敷地面積に余裕のあるつくば分館の活用方法については記載がありません。このような施設計画は妥当性を欠いています。
 第二に、報告書には、立法府の公文書を国立公文書館に移管することを積極的に検討すべきとありますが、国会として、立法府の公文書を国立公文書館に移管するという方針を決めたことはありません。
 諸外国では、議会として公文書館を持つ例もあります。立法府の公文書館をどうするか、必要な検討を行うべきです。
 そもそも、立法府の公文書の管理、公開のルールを議論し、決めるべきです。
 第三に、報告書による施設計画は、憲政記念館を壊して公文書館と合築して建てかえるというものですが、憲政記念館のあり方について、国会として議論を行っておりません。
 歴史的な資料の収集、保管、展示を行う議会博物館として位置づけるなど、憲政記念館の役割をどのように発展させるのか、議論が必要です。
 以上のような課題を残したまま、憲政記念館敷地を新たな国立公文書館の建設候補地として決定することには同意できません。
 最後に、国立公文書館は、行政府の公文書管理の一環であります。
 今、安倍政権の公文書管理のあり方が問われています。南スーダンPKO部隊の日報隠蔽問題、森友学園への国有地売却に係る公文書廃棄問題など、放置することはできません。
 行政府の公文書の適切な作成、管理のあり方について真摯な議論を行うことを求めて、意見表明を終わります。