国会質問

<第193通常国会 2017年06月09日 環境委員会 19号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは最初に、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの燃料研究棟における、作業員のプルトニウム被曝事故について質問をいたします。
 きょう、原子力機構の児玉理事長にもおいでをいただいております。
 まず最初に確認をしたいんですけれども、今回、五人の作業をされていた方々、そのうち、内部被曝の二万二千ベクレルという方を含めて、複数の方が被曝をいたしました。こういう被曝をしたというのは、そもそもどのような作業を行っているときだったのか、それについてまずお答えいただけますか。

○児玉参考人 お答え申し上げます。
 まず、今回の被曝事故につきましては、地元を初めとする多くの皆様に御心配と御迷惑をおかけしており、まことに申しわけございません。今後、被曝した方々とその家族のケアを含めて、機構の総力を挙げて、本件の対応に全力を尽くしていく所存でございます。
 まず、経緯でございますが、去る六月六日に、この燃料研究棟の貯蔵庫に保管してある貯蔵容器の点検作業をフード内で実施していたところ、十一時十五分ごろ、貯蔵容器のふたをあけたところ、内容物を収納していたビニールバッグが破裂し、内容物の一部が飛散しまして、施設内が汚染するとともに、作業員五名が被曝いたしました。貯蔵容器の内容物は、ウランとプルトニウムの混合化合物でして、性状などの詳細については、現在調査中でございます。
 同日、五名の作業員について、肺モニターによる測定を行ったところ、一部の作業員からプルトニウムの核種が検出されました。このため、翌七日に、作業員五名を放射線医学総合研究所へ搬送いたしまして、現在、詳細な調査をしておるところでございます。
 また、この事故による外部環境への影響はなく、外部への放射性物質の漏えいがないことは監視しながら、事故現場の調査を行っているところでございます。
 今後、本件に関する原因究明及びそれに基づく対策の検討に十分な体制を整えた上で、機構全施設に対する再発防止対策の検討及び実施に取り組んでまいる所存でございます。

○塩川委員 燃料研究棟内の貯蔵庫に置かれています貯蔵容器の内容物の確認作業を行っていた、その際に、あけた際、内容物の一部が飛散をするということだったということなんですが、この燃料研究棟における貯蔵庫の貯蔵容器の内容物の確認をする、それはどういう理由で行っていたものなんですか。

○児玉参考人 昨年十一月に規制庁の方から核燃料物質を適切に保管しているかどうかを点検しなさいと言われまして、当該実験棟におきましても、適切な保管をしていくための一環として、保管庫の中にあります容器の内容物を確認し、それでもって適切な保管をさらに検討していくための一環として実施していたものでございます。

○塩川委員 そこがよくわからないんですけれども。
 もともと、原子力規制委員会、規制庁の方で昨年の十一月前後ぐらいに全国の調査を行う中で、いわゆるグローブボックスのようなところに、本来保管をするような設備でないにもかかわらず置かれているものがある、こういう状態はまずいよね、これは解消しましょうということについての指示、指摘があったということですよね。今回あけた貯蔵容器というのは、そのグローブボックスとかにあったような容器ではないわけですよね。そこの関係がよくわからないんですよ。
 規制委員会の方の指摘、指示というのは、あくまでも、グローブボックスのような本来作業するような環境に長期に保管されていた核燃料物資がありました、これは適切に保管の措置が必要ですねと、これはこれとしてやることが求められていたわけですが、今回の作業はそもそも何をもって行われていたのか、もう一回説明いただけますか。

○児玉参考人 適切な保管をするために、現在きっちり保管されている箇所にあきがないか、現在適切に管理されていないものを適切に管理するために、保管庫に対してどの程度の余裕があるかということを検討するために、中をチェックしていたものでございます。

○塩川委員 ちょっと前後する関係で確認したいんですけれども、原子力機構のこの大洗研究開発センターの燃料研究棟は、二〇一三年度に廃止の方針を決定した施設ということですね。その作業工程、つまり、燃料研究棟はもう畳みますよ、廃止をしますということでいえば、中にどういうものがあるのか、核燃料物質がどういうものがあるのか、これはこれとして確認は必要だったわけですよね。
 ですから、長期に保管されている実験済みの核燃料物質の貯蔵容器の内容物の確認作業を行う、これは独自に行っていたものなんですか。それとそのグローブボックスに置かれている不適切な保管状況の核燃料物質を処分するというのは別な話だと思うんですけれども、その相互関係をもう一回説明してもらえますか。

○児玉参考人 廃止を決定したことによって適切に保管していくという作業は、当然別にやる作業でございます。ただ、国からの指示がありましたので、その作業を加速して前倒しで始めたということでございます。

○塩川委員 そうしますと、保管庫の貯蔵容器がある、その貯蔵容器がどれだけ中が詰まっているのかというのを確認して、あきがあることを確認すれば、グローブボックスとかに置かれている、現状不適切に置かれているような核燃料物質をその容器に移しかえるという作業のための前段階の確認作業ということでよろしいですか。

○児玉参考人 そういう御理解でよろしいかと思います。

○塩川委員 それで、その保管庫、貯蔵庫に置かれている貯蔵容器というのは八十個という報道があるんですが、それでいいのか、今回の作業していた、内容物が飛散をしたのは幾つ目のものだったのか、そこはわかりますか。

○児玉参考人 八十個で正しい個数でございます。
 今回調査していたのは、今まで三十一個調査済みの三十二個目の調査ということでございます。

○塩川委員 そうしますと、まだ残り四十八とかというのが当然あるわけですけれども、もう一つ、もともと原子力規制庁から是正を指摘されているグローブボックスとかに置かれているような核燃料物質、これは容器の数でいうと百一個とかという報道もあるんですけれども、そのぐらいの数ということでよろしいんでしょうか。

○児玉参考人 申しわけございません、正確な個数については今手元にデータがございませんので、ちょっとお答えできない状況です。

○塩川委員 いずれにせよ、グローブボックスに置かれているような核燃料物質については貯蔵容器に移しかえる、そこに入れてしまうというために、まずは内容物がどうなっているかの確認をされておられたということであります。その場合に、結局、あけたときに、ボルトを緩めて、その途中で内容物が噴き出してとかということなども報道されていますし、結果とすれば、ビニールバッグに入れていた、そのビニールバッグが破裂をしたということですけれども、なぜこのビニールバッグが破裂したのか。その点についてはどのように受けとめておられますか。

○児玉参考人 これからの調査によるところだと思います。
 ただ、いろんな可能性はありますけれども、その一つとして、中でガスが発生して、ふたをあけた途端に破裂したというような仮説もございますが、いずれにしても、原因究明はこれからでございますので、いろんな可能性を慎重に検討していきたい、そのように考えております。

○塩川委員 二十六年間未開封の貯蔵容器をあけた場合に、その間に発生した水素ガスやヘリウムガスが充満してビニールバッグが破裂した可能性、そういうのも想定はされる、そういうことも視野に入れて今後調査するということでしょうか。

○児玉参考人 おっしゃるとおりでございます。

○塩川委員 それと、プルトニウム、核燃料物質が飛散をした際に、すぐその場を立ち去るのではなくて、その部屋の中に三時間とどまっていたということも報道されていますが、それは事実でしょうか。

○児玉参考人 事実でございます。

○塩川委員 それから、半面マスクの装着についても、本来であれば当然密着するようなものであると思いますし、私もいろいろ現場へ行ったときにつけたときもありますけれども、結構、しっかり締めれば痛いようなところもあるわけですけれども、こういったマスクの装着が適切だったのかどうか。その辺についてはどのように確認をしておられますか。

○児玉参考人 装着が適切であったかも、今後検証していかなければいけないとは思っております。
 まず、なぜ全面マスクで作業しなかったかという点でございますけれども、内容物が密封されておって、放射性物質の飛散の可能性が小さいとそのときに判断して、半面マスクによりフードの作業を行ったものでございます。

○塩川委員 一連の経緯は今後確認をしていくということにはなるわけですけれども、しかし、やはりプルトニウムを扱うようなそういう作業で、こういう作業手順でよかったのかということが問われてくると思うんです。
 田中規制委員長とそれから児玉理事長にもお尋ねしますが、やはりプルトニウムは、体内に取り込まれれば長期間とどまって放射能を出し続けて、がんなどの原因となるおそれというのがあるわけで、肺から二万二千ベクレルのプルトニウムが計測されるというこの内部被曝というのは極めて重大な事故だと受けとめておりますが、どのように認識しておられるか、お答えください。

○田中政府特別補佐人 私、もう長いこと原子力に携わっておりますけれども、これほど大量のプルトニウムの内部被曝の事例は存じ上げておりません。その意味では、先生御指摘のように、非常に重大な内部被曝事故だというふうに思っております。
 それから、原子力機構は、本来、原子力研究開発をやる機関でありますから、こういったことについては模範となるべきところでこういった事故が起こったのは極めて遺憾なことというふうに思っておりますので、今後、規制庁、規制委員会としては、法令報告、それから現場確認等も、昨日も私どもの方から派遣しましたけれども、そういった調査を含めて、原因あるいは再発防止について、詳細に今後詰めていきたいというふうに思います。

○児玉参考人 原子力の専門家集団としてあってはならないような重大な事態を発生させまして、まことに申しわけなく、またじくじたる思いでございます。
 気の緩みですとか、なれとかいうものがあったとは思いたくはございませんが、結果としてこういう事態を発生させたということは、どこかに欠陥があると思っておりますので、いま一度、再々チェック、仕事のやり方、組織、マインドの問題等、総合的に再々チェックをしていきたいと思っております。

○塩川委員 田中委員長が後の御予定があるということなので、続けて何問か田中委員長にお聞きしようと思うんですが。
 やはり、二十六年間も閉めたままの容器をあける、プルトニウムを扱う作業としては、私は、率直に言って、作業手順が極めてずさんではないのかと受けとめざるを得ません。
 ですから、本来、こういう最悪の事態も想定したような作業手順になっていたのかどうか、こういうことについては規制委員会としてどのように受けとめておられるのか、そのことについてお聞きしたいと思います。

○田中政府特別補佐人 結果的にこういった大きな被曝事故を起こしたということは、作業手順が不適切であったということはそのとおりだと思います。
 特にプルトニウムというもの、特に非密封のプルトニウムを扱うというのは、通常は、グローブボックスとかセルとか、非常に頑健なところで扱うものですけれども、フード内で扱うということについては、私どもとしても少し疑問を感じているところがありますので、そういったことについてどういう判断があったのか、それからどういったところが不適切であったのかということについては、今後、詳細に調べて、こういったことは二度と起こさないように、私どもとしても指導をきちっとしていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 もう一問だけ田中委員長に確認して区切りとしようと思うんですけれども、一連のこういう原子力施設の廃止措置が進んでいくわけですね。それは、原発ももちろんありますし、原子力に係る研究開発施設の廃止措置も進んでいくといった際に、やはり、研究開発の施設について同じ枠組みで仕組みづくりをするというのが、実際には、個々の事情によって、なかなか類型化というふうにいかないんだろうという面があるんです、しかし、やはりこういうプルトニウムを扱うような重大な案件であれば、私は、しっかりとしたルールづくりというのが、もっと踏み込んで規制委員会としてやるべきだったんじゃないのかと。
 ですから、そういう点でも、このような原子力の研究開発施設の安全管理対策について、事業者によろしくというのではなくて、規制委員会、規制庁としての対応自身にも問題があったんじゃないのか、改善すべき点があるんじゃないのか、私はこう思いますが、この点についていかがでしょうか。

○田中政府特別補佐人 プルトニウムを扱っているというのは今に始まったことではありませんで、非常にいろいろな形で、研究用でもいろいろな製造用でも、たくさん扱われております。そういったことについて、廃止措置のことも含めてですけれども、一つ一つの作業まで規制委員会が見るということは、事実上不可能です。
 ですから、そういったものは現場の人間がやはり注意深くやるというのが安全文化の基本姿勢であるべきであるし、そのために必要な対策をとる、必要があれば手順をつくるというようなことになると思います。
 先生の御指摘ですけれども、規制でそういったことを全部決めてやればそれでいいということではないと。規制の考え方は、やはり事業者がみずから安全を確保することが基本だということを、もう一度、そういった意味での考え方の上での周知は今後さらに図っていく必要はあろうかと思いますが、マニュアル等の手順まで見て規制をするということではないんだろうというふうに思っております。

○塩川委員 田中委員長、御退席いただいて結構ですので。

○平委員長 田中原子力規制委員長は退席を許可いたしますので、どうぞ。

○塩川委員 原子力研究開発機構においては、アスファルト固化処理施設の火災爆発事故がかつてありました。また、同じくこの東海の再処理施設では、放射性物質が入ったドラム缶がプールの底に積み上げられていたというずさんな管理も指摘をされました。高レベル放射性廃液のガラス固化作業もトラブル続きであります。
 そもそも、「もんじゅ」におけるナトリウム漏れ火災事故と隠蔽工作も大問題となったわけですし、その後も、一万点の点検漏れが発覚をし、原子力規制委員会は、安全に運転する資格がないと勧告をし、「もんじゅ」は廃炉に追い込まれたわけであります。
 率直に言って、原子力の開発、管理においても問題があるだけではなく、今回のような廃止措置の後始末においてもまともな対応がされていないという点は極めて重大だと言わざるを得ません。
 児玉理事長にお尋ねしますけれども、先ほど田中委員長にもお聞きした点ですが、やはり、二十六年間もプルトニウムを入れたままにしている、その容器をあける際の作業として本当に適切だったのかといった場合に、余りにも作業手順がずさんだったのではないのか、最悪の事態を想定した作業手順になっていなかったんじゃないのか。この点についてはどのように受けとめておられるか、お聞きします。

○児玉参考人 結果としてこのような事態を招いたことは、考えが足りなかったということだと思います。
 御指摘の点、本当に肝に銘じて今後対応していきたいと思いますけれども、原子力機構、今までいろいろ御指摘を受けているとおりでございますけれども、我が国で唯一の原子力の総合研究開発機関として、核燃料の取り扱いにもまあまあ経験もありますし、知見も有しているという自負はございましたが、今回のような事象を起こすということは、反省すべき点が、まだまだ足りないということを肝に銘じて対応していきたい、そのように思っております。

○塩川委員 極めて重大な事態だと言わざるを得ません。
 高速実験炉常陽の再稼働の話なんかもありますけれども、その際に、原子炉の出力を本来より低く設定して、規制委員会から是正を求められるような、こういう対応自身も極めて問題があるわけです。
 今回の事故を踏まえて、作業環境や作業手順など、事故の検証を行い、事故原因の究明等、しっかりとした情報開示を行っていただきたい。また、被曝をされた作業員の方への長期ケア、健康被害、この対策に万全の措置を強く求めておくものであります。常陽の再稼働などはとんでもないということは申し上げておきます。
 児玉理事長、結構であります。

○児玉参考人 御指摘の点、拝承いたします。肝に銘じてやっていきたいと思います。

○塩川委員 退席いただいて結構です。

○平委員長 それでは、退席を許可します。
 ありがとうございました。

○塩川委員 残りの時間で、茨城県内の放射性指定廃棄物の保管場所の強化策についてお尋ねをいたします。
 現状保管を継続しております茨城県内の放射性指定廃棄物の保管場所ですけれども、ひたちなか市の茨城県那珂久慈浄化センター、それから茨城町の園芸リサイクルセンターで保管されている放射性指定廃棄物について、保管状況がどうなっているのか。また、テント倉庫に入っているわけですけれども、このテント倉庫の風に耐える耐風性、また耐震性、耐用年数についてもあわせて説明をしていただきたい。

○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきました、ひたちなか市の那珂久慈浄化センター及び茨城町の施設、この保管場所につきましては、どちらも指定廃棄物の保管用に設置したテント倉庫内で保管を行っております。
 このテント倉庫につきましては、耐風性につきましては、この二カ所とも秒速二十八メートルで設計されておりまして、基準を満たしております。
 また、耐震性につきましては震度五強程度、耐用年数につきましては、メーカーからの聞き取りによりますと、テント膜面については十年程度、骨組み部分については四十年程度とのことでございます。
 いずれにいたしましても、この両方の倉庫につきましても建築基準法等の基準を満たしておるというところでございます。

○塩川委員 テント倉庫に入っているということです。私、それぞれの施設にも行ってまいりました。例えば、ひたちなか市の茨城県那珂久慈浄化センターの施設を見ますと、テントの膜が白くあるわけですけれども、破れて修繕している箇所もあるわけなんですよね。去年の台風は秒速三十一メートルですから、二十八メートルという耐風性の基準も、目安も超えるような風も吹いたりしたことがあるわけです。
 もともと、テント倉庫というのはあくまでも暫定的な保管策であったわけですね。ですから、この園芸リサイクルセンターを管理している茨城県農林振興公社は、指定廃棄物の保管について、保管施設の周囲に樹木が多いので、台風等の際、保管施設の破損が懸念されるとしているわけです。現地保管は、率直に言って、十年で解消するものにはならないだろう。
 大臣にお尋ねいたしますけれども、テント倉庫をつくったときというのは、もともと一カ所にまとめて最終処分場をつくりますという話だったんですよ。それを、茨城県においては分散保管、つまり、複数の場所における現地保管としたわけですから、本来、このテント倉庫の保管を見直して、保管策の強化を図るべきではありませんか。

○山本(公)国務大臣 テント倉庫、私も見てまいりましたけれども、一般的には広く用いられているものでありまして、今部長が説明いたしましたように、建築基準法等の法令に定められた基準を満たすように設計されているなど、廃棄物の保管に必要な一定の強度を有していると考えてはおります。また、保管者からも、保管強化の要望はいただいてもおりません。
 そのため、現時点で保管強化が必要な状況とは考えてはおりませんが、今後、保管者や保管自治体から御要望があった場合には、状況を確認させていただき、必要な対策についてはよく御相談をしたいと考えております。

○塩川委員 保管者から要望がないと言いますけれども、園芸リサイクルセンターが所在をする茨城町からは、保管強化をしてほしいという要望は上がっているんじゃないですか。

○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 茨城町の方からは、口頭で要望をいただいておるというところでございます。

○塩川委員 保管者そのものは公社、それは、もとをたどれば茨城県なんですけれども、県の方は今のままでもいいよという話かもしれませんが、所在をしている茨城町の方は、口頭ではあれ、何らかの対策強化をしてくれという要望というのは上がっているわけですよね。やはり、その地元の声にどう応えるかということだと思うので、そういう意味でも、まさに地元からはこういった保管策の強化をやってほしいという要望が上がっているわけですから、それをぜひ受けとめて、対策強化をやっていただけませんか。

○中井政府参考人 茨城町につきましては、先ほどお話しさせていただきましたように、口頭での町からの要望がある、保管者の方々からはまだなかったということではございますけれども、今後、よく保管者、保管自治体から状況を確認させていただき、必要な対策が必要であれば、よく御相談したいと思っております。

○塩川委員 北茨城市のことについてもお聞きしました。北茨城市清掃センターにおける放射性指定廃棄物の飛灰は、フレコンバッグに入れられ、遮蔽シートで覆われていますが、野外に野積みにされたまま保管をされているということで、現状のまま放置するのでいいのか。保管強化策が必要ではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 北茨城市の廃棄物につきましては、飛灰四十五トンが市の清掃施設敷地内で保管されております。これは、保管状況としては、二重のフレコンに収納の上、遮水シートをかぶせて屋外保管という状況になっておりますけれども、市からよく保管強化について御相談を今受けておりまして、引き続き、市とよく相談の上、対応を図ってまいりたいと思います。

○塩川委員 それと、牛久市における保管場所ですけれども、民間施設となっておりまして、それがどこなのか、どのような廃棄物がどのように保管されているのか。適切に保管されているというのが地元の方にはわからないんですよ。そういうことについてはどう受けとめておられますか。

○中井政府参考人 指定廃棄物の保管場所につきましては、公共施設につきましては、固有名詞という形で保管場所について公表させていただいておりますが、民間施設というところにつきましては、民間施設ということで、特定の固有名詞を公表していないという状況でございます。
 牛久市の指定廃棄物は、汚泥〇・二トンがこの民間施設内の既存倉庫で保管されております。土のうによる遮蔽等の対策により、周囲に影響のない状況でしっかりと保管されているという状況認識をしております。
 現状の保管を継続することとしておりますが、またさらなる御要望等あれば、もちろん御相談してまいります。

○塩川委員 ちゃんとやっていますというだけではなくて、具体的にどうなっているのかというのは示してもらわないとそれは安心になりませんよという声があるわけですから、きっちり、実態がどうかということについて、地元にわかるように説明してもらいたい。その上で必要な対策をとるということにも当然なってくるわけで、そういうことについては強く要望しておきます。
 八千ベクレルを超える指定廃棄物について、地元からの要望を受けるといった条件で、いろいろな保管策の強化を図るとなっているわけですけれども、もともと、放射性指定廃棄物は、加害企業である東電が責任を持って行う、求償するというスキームの特措法に基づく措置にもなっているわけです。
 その実際の作業は国が行うわけですから、その点で、環境省がみずからの責任として、住民のさらなる安心の確保や保管場所の災害リスクの軽減のために保管の強化策をとるべきだ、地元任せというのはだめだ、環境省として、しっかり対策をとれと言うことこそ必要だということを申し上げて、質問を終わります。