国会質問

<第195特別国会 2017年12月01日 内閣委員会 3号>




○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、給与法三法案について討論を行います。
 国家公務員退職手当法改正案は、支給水準を平均で約七十八万円引き下げるものです。二〇一二年に約四百万円引き下げたことに続く引き下げです。
 政府は、二〇一四年の国家公務員の総人件費に関する基本方針で、五年ごとの見直しによる官民均衡の確保を閣議決定しました。これは、公務運営の公正中立性確保、厳しい再就職規制と退職後も課される守秘義務、雇用保険の適用がないなど、公務の特殊性をないがしろにしたものです。
 そもそも国家公務員の退職手当は、最高裁判例で示されているように、後払いの賃金であり、労働条件であることは明白です。人事院も見解で、国家公務員の退職給付は職員の退職後の生活設計を支える勤務条件的な性格を有していると認めています。
 ところが、政府は、勤続、功労に対する報償が基本にあるとして、退職手当が労働条件だと認めず、一方的に引き下げを決定しました。
 退職手当が一方的に見直されていては、公務労働者の生涯設計に大きな影響を及ぼすことになります。労働組合との合意なしに不利益変更を決めることは、公務員労働者の権利侵害であり、断じて認めることはできず、反対です。
 特別職給与法改正案では、内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官などの特別給引き上げとなっており、反対です。
 この間、一般職の職員は、給与制度の総合的見直しの実施により高齢層を中心に給与が引き下げられており、一方で総理大臣などの特別給を引き上げることは許せません。大臣の給与一部返納との整合性もとれません。
 一般職給与法改正案は、消費者物価指数の伸びを考慮すると不十分な水準ではありますが、実際に給与を引き上げるものであり、賛成します。
 なお、給与制度の総合的見直しで措置された現給保障制度が今年度で終了することにより、行(一)職員だけで一万八千六百六十二人の給与が月平均で五千五百円も下がります。我が党は、三年前の審議の際に、総合的見直しの問題点を厳しく指摘し、反対をいたしました。
 賃下げ回避措置の実施、給与の地域間格差の解消と高齢層職員の職務に見合った賃金水準の確保こそ必要だと申し述べ、討論を終わります。