国会質問

<第196通常国会 2018年04月13日 内閣委員会 10号>




○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、菅官房長官、お尋ねいたします。
 加計学園に係る愛媛県側の、柳瀬氏また藤原氏の面談記録の話ですけれども、愛媛県側はこの文書を認めたところであります。この旨、各役所に届けた、置いてきたという報道がありました。そのことについて、官房長官として確認させると。記者会見でもそういう説明をされ、この委員会でもおとといお答えになりました。
 農水省からそういう文書が出てきたということを聞いておりますけれども、農水省でどういうものが出てきたのか。また、ほかの役所はどうだったのか。現時点でわかっていることについて、まず御報告いただけますか。

○菅国務大臣 農水省については、報道されているような内容のものでありました。
 また、ほかの役所については調査中でありますけれども、現時点にはないということです。

○塩川委員 農水省について、農水大臣も記者会見で述べております。
 平成二十七年五月に獣医師法などを担当する部局に異動した職員が前の担当者から引き継いで受け取り、そのまま保有していたということでありますけれども、愛媛県の文書と農水省で見つかった文書については、県の対応についての部分で記述が違うということはあるということですけれども、柳瀬氏、藤原氏との面会記録は同じだと。そういう点で、いわば県の方が用途に応じて文書を使い分けているということであるということがそこにも示されているわけですが、しかし、二人との面談の記録そのものは共通をしているわけですね。
 官房長官、お聞きしますけれども、やはり二〇一五年の四月の二日に愛媛県職員らが柳瀬氏、藤原氏に面会をした事実というのは、農水省から出てきた文書においても更に裏づけられている、この事実は否定できないんじゃないですか。

○菅国務大臣 四月二日の事実関係については、昨年夏の閉会中審査において、既に国会の場で柳瀬元秘書官から答弁があったとおりであります。
 愛媛県が作成した文書、この評価について、政府としてはコメントする立場にないというふうに思います。
 いずれにしろ、政府としては、今後とも国民の疑念を招くことがないように、文書の正確性の確保、そのために努めてまいりたいと思います。

○塩川委員 コメントする立場にないというその答弁そのものが国民の疑念を招いているんですよ。国民の疑念を招かないようにするのであれば、この事実関係をきちっとただす必要がある。愛媛県側はこういう文書があるということを認め、実際、そういう文書というのが国の機関からも出てきたわけですから。
 この柳瀬氏の、記憶をたどる限りお会いしたことはございませんなんて、こんな一言で済むような話じゃないんですよ。こういったことについて、もともと、内閣官房にいた、そういった職員であるわけですから、その当時の首相秘書官としてのやりとりについて、当時の官房長官だった菅さんはしっかりと明らかにする責任というのは当然あるんじゃないですか。直接問いただす、そういうことをやはり官房長官としてやるべきじゃありませんか。

○菅国務大臣 愛媛県の文書に関する報道についても、柳瀬氏自身が、そうした発言をすることはあり得ないとのコメントを既に発出をいたしております。
 愛媛県が作成した文書の評価について、備忘録ということでありますけれども、国としてそこについてコメントする立場にないということは当然のことじゃないでしょうか。

○塩川委員 いや、農水省に届いているわけですよ。そういう要請として、県が来たということじゃないですか。そのことについて国側の対応がどうだったかということを改めて明らかにするというのが、農水省から文書が出てきた時点で問われているんじゃないですか。国側の、政府側の対応はどうだったのか。そのことについて明らかにする、そういう挙証責任が国の側にあるということが、文書の発見によって明らかじゃありませんか。

○菅国務大臣 今申し上げましたけれども、当該文書を農水省で受け取った経緯だとか、その後の文書の扱いなどについて、これについては承知をしておりません。
 いずれにしろ、愛媛県の職員が作成したと考えられる文書であり、その内容についてコメントすることは、そこは控えたいと思います。

○塩川委員 そういう姿勢というのが国民の疑念を招いている、一層国民の怒りを買っているということを正面から受けとめるべきです。
 真相解明のためにも私は参考人として柳瀬氏、藤原氏の要求をしましたけれども、かなえられておりません。引き続き要求すると同時に、やはりしっかりと事の次第を明らかにする上でも、このお二人の証人喚問というのは欠かせないと改めて要求したいと思います。
 そこで、こういった文書の問題に関連して、オスプレイを含む危険な米軍機飛行の実態を隠蔽しようとする動きについて取り上げたい。
 米軍横田基地へのオスプレイ配備について、二〇二〇年とされていたものが前倒しでこの四月に配備をされることになりました。墜落事故を繰り返すオスプレイの横田基地配備に不安と怒りの声が広がっています。
 日本政府は、三月の十六日に米軍からオスプレイの横田基地配備の通報を受けていたにもかかわらず、公表したのは四月の三日でした。政府は、米側からは公表に向けて調整が整うまでの間は日本側からの公表を控えるよう要請されていた、運用上の安全の問題もあるので四月の三日の公表となったなどと説明していますが、国民の安全よりも米軍のオスプレイの安全を優先するような、全く逆立ちした対応であります。国民が怒っているときに政府の都合を優先して、事実を隠そう、隠蔽しようという姿勢は断じて許されません。オスプレイ配備は撤回をすべきであります。
 さらに、オスプレイを含む米軍機の飛行に係る情報の開示が後退させられているという実態を指摘するものです。
 資料をお配りしております。これは、防衛省が作成をしたもので、上と下、二つありますけれども、上側の米軍機の飛行に係る苦情等受付状況表ということで、住民の方々から米軍機の飛行にかかわるような苦情を受け付けた場合に、そのことを記録をし、米側に対応を求める、その際に飛行の実態の回答を求める、こういうことを記録をした米軍機の飛行に係る苦情等受付状況表、これが昨年の七月まで行われていたんですが、下側の地方防衛局に寄せられた航空機騒音苦情一覧、八月以降はこうなっておりますけれども、この記載というのが大きく変更されております。
 防衛省にお尋ねをいたします。
 北関東防衛局が集計しましたこの上側の平成二十九年三月分の米軍機の飛行に係る苦情等受付状況表ですけれども、埼玉県内各地でオスプレイ飛行の苦情が、上から三つ、右の方から二つ目の欄、「苦情等の内容」にオスプレイの飛行が書かれておりますけれども、このようなオスプレイ飛行の苦情の受け付け状況です。
 防衛省は、住民のオスプレイ飛行についての苦情を受け付けた際に、米軍に対して米軍機かどうかの確認を求め、その回答をもらってきたんじゃありませんか。

○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、防衛省は、これまで、関係地方自治体等から米軍機の飛行が原因と思われる苦情等を受けた場合には、米軍に対し、飛行の有無などを照会してきたところです。照会の上、回答が得られたものにつきましては、御指摘のとおり、資料に記載しておりました。
 しかしながら、米軍は、昨年八月以降、個別の米軍機の飛行の有無などについては、運用上の理由等から原則として逐一明らかにしないとして、照会に対する回答が得られなくなったところでございます。
 そのため、我々防衛省といたしましては、昨年八月以降に受けた苦情等については、自衛隊内でまず確認をし、自衛隊機の飛行の該当がない苦情については、米軍機、民航機又はその他の航空機の飛行によるものと思われる苦情等として集計することとしました。
 様式の変更について御指摘がありましたが、こうしたこととなりましたので、地方防衛局から報告させる様式も、米軍の照会、ここは米軍が答えないと言明をしたということもありましたので、これを除いた形にしたということでございます。
 ただし、これは昨年の秋の時点では試行ということで実施をいたしました。
 その上で、米軍に対しては、当該集計表を通知した上で、これらの苦情等に配慮し、住民の方々に与える影響を最小限にとどめるように求めているところでございます。
 いずれにいたしましても、防衛省としては、米軍機の可能性がある地元の方々から寄せられた苦情などにつきましては、米軍に伝え、地元の方々の生活に与える影響を最小限にとどめるよう求める方針には何ら変更はございません。

○塩川委員 極めて重大ですよ。今までは米軍から回答を求めて実際に回答もとってきた。実際には答えなかったものもあるということでありますけれども。
 要するに、米軍機が低空飛行している。それこそ、空中一回転をするような、爆音が地面に響き渡るような、そんな米軍機の騒音被害というのは各地で繰り返されているわけで、そういった実態についてやめてほしいと。群馬県なんかでは、県立高校の入試の日に爆音を響かせて飛んでいるためにヒアリングのテストがもう台なしになったと県を挙げて怒っていた、こういう実態なんかがあるんですよ。
 そういったことについて、米軍かどうか回答を求めるのは当然であるわけで、それについて、米側から、もう回答しないよと言うので、ああ、そうですかと。そんなことで、日本の国民の声を踏まえた防衛省の対応が務まるのか。こんな米軍の対応を防衛省は容認するんですか。

○深山政府参考人 繰り返しになりますが、また、先生御指摘のとおり、今、入試の際の米軍機と思われる騒音についての苦情について御指摘がありましたが、我々といたしましても、群馬県のみならず、そうした苦情は多々聞いておるところであり、そのたびに米軍に対して対処を求めているところでございます。
 一方、本件につきましても、我々は、それで従うのかという御指摘がありましたけれども、米軍に対して引き続き回答するように求めたところでございますけれども、米軍の回答はこうしたものでございます。
 私どもは、さはさりながら、回答が得られなくても、いかなる苦情があったか、それは集計して、まとめて、先ほど申し上げましたように、米軍にも伝え対処を求めますし、また、資料をお出ししておりますけれども、お求めがあれば、こうした苦情があったということは当然お出しするということに姿勢は変わりありません。
 いずれにしても、米軍の可能性があるものについては、米軍に申し入れて対処してまいりたいと考えております。

○塩川委員 住民の苦情を米軍に届けるのは当たり前の話なんですよ。そのときに、やめてくれ、これを改めよということについてきちっと是正を行うためにも、米軍機かどうかの確認をしなきゃできないじゃないですか。それをやらないと。
 大体、日本の国土で、日本の国民が生活をしているところに爆音を響かせて米軍機が飛んで回るのに対して、それをやめさせる、その前提としての米軍機かどうかの確認もできないということ自身がおかしいじゃないですか。
 官房長官は、沖縄の基地負担軽減の担当でもあります。沖縄も深刻な実態であります。日本全国、こういった米軍機の訓練による被害というのがまかり通っているんですよ。そんなときに、米軍からの回答は今まであったのに、米軍の運用上の都合でということでもう回答しません、ああ、そうですか、わかりましたと。こんな対応で国民の声を代弁することができるのか、国民の要求をしっかりと踏まえる日本政府としての役割を果たせるのか、そのことがまさに問われていると思いますが、官房長官、ぜひお答えください。

○菅国務大臣 米軍機の運用等によって地元の皆さんの生活に与える影響を最小限にとどめるように取り組むということは、これは当然のことだというふうに思っています。また、寄せられたさまざまな苦情等についてはしっかり対応していかなきゃならないと考えています。
 引き続き、米軍機の飛行による住民等からの苦情等について、確実に米軍に伝達をして、今後の飛行運用への配慮を求めるなど、防衛省にしっかり対応させたいというふうに思います。

○塩川委員 私が尋ねているのは、米軍機かどうかの確認はしないのかと。確認をしない、米軍機として米軍側が回答しないということをそのまま放置をするのか、そこが問われているんですよ。
 その点どうですか。

○深山政府参考人 私どもも昨年夏までは回答が得られてきたということは先生にも申し上げましたし、表としてまとめたとおりです。ただ、今申し上げましたとおり、その後は明らかにできないという回答が来ているということも事実であります。
 ただ、その上で、きょう御指摘になりましたので、私からも再度、在日米軍に対しまして、この確認を求めたいと考えております。
 以上です。
○塩川委員 当然ですよ。しっかりと回答を求めて、回答させるということは、最低限の行うべき仕事です。
 米軍機の危険な訓練実態を隠蔽しようとするような話であり、住民の生活、安全よりも米軍の都合を優先する、こういった米軍機の横暴、勝手な訓練飛行を放置することは断じて許されないわけで、米軍機の危険な訓練飛行をきっぱりとやめさせる、沖縄や横田や、そして、日本全国でのオスプレイの配備は撤回をする、このことを強く求めて、質問を終わります。