衆議院議長の中国親善訪問議員団・2日目

 大島衆議院議長訪中団2日目。王晨全人代常務委員会副委員長との会見。

 今年は日中平和友好条約40周年。議会間交流を豊富で稔りあるものにすることを確認。この間、衆議院と全人代は、日中議会交流委員会を重ね、今年で10回目となります。昨年の会合の中国側団長が王晨副委員長でした。私も3回連続で出席していますが、回を重ねるごとに、相互理解を深める機会となっています。

 環境保護団体が行政訴訟を起こせるなど、中国の環境規制の進展を実感したり、日本のカジノ推進法について中国側から質問が出て、日本側から賛否両論の意見表明を行うなど、活発な議論になっています。

 李克強首相と会談で、北京・中南海の会見場へ。

 大島衆院議長と李克強首相との会見。西日本豪雨災害、中国南部の水害と、それぞれの被災について、お見舞いの言葉が交わされました。

 日中平和友好条約40周年にあたって、恒久的な平和の実現について交流しました。

 中国社会科学院との懇談会。中国における社会科学分野の最高学術機構とされる政府系シンクタンクです。

 社会科学院の研究者は、朝鮮半島情勢について「高い関心を持っている。朝鮮半島の非核化、半島の平和構築、平和的な解決が必要。非核化のプロセスが穏やかに進むことを望む。北東アジアは”生きている化石”。課題は核問題だけではない。しかし今、構造的な変化が起きている。ただしプロセスは長期になる」と述べていたのが印象的でした。

 大島衆院議長と栗戦書・全人代常務委員会委員長(中国の国会議長)の会談。

 栗委員長は、日本軍国主義が引き起こした戦争の時代を振り返ることで、平和、友好の大切さがわかると指摘。大島議長は「先の大戦への深刻なる反省とおわびをもって、未来に向かっていきたい」と応えました。

 栗委員長は、日中の議会について、ハイレベルの交流とともに、専門委員会や議員間の交流を拡大したいと述べ、大島議長は栗委員長の訪日を招請しました。

 横井駐中国大使公邸で、日本企業関係者と懇談。

 「中国のカントリーリスクについて、どう受け止めているか」との質問に、「反腐敗運動で、袖の下の要求は激減した。知的財産権侵害の問題も、今や中国自身が守るべき知的財産権が増えているので、中国側も知的財産権を重視している」と説明。

 中国人が北海道の水源林を買い占めているといった話については「悪意をもった土地、不動産の買収という例はない」と回答。

 横井大使は「日本の技術への再評価や訪日観光客の増加によって、中国の対日観は変わってきている」と述べていました。