統計不正問題野党合同ヒアリング/トカゲの尻尾切りは許せない

 統計不正問題野党合同ヒアリングに参加。

 特別監察委員会が行った厚労省幹部へのヒアリングについて、先日の厚労委員会では有識者が37人中、20人実施したと根本大臣が答弁したのは間違いで、実際にはわずか12人だけだったことが明らかになりました。第三者機関による調査などとはとても言えません。

 実際、ヒアリングには厚労省ナンバー2の厚労審議官や官房長が同席していたのでは、正直に語ることは困難です。このヒアリングとは、真相究明の場ではなく、この事件を早く店じまいするために関係者の処分を決める場だったというのが実態です。トカゲの尻尾切りでお茶を濁すわけにはいきません。


実質賃金/マイナスの可能性も/統計不正/野党合同ヒアリング

「しんぶん赤旗」1月30日付・2面より

 毎月勤労統計不正に関する野党合同ヒアリングが29日、国会内で開かれました。厚生労働省の担当者は、昨年の実質賃金が実際はマイナスになる可能性があることを否定しませんでした。

 勤労統計は2004年に不正な方法での調査を開始。18年1月には、実態に近づけるデータ補正をひそかに始めた上、企業の抽出方法など調査方法を変更しました。

 抽出企業を変更すると数値に変化が生じるため、変更しなかった「共通事業所」だけで「参考値」を算出しています。総務省の統計委員会や厚労省は「景気指標としての賃金変化率は、『共通事業所』による前年同月比(参考値)を重視していく」としています。18年の参考値はこれまで公表していた値を下回ります。公表値が2・8%と異例の高水準だった6月でも1・4%です。

 野党側は、参考値を基に実質賃金を試算すると、1~11月のうち9カ月がマイナスで、通年でもマイナスになる可能性が高いと指摘。厚労省の担当者は「公表値は指数化していて、そのまま比較はできない」などとしつつ、マイナスになる可能性を否定しませんでした。

 野党側からは、事実であれば「ちょっとぶれたどころじゃない」(国民民主党・山井和則衆院議員)などの厳しい指摘が相次ぎました。

 厚労省は、特別監察委員会の調査についても資料を提出。有識者がヒアリングした厚労省幹部の人数を、24日の閉会中審査で答弁した20人から12人に訂正しました。大半は厚生労働審議官や官房長が同席。委員によるヒアリングとされている場合も、職員がメモを取るなどで同席しており、厚労省による内部調査だったことがあらためて浮き彫りになりました。