勤労統計の賃金データが大幅に伸びるきっかけとなったのが、2015年10月の経済財政諮問会議の麻生発言でした。当時、アベノミクスが掲げてきた賃上げ効果を疑わせる統計データが出たことが背景にあります。
それまで厚労省で行っていた勤労統計見直しの議論が中断され、経済財政諮問会議主導で方針が決められたのです。
今日のヒアリングでは、厚労省の検討会の4回目から6回目の議事録が公表されていないことが問題になりました。麻生発言の直前の厚労省の検討会の議事録の作成が済んでいないというのです。4年も前の会議の議事録が出ていないのは異常です。議事録の提出を強く求めました。
紛失資料は一部のみ/勤労統計/野党合同ヒアリング
「しんぶん赤旗」2月1日付・2面より
毎月勤労統計不正「賃金偽装」に関わり31日に開かれた野党合同ヒアリングで、厚生労働省が紛失したとしている2004~11年の調査資料で見つからないのは一部のみだったことが分かりました。厚労省はこれまで、調査資料を廃棄・紛失したため「04~11年の再集計は困難」としてきました。
立憲民主党の長妻昭代表代行が、30日の総務省統計委員会の会合での厚労省の説明を指摘しました。それによると、勤労統計は当時、調査対象企業を2~3年に1度、総入れ替えしていましたが、入れ替えの際、新旧の調査対象が重なる期間が1カ月あり、紛失したのはこの1カ月間のものだといいます。
こうした長妻氏の指摘を、総務省の担当者は「おっしゃる通り」と認めました。
野党側はさらに、18年に企業の抽出方法が変更された経緯に関わり、15年の「毎月勤労統計の改善に関する検討会」の議事録の提出を求めました。厚労省の担当者は、4年前の議事録が案のまま、いまだ公表されていないと発言。野党側は、案のまま提出するよう求めました。