【本会議】参院特定枠関連歳費法が成立/二重三重の党利党略と反対討論

 参院比例代表選挙の特定枠導入に関連し、参院議員が歳費を自主返納できるとする歳費法案が、衆院本会議で、自民・公明・国民民主など各党の賛成で可決・成立しました。日本共産党、立憲民主党などは反対しました。

 私は、反対討論で、この間の参院選挙制度改革で、自民党が2012年に「4増4減」で2015年に「2合区10増10減」で抜本改革を先送りし、15年改定の附則には「抜本的見直しについて、必ず結論を得る」としていたにも関わらず、昨年の改定で、自民党が「憲法改正こそが抜本的な改正だ」と開き直ったことを指摘。抜本改革を棚上げするだけでなく、改憲の口実に使おうとするなど、自民党の党利党略そのものだ、と批判しました。

 また、昨年の改定で、非拘束名簿式の参院比例代表に「優先的に当選となる特定枠」制度を持ち込んだ理由を「国政上有為な人材」を当選しやすくするとしていたが、今回の審議で自民党提案者が「合区で、選挙区の候補者とならなかった者を特定枠にする」と答えた。まさに、党利党略で、選挙制度をかえたことは明白だ。

 こうしたやり方に対する国民の批判をかわそうとして、自民・公明両党が持ち出した参院議員歳費削減がとん挫すると、今度は歳費を自主返納できるとする今回の法案を出すやり方も党利党略だ。徹頭徹尾、二重三重の党利党略の本法案は断じて認められない。

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「議事録」

<第198通常国会 2019年06月18日 本会議 30号>

○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表し、自民、公明両党など提出の参院比例特定枠関連歳費法案に反対の討論を行います。(拍手)
 本案は、参院選挙制度改革に端を発したものです。二〇〇九年の最高裁判決が投票価値の平等のため仕組み自体の見直しを提起したことを受け、各党による議論を重ねてきました。
 我が党は、選挙制度を抜本的に見直し、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心とした選挙制度にすべきと提起し、合意を形成する努力を続けました。ところが、自民党は、二〇一二年に四増四減で先送りし、二〇一五年は二合区十増十減で糊塗したのであります。
 一五年改定の附則には、抜本的な見直しについて、「必ず結論を得るものとする。」と明記されていました。しかし、昨年の参議院選挙制度法案の審議において、自民党は、この法案は次善の策だ、憲法改正こそが抜本的な改正だなどと開き直ったのであります。
 最高裁判決が求めたのは投票価値の平等であって、憲法改正ではありません。抜本改革を棚上げするだけでなく、改憲の口実に使おうとするなど、自民党の党利党略そのものではありませんか。
 昨年の改定でとりわけ重大なことは、非拘束名簿式の比例代表選挙に、優先的に当選となる特定枠制度を持ち込んだことです。趣旨説明で自民党は、国政上有為な人材、政党が役割を果たす上で必要な人材を当選しやすくすることが目的だと言いました。ところが、実際は、昨日の私の質問に対し、自民党提案者が、鳥取、島根合区と高知、徳島合区で選挙区の候補者にならなかった者を特定枠にすると答弁をしました。合区によって選挙区から立候補できない自民党の議員、候補者を救済するということではありませんか。
 まさに党利党略で選挙制度を変えたことは明白であります。到底国民の理解を得られるものではありません。
 こうしたやり方に対する国民の批判をかわそうとして、自民、公明両党は、参議院議員の歳費削減を持ち出し、これが頓挫するや、今度は、歳費を自主返納できるとする法案を出してきたのであります。これも党利党略でしかありません。
 徹頭徹尾、二重三重の党利党略である本案は断じて認められないと申し上げ、討論を終わります。(拍手)